2021年3月に我が家にお迎えしたイングリッシュ・ローズの「ジュード・ジ・オブスキュア」。
大苗でお迎えしてから、ずっと7号鉢という小さな鉢で育ててきましたが、2021年は太い枝をいくつも出してくれて、特に春の開花シーズンには花の美しさと香りの両方を楽しませてくれました。
1年の栽培を経て、冬のお世話の時期になりましたので、2022年1月中旬に冬剪定と土の入れ替えを実施しました。
イングリッシュローズは大きく育つ品種も多いため、小さな鉢での栽培は厳しいかと思っていましたが、適度に剪定することで鉢植えでも十分に楽しむことが出来ています。
引き続き7号鉢で育てる事を前提に、1年間の成長を見越しながら、しっかりと切り戻す冬剪定を実施しました。
小さな鉢植えでコンパクトなイングリッシュローズを栽培するために実施したお世話の記録として、ジュード・ジ・オブスキュアの冬のお世話の作業を紹介したいと思います。
ジュード・ジ・オブスキュアを鉢植えで育てたいと思っている方に、少しでも参考になれば幸いです。
はじめに -コンパクトな鉢植え薔薇を目指して-
私の自宅の様に、決して広いとは言えない場所で薔薇の栽培を楽しんでいる方は多くいらっしゃると思います。
特に都市部にお住まいの場合、玄関先のわずかなスペースでの栽培や、ベランダ栽培が基本となる方もいらっしゃるかと…。
そのような場合、薔薇を選ぶ際には「樹勢の強さ」や「茎の長さ」などを気にして、コンパクトに育てられる品種を選ばないといけない…とお考えの方も多いのではないでしょうか?
しかし、薔薇は剪定をすることで株の大きさを抑えることができる植物でもあります。
大きく成長する「つる薔薇」も、枝を剪定してあげれば鉢植えで木立性の様に育てる事も可能です。
本記事で紹介するジュード・ジ・オブスキュアは「半つる性」のイングリッシュ・ローズのため、放っておけばどんどん枝が長く伸びていき、どんどん大きな株に育つ品種です。
しかし、適宜剪定をしてあげることで鉢植えでも十分に育成を楽しむことができています。(下のリンクの記事を参照ください。)
育ててみたい薔薇をスペースの問題で諦めるのではなく、スペースが無くても育てられる栽培方法を考えて育てていけば、多くの品種が栽培可能になると思います。
ジュード・ジ・オブスキュアの1年の成長
ジュード・ジ・オブスキュアの1年間の成長については、上記のリンクに詳細を記載していますが、ここでは簡単にその成長をまとめておきたいと思います。
2021年3月に大苗でお迎えした時の写真と、半年栽培した後の9月前半の写真を並べてみました。
この写真を見てもわかる通り、約半年の栽培で7号鉢が小さく見えるくらいまで成長しました。
7号鉢が小さ過ぎて成長に悪影響を与えるのではないかと懸念もしましたが、成長が顕著に鈍化することも無く無事に育ってくれています。
また、半つる性の特徴も出てきており、一つ一つの枝の長さが長くなっていることもお分かりいただけるかと思います。
枝ばかりが長く伸びていくため、「いつになったら蕾が顔を出すんだろう…?」と首を長くして待っていた時期があることを今でも覚えています。
地上部の大きさが大きくなるにつれて、強風の際には鉢植えが不安定になったこともありましたが、無事に1年を乗り切ることができました。
少し考え方を変えると、ジュード・ジ・オブスキュアは適切に剪定してあげれば、7号鉢でも育てられるということが分かった1年でもありました。
引き続きジュード・ジ・オブスキュアを7号鉢でも育てることが目標
2022年のジュード・ジ・オブスキュアの栽培方針ですが、引き続き7号鉢で栽培を楽しむことが目標です。
10号鉢に植替えてあげても良いのですが、なるべく省スペースで薔薇の栽培を楽しみたいという前提があります。
ジュード・ジ・オブスキュアには悪いことをしていますが、引き続き7号鉢で頑張ってもらいます (笑) 。
株の更なる充実によって、7号鉢での栽培を継続していけるのかわかりませんが、枝の数を減らしたり、夏剪定で深く剪定することで乗り切れるのではないかと思っています。
そのための準備の一つとして、以下で紹介するような冬剪定を実施しました。
ジュード・ジ・オブスキュアの冬剪定
上記の通り、引き続き7号鉢でジュード・ジ・オブスキュアを育てていくため、かなり深く剪定をします。
下の写真の左側が冬剪定前の状態、そして右の写真が剪定後の写真となります。
剪定前の状態は、半つる性の薔薇らしい樹形で、比較的細くて長い枝が多数出ている状態でした。
これを一気に切り戻す剪定を行い、まるで大苗で販売されている状態と同じレベルにまで切り戻しました。
ジュード・ジ・オブスキュアを大苗でお迎えした時と同じような状態にすれば、今年も1年間7号鉢で育てていけるだろうという安易な考え方でもあります…。
購入当時に比べると枝の量は確実に多いですが、株に残してある枝の長さは相当短くなっています。
これから1年間の成長量と7号鉢での栽培を想定すると、ここまで切り戻してあげないといけないのかなぁ…と思います。
枝が混みあってくる初夏の頃には、太い枝も株元から剪定をしようかと考えています。
深く剪定するが怖いという方も多いと聞きますが、ここまで剪定しても全く問題無いので、コンパクトな薔薇に育てたい方は是非お試しください。
ジュード・ジ・オブスキュアの根の状態を確認
ジュード・ジ・オブスキュアの冬剪定が終わったところで、次は土の入れ替えを行っていきます。
根鉢の状態を確認すること、古くなった土を入れ替えること、古い根を取り除くこと (春に新しい根の発生が活発になる)、鉢の中にコガネムシの幼虫がいないかを確認すること等が目的です。
株が元気に育つか否かは根の状態にかかっていると言っても過言ではないので、根の状態を年に一度確認することをお勧めします!
また、イングリッシュローズの根鉢を見ること自体が初めてなので、ちょっと楽しみでもありました。
さて、実際に鉢から株を抜いた状態が次の写真となります。
このジュード・ジ・オブスキュアの根鉢を見て率直に思ったことは、「意外と根が張っていない…」でした。
地上部が大きかったので、もっと白い根が鉢の中に張り巡らされていると思ったのですが、意外と根鉢が小さかったです。
ただし、少し見にくいですが、元気そうな白い根が所々に見えていることも確認できます。また、黒くなって元気の無い根も散見されるので、下の写真の様に根鉢を崩して、根の整理を行いました。
すると、根鉢の内側からは、大量の根が…
根鉢は小さいように思えましたが、内側の根の密度は相当なものがありました。
これ以上根鉢を崩そうとすると、太い根も傷つけてしまいそうなので、写真の状態でストップしておきました。
ここまで根鉢が小さくなれば、引き続き7号鉢で育てていっても大丈夫かと思える状態です。
何となく感じることですが、イングリッシュ・ローズは日本で生産される薔薇とは台木が異なるため、根の状態が国産の薔薇苗とは異なる気がします。
古い根を適度に取り除くと、春に新しい元気な根の発生が活発になり、結果として株自体の活性が上がります。今年の初夏のシーズンにも、元気なベーサルシュートを出してくれることを期待です!
土の入れ替えは再生材を用いた方法で実施
さて、根鉢もほぐれた所で土の入れ替えです。
今回の土の入れ替えでは、根鉢を崩した際に出て来た使用済みの培養土に新しい培養土を等量加えて、そこに土の再生材を混ぜ込んだもの使用します。
全て新しい培養土を使用しても良かったのですが、我が家は土の使用量が多く、土の処理にも困っているため、土の再生材を活用しながら薔薇や季節の草花を育てています。
今回使用する新しい培養土としては、ずっと使っている京都・松尾園芸さんのオリジナルの薔薇培養土です。
また、再生材は花ごころさんの「ふっかふかによみがえる古い土のリサイクル材」を使用します。
このリサイクル材は個人的にかなりお勧めで、同じ培養土を3回くらいは再利用することができています。特に、プランターや鉢で育てる季節の草花には、この再生材を混ぜ込んだ再利用の培養土を使うようにしています。
さて、土の準備も完了し、ジュード・ジ・オブスキュアを元の7号鉢に植え付けました。
今年はどんな成長を見せてくれるのか…不安と期待が入り混じりますね。
薔薇は1年目~2年目と3年目以降で花の色や形が変わるものもあります。(株が充実すると花の色や形が変わるものがあるようです。)
ジュード・ジ・オブスキュアは、どうなんでしょうか!?楽しみです。
早く春が来ないかなぁ…。
この記事の終わりに
この記事では、コンパクトに育てるイングリッシュ・ローズの一例として、ジュード・ジ・オブスキュアの冬剪定と土の入れ替えを紹介しました。
イングリッシュ・ローズは広い庭や花壇でないと育てられないとお考えの方も多いかもしれません。
私も過去にはその考えを持っていた一人でもありました。
しかし、我が家では7号の小さな鉢でジュード・ジ・オブスキュアを栽培しており、適切に剪定を行うことで、7号鉢でも問題無く栽培をすることが出来ています。
7号鉢であれば、ベランダや玄関先に置くことが出来るサイズだと思いますので、ジュード・ジ・オブスキュアは栽培スペースが気になる方でも安心して育てられる品種かと思います。
また、ジュード・ジ・オブスキュアは病気にも強いイングリッシュ・ローズです。
初めてイングリッシュ・ローズを育てる方にもお勧めな品種だと思いますので、今年お迎えする薔薇の候補に入れてみてはいかがでしょうか!?