晩秋まで咲くユーフォルビアを鉢一杯に育てよう!

秋に開花を迎える草花は多くありますが、夏から晩秋までの長い間、常に花を咲かせて繰り返し良く咲いてくれる花は意外と限られていたりします。

秋の薔薇の様に、短い期間だけ花を咲かせてくれる品種は、一時ではありますが開花の時間がとても華やかになります。しかし、花が咲いている期間が短いのは、ちょっとしたデメリットでもあります。

それに対して、花は小さくとも長く繰り返し咲いてくれる草花には大きなメリットがあります。

例えば、玄関先で鉢植えで楽しむ場合、2ヵ月~3ヵ月の長い間、ローメンテナンスで玄関先を華やかに彩ってくれますし、他の草花と寄せ植えにする場合には花同士の開花期がマッチして、より華やかな寄せ植えを作ることができます。

「ユーフォルビア」は、ビオラやコスモスのような秋のメジャーな草花ではありませんが、夏から晩秋まで長く繰り返し咲く品種の一つです。

一つ一つの花は小さいですが、花の数が非常に多いことが特徴で、ボリュームも出るので意外と立派な鉢植えが作れます。そして、花のサイズが小さいことで、蕾の形成から開花までにかかる期間が短く、常に花が咲いている状態を維持することも特徴となります。

この記事では、ユーフォルビア・ダイヤモンドスノーを例に取り、ユーフォルビアの栽培の実例や成長の様子を写真と共に紹介していきます。

2021年9月初旬に苗を植え付けてから、晩秋の2021年12月中旬までの栽培記録となります。


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今回植え付けを行うユーフォルビアについて

ユーフォルビアにも様々な品種があります。

今回紹介する花が一杯に咲く品種から、多肉植物に分類されるものもあり、そのユーフォルビアに適した栽培方法を知って育てる事が必要となります。

本記事で紹介する花の咲くユーフォルビアについては、育種化の皆様の御努力により、花の大きさや色が異なる品種が多くあります。御自身のお気に入りのユーフォルビアを見つけることも楽しみの一つですね!

今回の記事では、Proven Winnersさんの「ダイヤモンドスノー」という品種を選びました。

9月初旬にホームセンターに販売されていた苗になります。とても有名な品種なので、お近くのホームセンターでも夏の販売期に見ることができるかと思います。

選んだ理由は…下の写真がダイヤモンドスノーのアピール広告なのですが、これだけたくさんの花が付くと宣伝されると育ててみたくなったのです。もちろん、写真は模範鉢であり、プロが育てたものや複数株が植えられているので、1株でそこまで花が咲くとは限りません。しかし、ここまで咲かせられるように努力してみたくなりますね!

成長を見越して6号鉢へ植え付け

今回のユーフォルビアの植え付けには6号鉢を使用しました。

3株を植え付ける場合には10号鉢くらいが必要になりますが、1株だけを植え付けるので6号鉢で十分かと思います。

使用した土は、薔薇栽培で使用していた培養土に、リサイクル材を混ぜ込んだものを利用しています。

ユーフォルビアは、バラ科の植物では無くトウダイグサ科なので、連作障害のような現象は起きないと思います。

また、使用する培養土の中には元肥として適量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきました。

植え付けた後の様子が付きの写真となります。6号鉢に対して、まだまだ苗の方が小さい状態です。


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ユーフォルビアの管理方法

今回のユーフォルビアの栽培について、9月から晩秋までの日々の管理方法や栽培条件を記載しておきます。

私の住んでいる関西の市街地での管理方法なので、あくまでも御参考ということで。

水やりは土の湿り気を確認して適切に!

まず最初に水やりですが、苗を植え付けた9月初旬はまだまだ夏の日差し・暑さが厳しい日々でした。

朝に水やりを行っても、暑さによって土の表面は乾いてしまう気候です。

しかし、少し土を掘ってみると、苗が小さく根の張りも弱い土の内部は湿った状態を維持していることもわかったので、9月中旬までは朝の1回の水やりに留めておきました。

9月後半になると株の大きさも大きくなり、かつ根の張りも良くなってきたため、水の乾く速度が上がりそうに思えました。しかし、気温自体が下がってくるため、そこまで土が乾くことなく、朝一回の水やりで十分な状態が続きます。

そして、10月に入ると、株は成長していても土の乾き具合はさらに遅くなったため、毎朝、土の乾燥具合を確認してから水やりをするように心掛けました。園芸の基本ですが、常に湿っている培養土は植物の根腐れの原因になるので、ユーフォルビアについても乾湿をつけたメリハリある水やりが重要ですね。

日照条件について

ユーフォルビアは日光が大好きな植物です。

今回育てたユーフォルビア・ダイヤモンドスノーも、1日当たり6時間程度は日光が当たる場所で育てていきました。

施肥について

施肥については、上記の通り、植え付けの際に培養土へ緩効性肥料を混ぜ込んでいます。

また、緩効性肥料に加えて、週に一度のペースで液体肥料を与えていました。

ただし、肥料過多になることを恐れて、液体肥料は規定量よりも更に薄めたものを与えていました。具体的には、規定濃度よりもさらに2倍に薄めた液体肥料です。

植付けから1ヶ月半のユーフォルビアの成長の様子

では、実際のユーフォルビアの成長について、写真と共に成長の様子を紹介します。

どのくらいの期間で、どのくらいのサイズまで成長するか…と言う点が御参考になればと思います。

まず最初に、植え付けから3週間後のユーフォルビアの状態です。

株の大きさが大きくなり、株を上から見た時の直径は、6号鉢の大きさと同じくらいまで成長しています。

ぐんぐん成長している姿からも、根がしっかりと張って、成長にスイッチが入ったことが伺えます。

この時期から、枝先にたくさんの小さな花を咲かせてくれるようになりました。

次の写真が植え付けから1ヶ月半後の様子です。10月中旬になります。

2カ月経つと、既に株の勢いが「暴れている」という表現に近いものになってきます。

枝の数も枝の長さも長くなり、鉢から溢れてしまうような状態です。

植え付けてから直ぐに開花が始まりましたが、ここまでの間で、花が途切れたことはありません。常に株に花が咲いている状態を維持しています。それだけ連続開花性が良いということです。

ただ、このままだと株の形が悪い状態になってしまいますし、花数もこれ以上増えない状態になってしまうので、下で紹介する切り戻しの作業を行いました。


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ユーフォルビアは切り戻しで株姿の調整と花数の増加へ

ユーフォルビアも他の園芸品種と同様に、切り戻しを行うことで脇芽が成長して花の数が増えていきます。

本記事で紹介しているユーフォルビアも、植え付けから日が経つにつれて、株の大きさがどんどん大きくなり、枝が伸びたい放題になってしまいました。

そこで、下の写真の通り、このタイミングで枝の切り戻しを実施して、株の形を揃える作業を実施しました。

具体的な作業としては、難しいことは無く、伸びすぎている枝をハサミで切り戻すだけです。

鉢植えのユーフォルビアは、ドーム状に咲く姿が美しいので、切り戻す際には株の形がドーム状になるように意識しています。

切り戻しをしたことが原因で枯れることは無いので、あまり神経質にならずに、形を整えて行ってあげればOKです。

そして、この切り戻しを行ってから約20日後のユーフォルビアが次の写真となります。2021年11月7日の撮影です。

一回り株が大きくなり、花の密度もさらに多くなりました。このように、切り戻しを適宜行ってあげることで脇芽を増やし、花数がどんどん増加するのもユーフォルビアの良い特徴ですね!

まだまだ株の勢いが衰えることは無く、次々と花を咲かせてくれていますので、晩秋まで開花が楽しめそうです。

晩秋 (12月初旬) のユーフォルビアもたくさんの花が開花中

この記事のタイトルにある通り、ユーフォルビア「ダイアモンドスノー」は、晩秋まで連続開花することが特徴です。

植付けを行ったのが9月初旬となりますが、それから常に花が開花している状態で、切り戻しのタイミングを除けば、一度も花が途切れることはありませんでした。

そして、秋が深まり冬に移り行く12月中旬、この時期になっても下の写真の通り、開花した状態が続いています。

葉が黄色くなり、株が疲れたような姿になっているのは確かですが、さらに12月後半までは花が楽しめそうです。

このユーフォルビアは、我が家の玄関先に置いてあったのですが、晩夏からの長い間、玄関前を彩ってくれたので本当に満足のいく品種でした。

この記事の終わりに

この記事では、晩夏から晩秋まで、純白の小さな花を連続開花してくれるユーフォルビア・ダイアモンドスノーの栽培記録を紹介しました。

特に難しい栽培項目は無く、植え付けてから適量の肥料を与え、適宜切り戻しを行うことで、長い開花期を楽しむことが出来る品種となります。

秋はビオラ・パンジー・ストック・シクラメンなど、カラフルな花が出荷されるシーズンとなり、それらが特に着目されがちになります。

しかし、ちょっとだけマイナーな花の中にも、深まりゆく秋を楽しませてくれる草花が多くあり、ユーフォルビアもその一つの選択肢だと思います。

皆さんも、ユーフォルビアの栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか!?

さて、冬の鉢植えも楽しむために、また園芸店に行かなければ…。

では!

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