苺のランナーを使った苗の増やし方 -写真入りで詳しく紹介-

数多くある野菜の中で、誰もに愛される野菜…それは「苺」で間違いないかと思います。

え?野菜?と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、実は苺は草の実になるので野菜に分類されます。しかし、甘く果物と呼べるような実を作りますし、多くの方が果物と認識しているところもあるため、「果実的野菜」と呼ばれることもあります。

そんな苺ですが、自宅で栽培にチャレンジすると、とても面白いことができます。

苗を簡単に増産できることです。

実は苺は園芸店で売られている苗からも、次々と新しい苗を作ってくれる野菜であり、一度苗を購入すると新しい苺の苗が沢山作れる魔法の野菜でもあります。

この記事では、苺のランナーと呼ばれる新苗を作る枝の説明と共に、苗の作り方を写真入りで詳しく紹介したいと思います。

誰でも簡単にチャレンジできるので、苺の苗を購入された方はチャレンジしてみて下さい!


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苺のランナーとは?その役割を説明

苺の苗を購入し、御自宅でプランターなどに植え付けておくと、いつの間にか、下の写真に示すような、細長い枝の様な部分が出てきます。苗で購入した時点で、この細長い茎が出ている苗もあるかと思います。

これはランナーと呼ばれ、苺の苗が新しい苺の苗を作るのに必要な大切な茎になります。茎の途中に葉が出ている部分がありますが、実はこの部分が新しい苗になる、苺の苗の赤ちゃんの部分となります。

このランナーの部分は、放っておくとどんどん伸びて上の写真の様な新しい苗になる部分を次々に作っていきます。

図で書くと下の様になります。親から出てきたランナーに、次の苗になる部分ができていますが、この親株に一番近い苗を「太郎」と呼ぶそうです。そして、太郎の次の苗が「次郎」、その次に「三郎」…と、どんどん孫となる苗を増やしていくのです。

この苺の増殖の法則を知れば、親株を購入した後は、半永久的に苺の苗を得ることができます。苺を長く楽しみたい方は、下で苗を確保する作業を紹介しますので、是非実践してみて下さい。

苺の苗を増やすことができるタイミング

苺の苗を増やすことができるタイミングですが、ランナーが伸びて新しい苗になる部分がある程度成長したタイミングになります。

下の写真は、少し成長した「太郎苗 (親株に一番近い苗)」の根が出てくる部分となります。写真の中の矢印の部分を見ていただくと、将来根が生える部分に根の赤ちゃんの様なものが見えていることがわかります。

この根の赤ちゃんになるような部分が出てきたら、苗を増やすのにベストなタイミングになります。この根の部分は繊細な部分でもありますので、手で触って傷つけないようにしてあげてくださいね。

ランナーが空中に浮いていて土と接していないと、この部分の根の成長が活発になりませんが、土に接するようにしてあげると根が発芽して、苗が成長していきます。

また、このように根が生える場所が見えていなくても、苗の栽培の準備をすることはできます。その点も下に記載する例で紹介していきます。


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ランナーを使った苺の苗の増やし方

では、ここからは、実際にランナーを使った苺の苗の増やし方を、実際の作業を紹介しながら説明していきたいと思います。

苺の苗を増やす作業を行う前の留意点

苺の苗を増やすとき、御家庭でプランター栽培をされている方に覚えておいて欲しい注意点があります。

それは、苗を成長させている間は、プランターを動かすことができないということです。

プランター栽培の苺の親株から新しい苗を育てる時には、ビニールポットを用いて行いますが、根がしっかりと張っていない新しい苗は、動かすと根が切れてしまったりします。

そのため、苗を増やす作業をする時には、苺のプランターを動かさないようにするということを忘れないでください。また、もし動かす可能性がある方は、しばらくの間は動かさなくても大丈夫な位置にプランターを移動してから作業を開始してください。

用意するもの

用意するものは、2つだけです!

「ビニールポット」と「培養土」になります。

苺の苗は園芸店で販売されている時にもビニールポットに入ったものが売られていますが、あの状態の苗を作っていくことになります。

土の量もそこまで多くないですし、まずは水捌けの良い一般的な培養土を用いれば大丈夫です。私は、薔薇の栽培に使っている培養土を流用します。

今回は2つのランナーから新しい苗を作るので、ビニールポットを2つ用意しています。

根の出る部分を植え付け

苺のランナーについている「太郎苗」となる部分が、ある程度成長している場合には、根の生えてくる部分を確認して少しだけ土の中に植え付けてあげます。

太郎苗を植え付ける際の注意点ですが、苺の成長点となる部分を「クラウン」と呼びますが、このクラウンとなる部分は土の中に埋め込まないようにします。

このクラウンと呼ばれる部分から新しいや実をつける芽が出てきますので、この部分は土の表面よりも上になるようにします。

これで太郎苗の栽培準備が整いました。あとは上で紹介した根の発生する部分から根が出てきて苗として自立できるのを待つのみです。

ランナーを土の上に置くだけでもOK

次に太郎苗の大きさがまだ小さい場合の例も紹介しておきます。

太郎苗になる部分がまだ小さい場合、根が出てくる部分が見えないことがあります。しかし、そのような場合でも太郎苗を育てていく準備は可能です。

私が育てている苺にもそのような太郎苗の部分がありましたが、下の写真に示すように、培養土を入れたビニールポットの上に太郎苗になる部分を置いておくだけです。

葉のある面を上にすれば、自動的に根の出てくる部分が下になるので、上下を間違えることは無いと思います。

この状態でしばらく管理しておくと、太郎苗がいつの間にか成長します。また、ランナー部分がさらに伸びて、太郎苗の次に「次郎苗」となる部分がでてきます。

下の写真が最終的な太郎苗の準備の状態ですが、2つのビニールポットで太郎苗を育てている状態になります。最後に水やりは忘れないでくくださいね。

水やりは、培養土が完全に乾く前に水を上げて下さい。やりすぎは駄目ですが、与えなさすぎも苗の成長を阻害してしまいます。

下の写真の場合ですが、約10日後に確認したところ、根がしっかりと伸びて少し触っても太郎苗の部分が空中に浮くことは無かったです。

ランナー部の苗が根付いたら親株から切断

ランナー部分についている太郎苗や次郎苗が成長して根がしっかり生えたら、親株から伸びるランナー部分を切断します。

ランナーを切るタイミングですが、根がしっかりと張っている方が失敗が少ないと思います。新しい苗が根を張っている状態を確認出来たらハサミでランナーを切り落としましょう。

ランナーを切り落とした後は、しばらくはビニールポットでも栽培できますが、大きくなったら大きな鉢や地植えにしてあげて下さい。立派な苗に成長させるには、一回り大きい鉢やプランターへの植え替えが必須です。

調子に乗って苺の苗を増やしていくと、下の写真の様に、親株の周囲がビニールポットだらけになります。この写真では、6個のビニールポットが写っていますが、まだ新しいランナーが増えているので、さらに苗が増えていくことは間違いないです…。

このまま増やしていくと、どんどん苗が増えてしまうので、必要な数量まで増えたら、後はランナーを処理して子株が成長しないようにすることも必要かと思います。

株が増えれば、家の庭で苺狩りができる日が近いかも!?

上の写真の太郎苗は、根がしっかりと張ったら、大きなプランターに植え替えて来年の実りの時期を待ちます。


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この記事の最後に

この記事では、苺の苗の増やし方について、実際に行う作業を写真と共に説明をさせていただきました。

苺の苗はランナーと呼ばれる茎が伸び、そのランナーに次々に新しい苗となる部分が成長していくという、少し変わった増え方をします。

この特性を知っていれば、苗を購入することなく半永久的に苗を作り続けることができるので、長く多くの苺を育てたい方にはお勧めの方法です。

基本的にどんな種類の苺でも、同じ方法で苗を増やすことができますので、苺の苗を購入された方は苗を増やすという作業にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか!?

苗を増やし続けたら、いつの間にかベランダや庭が苺だらけになってしまうかもしれませんが…(笑)

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