薔薇栽培を楽にする必須道具と便利道具のポイントを紹介

薔薇の栽培は、一般的な草花を栽培する園芸とは少し異なります。

それは、薔薇が花木であるということと、鋭い棘が多数あること、そして病気の予防が重要になるという点があるためです。

スプレーマムやパンジー・ビオラなどは茎が柔らかく、小さなハサミでも花柄取りや葉の整理ができますが、薔薇はそうはいきません。

草花であれば図工用のハサミで剪定できますが、薔薇を剪定するためにはそれなりにしっかりした剪定ばさみが必要ですし、ビニール手袋で棘のある薔薇をお世話することは危険を伴います。

この記事では、薔薇の栽培に必要な道具について、道具選びのポイントも含めて御紹介しておきたいと思います。


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薔薇栽培に絶対に必要な道具

まず最初に、薔薇栽培に絶対に必要な道具で、ある程度価格が高くなっても良いものを揃えておきたい道具を紹介します。

自分で悩んで購入したお気に入りの道具を使うことで、薔薇のお世話を楽しく感じることも多いです。

「作業」ではなく「趣味」として楽しむためにも、絶対に必要な道具は愛情をこめて使っていきたいですね。

剪定ばさみ – 剪定の質を決める –

剪定ばさみの写真

剪定ばさみは最も使用頻度の高いお手入れ道具と言っても過言ではありません。

薔薇の花柄摘みや各季節での剪定、そして枝の整理などにも使います。

切れ味が悪いと枝にダメージを与えてしまいますので、安価なものではなく、ホームセンターで¥3,000位で販売されているものを選んだ方が無難です。

剪定バサミの中には高級なものもありますが、どこまで質を追い求めるかは、御自身のお財布との御相談になります。

お手入れの時に少し高価なものを使うと気持ちが入りますし、長く大事に使おうという気にもなります。

剪定バサミの構造としては、持ち手付近にバネが付いており、開閉が楽なものがお勧めです。特に冬選定や夏剪定の時に、切る枝の数が多いと手が痛くなりストレスに感じます。

また、薔薇は枝が太くなりますので、上の写真の様に、刃が「受け刃」と「切り刃」になっているものが適しています。葉が円弧を描いているタイプの剪定バサミですね。この種類を使うと、枝がハサミから逃げることなく快適に剪定を進めていくことができます。

一般のハサミの様に、刃が2枚とも「切り刃」の剪定バサミだと、枝を上手く受けることができず、枝がハサミの中で滑ってしまいます。

手袋 (皮手袋) -自分を守る防具 –

皮手袋の写真

手袋は皮の手袋か厚めのゴムで保護されているものを選びましょう。

軍手や装飾用の手袋では棘が貫通して怪我をします。

薔薇の棘って、薔薇の種類によって長さや太さ、大きさが全く違うんですよ。

棘がほとんどない品種の薔薇もあれば、棘の長さが1cm以上あるような薔薇もあります。薔薇を選ぶときに棘の特徴を見えて買うことは無いと思うので、どんな棘を持つ薔薇を家にお迎えしても良いように、手袋は棘が貫通しにくいものを選んでおきましょう!

また、なるべく手にフィットするサイズのものを選んでください。誘引や枝の整理の時に作業性が全然違います。

ゴムで保護されたタイプの手袋はゴムが劣化することもあるので、1年に1度は交換したほうが良いかと思います。また、手首までの長さのものよりも、手首が完全に隠れるような長手の手袋があればより良いです。

長く愛用するという観点で、私は丈夫な皮手袋を用意しています。少し高価になりますが、手へのフィット感が良いですし、冬の作業では保温効果で作業の快適性にも差が出ます。

スコップ – 複数用意で快適な作業を –

スコップの写真

スコップは鉢植えの場合と地植えの場合でサイズが異なりますので、栽培スタイルに合ったものを選んでください。

鉢植えの場合には、プラスチック製のものでも使用可能ですが、地植えの薔薇の場合には、寒肥などで深い穴を掘りますので、出来れば金属製の先のとがったものを選ぶと作業性が良くなります。

私は鉢用と地植え用でサイズの異なるものを2本を用意しており、用途別に使い分けています。スコップについては、そこまで高価なものを用意しなくても良いかと思います。極端に言えば100円ショップで売っているものでもOKです。

可能であれば用意したい道具

ここから紹介する道具は、それが無くても薔薇を栽培できるが、できれば用意しておいた方が良いものを紹介します。ちなみに私は以下のアイテムを全て用意しています。

ジョウロ – ベランダ栽培で必須アイテム –

古びたジョウロの写真

ジョウロはお住いのお家の水道の位置やホースの有無によって用意をお考え下さい。

水道が少し遠い方は6Lくらいの容量があるジョウロがあると助かります。鉢植え一つであれば、バケツでも代用可能かと思います。

ジョウロの先には蓮口と言われる、シャワー上に水を与えられるものも用意しておくと、様々な種類の園芸植物に対応できます。

薔薇の病気の黒星病は、土の中に存在する菌が原因と言われています。土が葉や茎に跳ね返るような水やりをしないためにも、使いやすいジョウロを選んでおきたいですね!

ノコギリ – 剪定ばさみで切れない枝に –

ノコギリの写真

薔薇は草花ではなく、上記の通り「花木」に分類されます。

つまり年を取ると枝の木質化が進み、特に根元付近の枝は剪定ばさみでは切れないような太い木になります。

そのため、木質化が進んだ薔薇の剪定は、のこぎりで対応することになります。

大苗を植えて2年か3年までは剪定ばさみで対処できるかもしれませんが、それ以上に年齢を重ねると、剪定ばさみが壊れてしまうくらい固い枝になります。

薔薇を植え付けた直後は必要ないかもしれませんが、いずれは用意していきましょう。

ノコギリの大きさは大きなものは必要ありません。コンパクトなものを用意して下さい。薔薇は枝が込み合うので、細いすき間に入っていけるようなコンパクトなノコギリの方が作業性が格段に高いです。

また、切れ味の良いものや錆止めの施されたものを用意しておくことも考慮してもらえればと思います。剪定時の薔薇の茎に与えるダメージを減らすことができますし、ノコギリが原因で薔薇が病気になることを防ぐためです。

支柱と結束道具 – 枝折れから守る –

支柱は薔薇の茎が折れないように固定する棒で、結束道具は支柱やオベリスクなどに薔薇の茎を縛り付けるための麻紐やクリップなどのことを指します。

薔薇の茎は春以降にぐんぐん伸びていきますので、強風が吹くと根元から折れてしまうことが多々あります。

せっかく伸びてきた大事な花枝が折れることを未然に防ぐために、支柱は用意しておくことをお勧めします。

春の芽吹きから1か月で数十cmの枝が伸びますので、栽培開始と同時に用意しておきましょう。

また、結束する麻紐は安価なので、50mくらい購入しておきましょう。麻紐は、薔薇の数が増えるとかなり使用量が多くなりますし、薔薇以外の園芸作業でも様々な事に使えます。

薬剤と噴霧器 – 病害虫防除の基本 –

薬剤の散布については、薔薇の栽培では切っても切り離せないと思われます。

もちろん、無農薬でも育てられる薔薇もありますし、無農薬で育てると決心される方もいます。

しかし、農薬があるのと無いのでは、病気の予防や回復に差が出てしまうのも事実なので、無農薬に固執しない方は用意しておくとよいでしょう。薬剤については、別の記事で書きたいと思います。

噴霧器の容量は薔薇の本数にも依りますが、10本くらいの薔薇であれば、3Lくらいの容量のものがあれば足りると思います。

薬剤散布の絵

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最後に -道具選びも楽しい薔薇栽培-

バラ栽培での道具選びは、実は一つの楽しみ・趣味になります。

自分が好きな道具やアイテムを園芸店で見つけて、それを普段の栽培の中に取り入れることで、少し違った感覚でお世話の時間を過ごせるかと思います。

私は、園芸を始めた当初、100円ショップに並んでいる園芸アイテムを使っていましたが、だんだん自分の好きなデザインを欲しくなったり、「ブランド」の入った道具を使ったりするようになりました。

その方が、道具に愛着が湧きますし、長く大事に使おうという気持ちになれます。有名な諺に「安物買いの銭失い」という言葉があるかと思いますが、薔薇栽培の道具選びは、これに当てはまらないようにしたいものですね。

皆様も自分だけのお気に入りアイテムで薔薇のお世話をしてみてはいかがでしょうか?

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