夏本番を迎える8月、外に出て園芸作業をするのも嫌になる毎日が続きます。
そんな8月になると、ユリの多くが葉を落とし始めて球根が休眠に入ります。
今年は私のブログでも紹介している「小さな鉢植えのユリ」に挑戦をしてきましたが、そのユリも葉が枯れ落ち始めたので、球根の堀り上げ作業を行いました。
本記事では、その球根堀り上げ作業について、堀り上げの時期などを紹介していきたいと思います。
本記事で球根を堀り上げる鉢植えユリ
以前の記事で、小さな鉢植えでもユリは咲かせられることを記事にして紹介をさせていただきました。(下の記事になります)
このユリは、15cm×15cmという小さなプラスチップポットで育てていたのですが、6月の後半に立派にローズリリーを咲かせてくれました。
このユリも、8月に入り葉が枯れ落ちてきましたので、来年のために鉢植えの中から球根を掘り出しておきたいと思います。
ユリの花後の管理と球根を堀り上るタイミングについて
ユリは花が終わった後は、必ず花の部分だけを切り落として、下の写真のような状態でしばらく管理します。
ユリは花が終わった後、来年の成長に向けて球根の中に多くの栄養を蓄えると共に、分球によって球根が増えていく植物です。そのための養分を作るため、花の部分だけを切り落として葉を残した状態で管理することになります。
そして、葉の状態で水を切らさないように育てていくと、種類にもよるのですが、概ね8月になると葉が黄色くなり、葉が落ちてきます。
今回紹介する鉢植えのユリも、下の写真の様に、葉が黄色くなり次々と落ち始めます。ここまで葉が黄色くなって枯れ落ち、茎も黄色くなってきたら茎を切り落とすサインになります。
掘り起こすためには、土を完全に乾かしておきたいので、下の写真の様に茎の部分だけを切り落として数日放置しておきます。
今回の様な小さな鉢植えであれば、2日ほど放置すれば土はカラカラに乾きますので、乾いたタイミングで彫り上げるようにします。
庭に植えているユリについては、茎の部分だけを切り落としておけば、来年以降も綺麗な花を咲かせてくれると思いますが、ユリを咲かせる場所を変えたい場合には、上記と同じ方法で堀り上げの準備をすることになります。
実際に鉢から球根を堀り上げます
① まずは鉢から株を抜き上げます
完全に鉢植えの土が乾き切ったら、実際に鉢から球根を堀り上げます。
下の写真に示すように、鉢が小さかったので根がびっしりと成長して、しっかりとした根鉢を作っていました。
鉢から球根を抜き出した時に、しっかりと根が張っていると栽培が成功していることの証明にもなるので、しっかりとした根鉢は見ると嬉しいものです。
鉢が小さいので、簡単にスポッと抜き上げることができます。球根の堀り上げが必要と言う観点を考えると、楽に堀り上げ作業ができるのも小さな鉢でユリを栽培する楽なポイントですね。
② ゴミ袋の中で土を落とし根を切ります
根鉢を崩すと土がボロボロと落ちて掃除が大変です。
そのため、小さな鉢植えの植物であれば、下の写真に示すようにゴミ袋の中に根鉢を入れて土を落としていくようにします。
この方法を使うと、後の掃除が少し楽になるのでお勧めです。
土は再利用はせずに廃棄し、球根から生えている根も役目を終えたものなので切り落としてしまいます。土を落として根を切り落としていくと、下の写真の様に球根が出てきます。球根の下と上の両方から根が出ていることがわかりますね。
③ 球根だけの状態にして乾燥保管します
掘り上げた球根を確認すると、3個の新しい球根に分球していました。
小さな鉢植えだったので分球は無理だろうと思っていたのですが、日当たりの良い場所で水切れさせることなく、かつ肥料も適正に与えていたことが良かったのだと思います。
この球根は日陰で乾燥させて、年前つの植え付けまで保管しておきます。
小さな鉢植えでユリを育ててみた感想
私の家では大きなユリを育てるスペースが無かったのですが、一度ユリを育ててみたいという希望があり、2020年1月に小さな鉢でのユリ栽培をスタートさせました。
巨大な花を咲かせる品種ではなく、背丈が100cm以下のユリであれば育てられるだろうと思い栽培に挑戦しました。
結果としては、上記のブログで紹介する通り、無事に美しいローズ・リリーを咲かせることができました。
小さな鉢植えで栽培を行うメリットは、次のような点が挙げられます。
まずは、何と言っても小さなスペースで栽培ができることですね。玄関先の30cm角の空きスペースがあれば栽培できますし、狭いベランダでも日当たりが良ければ栽培は可能だと思います。
次のメリットは鉢を簡単に移動することができるということです。狭いスペースだと掃除をしたり、色々な理由で鉢植えが邪魔になることが多いのですが、軽い小さな鉢植えであれば、動かすことが簡単です。
また、必要最低限の土や肥料でユリが育てられるということもメリットです。「最小の費用で最高のユリを育てる」という点が嬉しいポイントだと感じます。ユリと言うと広いスペースや深い植穴が必要と言うイメージがあるのですが、理想を求めず適切な品種を選べば、小さな鉢でもユリが咲かせられるということと分球まで可能であることが証明できたと思います。
逆にデメリットを考えてみると、一番大変なことは「水切れ」の心配があるということです。小さな鉢植えなので、5月後半以降になると毎日必ず水やりをしないと水切れを起こしてしまいます。旅行で出掛けたりする際には、日陰で管理して鉢の1/4位を水に漬けておくなどの対応が必要でした。
この記事の終わりに
上記の通り、メリットもデメリットも見えてきた約9カ月のユリ栽培でしたが、全体を通じると良い経験が出来たかと思っています。
ユリは育てるのが大変だというイメージしかなかったのですが、実際にやってみると小さなスペースでも問題無く育てることができます。
「スペースが無いからユリは無理」「育てるのが大変そうだからユリは無理」と思っている方は、背丈の小さな小輪・中輪のユリから鉢植えでチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
自分で育てたユリが無事に咲くと、とても達成感が出てきますよ。薔薇を咲かせるのにも匹敵するような達成感です!