小さな鉢植えでユリの栽培に挑戦!開花までの栽培過程を紹介

ユリと聞くと、花壇に比較的深い穴を掘って植え付けを行うイメージが強いと思いますが、実は中輪以下の品種であればとても小さなポットでも栽培できるんですよ!

理想を言えば、広い花壇でのびのびと育ったユリが最高の花を咲かせてくれると思いますが、別に理想を求める必要はありません。

綺麗なユリが楽しめれば良い!その一心で、敢えて理想に反して小さな鉢植えのユリ栽培にチャレンジしてみました。

花壇が無い、大きな鉢を置くスペースも確保が難しい、玄関先の限られたスペースでもユリを楽しみたい…

そんな方へ向けて、わずか15cm角の小さなプラスチック鉢でのユリ栽培を御紹介させていただきます。


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育てたユリは「サマンサ」

今回用意したユリは、高さが100cm以下で比較的コンパクトに育てられる「サマンサ」という品種です。

花が薔薇の様に咲く人気の品種でこのような咲き方のユリは「ローズ・リリー」と呼ばれています。

花のサイズも大輪のユリではなく、中輪のユリです。

大輪のユリは高さも150cm位になるので、とても今回使用する小さなプラスチック鉢では育てるのが困難です。

小さな鉢で育てるユリの場合、高さが100cm未満というが一つの指標になるかと思います。

用意したポットは15cm×15cm!

用意したポットですが、タイトルの期待に沿えるように、下の写真に示すように、15cm×15cmの鉢を用意しました。深さも20cm位です。

鉢の写真

円形の6号鉢や7号鉢くらいなら試したことがあるかたいらっしゃるとは思うのですが、今回はそんなに大きな鉢ではありませんよ。角型の15cm×15cmです。

たぶん、このサイズがユリを育てられる最小の鉢ではないかと思います。

この鉢はパンジーなどの小さな草花用なのですが、その大きさでも実はユリは育てられるんです。


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植える時は鉢底に球根を植える

植える時の注意ですが、必ず球根を鉢の底に植え付けましょう。

ユリは、球根の底からも根が出ては来るのですが、下の図に示すように、地中に伸びた茎からも根が出てきて、養分を吸い取る大事な役割をします。

そのため、なるべく深植えにする必要があるのです。

今回は本当に深さも浅いので少しでも深植えできるように球根は底に近い位置に植えます。

ユリ栽培の断面図

植え付けの最適期は冬ですが、私は1月に植え付けました。春には早々に葉が展開して育ってきますので、遅くとも2月中旬までには植え付けが必須かと思います。球根が休眠している間に植えて春を待ちましょう!

また、土はなるべくたくさん入れたいので、ウォータースペースは1cmにします。通常は2cm~3cm位は確保すると思いますが、今回は限られたスペースなので、2cmも必要ありません。水やり時に、水があふれないように注意します。

さらに、鉢底石も入れませんでした。高さを少しでも確保したので、鉢底石は邪魔になってしまいます。

土については、薔薇栽培で用いている、下の記事で紹介の土を流用しました。

球根の入手について

実はユリは品種によって球根の出回る時期が異なります。

速い品種は9月くらいから店頭やインターネットで販売されますが、遅いものは11月くらいになります。

薔薇の様に咲く人気の品種ものから一般的なユリまで9月から11月が流通時期ですが、人気のものはインターネット予約で売り切れてしまうこともあります。

そのため、お目当ての品種がある方は、8月の終わりごろから予約を開始しましょう。

ホームセンターでもユリの球根は売っていますが、やはりインターネット販売の方が種類は豊富ですし、確実に手に入ります。


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水やりと肥料

5月以降は毎日水やりが必要

植え付けから4月までは、まだユリも小さいので水の消費量が少なく、土が乾いてから水を与えれば問題ないです。

しかし、5月以降はユリも大きく育っているので、基本的に毎日の水やりが必要です。

ユリは生育が旺盛で、根もしっかりと張る植物なので大きく育つと水を多く必要とします。15cm角の小さなポットでは朝の水やりだけでは足りず、夕方にも与える必要がある場合もあります。

ただし、梅雨時期で雨が降って土が湿っている場合には水やりは控えて大丈夫です。

肥料は必要最低限にする

肥料は小さなポットほど、与え過ぎに注意が必要です。

小さなポットでは与え過ぎるとかなり効き目が強くなり、肥料焼けを起こしてしまうので、固形肥料でも液体肥料でも少なくしておきます。

液体肥料であれば、規定量よりもさらに倍くらいに薄めたものでも良いくらいです。効き目の緩やかな固形の有機肥料を与えると失敗が少ないかもしれませんね。

私自身は液体肥料を使って育てています。

特に特定の肥料が良いというわけではないので、一般的な園芸用の肥料で問題なく育てられます。

成長の記録を紹介

ここからは、実際の成長記録を紹介していきたいと思います。

2020年5月1日のサマンサ

春先の写真があった良かったのですが、撮影しておらず載せることが出来ませんでした。

5月1日の写真になりますが、無事に芽が出てきて多くの葉を展開させながら上部に育っている様子が分かるかと思います。

5月1日のサマンサ

一つ言えることは、この時点で鉢の大きさに見合わない大きさになっています。重心が高いという表現があっているかと思いますが、強風が吹くと倒れそうに思いますので、玄関先や軒下の風が強くない場所での保管がお勧めです。

まぁ、倒れた所で枯れることは無いですが、こぼれた土の処理が大変ですからね。

2020年5月10日のサマンサ

さて、5月も半ばに差し掛かってくると、蕾が顔を出し始めます。

小さな鉢植えだったので、花の蕾が出てくるかが心配だったのですが、無事に出てきてくれて一安心した瞬間ですね。

サマンサの蕾

2020年6月13日のサマンサ

蕾が相当大きくなり、もう開花間近という様子です。

サマンサの蕾は合計で3つですね。

大輪のユリは、蕾がこの後に垂れ下がって花を咲かせるものが多いのですが、サマンサは蕾が上向きになったままですね。

この後どのように咲くのでしょうか?(初めて育てたので詳しく知りませんでした。)

6月中旬のサマンサ

5月の初旬から比べると、より一層大きく育っているので、完全に鉢植えのサイズを間違えている感が否めませんが、もうすぐ開花です!

2020年6月30日に無事に開花

蕾が上がって来てから、かなり時間が経ちましたが、6月30日に無事に開花を迎えました。

普通のユリに対して、薔薇咲きのローズリリーは花弁数が多いため、蕾が出来てから開花に至るまでの期間が長くなります。

大型の鉄砲ユリであれば6月の初旬位には開花を迎えるのですが、それから1カ月遅れての開花になりました。

とても小さなプラスチック鉢での栽培に挑戦しましたが、無事に3つの蕾が開花してくれましたので、成功と言って良いかと思います。

このサマンサというローズ・リリーは、少し花のサイズが子ぶりながらも、香りはユリ独特の甘くて強いものを持っています。玄関先にあるだけで、周囲に甘い香りを放ってくれるので、注目されることも間違いなしです!

この記事の最後に

この記事では、ローズ・リリーとして有名なサマンサという品種を、家庭にあるとても小さなプラスチックポットで育てるということに挑戦をしました。

ユリというと、比較的深い鉢で育てないと上手く咲かないというイメージがあるかと思いますが、理想を追わなければ小さな鉢でも問題なく咲かせることが出来ます。

特に都会の限られた空間では、ユリを庭植えすることが出来なかったり、鉢も大きなものを用意すること自体が厳しい場合があるかと思います。

しかし、今回紹介させていただいたように、わずか15cm角のポットでもユリは咲かせることができます。

皆さんも、是非小さなポットでのユリ栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか?

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