【薔薇】こんなに違う!春と秋の薔薇の色変化!

11月に入ると、日に日に朝の冷え込みが厳しくなり、冬に向かって一直線の季節になってきました。

そんな中、我が家では秋に開花する四季咲きの薔薇達が開花ラッシュになっています。

2020年は新型コロナウィルスによる非常事態宣言などもあり、例年とは異なる生活様式になりましたが、我が家の薔薇達はそんな暗い雰囲気を吹き飛ばすような満開の開花を迎えました。

非常事態宣言のあった春のことを思い出して、春に咲いた薔薇の写真を見ていると、今咲いている秋薔薇とは明らかに異なる色をしていることに気付きます。毎年感じることではありますが、その年によっても色の違いは異なるもので、同じ薔薇でも春と秋では別の品種の薔薇では無いかと思うような色を出してくれます。

この記事では、同じ品種でも春と秋で薔薇の色が変わるという例を紹介したいと思います。


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なぜ薔薇の色は春と秋で変わる?

春と秋で薔薇の色が変わる理由ですが、大きくは2つあると考えています。

一つ目は春には冬の休眠があり、秋の薔薇には休眠期が無いこと。

春の開花期は、冬の休眠期から目覚めた薔薇が、一季に新芽を吹き出します。

そして、気温が上昇していく中、4月から5月にかけて、ため込んだエネルギーを爆発させるように蕾を成長させて開花させます。

これに対して、秋は暑い夏を経てから気温が下がる中で蕾を成長させるため、エネルギーを爆発させる春の花よりも花のサイズは小さくることも一般的です。しかし、その分、薔薇本来の濃い色が出ると言われています。

二つ目の理由は、春は気温が上がる方向に気候が変化するのに対して、秋は気温が下がる方向へ季節が移り替わる点です。

春は蕾が上がってきたころには20℃を越えていくような気候になるのに対して、秋の薔薇は20℃を下回るような陽気の中で蕾が成長していきます。そのため、蕾を形成する時の気温の変化には大きな違いが生まれます。

これらの2つの差異によって成長が異なるため、薔薇の色に変化が出てきます。

栽培する側の私たちにとっては、春と秋で異なる顔を見せてくれるという点も、年間を通じて薔薇を栽培する楽しみでもあると思います。

春と秋で色の変わる薔薇の実例を紹介

では、ここからは実際に春と秋で色が変わる薔薇について、実際の例を見ていきたいと思います。

下で紹介する品種以外にも、色や形の変わる薔薇はたくさんありますが、私の育てている薔薇の中でも、変化が大きい薔薇達をピックアップしてみました。

ジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコ

ジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコという非常に長い名前で、覚えるのが大変な薔薇の名前なのですが、輪郭がピンク色に染まるグラデーションが美しい薔薇です。

私が薔薇を始めた当初から育てている薔薇になります。

春の花は、輪郭の部分が赤かったのですが、秋の開花時には真っ赤に染まる輪郭になりました。一般的に、ジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコの標本写真として使われているのは、秋の赤い輪郭の花になるかと思います。

しかしながら、春の鮮やかなピンク色も春の桜を感じさせる色で、春に合った色だと思います。秋の開花時には、深まりゆく秋を感じさせる色と言えるようなグラデーションです。

アントワーヌ・デュシェ

オールドローズのアントワーヌ・デュシェですが、オールドローズも我が家では春と秋で確実に異なる色を見せてくれています。

下の写真が2020年の春と秋の花の色になります。

春の開花の時には、少しピンクが強いような紫色ですが、秋の開花の時には鮮やかで濃い紫色に変化していることが分かります。

アントワーヌ・デュシェについては、秋の開花の方が花の色が鮮明で美しい色を出してくれているかと感じます。

ノヴァ (ミニ薔薇)

ミニ薔薇のノヴァは今年はとても大変な年でした。ハダニの大被害を受け、春の1番花の後には葉が無くなり、丸坊主の状態になりました。

今では、その時のことが嘘のように元気な葉を茂らせて、美しい秋の薔薇を開花してくれています。

ノヴァの場合には、左の写真の春の開花時の花が標本の写真として使われることが多いです。私がノヴァを購入した時も、左の春の開花の写真が標本の写真としてタグに載せられていました。花の外側がクリーム色で内側がピンクになるというのがノヴァの特徴です。

それに対して、秋は全体がピンク色になるという全く別の薔薇では無いかと思えるような色です。

私個人としては、春のノヴァの方が好きです。

ドゥフトボルケ

最後は深紅の薔薇としても有名なドゥフトボルケです。

下の写真で見て分かるように、春の薔薇は深紅では無く濃いピンク色という印象があります。しかし、秋の花は右の写真に示すように真っ赤に染まった美しい色を出していることが分かります。

この秋の開花こそ「ドゥフトボルケ!」という感じのある色ですね。


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色だけではなく香りの強さも変わる

春と秋で薔薇に起こる変化は色だけではありません。

形自体が変わってくる薔薇もありますし、香りの強さが変わる薔薇もあります。

薔薇の香りについては、私の個人的な意見ですが、春の方が強いです。

春の薔薇は上で紹介したように、冬に貯め込んだエネルギーを一気に爆発させることや、春の気候の方が温かく、香りを発しやすい条件になると言えます。

そのため、香りの観点で考えると、春の薔薇の方がその薔薇が持つ真の香りの強さを感じ取ることができると思います。

私の家では、玄関前でガブリエル (下の写真) という強香の薔薇を育てていますが、春の開花時の香りの強さは本当に凄いです。しかし、秋になるとガブリエルの香りは春の半分くらいの強さになっています。

この記事の終わりに

この記事では、春と秋の薔薇の色や形の違いに関して、実際の例を挙げながら紹介させていただきました。

何気なく、意識をせずに薔薇を見ていると、春と秋の違いに気づかないこともあるかもしれませんが、春と秋の写真を見比べると、別の薔薇の様に変化する品種もあります。

この薔薇の違いを楽しめるのは、薔薇を栽培している方にとっての特権でもあるかと思います。

春と秋に近くの薔薇園へ出掛けるだけの方には気付かない変化かもしれませんね。

来年はどのように咲いてくれるのか…株の成長、株の栽培年数の違いでも変化がありそうで楽しみです。

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