「ヒマワリ」と言えば、背丈が2m近くあり、直径30cmくらいの大きな花を咲かせる植物と言うイメージがあるかと思います。
私自身も小学生の時、学校の花壇で大きなヒマワリを育てた記憶が今でも残っています。
夏の暑さに負けずに咲き誇るヒマワリは、まさに夏を代表するガーデンプランツですよね!
ただ、現代の日本の家庭事情を考えると、背丈が2m近くなるようなヒマワリは、ベランダや玄関先の鉢植えではなかなか育てる事ができません。
我が家もそうですが、「大きなヒマワリを咲かせてみたい」という願望はあっても、それが出来ない栽培環境があります。
しかし、近年ではヒマワリの品種改良も進み、特に小さな鉢で育てられる多花性のヒマワリが大人気となっています。
本記事では、そんな人気の多花性ヒマワリの中で「アポロン」という品種を育ててみたレポートを紹介していきたいと思います。
植え付け方法や日々の管理方法、そして成長の記録を詳細に記載していきます。
これからアポロンを育ててみようと思っている方に、少しでも御参考になれば幸いです。
【注意点】本記事の内容は、筆者が育てた「アポロン」の栽培記録となります。植物の育成は、株の状態や栽培環境に大きく依存するため、同じような結果が得られない可能性もあります。そのため、あくまでも参考例としてお考えいただけましたら幸いです。
多花性ヒマワリ「アポロン」について
まず最初に、アポロンについて少し御紹介しておきたいと思います。
アポロンは、FSブルーム株式会社が親会社のフマキラー株式会社が所有する園芸ブランド「カダン」の下で発売した新品種のヒマワリとなります。
2022年5月13日にFSブルーム株式会社から発表されました。⇒ FSブルーム株式会社のHPへ
2022年5月から発売が開始されるということでしたが、私自身は5月末に近くの園芸店で購入することができました。
下の写真がアポロンの苗になりますが、とても可愛い専用の10.5cmの鉢に植え付けられた苗となっていました。
このアポロン、上記のHPでの発表の時点から、とても注目していたヒマワリになります。
というのも …「霜が降りるまで無数に咲き続ける驚異的なひまわり」という説明文があり、実際にFSブルーム株式会社の研究施設では12月までの開花し、咲き始めから終花までに1000輪を超える開花数が確認されたと…。
これは、連続開花に相当期待が持てるヒマワリであると確信し、一株購入して育てて見ることにしました。
ひとつ前の記事で紹介した多花性ヒマワリの「サンビリーバブル」と同様に、多くのヒマワリが楽しめる … そんな品種となりますね。
アポロンの植え付けと日々の管理方法
それでは、早速、アポロンの植え付けから始めて行きます。
FSブルーム株式会社のHPを見ると、アポロンは大きな株に成長するということなのですが、我が家ではあまり大きな鉢は用意できないので、下の写真の通り7号鉢で育てて見ることにしました。
培養土は、ホームセンターで販売されている一般的な培養土です。元肥としてマグァンプを規定量混ぜ込みました。
そして、ポットからアポロンを取り出して根を確認してみると、次の写真の様にとても立派な根が張っていることがわかります。10.5cmのポットで販売されていましたが、とても窮屈だったのではないかと思えますね。
これは、今後の成長に期待が持てるような状態かと。
植え付けが完了した状態が次の写真です。
ここから、どれくらい立派な株に育ってくれるのか楽しみです!
日照条件としては、直射日光が午前8時から午後15時まであたる場所で管理します。
成長力が旺盛だと思いますので、置き肥に加えて液肥を週に1度与えていきました。(液肥は規定濃度よりも2倍薄くしたものです。)
摘蕾や切り戻しなどはなるべく行わず、基本的には花がら摘みだけを行って管理していこうと思います。
植え付けから2週間後のアポロンの様子
植付けから2週間後のアポロンの様子が下の写真となります。
植付けの際に白根が強く張っていたことから、「直ぐに大きくなるんだろうなぁ … 」と予想していましたが、本当に成長力が凄い … 。
あっという間に大きく成長していき、2週間の時点で鉢からはみ出すような大きさになりました。
この時点で枝の先には蕾も顔を出しており、順調に花の準備が進んでいることもわかります。
植付けから2週間の時点 (6月半ば) でこれだけの大きさです … 夏本番を迎えるころには、どれだけ大きくなるのでしょうか?
鉢のサイズが7号鉢なので、それ相応の株サイズになるのだと思いますが、地植えにしたらとてつもないことになりそうな … そんな予感がします。
植え付けから24日後に最初の開花を確認
植え付けを行ってから24日目で最初の開花を確認しました。下の写真がその様子です。
また、最初の花が咲くころになると、次々に新たな蕾が顔を出して、あっという間に開花が進みそうな感じが出てきています。
最初の花が開花したすぐ後になりますが、次々と花を咲かせて、7月中旬に開花の最盛期を迎えてきました。(次の写真参照)
植え付けから2カ月で切り戻しを実施 ⇒ 10日後に開花が再開
ここまでの栽培記録をみていただければわかると思いますが、アポロンはとても生育旺盛なヒマワリと言えます。
約2カ月の栽培を経ると、次の写真の様に、暴れるように育った状態になってしまいました。
横幅が約80cm、背丈も約80cmです。
玄関前で育てているため、とても邪魔な状態になってしまったため、切り戻しを実施することにしました。
本当は、上記の通り、アポロンが育ちたいように育てていく予定でしたが、あまりにも横幅が増えてきたため、思い切って切り戻しを実施しました。
下の写真が切り戻し直後の様子です。伸びていた茎を、概ね半分くらいの位置まで切り戻しました。
切り戻しを実施したのが8月初旬ですが、これだけ切っても、まだまだ切り足りないように思えます。
これから8月~10月まで育成期になるため、近いうちに再び株が大きく成長することでしょう … 。
そして、切り戻しを実施した10日後になりますが、次の写真の通り、再び開花が始まりました。
本当に凄い生命力です。
育ててわかったアポロンの特徴について
ここでは、実際に育てて分かった、アポロンの特徴について4点を紹介しておきたいと思います。
(実際に育ててみた筆者目線でのアポロンの特徴です。)
① 長い花首の先に花を付ける
まず最初の特徴は、花首が比較的長いということです。
下の写真の中にピンク色の矢印を記しましたが、株元から一気に伸びて来た茎の先端に蕾が付いていることがわかると思います。
このような長い茎を持つため、成長の仕方によっては株のバランスが少し悪くなってしまうことが考えられます。
長くなり過ぎたら、適宜切り戻しを行って株姿を整えてあげると良いかと思います。
上で紹介した通り、切り戻しても、直ぐに成長するので安心です。
② 茎にの途中からどんどん分岐して花を咲かせる
2つ目の特徴は、花を咲かせる茎がどんどん分岐していくことです。
次の写真の中で、青色の矢印で示した花がもっと早く咲いた花なのですが、この花が咲いた茎からピンク色の矢印で示した蕾が次々と発生しています。
このように、根元付近から元気な枝が伸びてくると、次々と枝が分岐して、分岐した先に必ず蕾が形成されるという特徴があります。
そのため、時間の経過と共に蕾の数がどんどん増えていきます。
そして、花は一斉に咲くのではなく、継続的に花が咲いている状態を維持してくれるという嬉しい特徴があります。
実際に、最初の花が咲いてから、アポロンの花が咲いていないという日はありませんでした (切り戻しを行った期間を除いて) 。
③ 花の容姿はオーソドックスなミニヒマワリ
3つ目は、アポロンの花の特徴ですが、オーソドックスなミニヒマワリという印象です。
下の写真が、アポロンの花の拡大写真となります。
鮮やかな濃い黄色の花弁に茶色の中央が可愛らしい姿です。
④ 水を吸い上げる量も凄い
4つ目の特徴ですが、アポロンは水を吸い上げる力が非常に強いです。
根の張りが強い事にも関係していると思いますが、培養土があっという間に乾いてしまいます。
8月の暑い時期ですが、7号~10号鉢のサイズですと、朝と晩の1日2回の水やりが必須です。
私の育てたアポロンの場合ですが、早朝に水を与えても、その日の午後14時~15時くらいには葉が萎れてきて水切れを起こしたような状態になりました。
そのため、1泊2日の旅行などで家を空けると、帰ってきた時にはアポロンが一部枯れてしまっているような状態になるかもしれません。自動給水や、鉢底に水を貯めておくなどの対応が必要です。
この記事の終わりに
この記事では、多花性ヒマワリの「アポロン」を実際に栽培した記録を紹介させていただきました。
近年は品種改良により、多くの花が咲くヒマワリが発表されておりますが、アポロンはその中でも特に「生育力」が強い品種だとわかりました。
根の張りが非常に強いことにより、地上部の茎や葉も力強く成長します。
そして、花の数も非常に多く、初夏から秋まで常に花が咲いている状態を維持してくれます。
その生育力の強さから、定期的な肥料や朝晩の水やりを欠かすことが出来ませんが、きちんとお世話をしてあげることで、それに反応するかのように花を楽しませてくれる … そんな品種だと感じます。
何度も言いますが、「広い花壇やお庭でアポロンを育てたら、どれだけ大きな株に成長するんだろう…」と率直な疑問を持っています。
もし、アポロンをお庭で育てたことがある方がいらっしゃいましたら、その様子をコメント欄で教えていただけると幸いです。
それでは!