トリトニアの育て方と成長過程を詳細に紹介 (鉢植えで育てた実例)

園芸を趣味にしていると、ある特定のガーデンプランツが好きになって、繰り返し育ててしまうものが出てきます。

私の場合ですが、毎年6月頃にヒマワリの種を植えたり、9月初旬にはコスモスの鉢植えを作り始めます。各季節にお気に入りの花が花壇や鉢植えを彩ってくれると、何となくですが「個人的な季節の風物詩」のように思えてきます。

ただ、毎年同じ品種の花ばかりを育ててばかりでは、園芸という趣味の幅が広がりませんよね!

園芸品種の植物は数多くあるので、今までに育てたことが無い花を育てると、新しい発見があったりします。もちろん、育ててみると「自分には合っていななぁ…」と思える花や植物もあるかもしれません。

そこで、この記事では園芸を趣味にされている方にとっても、あまり聞き慣れない花の一つを紹介したいと思います。

球根植物の「トリトニア」です。

トリトニアはアヤメ科の球根植物ですが、育てた経験がある方は少ないのではないかと思います。

私自身も初めて育てた球根植物なので、実際に育てた記録として、育て方や成長の詳細を御紹介できればと思います。

これからトリトニアを育ててみようと思っている方に、少しでも御参考になれば幸いです。


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本記事で植え付けるトリトニアについて

トリトニアは冒頭に記載の通り、アヤメ科の球根植物になります。

アヤメ科には日本で有名な菖蒲があるので、アヤメ科は少し湿った土で育つようなイメージを持っておられる方も多いかと思います。

しかし、アヤメ科の全ての植物がそうではなく、トリトニアのように水捌けの良い培養土を好む品種も多くあります。

今回紹介する株式会社「花の大和」さんから発売されているトリトニアも、水捌けの良い培養土で育てる品種になります。(下の写真参照)

ホームセンターで販売されているので、園芸店で見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

白・朱色・ピンクの混合になるため、実際に植えてみて何色が咲くかは咲いてからのお楽しみです!

植え付け時期は9月から12月で、開花は翌年の5月とのことですが、筆者の住む関西の都市圏では、開花はどのくらいになるのでしょうか!?(以下で紹介します。)

今回は、植え付けを2021年10月17日に行いました。

小さなプランターにアリウムと混植させて育ててみることに

トリトニアは花壇に植えてもOKですし、鉢植えで育てても問題ないということですので、今回は小さなプランターに植えて育てて見ることにしました。

我が家では、限られたスペースの中で様々な園芸品種を栽培しているので、なるべく小さな鉢植えで育てたいというのが実情になります。

ただ、我が家と同じように、限られた空間で園芸を楽しんでいる方 (ベランダ栽培など) もたくさんいらっしゃると思います。小さなプランターでもトリトニアが育てられるという点を参考にしていただければと思います。

今回用意したのは、幅30cm、奥行き15cmの小さなプランターです (下の写真参照) 。

とても小さなプランターですが、トリトニアに加えてアリウムも植えるという「過密」な鉢植えにしてみました。

後列に背の高くなるトリトニアを4株、前列に背の少し低いアリウムを4株としています。

とても密度が高いので、全ての球根が元気に育つのか心配ではありますが、しっかりと咲いてくれれば開花期に華やかなプランターになってくれるのではないかと期待します!


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トリトニアの球根について ~どちらが上でどちらが下?~

種から育てる植物であれば、種を植える時に種の向きを考えることはあまりありませんよね。

しかし、球根の場合は、葉が出てくる位置と根が出てくる位置が決まっているので、葉が出てくる位置を上にして植えた方が芽吹きがスムーズになります。

トリトニアの球根を次の写真に載せておきますが、葉が出てくる位置が少し尖っており、根が出てくる位置は少しくぼんだ様な形をしています。

植付けの際には、球根の上下を確認して、根の出てくる位置が下になるように植え付けます。

トリトニアの成長の様子と詳細を紹介

それでは、ここからはトリトニアを植え付けてから、どのような成長を見せたのかを紹介したいと思います。

冬越しの状態や、花芽の背丈、花の咲き方などを仔細に紹介します。

植え付けてから10日後に葉の芽吹きを確認

2021年10月17日に植え付けてから10日後の10月27日、トリトニアの芽吹きを確認しました。

次の写真の通りですが、小さな芽が培養土の表面から顔を出しています。

予想以上に早い芽吹きとなりました。

過去に私が育てたアヤメ科の植物にフリージアがありますが、フリージアも植え付けから直ぐに芽吹いてきました。

つまり、トリトニアも秋に植えて直ぐに葉が芽吹き、葉が地上に出た状態で越冬し、そして春に花が咲くというプロセスになるようです。

何はともあれ、植えた4つの球根が全て芽吹いたので、植え付けがしっかりと出来ており安心しました。

植え付けから2カ月後の12月中旬に成長が止まる

トリトニアを植え付けてから約2カ月後になりますが、気温が下がると共に株 (葉) の成長が鈍くなり、2021年12月中旬には新しい葉の発生がほとんど無い状態となりました。

この状態で寒い冬を越え、そして春になったら蕾が出てくるものとなります。

前列に植えたアリウムについては、発芽のタイミングが来年の春になるとのことなので、現時点では芽も何も生えていない状況です。

3月中旬にも葉だけの状態が続く

寒い冬が終わりを告げ、春の花たちが開花し始める3月中旬になりますが、トリトニアの状態には大きな変化がありませんでした。

次の写真が2022年3月10日の様子です。

昨年12月の状態に比べると葉の量は増えてはいますが、花芽と思われる部分は見えていない状況です。

ムスカリやラナンキュラスは花芽が伸びてきている中でしたが、トリトニアは静かな状態で「大丈夫なのかな?」と思えた時期でした。

4月に入って花芽が急成長!

2022年4月初旬になると、トリトニアが一気に花芽を成長させ始めました。

下の写真に示すように、約40cm程度の花芽が成長し、その先端に蕾が付き始めました。

初めてトリトニアを育てたので、ここまで花芽が長いということに正直驚きでした。

もう少しコンパクトな株姿・花芽だと思っていたので…

この姿は、同じアヤメ科の球根植物「フリージア」とほとんど同じという感じですね。

トリトニアを初めて育てる方は、このくらいの背丈 (約40cm) になることを覚えておくと、寄せ植えや花壇のレイアウト作成時に役立つかと思います!

4月中旬に開花の時を迎える

半年前に植え付けて成長を見届けて来たトリトニアですが、4月中旬に無事に開花の時を迎えました。

下の写真が、最初に開花したトリトニアの花です。オレンジ色でした。

下にある蕾が最初に成長していくため、下の蕾から順番に開花していく特徴があります。

また、少し咲き進んだ様子が次の写真となります。

花芽が同じ方向に斜めに向いているのですが、これは太陽の方向に向かって伸びる性質から来ているものかと思います。

このプランターの管理は、上の写真で右側が南向きになるように置いていたため、全てのトリトニアが南向きに育ち、その結果として花芽が斜めに成長したのかと。

少しいびつな形の寄せ植えになってしまいましたね。

トリトニアとアリウムは花期が合わない!?

植付けの項目で記載したように、トリトニアの前列にはアリウムを植えていました。

しかし、アリウムはトリトニアより芽吹きが遅く、トリトニアの花が咲くころになってようやく葉がしっかりと生え始めました。

トリトニアと同時期に咲いてくれればと思っていましたが、花期が大幅にずれてしまいましたね。

別の鉢で育てている別の品種のアリウムも、まだ開花まで時間がかかりそうなので、トリトニアとアリウムは同時開花と言うのが難しいのかと思います。

また一つ、園芸の知識が増えました!


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トリトニアを育てての正直な感想 (不満に思ってしまったこと)

ここからは、私がトリトニアを育ててみて感じた正直な所感を2つ記したいと思います。

1つ目は「花数」や「花の密度」に関することです。

トリトニアを育ててみたいと思って園芸店に行き、球根のパッケージを見て栽培してみたのですが、4つの球根ではパッケージの様に花の密度を多くすることが出来ませんでした。(パッケージはあくまでもパッケージですね。)

30cm幅のプランターに4つの球根を植えたのですが、植え付け当時は少し密度が高いと感じていました。

しかしながら、開花を迎えた時には花の密度が高くなるわけでは無く、少し寂しいプランターの寄せ植えだと感じました。

個人的には「もうちょっと豪華なプランターになるのかな?」と思っていたので少し残念でした。

マーガレットやオステオスペルマム等の花が一杯咲くガーデンプランツと寄せ植えに使ったりすると良いかもしれません。

2つ目は株姿が少し悪いという点です。

葉がまっすぐと伸びたので、花芽も真っすぐ伸びて直立してくれるのでは?と思っていたのですが、上の写真で分かるように、花芽は蛇行するように斜め方向に伸びました。

(理由は上で記載した通り、太陽の方向に向かって花芽が伸びていくためと考えられます。)

花芽を真っすぐに伸ばすためには、支柱などで花芽を固定しながら育てる必要があるのではないかと思います。

そのため、特に対策せずに育てると株ごとに花が咲く位置がバラバラになってしまい、咲きそろった時のプランターの美しさが少し悪くなってしまうように思えました。

花芽が長いという点からも、花壇やプランターで花を楽しむよりも、「切り花」で楽しむための花であるように思えます。

また、花壇で様々なガーデンプランツと混植してあげると、上記の私が感じたデメリットは気にならなくなるかもしれませんね!

この記事の終わりに

この記事では、少し聞き慣れない球根植物である「トリトニア」の育て方と成長の詳細や特徴を紹介させていただきました。

筆者自身、育てるのが初めてのガーデンプランツでしたが、栽培については特に難しい作業はありませんでした。秋に植え付ければ、春には開花してくれるので、初心者の方でも比較的育てやすい品種だと思います。

ただ、花芽の長さや花芽の伸び方に特徴的なものがあり、真っすぐ綺麗に咲かせるのは難しい植物なのだろうと感じました。

また、花が大量に咲くわけでは無く、ある程度密度を持たせて植えないと、プランターでも少し寂しく感じられる球根植物かと思います。

お花がたくさん植えられた花壇にワンポイントで混植してあげたり、咲いた花を切り花で楽しむお花としては、とても優秀な品種では無いかと思います。

トリトニアを育てようかとお考えの方に、少しでも御参考になれば幸いです。

それでは!

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