ご近所に住む方やお客さんが、私の育てている薔薇を見た時に、必ず口にする言葉があります。
「薔薇って大変でしょ?」「薔薇は病気が凄くないですか?」
概ね98%の方から、このようにお声掛けをされます。
確かに薔薇の栽培は他の草花よりも気を遣うところが多いですし、病害虫との戦いであると思う部分がたくさんあります。
しかし、それが苦にならないのは何故でしょうか?
多分、その難しい薔薇を栽培することに「辛い」とか「嫌だ」という気持ちが一切ないからだと思います。つまり、自分の性格に合っている趣味なんだろうなぁ、と感じるのです。
そんな私の考える「特に薔薇栽培に適した性格の持ち主」というのを私の独断と偏見から御紹介します。当てはまる方は、薔薇にチャレンジしてみはいかが?
薔薇栽培に合っている性格の方
私が思う薔薇栽培に適している方を、自分の性格の面からも考えてみました。
薔薇は全くお世話をしなくても咲くのですが、以下で話す内容は「よりたくさんの薔薇を健全に育てることが出来る人の性格」と考えてもらえればと思います。
以下の複数に当てはまったあなたは、薔薇栽培の趣味を始めてみるべきかも!?
几帳面で細かい方
私は自分で自分のことを細かい人間だなぁ…と感じることがあります。
ちょっとした事が気になったり、少し疑問に思うことがあると最後まで追求したくなったりして、よく妻にも「細かい」と言われます…。
しかし、几帳面さというのは薔薇栽培にとても重要なことです。
薔薇栽培は病気を早期に発見することが非常に重要になります。毎日のように薔薇をチェックしたり、ちょっと変化があったら気にするような性格というのは、早期に病気や害虫を発見することができ、薔薇を上手に育てることができる方だと思います。
薔薇の病気は絶対に防ぎたいので、私は可能な限り毎日のように、出勤前に薔薇の葉の調子をチェックしていきます。そんな几帳面さがあっても薔薇の病気は出てしまうので、どうしたら完全に防げるのか…日々悩んではいるのですが…。
お世話好き・子供好きな方
薔薇に限らず、植物を育てることはお世話の連続です。
薬剤使用・摘心・剪定・施肥…本当に様々なお世話があります。
特に薔薇の様に病気や害虫との戦いとなる植物では、自分の子供のように可愛がらないといけなくなることもあります。
例えば、台風が来る前には鉢植えは家の中で保護したり丈夫な支柱を立てますし、病気が出ていないのに予防のために農薬を使用したりします。
そして蕾が出てくると、まだかまだかと毎日のように蕾を眺めてしまう癖もあります。
「あなたは自分の子供より薔薇を見てるわね」と妻に言われたこともあります。
お世話好きな方や子供が好きな方は、それくらい薔薇の事を愛でてあげることができると思います。
薔薇の教科書には「こうするべき」と記載がありますが、それは理想です。薔薇は生き物なので、実際に教科書とは異なる成長をすることも多々ありますよ。一株一株が異なる性格を持った子供のような感じです。
森や林に躊躇なく入ることができる方
これは言い換えると、虫を自分で何とか出来る方ですね。
薔薇に限らずに園芸は虫さんとの出会いがたくさんある趣味です。
ダンゴ虫、ヤスデ、蜂、蝶々、蛾、そして芋虫…
たくさんの虫さんが花壇や鉢植えには住み着きます。
確かに女性にとっては過酷な環境かもしれませんが、それに負けることなくお世話してあげられる方は適していると思います。
ただし、蜂やアブなどは人間の予想しない攻撃をしてくるので、スプレータイプの殺虫剤は用意しておきましょう。
また、虫に出会わないために、事前に殺虫剤を巻いておくなどの処置をしておくと良いと思います。
一つのことを極めることが好きな方
私が考える薔薇栽培をした方が良い方の性格No.1はこれですね。
一つのことを極めることが好きな方は、絶対に薔薇栽培に適した性格の持ち主だと思います。
薔薇は、毎日が勉強で理想的な栽培に近づけることはできても、理想を実現することはほぼできないと考えています。
薔薇の株は、その一つ一つが生き物であるため、それぞれの株にとって最も良い栽培条件というものは異なります。同じ新種の薔薇を2株用意して、同じ栽培をしても花の数やベーサルシュートの数は異なります。
その特徴を知り、最も良い状態で栽培するためには、日々の管理を含めて最適化をしていく必要があり、言い換えれば薔薇栽培を極めたいという思いを持てる人だと思います。
私自身も一つのことを極めるのが好きで、今では薔薇と熱帯魚の飼育を頑張っています。
理系の研究が好きな方というのも、薔薇の栽培にベストマッチですよ!私は理系ですが、理系の方ほど薔薇栽培をしてみて欲しいです。楽しさに気付くはずです。
薔薇は大変だけどそれを勉強と捉える
この記事の冒頭で、よく人から「薔薇って大変でしょ?」と聞かれることを御紹介しました。
私はその時に必ず「はい、大変ですよ!」と胸を張って答えます。
私は嘘をつく気は無いですし、実際に薔薇栽培は他の植物より手が掛かります。
ただ、その大変さを楽しむこと、それが趣味だと思います。
考えることの無い趣味は趣味ではなく、単なる作業・暇潰しです。
皆さんが楽しんでいる趣味も、どんなものであろうと「どうしたら上手くなるだろう?」とか「次はこうしよう!」と考えているはずです。
もし私の薔薇栽培が、誰かから命令されて行っているものだったら、頭を使わずに何も考えずに行う「作業」です。
薔薇の栽培は上でも書きましたが、毎日の変化が勉強です。開花した花を楽しむのと同時に、どこでて剪定しようか?次にもっと素晴らしい花を咲かせるにはどうしたら良いか?を考えています。
凄く気難しい話になってしまいましたが、薔薇栽培を一種の「勉強」と捉えることができたら、少し楽しい時間になることは間違いないと思いますよ!
私は敢えて他の方に薔薇栽培を勧めません
趣味が楽しいと、他の方にも「やってみなよ!」とか「一緒にしようよ!」とお勧めすることがあるかと思います。
しかし、私は趣味の薔薇栽培を他の方に勧めることはしていません。
綺麗な薔薇を育てる舞台裏には、日々の相当な努力があります。
その努力を一番知っているのが自分だからこそ、無責任に勧めることができないのです。
逆にお勧めするのは簡単で「今なら開花株が買えるから買ってみたら?」と言えます。しかし、3カ月後にその方の家の玄関先で、葉が無い薔薇を見たら…どう思いますか?
「無責任なことしたなぁ…」と後悔してしまうと思います。
もし、薔薇をしてみたいという方がいたら、その方をサポートしながら進めてあげたいと常々感じます。
少し似た話をすると、発展途上国に日本の製品を贈ることは本当の意味のサポートでは無く、真のサポートはその国で同じ製品を作りメンテナンスも自分たちで出来るようにしてあげることです。薔薇栽培を人に勧める時も、私は同じ気持ちになります。
趣味というのは楽しい部分や明るい部分が前面に出て、裏側にある努力や大変さはなかなか見えないものです。
その大変さを知ってくれた上でも薔薇を栽培してみたい方を、薔薇栽培の世界へ引きずり込みましょう!(笑)
この記事の最後に
この記事では、私の性格と私の薔薇栽培の経験から、薔薇栽培に適した性格の持ち主というのを私の独断と偏見で御紹介させていただきました。
はっきり言って、薔薇は手のかかる植物です。一般的な草花とは違います。それは確かな事実です。最近作出された薔薇は病気が少ないのは確かですが、完全に病気が無いわけではなく、虫の被害というのは必ず起こります。
そんな手のかかる薔薇を手塩にかけて育てられるのは、几帳面で、面倒見や良く、世話好きで、何かを極めることが好きな方なんだろうなぁ…と思います。