玄関先で薔薇が綺麗に咲いているお家というのは、ちょっと憧れたりしませんか?
春から秋にかけて定期的に咲いてくれる品種を選べば、1年に何度か薔薇の開花で玄関を華やかに彩ることができます。
薔薇は他の草花に比べて大きな花を咲かせることや、香りが素晴らしいため、玄関で咲かせているだけで、ワンランク上の玄関を作り上げることができます。
ただ、薔薇は少し難しいというイメージがあるかと思いますが、実際にチャレンジするとそこまで敷居が高いものでもないです。
この記事では、玄関先で薔薇を育てるためのポイントをまとめておきたいと思います。
玄関での栽培に適した薔薇とは?
まず最初に、玄関に置く薔薇について、どのような薔薇を選ぶべきなのか?をまとめておきたいと思います。
玄関先という限られたスペースに薔薇を置くことになるので、棘もある花木ですし、それなりに気を遣いますよね。
直立性が強いコンパクトな薔薇
薔薇の樹形には様々な種類があります。
まず樹形については木立性、半つる性、つる性があります。
木立性は枝に直立性があり横張りが抑えられるような樹形、つる性は長いつるが元気よく伸びていく樹形です。また、、半つる性は木立性とつる性の中間の様な存在と言われていますが、私の経験上つる性に近い方をイメージしておいた方が良いと思います。半つる性は結構枝が長く伸びるので、意外に大きな薔薇になります。
玄関先に置くことを考えると、限られたスペースであることが多いかと思いますので、木立性の薔薇を選ぶべきです。
また、木立性の中でも少し横張り性の強い品種もありますし、背の高くなる薔薇も多くあります。そのため、購入時にはその品種の樹形を必ず確認しておきましょう。横幅であれば1m未満のもの、背の高さも1.5m未満のものがコンパクトに育てられる目安になります。
薔薇をインターネットで購入する時には品種紹介画面に記載がありますし、店頭で購入する場合にもタグに詳細が記載されていますので参考にしてみて下さい。
四季咲きので中輪の薔薇
玄関に薔薇を置くので、やっぱり花はたくさん咲いて欲しいですよね!
薔薇には「四季咲き」「返り咲き」「一季咲き」の種類がありますが、一年を通じて何度も花を咲かせるのは「四季咲き」です。
春の4月の1番花を最初に咲かせてから1.5カ月から2カ月くらいで次の花を咲かせてくれるので年間で4回くらい花を見ることができます。一季咲きの薔薇はつる薔薇に多いです。最近の薔薇は、基本的に多くが四季咲きの薔薇ですが、購入前にはタグを確認しておきましょう。
また、薔薇の花のサイズは中輪がお勧めです。薔薇の中には直径15cmクラスの大輪の花を咲かせる品種もありますが、花の数については少し少なくなります。それに対して、中輪の薔薇は房咲きになるものも多く、花の数が多くなります。そして、花が順番に咲いていくので、花を楽しめる期間が長くなるという利点もあります。
香りの素晴らしい薔薇が良いの?
薔薇を栽培する一つの楽しみは、やはり薔薇にしかない「香り」です。
香りが強い薔薇は、その周囲に素晴らしい香りを漂わせるため、帰宅時に玄関に薔薇があると少しだけリッチな気分になれるのは確かです。
しかし、香りの強い薔薇は少し花の寿命が短い印象があります。薔薇の紹介に香りが非常に素晴らしいと紹介のある薔薇がありますが、そのような薔薇には花の寿命が短いものがあるので、長く花を楽しみたい方は少し注意してみて下さい。
また、香りが強いと虫が寄ってくる可能性が高くなるのは間違いありません。薔薇の花の天敵であるコガネムシや蛾の仲間も夜間に薔薇に近づいてくることが多いです。虫の苦手な方は、少し香りの弱めのものを選ぶのも薔薇栽培を楽にするために大切なポイントかもしれません。
玄関の色に合わせて薔薇の色を選ぶ
薔薇の色も気を遣うべきですね!
白色の外壁の玄関に白色の薔薇を選ぶと、少しだけ背景に薔薇が溶け込んでしまい、存在感が弱くなってしまいます。そこまで気にすることは無いかもしれませんが、白い外壁には濃い赤や紫などの色を選ぶと、引き締まった印象にしてくれます。
また茶色い木目調の外壁の玄関であれば、白や薄めの色を取り込むと綺麗な白い薔薇が映える玄関になると思います。
とはいえ、薔薇の色は自分が好きな色を選ぶのが一番だと思います。
玄関で育てる薔薇の管理方法
鉢の大きさは8号~10号が最適
玄関先での薔薇の栽培になるので、大事なポイントは玄関の掃除がきちんとできるか?というところにもあります。
人が出入りする場所なので、常に綺麗にしておきたい場所だと思います。
土が鉢植えからこぼれていたり、薔薇の花びらが落ちて、色が付いてしまうこともあるので、鉢をどけて掃除したいことが多々あります。
そのため、あまりにも重たい素焼きの鉢や、10号よりも多き鉢になると、鉢を移動させることも困難になります。
私は現在、鉢植えの薔薇を全てプラスチック鉢 (8号~10号) で育てていますが、軽くて持ち運びが容易ですし、何の問題もなく薔薇は育成しています。
置き場所は午前中に日が当たる場所
玄関先の置き場所ですが、午前中に日光が当たる場所がベストです。
朝日で薔薇が一日の活動を開始しますので、そのためのサインになる日光は大事な存在だと思います。
また、夏には午後の西日が厳しいので、午前中から13時くらいまで日が当たり、午後は直射日光に当たらない明るい場所がベストではないかと考えています。
ハダニ防止のために葉裏への散水
玄関先は軒下になっている御家庭も多いかと思います。
軒下で薔薇が雨に濡れなければ、黒星病の抑制になるので、良い環境ではあるのですが、雨に濡れないとハダニが発生しやすくなります。
ハダニは乾燥した温かい場所が大好きなので、軒先で育てているとハダニが増殖してしまうことがあります。
そのため、ハダニ専用の薬剤を用意しておく方が良いかと思います。
最近では、黒星病や運動子病の予防と共に、ハダニに効果があるスプレータイプの薬剤も販売されているので、1本あると便利ですよ。
花後はきちんと剪定する
薔薇は剪定の時に、枝を長く残すとどんどん背が高くなり横張になり、樹形が巨大になっていきます。
また、玄関先の鉢上では、薔薇が大きく育つと頭でっかちになり鉢が不安定になってしまいます。
そのため、玄関先の鉢植えの薔薇は、花後や冬の剪定の時には少し深く剪定をするように心掛けてみて下さい。
また、下の記事で紹介しているスリムな薔薇を育てる方法も御参考にどうぞ!
冬に鉢増しはせず土の入れ替えを行う
薔薇は成長すると、どんどん大きくなるので、鉢のサイズも毎年一つ大きなものに植えかけを行う方が良いのでは?と思ってしまいます。
しかし、限られた玄関スペースでどんどん鉢を大きくしてしまうと、ちょっと困ってしまいます。
そのため、玄関先の薔薇は基本的に鉢増しをするのではなく、冬に根の整理を行って土を入れ替えるだけの植え替えが基本になります。
薔薇は根の大きさや根の張りに比例して、地上部の枝数やシュートを出す数が決まってきます。そのため、そこまで大きくなって欲しくないのであれば、根もコンパクトにしておくべきだと思います。
玄関の軒下なら難しい薔薇にもチャレンジ
玄関先の軒下で栽培する薔薇の利点は、上でも記載しましたが、雨に濡れないので黒星病が出にくいことです。
近年作出され販売されている薔薇は、育種家の皆様の御努力で耐病性のある薔薇が多いです。しかし、少し前に発表された薔薇の品種の中には、薔薇の花は素晴らしいけど耐病性が少し弱いものも多くあります。
そのような薔薇は病気を抑えながら育てなければならない品種なので、「チャレンジローズ」と呼ばれています。耐病性が少し悪い薔薇の中にも、本当に素晴らしい花を咲かせてくれるものがあるので、軒下で育てる場合には、そのようなチャレンジローズに挑戦してみても良いかもしれません。
筆者の家の玄関の薔薇は?
私の家の玄関では、河本バラ園さんの天使の薔薇「ガブリエル」を育ています。
少し耐病性に弱いところはあるのですが、この葉なのすばらしさに惚れてしまい、栽培を始めました。
樹形もコンパクトで四季咲き性も強く、何よりも素晴らしい香りが特徴の薔薇です。
ガブリエルの栽培のポイントは、下のブログでまとめていますので、そちらをご覧ください。
この記事のまとめ
この記事では、玄関先で育てる薔薇のポイントをまとめさせていただきました。
玄関先で育てる薔薇の品種選びと管理上のポイントは、
①コンパクトな木立性の薔薇であること
②四季咲き性が強く多くの花を楽しめる中輪品種
③剪定によってコンパクトな樹形を実現する
④冬は鉢増しはせず土の入れ替えで樹勢をコントロールする
ということが重要です。
玄関先に薔薇があるだけで、お客さんが来られた時などに、ちょっと自慢できる玄関になるかと思います。
薔薇を育てたことが無い方も、既に育てている方も、玄関での薔薇栽培を始めてみてはいかがでしょうか?