葉が落ちた薔薇は剪定して樹形を整える好機でもある

黒星病にうどんこ病、害虫にハダニ…薔薇は本当に多くの原因で葉が無くなってしまうことがあります。

最近では病気に強い薔薇が発表されてきているので、黒星病やうどんこ病の発生頻度は低くなる方向になるのですが、害虫に関しては防ぐことが難しいこともあります。

読者の皆様の薔薇栽培でも、葉が全てなくなってっしまった薔薇を栽培したことがある方も多くいらっしゃるかと思います。というか、薔薇栽培を趣味にされている方であれば、一度は葉が無くなって丸坊主になった薔薇を経験したことがあるのかと思います。

しかし、丸坊主になってしまった薔薇と言うのは、考える視点を変えれば樹形を整えたりする絶好の機会でもあります。

この記事では、葉が無くなってしまった薔薇の状態をポジティブに考える方法を御紹介したいと思います。


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葉が無くなってしまった薔薇の例

私が育てている薔薇も、葉が無くなってしまうことは、恥ずかしながらよくあります。

どれだけ気を遣って栽培していても、薬剤をきちんと使っていても、病気を防ぎきれない場合があります。

2週間に1度薬剤を使って黒星病にならないようにしても、それでも黒星病は出てきますし、黒星病だけでなく理由もあまりわからずに葉が黄色くなってしまうこともあります。

少し前のブログでも紹介しましたが、花壇で育てているミニ薔薇がハダニの大被害を受けて、下の写真に示すように葉が無くなったこともあります。

年間を通じて考えてみると、5月には1番花を頑張り過ぎた薔薇が葉を落とすことがあり、6月以降の高温期にはハダニの被害、梅雨時期から9月までは黒星病の発生、また春から秋までの長い期間で害虫による食害があります。つまり、活動期間の大半で葉を落とす原因に見舞われているんですね。

薔薇にとって葉が落ちる可能性が下がるのは、3月から4月初旬、そして休眠期前の10月後半から11月くらいまでしか無いのではないかと思います。

したがって、病害虫に弱い品種の薔薇は葉が落ちて薔薇が丸坊主になる危険性と隣り合わせで栽培をしていることになります。

最近では病気に強い品種が続々と出てきているので、病気の可能性は下がってきていますが、それでも害虫は寄ってくるので、葉が無くなる危険性を完全に排除できないのが現実かと思います。

葉が落ちてしまった薔薇は放置するとどうなるか?

剪定しなければ頭でっかちの樹形になる

葉が落ちてしまった薔薇は、本当に惨めな姿になってしまい、玄関前や花壇に置いて奥を躊躇うような状態だと思います。

皆さんは葉が落ちてしまった薔薇を、どのように管理されていますか?

放置する、肥料を与える、日陰の軽い場所に動かす等々、色々なパターンがあるかと思います。

しかし、まずしておくべきことは「枝の整理」と「剪定」だと思います。

薔薇の成長は「頂芽優勢」に従い、最も高い位置にある芽が優先的に栄養をもらって育ちます。例え、葉が無くなろうが、少しくらい病気になろうが、この頂芽優勢の性質は変えられません。

葉が落ちた薔薇と新芽の芽吹きを示す図

例えば、上の左図に示すように葉が全くなくなってしまい、枝だけになった薔薇があるとします。この薔薇に対して特に枝の整理などをせずに、水やりと肥料を与えていたらどうなるでしょうか?

頂芽優勢の効果が出て、右図に示すように、枝の頂点の部分からだけ赤い新芽が出てきます。

さらに、この状態で放置しておくと、新芽にだけ栄養が行き渡り、赤い新芽がどんどん伸びていくことになります。

そうなるとう、この株の樹形はどうなるでしょうか?

容易に想像できると思いますが、頭でっかちで不安定な株になってしまい、株の下の方には全く葉の無い状態が続くことになります。

見た目的にもあまりよくないですよね…。

剪定することでバランスの良い樹形に様変わりする

上で紹介したような樹形・バランスの悪い薔薇にしないためにも、葉が無くなってしまった薔薇は、出来れば簡単に剪定して次の新芽を待ってあげる方が良いかと思います。樹高が高くない薔薇であれば、剪定する必要性は薄れるかもしれませんが、薔薇は基本的に樹高が高くなる植物です。

上で紹介した薔薇を下図の中央に示すように軽く剪定してあげるとどうでしょうか?

葉が無くなった薔薇を剪定した場合の樹形の変化

どこまで剪定するかは、その薔薇の樹形にも依存しますが、軽くでも良いので剪定してあげると樹高が抑えられて、新芽が伸びた後も重心が高くなりすぎるという点を防ぐことができます。

葉が無くなってしまった薔薇を剪定しても大丈夫?という疑問を持たれるかもしれませんが、そもそも葉が無い状態なので多少切っても枯れることは無いです。もし枯れた場合には、それは剪定が原因ではなく、別の原因だと思います。

私の場合ですが、葉が落ちてしまい丸坊主になった薔薇は、必ず適切な剪定をして、新しい芽を伸ばすように心掛けています。

葉が落ちてしまったことは少し残念な事ではあるのですが、ポジティブに考えると、枝を整理したり剪定するのに良いタイミングになると考えることもできると思います。


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葉が落ちた薔薇は水やりに注意が必要です

葉が落ちて丸坊主になってしまった薔薇の管理で一番気を付けておきたいことが水やりです。

薔薇の株は根から水分を吸収し、葉から蒸散によって空気中に水分を放出するのですが、その蒸散を担う葉が無い状態なので水を与えても根から水を吸い上げる力がありません。

そのため、葉の無い薔薇に水を与えても、培養土の中は常に湿った状態になるため、根腐れの原因になってしまいます。

葉の無い薔薇を管理する上で最も大事な事は適正な水やりになるので、土の乾き具合を確認してから水やりをしてあげて下さいね。

また、肥料についてはある程度新芽が芽吹いてきた状態を確認してから与えるようにすると、新芽の育成を助けることができます。葉の無い状態で追肥をされても、その肥料分を使うこともできないので、新しい新芽の成長が始まってからで問題ないと思います。

薔薇はとても強い植物なので滅多に枯れない

黒星病などで葉が無くなって丸坊主になった薔薇を見るたびに、もう少し管理をしっかりしていたら…と後悔するのですが、それでも毎年の様に葉が無くなる薔薇が出てきてしまいます。

でも、葉が無くなったことが原因で枯れてしまった薔薇は今までに一度もありません。

私が育てた薔薇で枯れてしまった薔薇は、旅行中の水切れさせてしまったことくらいしかありません。それも1株だけです。それ以外の原因で枯れたことって無いんですよね。

つまり、薔薇は葉が全て落ちても必ず回復してくれる強い植物なので、葉が無くなってしまったことを公開するのではなく、次の開花に繋げられる管理へと頭を切り替えていくべきかと思います。

薔薇栽培を始めた最初の頃は、薔薇の葉が無くなってしまった薔薇のことを凄く心配していたのですが、今では全く心配しなくなりました。

薔薇の葉が落ちたら落ちたで、その時は剪定して、次の新しい芽の成長に期待するようにしています。あまり神経質になり過ぎないようにしています。


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この記事の終わりに

この記事では、病気や害虫によって葉が無くなってしまった薔薇の管理方法について御紹介させていただきました。

薔薇の葉が無くなるということは、栽培している側にとっては心配な事件だと思うのですが、薔薇自身はとても強い植物なので、滅多に枯れることはありません。

それよりも、葉が落ちた時には枝の整理をしたり、軽く剪定することで樹形を整えていくチャンス (好機) だと捉えるべきだと考えます。

もし皆さんの管理する薔薇の中にも、春から秋の成長期に葉が落ちてしまったら、一度薔薇をリセットするということを考えてみはいかがでしょうか?

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