ウツボガズラのウツボは何日で完成する?一例を紹介

皆さんは「ウツボガズラ」という植物をご存じですか?

園芸に詳しい方であれば、園芸店で見かけた方もいらっしゃるかと思います。

ウツボガズラは、ウツボのような筒を葉の先端に形成し、その中に昆虫を誘い込んで捕獲するという食虫植物になります。

そこまで聞くと「あぁ~その植物ね!」と気づく方が多いかと。

ポケモンに出てくるウツボットのモデルになった植物でもありますね。

そんなウツボガズラですが、葉の先端のウツボは、どのくらいの期間をかけて形成されるか … 御存じですか?!

ウツボガズラを育てていて、ふとしたときに疑問に思ったので、新しい葉が出たところから立派なウツボが形成されるまでに必要な時間を観察しながら調査してみました。

これからウツボガズラの栽培に挑戦する方や、同じ疑問を抱いた方に、少しでも参考になりましたら幸いです。

【注意】本記事の内容は、筆者の育てるウツボガズラを用いての観察となります。栽培条件によっては、結果が異なりますので御注意ください。あくまでも御参考としてお考え下さい。


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ウツボガズラの「ビカルカラタ」で確認

ウツボガズラと一言で言っても、多くの種類があります。

園芸店で比較的簡単に入手できるのは「ビカルカラタ」や「ペントリコサ」などになります。

この記事ではウツボガズラの代表的品種である「ビカルカラタ」を用いて、ウツボの形成されるまでの期間を調査してみたいと思います。

下の写真が今回の観察に用いた「ビカルカラタ」です。

ホームセンターで販売されているビカルカラタは、もっと大きな株であることが多く、一株3000円~4000円で販売されています。

しかし、今回のビカルカラタは、3号ポットで販売されていた小さな株を筆者が少し大きく育てた株となります。

栽培条件の詳細について

続いて栽培条件に付いて詳細を記載ます。

ウツボが形成されるまでの期間については、日照や水やり回数などが大きく影響すると思いますので、重要な情報になります。以下に記しておきます。

・観察期間: 2023年8月20日~2023年12月10日

・日照時間: 南向きの屋外で1日7時間程度は直射日光が当たる場所

・育成には水苔を使用

・水やり: 水苔の表面がパリパリに乾いたタイミングでたっぷりと。

・肥料: 1ヵ月に2度、規定倍数よりさらに2倍に希釈した液肥を与える。

・薬剤: 使用無し


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新葉が生え始めたところから観察をスタート!

それでは、ここからは、実際にウツボガズラのウツボが完成するまでの観察記録を紹介していきます。

今回の観察では、新しい葉が生え始めたところからウツボが完成するまでの期間を測定していくこととします。

下の写真に示す通り、黄色の矢印のところに新しい葉が生え始めているのがわかるかと思います。

少しわかりにくいかもしれませんが、ひょろっとした葉が生えています。

この新しい葉が成長していく姿を観察していきます。

この写真を撮影したのが2023年8月20日です。

30日後に葉が成長してウツボの一部が現れた!

観察開始から30日後になりますが、次の写真のように、葉が大きく育ちました。

このように、最初からウツボの形状が現れるのではなく、葉がしっかりと成長しきるところからはじまります。

そして、葉の先端をよく観察してみると、次の写真のようにウツボの赤ちゃんのような部分が形成されていることもわかりました。

現時点では、まだウツボになるとは思えません。

ただ、葉の先端が変形していく姿は、神秘的な感じがします。


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60日後には葉の先端に小さなウツボが形成される!

観察を始めてから60日後の様子が下の写真となります。

この写真で見てわかるように、もう葉の先端にはウツボの形状をしたものが形成されていますね。

葉の先端から少し長い蔓のようなものが伸び、その端部にウツボが作られています。

ウツボの蓋もしっかりと作られており、もう完成が近いような状況かと思われます。

110日後にウツボが完成(ウツボの成長がほぼ止まる)

観察を始めてから3か月以上が経ちました。

ウツボガズラのウツボはどのような形状になったのでしょうか?!

下の写真が110日後の様子となります。

立派なウツボが完成していますね!

上の写真は110日後の様子ですが、実際には約3か月 (=約90日) が経過した時点から、ウツボの成長がほぼなくなっておりました。

そのため、概ね90~100日程度でウツボが完成したということになるかと思います。

この時間を長いとみるか短いとみるか … 皆さんはどう思いますか?

私個人としては、想像していた成長速度と概ね一緒でした。

ウツボガズラは葉を増やしてウツボをどんどん作ります

上の観察記録では、1つのウツボに焦点を当てていたました。

そのため「3か月でウツボが一つしか形成されないのか…」と思われた方もいらっしゃるかと思います。

いや、そんなことはありません。

ウツボガズラは定期的に新しい葉を成長させるので、ウツボの数が増えるスピードは比較的速いです。

今回紹介した「ビカルカラタ」という品種ですが、夏の時期には約20日ごとに新しい葉が生え、その先端にウツボが形成されていきます。そのため、20日ごとに新しいウツボが増えていくようなイメージです。

ただ、気候や栽培条件の違いによって、ウツボの増えるスピードは変化しますので、あくまでも参考データです。

この記事の終わりに

この記事では食虫植物として有名なウツボガズラについて、ウツボがどのくらいの時間をかけて作られていくのかを観察した記録を紹介しました。

葉の先端にウツボが形成されるという神秘的な特徴を持つ植物ですが、夏から秋の温かい時期には、90日~100日程度でウツボが完成します。

今回の観察では、それほど大きな株のウツボガズラを用いなかったのですが、大きな株に成長したウツボガズラの場合には、ウツボの形成速度が速くなったりするのかもしれません。その点は、今後の観察でみていきたいなぁ~、と思っています。

ウツボガズラは、株が若い時 (=小さな時) には小さなウツボしか作れませんが、株が成熟してくると本当に立派なウツボを作るようになるので驚かされます。

ちょっと変わった植物を育ててみたい方にはウツボガズラはお勧めですし、ウツボガズラの観察は小中学校の自由研究などのネタにも良いかもしれませんね!

次はどんな食虫植物を育ててみようか … これから考えてみます。

それでは!

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