ハダニや葉焼けを受けた苺を回復させる方法!

家庭菜園といえば、トマトやキュウリ、ナスなどの人気の夏野菜を思い浮かべる人が多いかと思います。

しかし、小さなお子さんと楽しく植物を育てるという点や、少し手間をかける点を考慮すると「苺」も不動の人気の野菜ではないでしょうか?

苺は育てるのに少しだけ手間はかかりますが、真っ赤に甘く実った果実を食べる瞬間は、とても嬉しい瞬間でもあります。

そんな苺の栽培ですが、多くの方が直面するトラブルに「葉焼け」「ハダニの被害」があると思います。

日本の暑い夏、直射日光に晒された葉が葉焼けを起こしたり、梅雨時期にハダニが大量発生したり…

そんなトラブルは、家庭菜園での苺の栽培に付き物と言っても過言ではないと思います。

この記事では、葉焼けやハダニの被害を受けた苺の苗を回復させる一つの方法を紹介したいと思います。

少し荒業ではあるのですが、株の状態を確実に回復できる方法として私は良く活用しています。

(実際に御参考にされる際には、あくまでも自己責任にて実施していただけましたら幸いです。)


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夏の日差しで苺の葉焼けが起きた実例

まず最初に、夏の強い日差しによって、実際に苺の葉が「葉焼け」を起こしてしまった実例を紹介します。

この苺は「ドルチェベリー」という品種ですが、過去の私の記事で栽培記録の紹介を紹介しています。

下の写真は、葉焼けを起こす前後での苺の葉の様子を比較しています。

左側の写真は春に撮影した写真であり(2021年4月)、右側は同じ株が夏の日差しで葉焼けを起こしてしまった状態となります(2021年8月)。

4月の状態は本当に綺麗な青々とした葉が茂っているのが分かると思うのですが、8月の状態はお世辞にも「良い状態」とはいえません。

葉の色は落ち、所々に赤くなって変色した部分があります。あらためて比較してみると、ここまで変わってしまうのだと驚きです…。

肥料はしっかりと適量与えて、毎朝毎晩の水やりもしていたので、肥料・水が問題ではないと思います。

単に直射日光に当て過ぎたことが原因の葉焼けだと考えています。

この株は、6月から8月までの間、朝7時半から夕方15時まで直射日光が当たる場所で管理していました。直射日光を軽減するようなものは無く、ダイレクトに日光が当たっていた状態です。

他に適切な管理場所が無く、仕方なく日光が当たってしまう場所で育てていたのですが、少し可哀そうな状態になってしまいました…。

ドルチェベリーは四季なりの苺ですが、このような状態になると、花は咲かせてくれませんし、新しいランナーを出してくれるような事もありません。

株が枯れないように、何とか最低限の生命維持活動で育成しているような状態でした。

上記の例では、葉焼けによって苺の葉が元気が無くなってしまったものを紹介しましたが、以下で紹介する方法は「ハダニ」によって葉に被害を受けた場合にも転用が可能となります。(実際に筆者が実験確認済みです。)

葉焼けやハダニの被害を受けた葉はどうするべき?

苺の葉が葉焼けで傷んだ場合やハダニの被害を受けた場合、基本的に被害を受けた葉を健全な状態に戻すことはできません。

葉焼けを起こして色素が抜けてしまっているような場合、その葉はいずれ元気が無くなり枯れ落ちていきます。

また、ハダニの被害を受けた葉も同様に、いずれ葉がパリパリに乾燥したような状態になり、光合成が出来ない状態となって枯れていきます。

そのため、正直なところ、いつまでもそれらの葉を残しておく意味は無いと考えます。

葉焼けやハダニで傷んでしまい救えそうにない葉は、全て根元から除去していきます。

元気の無い葉はいずれ枯れ落ちて腐ってしまうので、別の病気の温床になる可能性も出てきますので…。

状態の良い葉は残しておいた方が良いかとは思いますが、葉が広範囲にダメージを受けている場合には、いっそのこと、全ての葉を除去してしまうという方法もアリでは無いかと思います。

特にハダニの場合、少しでもハダニが残っていたり、卵が残っていると再びハダニ被害が再発します。そのため、ハダニの被害の場合には、被害を受けた多くの葉をしっかりと除去し、ハダニに有効な有機農薬を散布する方法が適切だと思います。ハダニの例は、本記事の後半部分でも詳細を記載します。


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葉焼けの苺を回復させた実例とその記録を紹介

では、実際に株全体に葉焼けを起こした苺を回復させた実例を、その方法と共に紹介たいと思います。

まずは葉焼けを起こした葉を全て株元から除去

まず最初に、葉焼けを起こした葉を全て除去していきます。

今回の例で使った2つの株の場合は、ほぼ全ての葉が変色して元気のない状態だったので、全ての葉を根元から除去していく作業をしました。

苺の葉は、株元の部分から簡単に葉が除去できますが、難しい場合にはハサミを使って株元から葉を除去してください。

実際に葉を全て除去した後の株姿が次の写真になります。

葉が無くなり、少し寂しい状態になってしまっていますが、株は枯れることなく生きているので御安心を。

このタイミングで、日中の日照時間が3時間程度になる場所に移動させてあげました。もっと早くにそうすべきだったのですが…。

薄めた液体肥料または少量の固形肥料で新葉の成長をサポート

葉を全て除去した苺は、基本的に葉からの蒸散が無くなるので、水やりのタイミングに注意してください。

夏の期間であれば、気温が高いのであっという間に土の中まで乾いてきそうですが、適宜土の中の湿り具合を確認しながら水やりをしてください。

また、新しい葉が展開してくるためには肥料が必要になるので、適切な肥料を与えることもお忘れなく。

ただ、あまりにも多くの肥料は必要無いので、規定量よりもさらに薄めた液肥や固形肥料を少量与えれば十分だと思います。

1週間後の苺の様子:無事に新しい葉が成長を開始

さて、葉を全て除去してから1週間後の苺の株の様子が次の写真になります。

2つの株で葉の発生状況・成長に差はありますが、どちらの株からも無事に新しい元気な葉が発生しています。

葉の色も緑色をしておりますので、葉緑体がしっかりと詰まった健康的な葉という感じがします。

2週間後:葉の数が増えて元気に成長中

さらに時間が経過して、葉を全て除去してから2週間後の様子となります。

2週間経過すると明らかに葉の数が増えて、しっかりと株の状態が回復していることが分かるようになります。

まだ新しい葉を展開して株が回復することが第一優先のため、花を咲かせるような元気は無く、ランナーも出せない状態ですが、日々成長がわかるくらいの成長を遂げています。

苺は葉焼けを起こしてしまっても、この例の様に、比較的簡単に回復させてあげることが可能なんですね!

約1か月後: 葉が茂り元気な状態に回復

さらに時が経ち、葉を切り落としてから約1か月後の様子が下の写真です。

2週間後の時に比べると、さらに葉の量が増えていることが見て分かると思います。

株にスイッチが入って、新たな葉を展開させる能力が軌道に乗ると、次々に新しい葉を出してくれるようになります。

この頃になると、新しい花の蕾も出てくるようになりますが、株の回復を第一に考えるため、実は付けないように蕾をしばらく摘心していきます。

【別の例】ハダニの被害を受けた苺を同様の方法で回復させた例

上記の例では夏の暑い日差しによって葉焼けを起こした苺について、葉を全て除去して株をリセットするという方法で回復させた実例を紹介しました。

しかし、この方法は葉焼けだけでは無く、ハダニの被害を受けた場合にも転用することが可能です。

下の写真の苺は、上で紹介した苺と同じ「ドルチェベリー」という品種の鉢植えです。2021年8月初旬の撮影で、3株が植えられた45cm幅のプランターです。

実はこの苺の株は、上の写真では元気な様子なのですが、2021年6月の梅雨シーズンにハダニの大被害を受けました。

全ての葉の裏にハダニが住み着き、株元付近の小さな葉や、茎の部分にも大量にハダニが生息しているという悲しい状況でした。

一般的なハダニ被害の特徴と同様ですが、葉はパリパリに乾燥し、株の成長が完全にストップしたような状態でした。

苺なので薬剤 (殺ダニ剤) をなるべく散布したくないという気持ち、そして、薬剤を散布したとしても被害を受けた葉は救うことが難しいという状況だったので、上記で紹介した通り、全ての葉を完全に切り落としてしましました。

その後、葉の無くなった苺のプランターに有機農薬の「アーリーセーフ」を散布して、ハダニを駆逐するという作業をしました。

その後、約2カ月の回復期間を経て、上の写真の様に、今では青々とした葉を茂らせてくれています。ランナーもたくさん発生してくれて、完全に株が復活した状態になりました。

ハダニ被害からも回復させることが出来た例として紹介しておきます。


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この記事の終わりに

この記事では、葉焼けやハダニの被害を受けた苺について、葉を全てカットして株をリセット回復する方法を紹介しました。

葉を全て除去するというのは、少し荒業過ぎるような気もするのですが、葉焼けやハダニの被害を受けた葉は基本的にはいずれて枯れ落ちてしまう運命にあるので、除去して新しい葉の発生を促進する方が良いのではないかと思います。

私自身は、実際にこの方法を使って何度もハダニの被害や葉焼けから苺を回復させていますので、試してみる価値は十分あるかと考えています。

もちろん、苺の品種によって効果が出るものと出にくいものがあるかと思います。もしかしたら、葉を全て落としたら枯れてしまう株もあるかもしれません。

本方法を試す際には、自己責任にて実施をお願いします。

もし、同一品種の苺は複数株ある場合には、1株で実験してから採用の可否を御検討ください。

また、今回の方法で苺が復活したという方がいらしたら、コメントやメッセージをいただけると幸いです。

それでは!

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