コガネムシに最も狙われた薔薇は!?香り以外の原因も?

薔薇の1番花が咲く4月上旬から5月中旬、薔薇を栽培している方にとっては、1年間で最も待ちに待った瞬間ですよね!

ただ、同じタイミングに虫たちも一気に活動を開始します。

薔薇に寄ってくる虫の種類は豊富で、様々な虫たちが薔薇の香りに誘われてやって来ます。虫による薔薇の花の食害は防ぐことが難しく、毎年悩まされる方も多いと思います。

一般的に香りの強い薔薇ほど狙われやすいと言いますが、実際のところどうなんでしょうか?

2020年の春の開花シーズン、私が薔薇のお手入れ中に出会ったコガネムシは総勢11匹…さて、どのような薔薇に集まりやすかったのでしょうか?


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今回のコガネムシ調査について

私自身、薔薇に寄ってくるコガネムシには、毎年のように悩まされています。

薔薇の花の中に顔を突っ込んで一番甘くておいしい場所を食害されてしまうので、薔薇の花の美しさが一気に落ちてしまいます。

コガネムシの幼虫は根を食害し、成虫は花を食べてしまいます。特に幼虫の方は薔薇栽培家の方を毎年悩ます宿敵と言えますね…。

2020年の春は、そんなコガネムシの成虫がどの薔薇に最も多く飛来するのかを調査してみました。

コガネムシの数の調査方法

単純な方法です。

薔薇の水やりや枝の整理などのお世話をしている時によくコガネムシに出会うのですが、そのコガネムシの数を全て数えます。

そして、どの薔薇の株に何匹飛来していたのかをチェックしていきます。

調査した期間は薔薇の一番花の咲き始める4月初旬から5月末までの2カ月の間です。

大小さまざまなコガネムシがいますが、全てのコガネムシを対象にしました。

花に顔を突っ込んでいるものだけではなく、葉にしがみついているものや株の近くに潜んでいるものなど、私が見つけたコガネムシは全てをカウント対象としました。

コガネムシの数を調査した薔薇

私が管理している多くの薔薇を調査対象にしたいのですが、ブログにすると相当な数になってしまい、かつデータも見にくくなってしまうので、調査結果が系統的にわかりやすくなるように以下の薔薇を選んで調査しました。

① ブルームーン…4月上旬開花、ブルー系の香り、強香

② イングリッド・バークマン…4月上旬開花、ダマスク系の香り、強香

③ プリンス・ドゥ・モナコ…4月中旬開花、ティー系の香り、中香

④ プラム・パーフェクト…5月上旬開花、微香 (香りがほとんど無し)

⑤ ガブリエル…5月上旬開花、ブルー系の香り、強香

⑥ ルージュ・ピエール…5月上旬~中旬開花、ダマスク系、微香

どのように選んだかというと、なるべく香りの強い品種から弱い品種までを混ぜて選び、また開花期も4月上旬から5月中旬までずらして選んでいます。

この中で最も強い香りを放つのは⑤のガブリエルです。

ガブリエルについては、下の別の記事でも特徴を紹介しています。

コガネムシに最も狙われた薔薇は!?

早速、コガネムシが飛来した数の結果から紹介します。

上のグラフに示すように、2020年春は合計で11匹のコガネムシに出会いました。その中で、大半が「ガブリエル」に飛来しています。

ブルー系の香りが素晴らしいことで有名なガブリエルですが、その強い香りに誘われてやってきたコガネムシ達が多くいました。

私の家では玄関前で鉢植えで育てているのですが、朝の出勤前に玄関のガブリエルの近くで小さなコガネムシから大きなコガネムシまで色々と集まっていました。

ガブリエルに飛来した8匹のコガネムシのうち5匹は小型のもので花の中で花弁を食べている状態で発見され、残りの3匹は葉や茎にしがみついているところを発見しました。

ガブリエル以外ではプリンセス・ドゥ・モナコが2匹でしたね。モナコ自体はそこまで強い香りではないのですが、私がお世話した時間にタイミングよくコガネムシに出会ったのかもしれません。

ルージュ・ピエールに飛来したコガネムシは、鉢植えの根元付近で発見したのですが…卵を産んでいないか心配になりますね…5月なので大丈夫だと思いたいですが…。一応、オルトランDXを撒いておきました


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香り以外にもコガネムシに狙われやすい原因がある

上のグラフの通り、今回ご紹介した薔薇の中では、ガブリエルが最もコガネムシに狙われる結果となりました。

「やっぱり香りが強い薔薇は狙われやすいのか…」そう思われた方は多いかと思います。

でも待ってくださいね、①ブルームーンと②イングリッド・バークマンは共に強香ですよ!?

ブルームーンは、ガブリエルと同じブルー系の強い香りを持っています。香りのレベルではガブリエルに匹敵するような香りを持っています。

しかし、この二つの薔薇についてはコガネムシを発見しませんでした。私がお世話をした時間にコガネムシがいなかっただけなのかもしれませんが、それでも飛来する確率が少ないと思います。

何故でしょうか?

答えは、コガネムシが活動を開始する時期です。

コガネムシは3月になって温かくなる時期に活動を開始するのですが、ブルームーンやイングリッド・バークマンが開花する4月の上旬の時点では、まだコガネムシの数が少ない時期なんですね。

私の住む関西圏での話ですが、4月の上旬はまだそこまで虫たちも活発に動いている印象がありません。

しかし。4月の下旬になり、気温が20度以上になる日が続くと虫たちがどんどん湧いて出てきます。

ガブリエルは、その虫たちが増殖してくる時期である5月に開花を迎え、かつ強い香りになるので虫たちに狙われやすいんですね。

同じ時期に開花するルージュ・ピエールについては香りが弱いので、コガネムシの飛来する数が少ないのだと考えられます。

コガネムシ成虫を寄せ付けない方法は?

コガネムシの成虫を寄せ付けない方法は、個人的には無いと思います。

コガネムシの成虫は、基本的に花を狙って飛来して花を食害するため、オルトランによる防除も手遅れとなります。特に大きなサイズのコガネムシは食害のスピードも速く、あっという間に花を食べられてしまいます。

薔薇よりも強烈な匂いや虫が好む香りを放って虫を捕殺する器具がありますが、それ器具を使う以外の方法は無いと思います。

コガネムシの成虫を見つけたら捕まえること、そして成虫が卵を産んだ時のためにオルトランDXを株元に巻いておくことが基本的な対策になります。


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コガネムシの成虫を見つけたらどうする?

コガネムシの成虫を見つけたら、必ず捕獲してビニール袋に入れて処理しています。

そのまま放置しておいてもメリットはありませんし、卵を産まれてしまうと被害が来年以降も拡大してしまいます。女性の方で触れない方は、旦那さんやお子さんにお任せしても良いと思います。あとは割りばしで掴むのもアリだと思います。コガネムシは行動が遅いので、割りばしでも簡単に捕まえられます。

殺虫剤や薬剤を使うことも方法ですが、薔薇の花が咲いている所に殺虫剤を撒くと、どうしても花に染みが付いて汚れてしまったりするので、長く薔薇の花を楽しみたい方は、殺虫剤の使用は控えたいところです。

この記事の最後に

この記事では私の栽培している薔薇の中で、最もコガネムシに狙われやすい品種の御紹介をさせていただきました。

天使の薔薇として有名な「ガブリエル」が栄えあるコガネムシ人気に好かれるNo.1の薔薇に輝いたわけですが、狙われやすい理由は香りだけが影響しているわけではないこともわかりました。

コガネムシが最も活発に動き始める5月の時期に開花を迎え、かつ香りが強い薔薇が狙われるのです。

4月の初旬に開花を迎える香りの強い薔薇では、コガネムシによる薔薇の花の食害を受けにくいのだと思われます。

コガネムシが動き出す時期は日本全国で異なりますが、コガネムシの活動時期と薔薇の香りの関係を理解することで、食害という嫌な被害を防げるのかもしれません。

この記事がコガネムシ被害でお困りの方に有益な情報となりましたら幸いです。

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