薔薇の新苗の育て方を実例で紹介 -1年間の栽培方法と注意点-

薔薇の栽培を始める時、薔薇の苗には「大苗」と「新苗」と呼ばれる2つの苗が販売されています。

大苗は、芽つぎや切り接ぎをした苗を1年の間、生産者さんが大切に育てて大きくなった苗のこと。新苗は前年の夏から秋にかけて芽つぎをした苗や、1月に切り接ぎして販売される若い苗を指します。

大苗は生産者さんの御努力により、丈夫に育っていることが特徴で、初心者でも安心して育てられる苗になります。それに対して、新苗は薔薇の赤ちゃんの様な苗になるので、一般的に栽培の難易度が上がる苗であると言われています。

しかし、新苗で始める薔薇の栽培は、薔薇の苗を小さな時から育てる事ができるため、薔薇栽培に必要な知識を多く身に付けることができるというメリットもあります。

この記事では、有名な薔薇品種の「シェエラザート」を実例に取り、薔薇を新苗で購入してから1年間の管理・栽培方法を詳細に説明させていただきます。この記事で紹介する方法は、薔薇の品種に依らず、ほぼ全ての品種の薔薇に応用できる内容です。

(冬の剪定作業は、2022年1月にアップデート予定です。)


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薔薇栽培を新苗で始めるメリットとは?

まず最初に、薔薇の栽培を新苗でスタートさせるメリットについて紹介したいと思います。

メリットの一つ目は苗の価格が安いことですね。

薔薇を大苗で購入すると、ブランドの品種であれば4,000円から5,000円の価格が一般的です。高価な品種は、さらに高い値段の場合もあります。

それに対して、新苗であれば同じ品種でも2,000円から3,000円くらいで入手することができます。お安いものは1,000円以下でホームセンターでも入手できます。

「高々1,000円か2,000円ですか!?」と思われるかもしれませんが、薔薇の苗は一株当たりが高価なので、多くの品種を揃えようとすると、結構大きな差額になります。

しかし、価格だけがメリットではありません。

二つ目のメリットは、新苗で薔薇を栽培した方が、薔薇の栽培の基礎を身に付けやすいという点です。

薔薇は新苗であっても、適切な鉢に植替えて、肥料と水を与えておけば他に何もしなくても花を咲かせてくれます。

しかし、新苗の薔薇を早く大きく立派に成長させるには、蕾を摘心をしたり、芽かきを行ったり、適切な剪定を行ったり…多くのお世話が必要になります。

薔薇の新苗は、薔薇の赤ちゃんのような存在になるため、大苗よりも育てるのに手間がかかります。

購入してすぐの時は株の成長に養分を使わせるため花を咲かせることはお勧めできませんし、ベーサルシュートのピンチ処理なども必要になってきます。

それらの各種のお世話を経験することで、薔薇の栽培に必要な知識は概ね吸収することができます。

ですので、私自身は初心者であっても新苗から薔薇の栽培を始めることをお勧めします。

春 (4月から5月) の新苗の育て方

薔薇の新苗は基本的に3月の下旬から店頭での販売が開始されます。

そのため、新苗の栽培は基本的に4月からスタートすることになります。

ここでは、4月の新苗の栽培で重要な「植替え方法」と「接ぎ木から出てくる新芽の重要性」についてお話します。

新苗を購入したら直ぐに一回り大きな鉢に植替える

店頭に並ぶ薔薇の新苗は、上記の通り、薔薇の赤ちゃんの様な状態になります。

そのため、販売用のポットもとても小さなものが使用されています。

下の写真が実際のシェエラザートの新苗ですが、4号ポットくらいの小さなプラスチック鉢で販売されています。

しかし、新苗は小さな苗と思われがちですが、実は地中の根はかなりしっかりと張っており、小さな販売用ポットでは窮屈な状態になっていることが多いです。

新苗の健全な成長は、しっかりと根を張らせてあげることが重要になるので、販売用の小さなポットは新苗の栽培に適しません。そのため、一回り大きな6号鉢や7号鉢に植替えて栽培をすることとなります。

実際に販売用ポットから苗を抜いた時の写真が次の写真になりますが、白く元気な根がびっしりと生えてきていることが分かります。

白い根は薔薇がしっかりと活動をしている証拠になります。活動している状態の根を切ってしまうと、地上部の茎や葉に何らかの影響が出てしまう事があります (例えば、一時的な育成不良など)。

そのため、白い根が出ている場合には根を触らず、根鉢の土もそのままの状態で新しい鉢に植え付けを行うようにします。

この新苗を7号鉢に植え付けたのが次の写真になります。

薔薇は大きく育つので、10号鉢以上の鉢に直接植えてしまった方が良いと思われるかもしれません。

しかし、株の大きさに対して大きすぎる鉢は、薔薇の栽培では逆効果になります。鉢が大きすぎると土の量が多くなり、土の乾湿が付きにくくなるので、根が健全に成長しません。大きすぎる鉢は根腐れの原因も孕んでいるので、鉢のサイズは徐々に大きくしていきましょう!

また、新苗を購入した際には、上の写真の様に支柱で接ぎ木部分が支えられている状態になります。

この支柱は外してしまっても問題無いのですが、新苗の植え付けを行う春の時期は、強風が吹くことが多い季節でもあるので、できれば夏くらいまでは支柱は残しておいた方が無難です。

接ぎ木の部分はしっかりと接合さえていると思いますが、少し力が加わると折れてしまうことがあります。

夏を過ぎるころには、薔薇の株元にクラウンが成長して丈夫になってくるので、それまでは支柱は使用するようにします。

肥料が一定に効く置き肥と活力剤を併用する

植替えを行った後は、根を成長させることに重点を置いて管理を行います。

根がしっかりと育たないと、地上部の茎や葉を展開させることができません。

そのため、強い肥料は必要ないですが、常に一定量の肥料分が供給できる緩効性の置き肥を使い、肥料を切らさないようにします。

また、根を成長させるために「活力剤」を定期的に使用してあげることも効果的です。有名な活力剤としては「メネデール」や「リキダス」がありますね。

楽天市場 メネデール

接ぎ木から出てきた新芽を大事に育てて株を充実させる

新苗の植替えが完了して暫くすると、下の写真に示すように接ぎ木の枝から新しい新芽が元気に芽吹いてきます。

新苗は葉の数が少ないのですが、この新芽が成長して新しい葉を展開してくれるようになります。

この新しい枝と葉が成長してくると、株が光合成を十分に行えるようになります。

新苗にとっては、この新芽の成長こそが光合成の担い手になるので、この新芽は折れてしまわないように大事に育てていくことが重要になります。

5月以降に株元から新しいベーサルシュート (新梢) が出てくるか否かは、この新しい芽による光合成にかかっていると言っても過言ではないので、この新しい芽は大切にしてくださいね。

植付けが成功すれば新芽が元気に成長する

新苗の植え付けが上手くできていると、薔薇の新苗はぐんぐん新芽を成長させていきます。

新芽が成長していくということは、根もしっかりと張ってきている証拠ですので、新芽がしっかりと成長すれば植え付けは問題無く済んだと言って良いかと思います。

下の写真は、植え付けから10日後のシェエラザートの様子ですが、植え付けの時よりも新芽が確実に伸びていることがわかります。

蕾が形成されたら全て摘心して株の成長を促進しましょう

新苗も薔薇です。

大苗と同じように、春には花を開花させようと、蕾を形成してくれます。

しかし、薔薇は花を開花させるために多くの養分とエネルギーを使ってしまうため、花を咲かせた分だけ株の成長が遅くなってしまいます。

春から初夏の新苗栽培で重要な事は、早く新しいベーサルシュート (新梢) を株元から出させることです。

ベーサルシュートは、その年の秋以降の開花を担う大事な枝になるので、ベーサルシュートの発生を促進するためにも、春の蕾は摘心していきましょう。

下の写真は新苗に蕾が形成された様子ですが、蕾をつまんで折ると簡単に蕾が除去できます。

春の新苗は、この摘心の作業を繰り返し行って、枝の数と葉の数を増やすことに専念しましょう!

薔薇が頑張って蕾を付けてくれているのに、その蕾を除去するのは心が痛みますが、全ては秋の開花とそれ以降の株の成長のためです!

蕾は大きくなってから除去するよりも、小さな状態で除去したほうが良いです。

蕾が大きくなってからだと、それだけ蕾に余分なエネルギーが行ってしまっている状態なので、蕾は発見したら随時除去するように心掛けます。

摘心後の脇芽の処理について

蕾を摘心すると、必ず1段下または2段下の発芽点から脇芽が伸びてきます。

下の写真の様に、赤矢印の部分が摘心した蕾があった部分、摘心から数日経ってオレンジ色の矢印の部分から脇芽が出てきています。

「この脇芽をどう処理したらよいのか?」という疑問をお持ちの方が多いと聞きます。

答えとしては「成長させてOK!」というのが私の考えです。

新苗の薔薇は、とにかく葉を増やして光合成をたくさん行い、株を充実させることが第一優先の管理方法です。

この脇芽も時間が経てば茎を出し葉を展開させてくると思われます。

もし、脇芽から新たに蕾が出てきてしまったら蕾の摘心が必要ですが、蕾が出て来なければ葉を増やす意味でも脇芽を成長させて良いかと思います。

ただし、株の高い位置にある脇芽を成長させると、頭でっかちになって、茎の重心が上部に移ってしまいます。

そうなると、大事な枝が強風で折れてしまうこともあります。

株のバランスを見て、風で不安定になるようであれば、脇芽を除去するという選択もあります。

この脇芽を除去してしまったからと言って、新苗が枯れるようなことはありません。


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初夏 (5月後半から6月) の新苗の育て方

5月後半から6月の新苗の育て方は、基本的に発生した蕾を摘心していく作業を続けていくことになります。

そして、それに加えて薔薇栽培で非常に重要な作業が待っています。

それがベーサルシュート (新梢) の発生と、その処置です。

ベーサルシュートを上手に育てる事で、今年の秋以降の花数が左右されると言っても過言ではありません。

とても重要な作業になるので、必ず実践するようにして下さいね!

ベーサルシュートの発生とその成長過程

薔薇の1番花が終わる時期 (5月後半) に合わせて、新苗にも大きな動きが始まります。

そうです、新しいベーサルシュート (新梢) の発生時期となります。

薔薇の株元から元気よく伸びる新しく太い枝をベーサルシュートと言いますが、5月から6月の期間が最もよく発生する時期になります。

私自身、長く薔薇の栽培を趣味にしていますが、私の育てている薔薇達も5月後半から6月が最もベーサルシュートが発生する時期です。

下の写真の様に、株元の接ぎ木部分に近い所から新しい芽が出てきます。少し分かりにくいかもしれませんが、写真の中の黄色の矢印がある部分に、小さな芽が出てきています。

このような芽が株元に近い部分に見えたら、ベーサルシュートが発生する前兆になります。とてもデリケートな部分でもあるので、この部分は触らないようにしましょう。間違っても芽をつぶしてしまわないでくださいね。

この写真を撮影したさらに2日後の写真が次のものになります。ベーサルシュートの枝がしっかりと伸びてきていることが分かりますね。

また、ベーサルシュートの近くには「サイドシュート」の発生も確認されました。サイドシュートは、既存の枝の根元に近い部分から出てくる太い新梢の事を示しますが、これもこの株の将来を担う大事な枝になります。

摘心によって花を咲かせない状態になっているので、エネルギー・養分の行き場がベーサルシュートやサイドシュートの発生に繋がっているのだと言えます。

このベーサルシュートやサイドシュートが発生することで、薔薇の枝がさらに増えて、将来的に花の数が多くなります。

また、ベーサルシュートが発生すると、株元のクラウンと呼ばれる部分が大きくなり、ばらの株が充実した成長を遂げてくれるようになります。

春に購入した薔薇の新苗は、購入直後に一回り大きな鉢への植替えを行えば、ほぼ確実にその年の初夏にはベーサルシュートやサイドシュートを発生してくれます。私の今までの経験上でも、初夏にベーサルシュートを発生しなかった新苗はありません。

大苗の場合には、初夏にベーサルシュートを発生しない株もありましたが、新苗の場合にはほぼ確実にベーサルシュートが出てきてくれます。

その意味で、薔薇の新苗の栽培は最もダイナミックな成長過程が見られる時期と言えます。

また、ベーサルシュートは瑞々しい元気な枝になるので、新苗の薔薇が欲する水の量も少し増えます。気温も上がる時期になるので、水やりの頻度は土の乾き具合を見ながら頻度を上げていくことも必要です。

ベーサルシュートの「ピンチ」について

ベーサルシュートは、株元から顔を出した時は成長速度が鈍いのですが、ある程度成長してスイッチが入ると成長速度が一気に上がります。

上で紹介した写真の状態から、約10日経つと次の写真に示すように、数cmの枝が一気に伸び始めます。

新しい赤い葉を伴いながら、時間が経つにつれて茎が太くなり、そしてどの枝よりも養分をたくさんもらって急成長をしてくれます。

そのため、ベーサルシュートが伸びてきたら、日々の観察を怠らないようにすることが重要です。

ベーサルシュートの観察を無視してしまうと、いつの間にかベーサルシュートだけが伸びてしまし、他の枝に養分が回らなくなるというケースが起こります。

薔薇の株を樹形良く育て、どの枝にもしっかりと花を咲かせる準備をすること。そして、ベーサルシュートにも多くの枝を発生させて枝数を増やしてあげることを考えると、ベーサルシュートはある程度成長したら先端の成長点をピンチ (枝の先端を折って除去すること) してあげる必要があります。

実際の例を次に紹介します。

新苗のベーサルシュートの発生を確認してから約20日ほどで、次の写真に示すように、かなり立派な新梢になります。ベーサルシュートは、赤く太い枝と赤い葉を伴っているので見分けが付きやすいと思います。

薔薇の書籍を読むと、ベーサルシュートが伸びたらピンチを行いましょうと言う記載があるのですが、実際にどのタイミングでピンチをすれば良いのかを明確に記載している場合が少ないんですよね…

私の個人的な考え方としては、ベーサルシュートの先端に小さな蕾が顔を出したらピンチを行うということです。

ベーサルシュートの茎の長さや太さは薔薇の品種によって変化しますし、成長速度も違うため発生から何日目と言う指標を作ることはできません。

そのため、蕾が出てきたらすぐにピンチするということを心掛ければ十分かと思います。

次の写真の様に、ベーサルシュートの先端部分に小さな蕾が顔を出しているのが分かるかと思います。

この蕾を放っておくと、例えば、フロリバンダ系統の品種では蕾がいくつも房咲きになってしまったりします。

それだけ無駄ないエネルギーを使わせることになるので、蕾が出てきたらすぐにピンチを行いましょう。

ベーサルシュートをピンチする位置ですが、ある程度太い枝の部分でポキっと折ります。

今回の例では、次の写真の様に、鉛筆よりも少し細い位置でピンチすることにしました。写真の中の「ピンチした場所」と記載のある部分で、ベーサルシュートが既に折れていることがわかるかと思います。

次の写真は、ピンチで折ったベーサルシュートの先端部分になります。

元気に伸びているベーサルシュートを折るのは心苦しいのですが、株全体を育てるためには必須の作業になるので、ぜひ実践してみて下さいね。

ベーサルシュートは成長点を折られると、折った部分に最も近い発芽点から新しい枝を複数出すようになります。

言葉では伝わりにくいので、下の写真に書き込んでみましたが、ピンチをした場所のすぐ下にある葉の付け根から、次の新芽が出てきます。

ベーサルシュートは1本の太い枝でしたが、ピンチを行うと新芽が複数出てくるので枝の数が増えてくれることになります。

薔薇は基本的に太い枝がたくさんある方が花の数が多くなりますので、ベーサルシュートを1本で育てるよりも、適切にピンチして複数の枝を発生させることが花の数の観点で望ましいのです。

傷んだ葉は適宜除去していきましょう

薔薇は黒星病やうどんこ病に罹らなくても葉が黄色くなって枯れ落ちることがあります。

特に株の下の方にある葉は、優先的に養分をもらえないため弱る可能性が高くなります。特に、夏の暑さが厳しくなってくる初夏には、下の写真の様に株元付近の葉が枯れ落ちるものが多いです。

これは特に病気では無いので、早めに除去してあげましょう。

ただし、このような葉がどんどん出てくることを防ぐため、活力剤を併用するという手もあります。

日本の夏は、薔薇にとっては厳しい季節そのものですので、初夏の段階から株に活力を与えて、夏を乗り切る準備もしていきましょう!

植付けから2カ月で新苗はこれだけ成長します

上でベーサルシュートのピンチを行いましたが、新苗の植え替えを行って約2カ月くらいが経過した時でした。

蕾を全て摘心して育てた新苗は、開花にエネルギーを使うことが無いため、どんどん株を大きく成長させていきます。

植え付け直後と約2カ月後の写真を次の写真で比較してみます。分かりやすくするために、鉢の大きさを同じくらいのスケールの写真にしてみました。

花を咲かせず育てると、約2カ月という短い期間ですが、これだけ薔薇は成長するんですね。

葉の量、枝の数、枝の太さ…全てにおいて「旺盛」という言葉が似あうような成長ぶりです。

ここまで成長すると、鉢の中に根をしっかりと張っている状況になると思いますので、相当な事が無い限りは枯れる心配もほぼ無いと言えるかと思います。

この状態で6月前半です。

これから更に気温が高くなる夏を迎えますので、より薔薇が成長する季節となりますね。

夏の間も薔薇の成長をコントロールすることに主眼を置いて管理していきましょう!


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暑い夏の管理方法と「夏剪定」の実施

日本の夏は年々暑さが増し、今では40℃近くまで気温が上がることが当たり前のようになってきました。

薔薇の栽培においては、日本の夏の暑さや直射日光は厳しい環境になるため、様々な不具合が出る季節でもあります。

以下、夏の管理の注意点を簡単ですが紹介しておきます。

朝晩の水やりは確実に行う事

園芸では当たり前ですが、夏の間の水やりは、朝と晩の2回は確実に与える事が必須です。

鉢植えの薔薇の場合、朝に与えた水は暑い一日を乗り切った午後にはカラカラに乾いています。

夕方の水やりを忘れただけで、翌朝に薔薇の新芽が下を向いてしまっているということも多々あります。

冬は水の与え過ぎに注意が必要ですが、夏は確実に水を与えることに注意していきましょう。

鉢植えの薔薇は西日を避けられる場所へ移動

夏は午後がとにかく過酷です。

特にお昼過ぎの13時から14時の気温や直射日光は本当に厳しいものがあります。

そのため、鉢植えの薔薇であれば、午前中は日光が当たり、午後の西日は当たりにくい場所へ移動することも一つの手段です。

日本の強い直射日光は、薔薇の葉焼けを誘発します。

私の管理している薔薇も、地植えの薔薇は移動が出来ないのですが、毎年夏になると葉焼けを起こして、葉の色が茶色身を帯びてしまう事が多々あります。

病害虫や病気の予防も忘れないこと

夏…それは病害虫との戦いの日々でもあります。

夏から秋にかけては、虫たちの活動が盛んになり、気づいたら葉や蕾を食害されていることが多々…

オルトランで防げる害虫は多いので、オルトランを適宜使用することをお勧めします。

また、ハダニが蔓延するのも夏です。ダニ太郎やコロマイトなどを使って、ハダニから薔薇を守ることもお忘れなく!

また、夏の強い夕立(ゲリラ豪雨)の後には、黒星病が蔓延してしまう可能性もあります。

鉢植えの薔薇であれば、軒下で管理することもできます。

地植えの薔薇であれば、定期的な薬剤散布で黒星病やうどんこ病から薔薇を防御してあげてください!

新苗も夏剪定をしましょう!

春に新苗で育て始めた薔薇も、上記の通り、夏になると枝の数が多くなって立派な薔薇に成長します。

そして、秋には見事な薔薇の花を咲かせてくれるので、夏剪定を行っていきましょう!

夏剪定については、伸びた枝を1/2程度にカットで切れば問題ないと思っています。

下の写真は、シェエラザートの夏剪定後の写真ですが、枝の長さを全て1/2程度まで刈り込みました。

「太い枝からは立派な薔薇の花が咲く」というのは、秋の開花の時も同じです。

夏に出て来た細い枝はカットして、比較的太い枝を残すことを意識して剪定すれば問題無いです。

「剪定は失敗するのが怖い」と言われる方が多いと聞きます。

しかし、薔薇は剪定に失敗しても、次の枝がどんどん伸びてくる丈夫な植物でもあります。

失敗ても、半年くらい経てばやり直しができる植物でもあるので、勇気をもって枝の剪定を進めていきましょう!何度も剪定を経験すると「適当に切っても何だかんだ大丈夫だな」と思えるようになります (笑)。

秋の開花は新苗を頑張って育てた御褒美

春に植え付けを行った新苗も、秋になると待ちに待った開花のシーズンを迎えます。

人によっては「秋も薔薇を咲かせない」という方もいますが、私は新苗は秋に開花させても良いと思っています。

ですので、この記事でも新苗を秋に開花させた姿を御紹介したいと思います。

秋の薔薇の蕾の形成から開花まで

夏剪定を行ってから数週間すると、新しく伸びた芽の先端に念願の蕾が形成されます。

下の写真は、シェエラザートの秋の蕾になります。

蕾の付け根は非常に弱く繊細なので、少しでも力が入ってしまうと、ポキっと折れてしまいます。

晩夏から秋にかけては台風の到来数も多く、風が強く吹く日も多いため、大切な蕾が折れてしまわないように注意してください。

必要あれば、強風の前に支柱で枝を固定することや、鉢植えであれば風の当たらない場所に移動する等のお世話も大切なことです。

そして、品種にも依りますが、10月の半ばくらいになると秋の薔薇の開花シーズンを迎えます。

上の写真の蕾からは、次の写真の様に美しいシェエラザートの花が開花しました。

新苗を育てるたびに思うことは、この秋の薔薇を堪能できるのは、新苗を頑張って育てた人への御褒美であるということです。

秋の薔薇は色が濃く、春の薔薇とは異なる容姿で開花します。深まりゆく秋の中で、素晴らしい香りと共に、秋の薔薇を堪能してくださいね!

秋は2回咲かせても良いの?

夏剪定を行った薔薇は、品種に依りますが10月の中旬くらいには開花を迎え、約2週間くらいの開花期間を楽しむことができます。

その開花が終わった後ですが、再度剪定を行うことで12月初旬から中旬くらいには2回目の秋の開花を楽しむことも可能です。これは4月に植え付けた新苗も同じです。

剪定の際には、秋の開花で伸びた枝を1/2くらい残すように剪定すると良いかと思います。

ただし、10月中旬以降は気温が一気に低下していくため、蕾が形成されても咲かずに終わってしまう事も多々あります。

秋に2回目の開花が楽しめるか否かは、薔薇次第と言うところがありますので、「咲けばラッキー」という思いで成長を見届けてあげても良いかと思います。

私自身は、2回目の秋の開花を目指して10月中旬に、再度剪定を行っています。

気温の下がり具合や日照条件と言う、天候に左右されるところもあるので、咲いてくれる年と咲いてくれない年がありますが…。

この記事の終わりに

この記事では、春にお迎えした薔薇の新苗の育て方について、各季節に実施すべきお世話を写真と共に紹介させていただきました。

薔薇は園芸品種の中でも、特に敷居が高い花木であると言われています (病気や害虫が多いため) 。

しかし、近年育種された薔薇は病気や害虫にも強いので (育種家の皆様の御努力) 、初心者の方でも鉢植えで薔薇の栽培を楽しむことができます。

鉢植えであれば、玄関先やベランダで育てる事ができますので、春の薔薇の新苗シーズンに一株手にしてみはいかがでしょうか?

この記事では、1月には冬の剪定の方法をアップデートする予定です。また、1月の終わりごろにご覧いただければ幸いです。

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