ラナンキュラスは一番最初に開く蕾が最も大きく豪華に咲く!花サイズの変化を実測

春を彩る球根植物には様々な種類があります。

ガーデンプランツとして有名なところでは、チューリップ、ユリ、クロッカス、ラナンキュラス、アリウム 等々…。

前年の秋に植え付けた球根が春先から一気に成長して、色とりどりの花を咲かせてくれると、花壇や鉢植えが一気に明るくなり、まさに春の到来を告げてくれます。

そんな球根植物の中で、今回は「ラナンキュラス」に着目します。

ラナンキュラスは春になると球根から複数の蕾を上げてくれて、3月から5月頃までの長い期間、開花が楽しめる球根植物です。(チューリップの様に一つの花しか咲かせないと、あっという間に花期が終わってしまいますが、ラナンキュラスは複数の花が咲きます。)

また、ラナンキュラスは品種が多く、自分が好きな色や形を選べる楽しみもありますよね!

しかし、実際にラナンキュラスを育ててみて気付いたことですが、ラナンキュラスの花はその年の最初に咲いた花が最も大きく、2番目以降の花は徐々にサイズが小さくなっていくんですよね。

この事実を実際に花サイズを測定しながらデータを取ってみたので、その結果を紹介したいと思います。

「そんなデータに誰が興味あるの!?」と言われてしまうかもしれませんが…

植物の一つの特徴として御紹介します。

【注意】本記事は、筆者の育てたラナンキュラスの栽培を基にして作成しています。栽培条件によっては結果が異なる可能性もありますので、あくまでも御参考としてお考えいただけましたら幸いです。


Advertisement

ラナンキュラスの栽培で気付いた花サイズの変化について

ラナンキュラスは花弁数が多く、花の見た目が薔薇にも似ているため、個人的に大好きな球根植物です。

ほぼ毎年のように、前年のラナンキュラスの球根を植え付けたり、園芸店でラナンキュラスの苗を新規に購入して、寄せ植え等で春の開花を楽しんでいます。

ラナンキュラスを栽培していると、毎年感じていた些細なことがあります。

それは、「ラナンキュラスの花のサイズは、その年に一番最初に咲いた蕾が最も大きく、2番目以降の花が徐々に小さくなっていってしまう。」ということです。

園芸店で春に販売されているラナンキュラスの苗 (芽吹いた球根) は、とても大きな花が咲き誇っています。しかし、実際にラナンキュラスを購入して、自宅で2番目以降の花を咲かせてみると、1番目より明確に花のサイズが小さくなっているんですよね。

この事実を初めて知った時には、「ええ~!なんか花が小さい!」と驚いたと同時に、「自分の栽培方法に問題があるのでは?」と思ったことを今でも覚えています。

でも、これは様々な品種のガーデンプランツで見られる植物が持つ特徴なんですよね。

その詳細を、実際にラナンキュラスで調査した結果を交えて、以下で紹介していきたいと思います。

ラナンキュラスの花サイズの測定方法

今回、ラナンキュラスの花サイズの調査に使用した品種は「スプリンクルス」と言う品種です。

大輪の花が咲くタイプのラナンキュラスで、比較的オーソドックスな品種だと思います。

下の写真に示すように、その年の最初の花が咲いている状態の苗を購入してきました。

この苗を植え変えて、完全に花が開き切った時点で、次の写真に示すように花の直径をメジャーで測定します。この直径を最初に咲いた花から順番に測定して、2番目以降の花の直径がどれくらい小さくなるかを確認していきます。


Advertisement

ラナンキュラスの花サイズを測定した結果の紹介

ここからは、まず最初に、花サイズの測定を行ったラナンキュラスの品種や栽培の条件を記します。

その後で、花の姿の違いを写真で確認し、実際に花サイズを測定した結果をグラフ化したものを紹介したいと思います。

ラナンキュラスの栽培条件に付いて

今回の実験に用いたラナンキュラスですが、上記の通り「スプリンクルス」という品種のラナンキュラスとなります。

深紅のラナンキュラスが2株、ピンクと白の混植のラナンキュラスが1株で、合計3株のラナンキュラスの花サイズを測定していきます。

購入後に次の写真のように、10号鉢の寄せ植えとして栽培していきました。ネメシア、ジュリアン、エレモフィラニベアと一緒に寄せ植えしたものです。

主な管理方法としては、以下の通りです。

・水やり:土が乾いてからたっぷりと

・施肥:元肥に加えて、1週間に1度の液肥(規定倍率で希釈)

・日照時間:朝から夕方3時半までの日当たりを確保

・ラナンキュラスの花がら摘みは、花が開き切った直後に実施

写真で見る花サイズ・容姿の変化

まず最初に、ラナンキュラスの花の大きさの変化を写真で見て見たいと思います。

下の写真の例は、寄せ植えの中央に配置したピンクと白の混植のラナンキュラスです。

左が1番最初に咲いた花、右が2番目に咲いた花の写真です。

スケールが入っていないので、直接比較することが難しいのですが、1番最初に咲いた花の直径は10cm、2番目に咲いた花の直径は6cmとなりました。

また、次の写真は深紅のラナンキュラスですが、4つの花を咲かせております。これらの花が咲いた順番も写真の中に記載していますが、咲いた順番が後になるほど花サイズが小さくなっていることが明確にわかるかと思います。

また、花の姿を見て分かることですが、最初に咲いた花の方が花弁数が明確に多く、花弁のサイズも大きいです。

後から咲いた蕾ほど、花弁数がどんどん少なくなっているように見えます。

また、ピンク色のラナンキュラスに関しては、色の鮮明さも最初の花の方が格段に良い状態です。

このように、同じラナンキュラスの株であっても、その年に咲いた花の順番でこれだけ容姿に違いが出てくるんですよね。

花サイズを測定した結果

それでは、実際にラナンキュラスの花サイズを測定した結果をグラフで紹介します。

下のグラフは、横軸に咲いた花の順番、縦軸に花の直径を取っています。

このグラフからわかるように、最初に咲いた花は10cm前後の直径があるのにも関わらず、2番目の花は6cm~8cm、3番目に関しては5~6cmまで直径が小さくなっています。

1番目と3番目を比べると約半分くらいまで花のサイズが小さくなってしまうんです…。

ラナンキュラスの花は、その年に最初に咲く花が最も豪華なので、存分に楽しまないといけないということですよね!

間違っても最初の花が開き切る前に摘んでしまう事が無いように注意しましょう!(2番目以降の花は一気に小さくなって、寂しい気分になりますよ。)

なぜ最初の花が大きく2番目以降の花が小さくなるのか

花を咲かせるガーデンプランツの中で、花期の一番最初に咲く花が最も大きく、2番目以降の花が小さくなっていくものは、ラナンキュラスだけではありません。

私のブログのメインテーマになっている「薔薇」についても同じことが言えます。

では、その理由と考えられる2つの要因を以下で記載していきたいと思います。

1番最初に咲く蕾が最も栄養をたくさんもらっているため

まず1つ目の要因は、1番最初に咲く花は球根から最も多くの養分をもらって育つことが出来るからです。

夏から冬の間休眠して春に開花を迎える球根植物たちは、春の芽吹きと共に蓄えていた養分を爆発させて開花の時を迎えます。

特に、その年の1番最初に形成される蕾は、球根に蓄えた養分を独り占めして成長します。

そのため、花弁数が多く、花弁も大きく、最も豪華な花を咲かせることができるのです。

私が育てている薔薇も、冬の間は休眠期間となりますが、春の一番最初に咲く花は最も豪華に咲きます。

2番目以降の花は脇芽が発生するため養分が分散しやすい

もう一つの要因は、脇芽の発生 (1つの茎から蕾が2つ出る状態) によって養分が分散することです。

下の写真に例を示しますが、ラナンキュラスは一つの茎から複数の蕾が出てくる場合があります。

このように1つの茎から2つの花が形成される場合、1つの蕾が得ることができる養分は半分になってしまいます。つまり、養分が分散されるということです。

養分が半分になれば、花のサイズが小さくなってしまうのは容易に想像できるかと思います。


Advertisement

この記事の終わりに

本記事では、春に開花を迎えるラナンキュラスの特徴として、形成される蕾の順番によって花のサイズが変化するという点を御紹介させていただきました。

その年の春に一番最初に形成されるラナンキュラスの蕾は、非常に大きく花弁数の多い豪華な花を咲かせてくれます。

しかし、2番目以降の花は、明確に花のサイズが落ち、花弁数も少なくなってしまうのが事実です。

特に花弁数が多い大輪のラナンキュラスでは、この傾向が強いように思えます。

ラナンキュラスは、春に花を複数咲かせてくれる球根植物ですが、花の大きさや質を考えると、やはり一番最初に咲く花をしっかりと堪能しておくべきだと感じますね。

ただ、ラナンキュラスの2番目以降の花は、サイズは少し落ちますが、それでもとても十分に美しい花を咲かせてくれるので、5月までの花期をじっくりと楽しんで行きましょう!

では!

最新情報をチェックしよう!