2020年の夏は例年以上に暑さが厳しく、日本でも暑い地域では40℃越えの気温が記録されていました。
そんな暑い夏の暑さも少しずつ和らぐ9月の中旬になると、やっと少しだけ秋の気配が漂うようになりましたね。連日続いた熱帯夜も減り、朝は25℃を下回る気温、日中も30℃程度にとどまるようになり、もう秋の始まりが見えてきたという感じがします。
ただ、残暑がどこまで残るのか?気になるところではありますが、そんな中、9月の中旬から管理する薔薇の夏剪定を始めています。
この記事では「天使の薔薇」として知られる河本バラ園さんの「ガブリエル」について、夏剪定で気をつけたことを紹介したいと思います。ガブリエルを今年家にお迎えして初めての夏剪定になるのですが、これまでの管理の中で分かってきた特徴などを踏まえて夏剪定を進めていきました。
夏剪定を行ったガブリエルの剪定前の株姿
2020年の冬にお迎えしたガブリエルも何事もなく無事に成長してくれて、春の一番花の素晴らしさを堪能しました。
ガブリエルについては、1番花の後に2番花を少しだけ咲かせましたが、それ以降は夏の期間は摘心によって花を咲かせないように管理しました。
夏剪定前の株姿が下の写真です。かなり葉が茂っておりますが、夏の暑さに負けてしまっているのか、少しだけ葉の色が薄いようにも感じます。(肥料はしっかりと規定量を与えておりましたので、肥料切れではないと思います。)
また、1輪だけ花が咲いていますが、この蕾は私が知らないところで育っていた蕾で、開花寸前にこの蕾の存在に気付いたので、いっそのこと咲かせてみました。下に拡大した写真も載せておきます。
正直なところ、夏のガブリエルの花は、春の姿とはかなり容姿が違います。花弁の数は半分以下になり、特徴的で神秘的な紫色の花弁もありません。また、香りもほとんどせず、ガブリエルの花とは思えないような感じです。
夏のガブリエルの花を見ると、やはり夏の間は摘心で株を休めておいて良かったとあらためて思いました。
さて、以下で実際に夏剪定の際に、私が気を付けた点について紹介していきたいと思います。
頂芽優勢で頭でっかちになった枝の剪定
薔薇には頂芽優勢という株の高い所が優先的に育つ性質がありますが、特に夏の間は本当に高い位置の枝の方が良く伸びるということを感じます。
下の写真の枝も良い例で、私の手が見えている左側が高い位置になるのですが、下の成長点からは枝が全く出ていませんが、手元には大量の新芽が出てきていることがわかります。
この様な枝は、ガブリエルだけではなく、多くの薔薇にもみられるのかと思いますが、この枝は写真の中に「剪定位置」と記載した場所で剪定するようにします。頂芽優勢によって大量に新芽が出ている頂点部よりも少し下の位置になります。
枝が沢山あるからと言って、頂点部で込み合っている部分を残しておくと、どんどん頭でっかちになって、枝が折れてしまったりする原因になります。また、枝や葉が混みあうことはハダニの原因にもなりますので、このような込み合った部分は夏剪定で切り落としました。
1番花の後に芽かきをしていた枝の剪定
1番花が咲いた後、新しい花を咲かせたくないので、芽かきによって新芽を除去してしまった枝があります。
下の写真にも例を示しますが、1番花の剪定位置があり、その下に青色の矢印で芽かきを行った発芽点があります。
この発芽からは、2個くらいの新芽が出てきて芽かきを行いました。良い芽を出したいという意味では、この青色矢印の発芽点は使いたくないので、1段下げて赤色の点線の位置で剪定をします。実際に剪定後の写真も下に載せておきます。
元気のないサイドシュートは処理に困る
株元に近い部分から発芽して、太い枝に成長してくれると期待したけど、あまり元気な枝にならなかったサイドシュートもあると思います。
ガブリエルは、薔薇の中では株の大きさも小さめで枝が細いことも特徴なので、そのような細いサイドシュートが多いと感じました。
下の写真がその一例なのですが、葉が少しだけついていて良い新芽の発芽点が見受けられず、生命力も感じられない枝です。
このサイドシュートは、今年の春に発生したものなので、一応新しいものになりますが、これ以上は成長の見込めない枝です。このようなサイドシュートは、もしかしたら秋の成長期に枝が出てくるかもしれないので、半分の位置で剪定しておこうと思います。
ただし、冬まで新しい枝が出ず静かな状態だったら、冬の剪定の時には根元から剪定してしまおうと思います。一応、現時点では様子見としておきます。
横に張った枝は短く切り詰めます
私の家では、ガブリエルを玄関先で育てているのですが、私の家はあまり広く無いので横に張ってしまう枝があると少し困ります。
広い庭で育てている方は気にすることは無いと思うのですが、ベランダや玄関先で育てている方は、薔薇の横張り性に悩まされる方も多いのではないでしょうか?
そんな時は、横に張った枝は思い切って剪定してしまうようにしています。ガブリエルも例外では無く、下の写真の様に剪定してしまいました。
ガブリエルはあまり深く剪定しない方が良いという情報を聞いたこともあるのですが、栽培場所の関係で邪魔になってしまう場合には、気にすることなく剪定しても良いと思います。(そもそも、少し深い剪定を下くらいで枯れ込んでしまうような薔薇は売り物にならないと思いますので…)
最も剪定に困った背の高い枝について
今回のガブリエルの剪定で最も困った枝があります。最も成長して背が高くなった枝なのですが、上の剪定前の写真でも一つだけ背の高い枝が中央にあることがわかります。
他の枝の剪定を進めて、最後に残ったのがこの背が高い枝なのですが、その時の写真が下になります。
これ本当に困ったんですよ…枝の太さも株の中で最も太いものの一つで、冬剪定の事も考えると、あまり深い位置まで切るのは嫌だし…
結局迷って、下の写真の位置で切ることにしました。
自画自賛するわけでは無いのですが、なかなかまとまった感があります。少し考えて上から徐々に切っていき、この位置が一番しっくりくる剪定位置でした。
迷った時は、上から徐々に切っていって、一番樹形が整うところで剪定を止めるというやり方も良い方法だと思います。
最後に葉の整理をして夏剪定の仕上げ
剪定作業の仕上げは、不要な葉の整理ですね。
変色してしまった葉は除去して、込み合った部分では元気な葉を残して、風通しが良くなるように仕上げていきます。
そして、最終的に仕上がった株姿が下の写真の通りです。剪定前に比べると、かなりスッキリした株姿になりましたね。
今回の夏剪定で、どれくらいの枝と葉を選定したかと言うと…下の写真に載せておきます。剪定を終えてみると、かなりの量を切っていました…。ちょっと切りすぎたかな?と思ってしまいましたが、何事も経験です。これでガブリエルの初めての夏剪定を終えることとしました。
この記事のおわりに
本記事では、天使の薔薇として有名な河本バラ園さんのガブリエルの夏剪定について紹介をさせていただきました。
ガブリエルは2020年の冬に我が家にお迎えをしたので、ガブリエルの夏剪定は初めてのことでしたが、今回の剪定方法で良かったのか否かは、秋のガブリエルの成長で確認をしていきたいと思います。
ガブリエルは初心者向けの薔薇では無く、上級者向けやチャレンジローズとして紹介されている薔薇になります。もしかしたら好ましくない剪定をしてしまっているのかもしれませんが、まぁ失敗をしても経験ということで…。
ガブリエルの栽培記録・管理記録については、また随時レポートしていきたいと思います。