【薔薇】アントワーヌデュシェを栽培してわかった特徴を紹介

アントワーヌデュシェはオールドローズに属する歴史ある薔薇です。

花の形や色だけではなく、耐病性もそこまで悪いことは無く、オールドローズの中でも比較的育てやすい品種だと思います。

この記事では、我が家に来て3年目のアントワーヌデュシェを栽培をしてわかった特徴などをなるべく詳しく御紹介したいと思います。

この記事の内容は私の管理する栽培条件下での栽培記録ですので、あくまでも御参考までに留めていただけましたら幸いです。


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アントワーヌデュシェについて

アントワーヌデュシェは1866年にフランスで作出されたオールドローズです。

花の色は、トップ画像にある通り、濃いピンク色に紫がかったような深みのある色をしています。

花の形はカップ咲きですが、完全に開くとカップ咲きの様相が変わります。咲き始めた時はカップ咲きで、咲き進むにつれて少し花の形が崩れてくるので、咲き始めが最も綺麗な薔薇だと思います。

下の写真では、一番手前の花が満開を迎えようとしているカップ咲きですが、その後ろのものはカップ咲きが崩れてきています。

花持ちについては、約1週間くらいですね。雨が降るとちょっと寿命が短くなり、綺麗なピンク色の花弁にも染みが付きやすいです。

香りについては、私が栽培しているものは、そこまで強くなく中香といったところでしょうか。香りの種類はダマスク系の香りです。

比較的樹勢が強く地植えで問題無し

「オールドローズ」と聞いただけで、病気に弱いそいうイメージを持たれる方は多いのではないでしょうか?

しかし、オールドローズの中にも比較的耐病性が高いものもあります。

樹勢が強いオールドローズは、病気に罹りにくいような印象があります。

このアントワーヌデュシェは、樹高が1mくらいあり、幅も1m弱あるので、オールドローズの中では少し大きめの薔薇であると思います。

株が大きいということはそれなりに成長力があることを意味するので、オールドローズの中でも育てやすいと思います。

樹勢が弱くとてもセンシティブなオールドローズは、薬剤の散布や摘心などに気を遣いますが、アントワーヌデュシェはそのような心配はあまりないと思います。

私の家では地植えにして育てていますが、特に大きな問題はありません。オールドローズは鉢植えで大切に育てるというイメージもあるのですが、樹勢が強いオールドローズは庭上で管理しても栽培可能です。


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耐病性・害虫について

アントワーヌデュシェの耐病性については、最近発表されている耐病性が高い薔薇に比べると「弱い」と私は思います。

地植えにしていますが、薬剤を散布しないと黒星病が出ます。梅雨の時期になると、株元に近い位置の葉に毎年必ず出てきます。

幸いにも葉が完全になくなってしまうような黒星病の蔓延にはあったことがありませんが、ひどい時には葉が半分くらいになったこともあります。

うどんこ病については、栽培条件にも依存するところはありますが、比較的かかりにくいと思います。

樹勢が強い方のオールドローズであるというところも関係していると思いますが、根が吸い上げた窒素分を葉や茎の成長に使うことが出来るためであるのかもしれません。

害虫については、どうしても防ぎきることは難しいです。毎年、何らかの害虫の被害は受けます。ただ、害虫については全ての薔薇にリスクがあることなので、特に気にすることは無いと思います。

花期と開花回数について

アントワーヌデュシェは四季咲きではなく返り咲きです。

年間を通じて3回くらい咲いてくれます。

春の一番花については、少し遅咲きで5月の中旬くらいから咲き始め、5月20日くらいに満開の時期を迎えます。

その後、春の剪定を行うと少し成長が鈍りますが、8月の中旬くらいに2番花が咲き始めます。最後の花は夏剪定後の11月初旬位です。

2020年に我が家に来て3年目を迎えるアントワーヌデュシェですが、花の数は春の1番花で15個くらいです。一部摘心をしているので、ちょっと少ないかもしれませんが、15個咲いてくれると、結構見ごたえのある状態になりますね!


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剪定は浅めが良いかと思います

花が終わった後の剪定ですが、アントワーヌデュシェはオールドローズのなかでは樹勢が強い方だと思いますが、モダンローズに比べると樹勢はさすがに落ちます。

そのため、モダンローズと同じように剪定をすると、少し枝を切り過ぎてしまう状態になるかと思います。

よく大輪の花は鉛筆くらいの太さのある茎の位置で剪定すると言われていますが、アントワーヌデュシェの場合には鉛筆よりも少し細いくらいの場所で良いかと思います。

春の開花後に結構深く位置で剪定したことがありますが、やはり次の花芽が出てくるまでに時間がかかりました。

年に3回くらい咲かせていと思われる方は、鉛筆よりも少し細いくらいの場所で剪定すると良いかと思います。

ベーサルシュートの更新について

アントワーヌデュシェを栽培して3年くらい経ちますが、ベーサルシュートが出てくる本数は1年目の時が最も多かったです。1年目は2本出ました。

しかし、2年目にはサイドシュートが2本、3年目の今年はベーサルシュートとサイドシュートともに発生していません。3年目は、既存の枝から出てきた新芽で開花期を繋いでいるような状態です。

年齢を重ねるとベーサルシュートが出にくくなると言われますが、その傾向がを強く感じます。株元の木質化も進むので、よりベーサルシュートが出にくい状況なのだと思います。

そういう意味では2年目3年目のベーサルシュートとサイドシュートを大事にすることが、花数を左右する大事な要素になるのかと思われます。

既存の枝を大事に育てて、その枝から花芽を出させて栽培するというスタンスになる薔薇なのだと思います。

オールドローズを育てる上でのポイントについて

上でも記載をしていますが、オールドローズはモダンローズに比べて耐病性は弱いです。

オールドローズを育てていると、最近発表されている薔薇は、耐病性が本当に向上していると思います。

「薔薇栽培は病気との戦い」と言われた過去を身をもって感じることができるのがオールドローズだと思っています。

ただし、アントワーヌデュシェは比較的樹勢が強い薔薇ですので、樹勢の弱いオールドローズに比べると耐病性はある方だと思います。

健康で強い葉を維持するためには、月に2回の殺菌剤散布は必要かと思っています。

また、肥料についても少し気を遣って栽培しているつもりです。あまり肥料を与え過ぎると、うどんこ病が出るのではないかという心配があります。今のところ、うどんこ病の被害は少ないのですが、肥料を少なめにしているのが功を奏しているのかもしれません。

オールドローズを育てる時には、生半可な気持ちで始めない方が良いかと思います。ある程度は薔薇の栽培に慣れて、薬剤との付き合い方やお手入れの方法に慣れてからの方が抵抗が少ないと思います。

この記事のおわりに

この記事ではオールドローズのアントワーヌデュシェの栽培にチャレンジしてわかった特徴や栽培の注意点を紹介させていただきました。

近年育種が進んでいる耐病性が高いモダンローズと比べると、少し癖が強く耐病性も弱いオールドローズですが、オールドローズにしかない深みと味わいがあります。

また、オールドローズを育っているという優越感にも浸れる特権もあるのかと思います。

少しお世話の大変な薔薇だとは思いますが、是非オールドローズにもチャレンジしてみてください。

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