近年の薔薇は耐病性の向上が進んで、黒星病やうどんこ病になりにくい薔薇達が数多く作出されています。
ドイツのコルデスという会社が発売した薔薇「プラム・パーフェクト」は、その耐病性が大きく改善した薔薇の中でも、市場に先陣を切った薔薇と言えるかと思います。
プラム・パーフェクトは、特徴あるシックな紫色の薔薇になりますが、この記事では栽培して分かった特徴などを詳細に御紹介したいと思います。
簡潔に結論から述べると、プラム・パーフェクトは「本当に素晴らしい薔薇」です!
プラム・パーフェクトについて
作出者と作出年度
プラム・パーフェクトはドイツの「コルデス」という会社が作出した薔薇で、2009年に発表・発売されました。
発表から10年が経ちますが、耐病性と連続開花性に定評があり、我が家でも2018年に大苗で、そして2019年に追加で新苗をお迎えして栽培を開始しました。
2018年に大苗で購入したプラム・パーフェクトがあまりにも素晴らしかったので、2019年に新苗でもお迎えしてしまいました。
この記事の中で、写真などを紹介しているものは、新苗でお迎えした方のプラムパーフェクトの方になります。
プラム・パーフェクトの系統はフロリバンダになります。一つの枝に複数の蕾を付けて豪華に咲いてくれる系統ですね!
プラム・パーフェクトの花と香り
我が家で栽培しているプラム・パーフェクトの花は、サイズが最大で直径12cm位になります。
その時の状態によりますが、一つの枝に概ね3個から4個の蕾を付けて房咲きになります。
最も大きい花を咲かせるのは春ですが、その後の夏や秋の花サイズは大きくサイズダウンすることなく、10cmから11cmくらいの花を咲かせてくれます。暑い夏でも大きくサイズダウンしないのはとても優秀な薔薇だと思います。
ただし、香りは微香です。それほど香りはしません。花を近づけて思いっきり鼻で息をすると少しだけ香りがしますが、近くに寄っただけでは匂いません。香りが弱いのは栽培条件によるものなのか、ちょっと判断が付きませんが…。
プラム・パーフェクトの一年間の花サイズを記録した記事もあるので、御興味あれば、そちらをご覧ください。
鉢植えでも育てることが可能
プラムパーフェクトの樹高は概ね1mくらいで、幅も60cmから80cmくらいで、コンパクトな樹形になります。
そのため、鉢植えでも栽培することが可能ですし、花壇の小さなスペースでも栽培することが可能です。
直立性が強く、横張り性がほとんどありません。
春から秋まで、新しく伸びる枝は全て空に向かった上部に育っていきます。
花のサイズも底まで大きくないので、花の重さで茎が垂れ下がることもありません。
下の写真に2020年春の樹形を載せておきます。私は冬剪定で深めに切るのでコンパクトな樹形になっていることがわかります。
また、鉢のサイズは2019年の5月から約1年間を6号鉢で過ごしました。下で、2020年春の鉢増しの様子も御紹介します。
我が家での栽培記録
我が家にプラムパーフェクトがやってきたのは、2019年の5月です。
近くのホームセンターで薔薇の新苗が売られていた時に見つけて、タグに記載されている紹介と花の色・形だけで選んで購入しました。
購入直後に6号鉢に植え替えて栽培をスタートしました。
新苗だったこともあり、6号鉢にしたのですが、約1年間を鉢増しをせずに栽培してきましたが、そこまで大きな問題はありませんでした。
樹勢が強いわけではないですし、枝の太さもそこまで太くなりません。
2019年の新しいベーサルシュートとしては、合計で3本出ましたし、新苗の1年目は6号鉢で問題なく育てられると思います。理想的には2019年の冬に鉢増しをすべきだったかもしれません。
2020年になり、初めての春の開花を迎えましたが、6号鉢でも素晴らしい薔薇を咲かせてくれました。ただ、春のベーサルシュートが見られなかったので、2020年の6月に鉢増しを行っています (以下で鉢増しの様子も御紹介します) 。
耐病性は抜群!病気知らず
プラム・パーフェクトは耐病性が抜群です!
プラムパーフェクトが作出された2009年くらいから、耐病性の高い薔薇が本格的に販売され始めましたが、この薔薇は本当に病気になりません。
どれだけ耐病性が高いのかを知りたかったので、2019年は薬剤散布なしで育ててみました。軒下での栽培ではなく、雨にあたる場所です。
それにも関わらず、黒星病とうどんこ病が全く出ませんでした。
唯一、不調が出たのは秋の開花後でした。
2019年の新苗購入だったので、春から夏にかけては花を咲かせなかったのですが、秋に一度だけ花を咲かせました。その花後になりますが、葉が葉脈に沿って黄色くなってしまいました。
多分、新苗で無理をさせて咲かせたことが原因で、薔薇が疲れてしまったのだと思います。
2020年の春も病気知らずで育っています。
ただし、害虫からの被害は、お世話をして防御してあげる必要はあります。
この薔薇は無農薬で薔薇を育てたい方や、薔薇を始める初心者の方にとっては非常に育てやすい薔薇だと断言できます。
連続開花性も抜群!ボーリングも無し
プラム・パーフェクトはコンパクトに育つ薔薇で茎もそこまで太くならないので、樹勢はそこまで強くないと思っていました。しかし、連続開花性という意味ではかなり樹勢は強く剪定するとすぐに新芽が芽吹いて次の花を咲かせる準備を始めます。
2019年に新苗で栽培を開始した時は、春から夏にかけて全ての蕾を摘心したのですが、全て咲かせていたら1年で4回か5回は花期があるのではないか?と思えるくらいの連続開花性を持っています。
また、栽培方法が少し荒くても、蕾がボーリングすることもありません。
花弁数が多いので、ボーリングしやすいかもしれないと思ったのですが、良い意味で期待を裏切ってくれました。
2020年は摘心をしなかったのですが、全ての蕾を完全に開花させる素晴らしい性能を発揮してくれました。
ボーリングについては、以下の記事で実験的な調査をしていますので、御興味あればご参照ください。
2020年春の花後の鉢増しと剪定作業
2020年春の花後に、やっとプラム・パーフェクトの鉢増しを行いました。
約1年間、新苗の時から6号鉢で我慢していただいていたのですが、2020年6月に8号鉢に鉢増しです。
鉢増しの前に、まずは花後の剪定です。私はどの薔薇も季節にあまり関係なく、結構深く位置で剪定をしており、プラム・パーフェクトも下の写真の様に深い位置まで剪定を行っています。
次に、実際に鉢から抜いた時の様子です。
白い根が鉢底までびっしりと回っており、窮屈な状態で育てていたことがわかりますね…やはり冬に鉢増ししておくべきだった…。
根鉢の上の部分は根が回っていないので、軽くほぐしてから8号鉢に植え替えます。春は育成期なので、根鉢の下の方は崩さずに植え替えます。
さて、8号鉢に植え替えが完了しました。6号鉢は黒系の色のプラスチック鉢を使用していたのですが、8号鉢は白色にしてみました。何となく白の方が、色が合っている気がしますね。
薔薇の栽培では、素焼きの鉢とプラスチックの鉢のどちらが良いのか?という議論があるかと思いますが、私はプラスチック鉢でも十分育てられると思います。軽いですし安いですし…以下の別記事でも紹介していますが、薔薇栽培において、プラスチック鉢は特に問題ありません。
この記事の最後に
本記事ではドイツのコルデスが作出した「プラム・パーフェクト」という薔薇の栽培記録を紹介させていただきました。
私は2018年に大苗で購入し、翌2019年に新苗でも購入してしまうくらい気に入ってしまった薔薇になります。
耐病性抜群、連続開花性・花付きも抜群、ボーリング状態にならないという、本当に素晴らしい特性を持った薔薇と言えます。
それでいて巨大化せずコンパクトにまとまった樹形になるので、まさに玄関先で育てたり、花壇の小さなスペースで栽培するのに適した薔薇だと言えます。
初心者の方からベテランの方まで、プラム・パーフェクトをお迎えしてみてはいかがでしょうか?