小さな花壇でも薔薇は育つ -理想を追う必要は無い-

「薔薇を育ててみたいけど、家の花壇が小さい」

園芸が好きで薔薇を育ててみたいけど、そのようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

私自身も家の花壇が小さく、薔薇の栽培を始められるのか悩んだ時期もありました。

しかし、我が家の幅2m、奥行き50cmの小さな花壇でも薔薇を栽培できるんできたのです!花壇が小さいからとか、深い植え穴が掘れないという悩みは、実は小さな悩みだったんです。

薔薇栽培は理想を追い求めるものではなく、自分で出来る栽培環境で、どのように薔薇を栽培するかを考えることが大切だと思います。

この記事では、小さな花壇での薔薇栽培で、私が実践してきた栽培のポイントをお伝えしたいと思います。


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はじめに

「薔薇を育ててみたいな」と思っても、花壇が小さいことなどを理由にあきらめている方も多いのではないでしょうか?

私もその考えを持っていた一人でした。

日本という狭い島国の事情で、特に都会部は土地も狭く、マンションも多いため、なかなか広い花壇や庭が確保できない方が多いです。

特に大都市圏に人口の半分が集中する日本ですので、同じような悩みを持つ方はかなり多いのではないかと思います。

私自身も、薔薇の栽培を始める時に自分の住む家の花壇の小ささや鉢植えを置くスペースの大きさの制限で「本当に薔薇なんて育てられるの?」という悩みを抱えていました。

しかし、実際にやってみると、そんな不安は考える必要は無く、小さなスペースでも薔薇は育てることができるとわかってきました。その限られたスペースで薔薇を楽しむための試行錯誤が楽しくなってきたのです。

この記事は、小さな花壇しかない方や、鉢植えでしか育てられない方に向けて、薔薇栽培を始める一歩を踏み出す勇気を与えられるような記事にしたいです。

理想的な栽培環境を「絶対に作る」必要は無いのです。

筆者の小さな薔薇花壇の紹介

まず最初に、私の花壇を紹介しますが、庭はありませんしとても自慢できる大きさの花壇でもありません。本当に小さな花壇です。

下の写真1が私の薔薇花壇ですが、奥行き50cm、幅2m弱のスペースに何とか花壇スペースを確保しています。このサイズであれば、狭い敷地内でも問題なく作れるのではないかと思います。

自宅の小さな花壇の写真1
写真1: 我が家の花壇

この狭い花壇スペースですが、「ブルームーン」と「ジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコ」の2品種の薔薇を植えています。

お隣さんの家の壁が左側に迫っているので、本当に狭く感じる花壇ですが、このスペースでも何の問題なく薔薇の栽培ができています。

この花壇を最初に作った時には「本当にこの土地の狭さで、薔薇なんて育てられるのか!?」って思っていましたが、やってみると意外といけます!

狭い花壇だから薔薇をあきらめるのではなく、狭い花壇でも薔薇を育ててみる工夫を試行錯誤していくことに楽しみを感じています。そして、この限られた環境の中で咲かせるからこそ、何となく自分の栽培技術に自信が付いていたりします。

さらに、写真2は家の門柱の前のわずかなスペースですが、奥行き僅か20cm、幅100cmの場所に培養土を入れ込んでミニ薔薇を3株育てています。

自宅の小さな花壇の写真2
写真2: 我が家の花壇2

先ほど紹介したスペースよりもさらに狭いスペースで薔薇が育てられるのか?と思われるかと思いますが、このミニ薔薇が咲いた時の様子は次の写真のようになります。2020年の春の写真ですが、いかがでしょうか?とてもミニ薔薇とは思えない立派な薔薇です。

ミニ薔薇の開花写真

園芸店で売られている挿し木のミニ薔薇は、上手く育てるとこんなに大きな株に成長してくれます。これを見ると、どんなに狭いスペースでも薔薇は育てられるんだなぁ、と思ってもらえるかと思います。

厳しい環境でありますが、薔薇はとても強い植物だと証明してくれるミニ薔薇です。ミニ薔薇の植え方については、別の記事で紹介しています。


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薔薇は狭い花壇でも育てられる

植物というのは、自分が育っている環境に適合するように育つ習性があります。

例えば、小さな鉢植えにしたら、その鉢の中に伸びる根っこの長さ・大きさに比例した茎や葉を伸ばして、自分が咲かせられるだけの花を咲かせます。

薔薇も同じで、その薔薇が置かれた環境に適合した姿に育つのです。

薔薇園の様に広々とした土地、薔薇専用の培養土で植えられた薔薇は、地下に根を自由に張ることができ、養分も多く吸収できるので立派な株に成長します。

しかし、狭い花壇や鉢植えの場合、根が成長するスペースは限られていますし、吸収できる栄養分も制限されます。そのため、そこまで大きな株には成長することができません。一部の薔薇では鉢植えでも立派に育つものがありますが、一般的に見て、鉢植えの薔薇は地植えの薔薇よりも株の大きさは小さくなります。

このようにお話しすると、鉢植えの薔薇が不利なように聞こえますが、言い換えれば、その環境にあった薔薇が育つということで、狭いスペース・鉢のサイズに適合した薔薇を育てることができるということなのです。

ポジティブに考えましょう!

薔薇は自分で自分の育つ環境を見定めて、最適な大きさに成長してくれます。ですので、狭いから薔薇は育たないというのは間違いなのです。

「狭いから薔薇が育てられない」のではなく「狭いスペース・限られた鉢植えの中で最大限に薔薇を楽しむ」という努力が必要になるのです。

上で紹介した花壇を作ってから、薔薇は限られたスペースでも問題なく育てられるんだということをあらためて感じさせられました。そして、何よりも狭い花壇でも薔薇を育てていく自信がつきました。

地植えのイメージ写真

無理に深い植穴を掘る必要もない

薔薇の本を見ると、概ねどの本にも「深さ50cm~60cmくらいの穴を掘り、そこに元肥を入れて、薔薇専用の土を入れましょう。」と記載が見受けられます。

確かに、それは「理想」としてはそうなのかもしれません。

私はこのような教科書を見ると、薔薇を始める方にとって敷居を上げることになると思い、敢えて「理想は追い求める必要は無い」ことを伝えたいです。

薔薇を植える穴は、掘ること自体が難しい土地もありませんか?

例えば、土地の地質の関係で、硬い粘土質やゴロゴロした石が埋まっているような土地では、穴を掘ること自体が重労働で嫌になります。私が上で紹介した花壇を作った時も、大きな石が出てきて、掘ることが困難でした。

また、家によっては、生活排水の配管が花壇の下に通っていたりして、そもそも穴を掘れない…ということもあるでしょう。

私の花壇も生活排水用のパイプが一本通っており、これで薔薇植えられるの?と心配したことを覚えています。穴を掘る時に配水管を割ってしまわないか、気を付けながら掘ったことを今でも覚えています。そして、実際に配水管があるところに薔薇を植えました。

50cm以上の穴を掘らなくても、30cmくらい掘れれば薔薇は植えられます。下が大きな岩盤であったりコンクリート固めでない限り、植えた後に薔薇の根が土や石のすき間をぬって育っていきます。

ただし、そのような浅い植穴の場合には植えた後に支柱を立ててあげて、根が張るまではサポートをしてあげる必要があります。

私が穴を掘った花壇では、何とか30cmから40cmの穴を掘り、そこに薔薇用の土を入れて栽培を始めました。それでも、最初の年に20個以上の大輪の花を咲かせてくれましたし、毎年元気な新梢を出してくれていますよ。

手のひらの上の小さな苗

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狭い花壇の薔薇栽培で注意すべきポイント

狭い花壇が故に注意すべきポイントもいくつかあります。

私が狭い花壇だからこそ注意している点を、次に紹介したいと思います。

水やりの頻度

まず一つ目は、水やりの頻度です。

大きな花壇に比べると水を保持する能力が小さいですし、薔薇の根が張ってくると、欲する水の量も増えてきます。上で紹介した、私の家の門柱前のミニ薔薇は、本当に限られた土の中で根を張っているので、水切れが早いです。

そのため、特に夏場は地植えだからと言って水やり回数を減らすのではなく、きちんと毎日水やりをする必要があります。

水切れを起こすと、それまでの努力が水の泡となるので、土を少し掘ってみて湿り気があるか?という点を花壇で調べてみてくださいね。

ジョウロでの水やり

病害虫の原因となる葉・枝の過密

次の注意点としては、葉や枝が過密にさせないことです。

小さいスペースに薔薇を複数植えると、必然的に葉や枝の密度が高くなる傾向になります。

また、何種類かの薔薇を植えてしまって、株同士の間隔が狭くなってしまうこともあるんですよね。私の花壇も実際そうです。薔薇園のように株と株の間隔を設けてあげることなんてできません。

そのため、芽かきの作業や花後の剪定で、風通しの良い状態を実現してあげてください。

葉が多すぎると思ったら、一部を取り除いてあげるというお世話も重要なことです。

肥料の与え方の工夫

狭い花壇の場合、有機肥料の寒肥は与えにくくなります。

薔薇の教科書通りに考えると、地植えの薔薇は冬の休眠期に株の周りに穴を掘って、油粕などの肥料を寒肥として与えると書かれています。

しかし、花壇が狭いと薔薇の周りに穴を掘ることができないんです!

私も一度やってみようとしましたが、15cmくらい掘ったところで、太い薔薇の根が何本も出てきて、とても穴が掘れる状況ではなかったので諦めました。

そのため、肥料は表面付近に小さな穴を掘って有機肥料を混ぜ込むことくらいしか対応ができません。

しかし、寒肥を与えないよりは与えたほうが良いです。寒肥を与えることで春以降の花付きは良くなりますので、穴は浅くとも土の表面に寒肥を混ぜ込む等で対応してあげるようにしました。

私の花壇では毎年その方法で寒肥の対応をしていますが、何も問題なく薔薇は育っています。

肥料のイメージ写真

花壇の深さと植える薔薇の種類

最後の注意点は、花壇の深さを把握して、花壇が浅い場所にミニ薔薇などの大きく成長しない品種を選ぶようにすることです。

上で無理に植穴を深く掘り下げる必要は無いと話しましたが、さすがに深さ15cmの穴に大輪の咲く薔薇を植えることはできません。

そのため、深さ15 ~ 20cm程度の植穴には、上の私の花壇の例の様にミニ薔薇を選ぶようにすると良いです。

ミニ薔薇は花が小さいから嫌だなぁ…と思われる方が多いかもしれませんが、ミニ薔薇は大きく育つんです。ポット売りされているのは子供の姿で、1年育てると薔薇に負けない花を咲かせます。

植穴の深さが30cmかそれ以上確保できるのであれば、ミニ薔薇ではなく薔薇の苗を植えて問題ないと考えます。植えた当初は根が張っていないので少し不安定な状態ですが、植えてから半年も経てば、しっかりとした根を張って自立できるようになります。

薔薇の種類参考写真

本記事のまとめ

この記事では、狭い花壇でも薔薇を楽しむための、具体的な方法を私の実体験を基にして紹介させていただきました。

都会に住む方々は、スペースの問題で薔薇の栽培をあきらめている方が多いのかと思います。

しかし、薔薇は非常に強い植物ですし、環境に合わせた株に育ってくれます。きっと、皆さんのその心配を払拭してくれることは間違いありません。

「花壇が狭いから」とか「深い穴が掘れないから」という理由で、薔薇の栽培を諦めるのではなく、その環境でも育てられるように工夫をすることが一番大事だと思いますし、それを考えることが「薔薇栽培を趣味にする」ということだと思います。

薔薇はお世話をした分だけ綺麗な花を咲かせてくれる植物です。ベランダや玄関先の鉢植えで、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

薔薇をスリムに育てる方法も、下の記事で紹介していますので、よろしければそちらもご覧ください。

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