【薔薇】シェエラザートの栽培記録と特徴の詳細 -新苗からの育て方-

ロサ オリエンティスの育種家である木村卓功さんの代表作「シェエラザート」。

独特な尖ったピンク色の花弁が特徴的で、薔薇栽培を趣味にしている方であれば、誰もがその名前を一度は聞いたことがある超有名な品種です。

木村卓功さんは他にも「オデュッセイア」や「シャリマー」と言った有名な品種を発表されていますが、私の中ではシェエラザートの花が最も自分の感性に合っていました。

いつかはシェエラザートを我が家にもお迎えしたいと思いながら、なかなかお迎えできない日々が続いていたのですが、2021年4月に新苗で栽培をスタートさせることができました。

この記事では、新苗でお迎えしたシェエラザートの1年間の栽培記録を、詳細に紹介していきたいと思います。

本記事は現時点で夏剪定までの栽培記録となります。今後、秋の開花シーズンや冬剪定についても順次更新をしてく予定です。


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シェエラザートを新苗でお迎えして栽培をスタート -7号鉢へ植替え-

シェエラザートを我が家にお迎えしたのは2021年4月初旬の事になります。

大苗にしようか新苗にしようか迷ったのですが、若い苗から育ててみたいと思い春の新苗を選ぶことにしました。

薔薇を始めたばかりの頃は、安心して育てられる大苗を購入していましたが、何年も薔薇を育てていると新苗に対する敷居は下がり、可能な限り新苗で薔薇をお迎えするようにしています。

ネット通販で購入したのですが、届いた株は上の写真の通り本当に若く、失敗したら枯れてしまうのではないかと思えるような苗でした。

新苗と言えど、既に春の新芽が成長を始めている状態だったので、まずは7号鉢への植替えを行い栽培をスタートします。

新苗の販売用ポットは、しばらくはそのままで栽培が出来ますが、根が張ってくるとあっという間に鉢が小さくなります。根をしっかりと張らせて、ベーサルシュートを出してもらうことが春の新苗栽培の基本になるので、出来れば早めに一回り大きな鉢に植替えた方が良いですね。

実際に、販売用のポットから引き抜いた時の値の状態が下の写真になります。

4月の初旬でしたが、根鉢がしっかりと出来上がり、健康的な白根がびっしりと生えていました。

新苗の根の状態としては、申し分ない良い状態と言えますね!

また、接ぎ木された部分には、まだクラウンがしっかりと形成されていませんでした。これからの成長で、ベーサルシュートを出すクラウンの部分がしっかりと出来上がってくれることを祈るばかりです。

この新苗を、元肥を混ぜた薔薇専用の培養土に植え付けていきます。今回の植え付けでは京都洛西の松尾園芸さんのオリジナル培養土を使用しました。とても水捌けの良い薔薇専用の土です。

鉢は7号サイズのプラスチック鉢を使用することにしました。我が家では、鉢を移動することが多いので、なるべく軽いプラスチック鉢を利用するようにしています。

そして、接ぎ木されたシェエラザートの枝を見ると、元気な新芽が複数芽吹いていました。

この新芽が成長して、しっかりと光合成を行うことで、根元から新しいベーサルシュートが出てきます。

新苗の植付けを行うと「さぁ、1年間頑張って育てよう!」という気にさせてくれますね!

春のシェエラザート (新苗) の栽培記録

ここからは、植え付けが終わった後の春の間のシェエラザートの育て方を詳細に紹介していきます。

春の薔薇の新苗は花を咲かせず摘心しました

お迎えしたばかりのシェエラザートですので、春に一つくらい花を咲かせてもいいかなぁ…という気持ちになりました。

しかし、その一輪を我慢することで、初夏にベーサルシュートが発生してくれるかもしれないので、花を見たい気持ちを抑えて我慢です。

下の写真が4月に最初に出て来た蕾なのですが、蕾だけポキっと折って摘心しました。

最初の蕾が形成された後も、複数の蕾を上げてくれたのですが、全ての蕾を除去していきました。

新苗のお世話の中で、一番心が痛いのが、この摘心の作業だと思います。

ただ、6月以降に枝の数を増やすためにも心を鬼にするしかないですね!

シェエラザートの新苗は春の成長も旺盛

シェエラザートの新苗も春の育成はかなり旺盛といえます。

下の写真に、植え付け直後から3週間までの写真を並べてみました。見て分かる通りですが、株の成長速度がとても速い!

摘心を行って株の成長を促進していたということもありますが、新芽の成長がかなり速く感じました。

薔薇の品種によっては、成長が緩やかなものもありますが、シェエラザートは育成が旺盛な品種と言っても間違いは無いかと思います。

これだけ成長が速いので、伸びた枝に付いては支柱で支えるようにしています。春の新芽は瑞々しく折れやすいので、強風や不慮の事故で大事な枝が折れないように、必ず支柱を活用してあげています。

また、蕾の摘心を行うと、すぐ下にある発芽点から次の蕾がどんどん上がってきます。春のシェエラザートは、蕾を付ける頻度が多く、そして蕾が形成される速さもとても速いと感じます。

次の写真の様に、気付くと新しい蕾が出てきているので、春の摘心の作業は頻繁に行う必要があります。

5月初旬にはベーサルシュートの発生が確認できました

薔薇栽培を趣味にしている方にとっては、最も嬉しい瞬間の一つがベーサルシュートの発生です。

5月初旬になりますが、シェエラザードも我が家に来てから初めてのベーサルシュートを出してくれました。

黄色の矢印で示す部分になりますが、小さなベーサルシュートの芽が出てきていることが分かります。

上で紹介した写真の通り、株がかなり大きく成長して葉の数も多くなってきた状態です。光合成もしっかり行い、株が充実してきた証拠と言えますね。

そして、最初のベーサルシュートの発生が確認出来た数日後、次の写真に示すように、サイドシュート (ベーサルシュートと言っても良いかもしれませんが…) も発生してきました。

株元からの枝が1本しかなったのですが、これで2本の新梢が追加できそうです。

上の写真の状態から約10日が経過し、ベーサルシュートもサイドシュートも元気よく伸び始めました (次の写真参照)。

ベーサルシュートとサイドシュートの両方が伸びてくれるのか心配ではありましたが、摘心をしている効果もあってか、2本とも元気よく伸びてくれました。ここまで伸びてくれれば、完全にベーサルシュートの成長のスイッチが入ったと言って良いかと思いますね!

そして、さらに2週間後のことになりますが、次の写真の様に、もう1本の立派なサイドシュートが伸び始めました。

立て続けにベーサルシュートとサイドシュートが3本も出てくるという、新苗の樹勢の強さがうかがえる季節となりました。

これらの立派な新梢が充実して、1年目の秋の開花を支えてくれることを祈るばかりです。

美しい艶のある葉もシェエラザートの特徴

薔薇の栽培は開花の時期が最大の楽しみであると思いますが、美しい葉を観察し、美しい葉を長く残しておくことも薔薇栽培の醍醐味の一つです。

薔薇の葉は品種によっては美しく艶のある状態のものがあります。

シェエラザートは、まさにその美しい艶のある葉を持っている品種です。下の写真が一例になります。

葉の表面に艶がかかり、日に当たると光るような葉をしていることがお分かりいただけるかと思います。

この美しい葉を楽しむことも薔薇栽培の一つの楽しみになるので、病害虫で損なわれないような管理をしていきたいものですね。

春のシェエラザートは蕾の成長が非常に速い

上でも少し記載しましたが、4月から5月後半までの間は、シェエラザートの蕾の成長がとても早くて驚きました。

新苗でお迎えしたので、蕾は全て除去していきますが、気づかないところに蕾がいつの間にか成長していることが多々ありました。

下の写真は、気づかないうちに蕾が成長していた例ですが、あと数日放置していたら蕾が開きかけてきそうな大きさになっていました。

「あっ!」と気付いて、直ぐに摘心です!

新苗でお迎えして秋までは花を咲かせないようにされる方は、蕾の成長速度には注意してあげて下さい。


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暑い夏季のシェエラザートの栽培記録

ではここからは、5月後半から9月にかけての夏のシェエラザートの栽培記録を紹介します。

日本の夏は年々暑くなり、5月の中旬~後半にもなれば30℃近い気温の夏日を迎えるようになります。

新苗で我が家にお迎えしたシェエラザートは、ベーサルシュートやサイドシュートも伸びて充実してきましたので、その処理を行っていきました。

また、摘心の作業は続けて、花が咲かないように管理していきます。

ベーサルシュートは太くて丈夫な印象です!ピンチの作業も心配なし!

ベーサルシュートがぐんぐん伸びていくと先端に蕾が形成されます。この蕾が見え始める前に、先端をピンチしてベーサルシュートの成長を止めます。

下の写真の例では、ベーサルシュートの長さが約40cmくらいに成長したタイミングでピンチしました。

少し短い様にも思えますが、鉢植えで育てているので、40cmくらいで止まってくれると後の成長が制御しやすくなる印象があります。

シェエラザートのベーサルシュートは、結構太さがあり、頑丈なものでしたので、十分枝が太い位置でピンチすることができました。下の写真がピンチのポイントとなります。

上の写真でピンチを行った場所で、鉛筆より少し細いくらいの枝の太さがありました。

ベーサルシュートの状況によっては、とても細いままで成長が止まってしまうものもあるのですが、今回のシェエラザートのベーサルシュートは太くて立派です!

ピンチを行った後のシェエラザートの株姿が下の写真になりますが、新苗で育て初めて約2カ月で相当大きくなっています。シェエラザートは、生育旺盛な品種と言っても良いかと思います。

6月中旬以降の高温で成長が鈍化しました

6月の前半まではベーサルシュートの発生や新芽の成長が顕著に見えたシェエラザードですが、6月中旬になり高温の季節になると成長の勢いが落ち始めました。

薔薇は高温が苦手な植物と言われていますが、シェエラザードも他の薔薇と同様に30度近くなる気温は嫌いなのだと思います。

4月、5月は新芽をピンチすると、直ぐに次の新芽が成長してきましたが、その様子がうかがえません。

蕾のは発生数も明らかに減っており、6月中旬から6月後半の間は1つだけ摘心したくらいです。

そのため、株自体の大きさも6月はほとんどサイズが変わりませんでした。次の写真に5月末と6月末のシェエラザードの全体写真を載せますが、ベーサルシュートが伸びたくらいの成長量だとお分かりいただけるかと思います。

新芽やサイドシュートなどが発生すれば、もう少しボリュームが多くなるのですが、その傾向はないことがお分かりいただけるかと。

また、新芽に特徴的な赤い葉もほとんど見られないこともわかるかと思います。

この時点で、シェエラザートは夏に咲かせても、本来の美しさが出てくるのか疑問であると予想できますね。

そして、さらに月日が進み7月後半のシェエラザートの様子が次の写真です。

株の大きさは6月中旬からほとんど変化が無く、株の頂点部分だけ新芽が出てきている様子です。

夏の薔薇は、新芽が出て10cmから20cm程度の茎を伸ばして蕾が付く傾向にありますが、シェエラザートもその特徴を持っています。

蕾の出てくる数は少し少なめではありますが、それでも短い茎に複数の蕾を出してくるので、夏の間も摘心の作業は必要です。

また、春にベーサルシュートが発生して以降、6月後半から9月はベーサルシュートの発生はありませんでした。

蕾を摘心し続けてもベーサルシュートは出ないので、夏の間はやはり気温の影響が大きく、ベーサルシュートが出にくいということなのでしょうか…?

9月まで引き続き摘心による蕾の除去を継続しました

シェエラザートは、花つきが良いということを聞いていましたが、上記で紹介した通り、確かに春の涼しい季節は本当にたくさんの蕾を付けてくれます。しかし、夏の暑い時期には、株の成長と蕾の成長ともに鈍化していきます。

とはいえ、蕾の発生は完全にゼロになるわけでは無いので、9月までの期間は全ての蕾を摘心しました。

夏季の成長の特徴としては、特に株の頂点部分に近い部分では、新芽の茎が5cmくらい伸びて蕾が出てくるような場合もありました。

そのような蕾は花を咲かせても立派な花は咲かないので、夏の間はどんどん摘心してしまって問題はないと思います。

夏は樹勢が落ちて葉の元気もなくなり…ハダニの発生が顕著に…

6月の梅雨時期以降になりますが、シェエラザートの葉に変化が現れてきました。

下の方の葉が黄色く変色するような症状です。(下の写真参照)

「黒星病?」と思われるかもしれませんが、これは黒星病ではありません。

かなり鮮やかな黄色になっており、茶色くなっているような葉もあり、単純に葉が枯れているような状態です。

薔薇の葉は、下にあるものほど栄養分を優先的にもらえないため、夏の暑さが厳しくなるにつれて下葉から枯れていく傾向にあります。品種によっては、その傾向がかなり強くみられる品種もあります。

シェエラザートも、このような症状が出てきますが、葉が黄色く変色する事自体には心配はいらないかと思います。

しかしながら、夏の薔薇はハダニの大発生に悩まされます。

元気の無くなった株元の葉から順番にハダニに狙われていくので、上で紹介した元気の無い葉にはハダニが付くようになりました。

次の写真の様に、株の下の方の葉が狙われて、錆びたような葉になってしまっている所が多数…

なるべく薬剤を使わないためにも、葉の裏への水の散布でハダニを吹く飛ばすような形で発生を抑制していきました。ハダニが酷い葉は、全て除去して株全体にハダニが蔓延するのを防御していきました。

夏剪定で秋の開花へ向けた準備

夏剪定の方法や手順について

暑い夏の終わりが見える8月後半から9月の前半ですが、最高気温が30℃くらいまで下がってきたら夏剪定の最適時期を迎えます。

新苗でお迎えしたシェエラザートですが、まだ一度も花を咲かせていない状態です。

秋には初めての花を咲かせようと思っているので、他の薔薇と同様に夏剪定を実施していきます。

下の写真が8月後半のシェエラザートの様子です。

新苗の時期と比べると、見違えるような株姿に成長しました。既に鉢のサイズが株の大きさに似合っていない状況であることもわかりますね。(冬剪定の時期には鉢増しを計画中です。)

新苗の植え付けから約5か月後の8月後半で、株の高さが1m20cmを越えていきました。

夏剪定でどれだけ切り戻すか?についてですが…

株に樹高がありあすぎると秋の薔薇の鑑賞性が下がってしまう事や、台風シーズンでの被害も想定されます。

そのため、今回のシェエラザートについては、ざっくりと株の高さを半分に切り戻す夏剪定をすることとしました。

実際に夏剪定した後の様子が次の写真となります。

花は咲かせていませんが、新芽を伸ばしたい放題の状態だったので、かなりすっきりした感がありますね。

写真には剪定して切り落とした枝も写っていますが、かなりの枝の量を切っていることがわかるかと思います。

夏剪定が終わったら、秋の開花に向けて施肥を行い、通常通りの管理を進めていきます。

また、夏剪定を指定て気付いたことですが、今回紹介しているシェエラザートは、ほとんど夏バテをしていない状態です。

多くの薔薇に見られることかと思いますが、夏の終わりになると葉が黄色くなったり枯れ枝が出てくるものがあります。

しかし、シェエラザートは上の写真 (夏剪定の前の株姿) でわかるように、株の下まで青い葉が残っている状態です。

これはシェエラザートの「強さ」なのかもしれませんね!

「薔薇は花が咲いている時期以外も美しい株姿であってほしい!」と願う薔薇愛好家の方が多いかと思いますが、そんな期待に応えてくれているのかも?!

秋の開花に向けて蕾の形成が始まる

夏剪定を行ってから約3週間が経過し、株が秋の開花に向けた準備が着々と進んでいます。

新芽の先端に下の写真の通り、いくつもの蕾が出てきて、順調に蕾が成長しています。

房咲きになるために、先端から複数の蕾が出ている場所もあれば、1つの蕾が大きく育てている場所もあり、どのような開花の姿になってくれるのか楽しみです。

2021年の9月は残暑がそれほど強くなく、9月20日くらいからは30℃を下回る日々が続くようになりました (筆者の住む関西市街地) 。

涼しい気温の中、じっくりとゆっくりと蕾が成長してくれそうな予感がします。

夏剪定後の成長は、至って順調です!


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シェエラザートに農薬 (薬剤) の散布は必要? 私の経験を記載します

薔薇の栽培で最も気が重い作業…それは農薬の散布だと思います。

薔薇は黒星病やうどんこ病、そして各種害虫の被害を受けやすいため、農薬の散布をして葉や茎を守ることが必要になってきます。

しかし、近年発表されている薔薇達は、育種化の皆様の御努力によって、耐病性があり黒星病・うどんこ病が発生しにくい品種が多くなってきています。

シェエラザートも耐病性がある薔薇として知られている品種です。

そのため、今回のシェエラザートの栽培では、あえて農薬を使わずに育てています。

なるべく雨に当たらないような場所を選んで栽培をしておりますが、今のところ黒星病やうどんこ病が蔓延してしまう事はありませんでした。

上で紹介した通り、夏にハダニが発生してしまいましたが、それ以外に病気や害虫が発生したことはありません。

黒星病やうどんこ病に弱い品種は、例え軒下で雨を避けても黒星病が発生しますし、肥料を少なくしてもうどんこ病が出てしまいます。

そう考えると、ある程度適当に育ててもシェエラザートは病気が皆無でしたので、耐病性に優れた品種ということができるかもしれません。もちろん、1株しか育てていないので、数を増やしたら異なる傾向が出てくるのかもしれませんが…

しかし、耐病性は確実に高そうなので、農薬を使いたくないという方にはお勧めできる品種となりそうです。

この記事の終わりに

この記事では、ロサオリエンティスの「シェエラザート」を新苗から育てた記録を紹介させていただきました。

シェエラザートは非常に樹勢が強く、蕾の数やベーサルシュートの数も多い品種であり、さらに耐病性もあるという素晴らしい薔薇です。

また、枝の剪定を適切に実施すれば、鉢植えでも十分に育てられるので、ベランダでの薔薇栽培にも適した品種と言えそうです。

この記事は、まだ未完成であり、今後は秋の開花シーズンのレポートや冬剪定についても更新をしていく予定です。

11月頃には秋の開花をレポートできそうですので、またお時間ありましたら、この記事に訪問していただけましたら幸いです。

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