ガブリエルが癌腫病に!成長期の薔薇の癌腫処理法

2月が終わり3月に入ると、寒の戻りも少なくなり、最高気温が15℃以上になる日が増えてきます。

薔薇栽培をされている方にとっては、今年最初の薔薇の芽吹きが見られる、とても嬉しい時期にもなりますね。

毎年の事ですが、冬に剪定した薔薇が一斉に芽吹き始めるのを見ると、4月から5月の開花シーズンが待ち遠しくなります。

この記事を介している2021年3月も、毎年のように薔薇達の芽吹きの確認をしていたのですが、薔薇の株元に嫌なものを発見してしまいました。

そうです…癌腫です…。

しかも大事に育てていた天使の薔薇「ガブリエル」の株元に発見してしまいました。

既に新しい芽が成長しており、鉢から抜いて癌腫を除去することもできない状況です。

この記事では、ガブリエルに発生した癌腫を例に取り、春から秋の成長期の薔薇について、癌腫の処理方法を紹介したいと思います。


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ガブリエルの癌腫発見の経緯

3月初旬の週末に、栽培している全ての薔薇の芽吹きを確認していきました。

どの薔薇からも元気な新芽が芽吹き、品種によっては既に美しい銅葉が展開しているものもあります。

地植えの薔薇、鉢植えの薔薇ともに、何の問題も起きていないように思えました。

しかし、ガブリエルの芽吹きを確認していた時に、株元に膨らんだ部分が見つかったのです。

それまでは癌腫の存在に全く気付くことができませんでした。前日に強い雨が降って土の表面がえぐれたことや、じっくりと芽吹きの確認をしていたので、癌腫に気付くことができたのだと思います。

冬の間は薔薇の成長が止まっていることを考えると、昨年の秋には癌腫が存在していたということが推測できます。その癌腫が今年の春になって発見されたということになるのかと思います。

ガブリエルに発生した癌腫の写真

下の写真が、ガブリエルの株元に発生した実際の癌腫の写真となります。

少し見にくいのですが、黄色の矢印の部分に膨らんでいる部分があります。

実際に目で見ると、結構大きく成長しているので、かなり前から癌腫病に罹っていたのではないかと思われます。

以前になりますが、「プラムパーフェクト」という品種の薔薇も癌腫病に罹ったのですが、その時と同じくらい大きな癌腫です。プラムパーフェクトの癌腫については、下の記事で紹介しています。この時は癌腫の除去後に、癌腫が再発することはありませんでした。


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癌腫病でもしっかりと芽吹いている状況

癌腫病に罹ると、元気が無くなって芽吹きが相当悪くなるという報告例も聞いたことがあります。

しかし、我が家のガブリエルは、癌腫病であっても例年とほとんど変わらない芽吹きの状態でした (下の写真) 。

癌腫病は、薔薇の成長に必要な養分の一部を使って成長するため、癌腫病が存在することで薔薇の成長は悪くなる方向にしかいきません。

癌腫部が養分をどれだけ搾取してしまっているのかは、その株や癌腫の状況によって変わります。

そう考えると、まだ春の芽吹きが始まった段階だったので、株の成長が目に見えて悪くなるという段階では無かったのかもしれません。

春の早い段階で癌腫に気付くことができたのは、不幸中の幸いと言うべきかもしれませんね。

成長期の薔薇の癌腫処理はどうすべき?

今回のガブリエルの癌腫を発見したのは3月初旬になります。

つまり、薔薇が成長期に入り、既に新芽の成長が始まってしまっている状況ということになります。

12月から1月の休眠期であれば、薔薇を掘り起こして癌腫を除去することが可能ですが、春のシーズンはそう簡単には掘り出すことができません。

上述の通り、既に1番花へ向けた成長が始まり、地中では白い元気な根が成長を始めている時期です。

この時期に薔薇を掘り起こすと、元気な根が切れてしまうので、1番花の開花に向けた悪影響は避けられないと容易に想像が付きます。

そのため、成長期の薔薇については、根を掘り起こすことなく、土の表面付近に見えている癌腫部分だけを除去するのが一番無難な方法だと言えます。

春の芽吹きのシーズンだけでは無く、夏の暑い時期や涼しい秋も含めて、成長している薔薇については、そのように対処するのが良いかと。

今回は3月の初旬に癌腫を発見したので、薔薇を鉢から抜いて、癌腫部分を完全に除去したいのが本心です。しかし、ガブリエルの1番花に影響が出てしまうかもしれないと思うと、表面の目に見える部分だけを処理することとしました。

ただし、癌腫病は株元の接ぎ木の部分に主に発生するので、表面に見えている部分だけ処理すれば、概ね全ての癌腫を除去できます。


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ガブリエルの癌腫処理の詳細

では、ここからは実際の癌腫病の処理を紹介していきたいと思います。

とりあえず、表面の土は少しずつ掘り起こしていきます。

スコップなどは使わずに、金属製のピンセットなどを使うと丁寧に掘り起こすことができます。割りばしなどでも良いかと思います。

そして、表面の土を掘り起こした時の写真が次の写真です。

明確に癌腫部が出てきました。

そして、癌腫部付近からは白い根が出てきているので、薔薇が成長期に入っていることもわかりますね。

本来は白い根は触りたくないのですが、癌腫除去のために、癌腫周辺だけは根を触ります。

どこまで土を掘れば良いかは、癌腫の大きさにも依りますが、大体表面から5cmくらい掘ると、癌腫の全貌が見えてきます。

そして、癌腫部は比較的簡単に手で取り除くことができます。癌腫部が表面に出てきたら手で捻ってあげると、ポロっと取れます。

実際に除去した癌腫は次の写真の通りです。

癌腫のサイズは、結構大きかったです。比較のために、私の使っている皮手袋も写真に写していますが、手のひらに乗るくらいのサイズがありました。

癌腫のメインの部分に加え、周辺にも小さなものが見られたので、それらも綺麗に除去していきます。

そして、除去後の処理についてですが、掘り起こした部分には新しい土を入れてあげるようにしています。掘り上げた土は癌腫があった場所の土なので、細菌などの懸念から入れ替えをしてあげています。

また、癌腫を除去すると株元に表皮の無い部分ができるのですが、トップジンMペーストなどで保護してあげても良いと思います。

ただ、過去に癌腫に罹ったプラムパーフェクトは、特に除去部を処理しなかったですが癌腫病の再発も無かったので、除去部の保護は「できればしておく」という感じでも良いかと。

この記事の終わりに

この記事では、癌腫病に罹患してしまった薔薇「ガブリエル」を例に取り、成長期の薔薇の癌腫処理方法について御紹介させていただきました。

癌腫病は未然に防ぐことが難しい薔薇の病気ですが、克服することは可能です。

インターネットの情報では、癌腫病に罹った薔薇は処分した方が良いという記事も目にしますが、本当にそうでしょうか?

私の管理する薔薇も数本が癌腫病に罹患しました。しかし、癌腫を除去して管理したことで、毎年綺麗な花を咲かせてくれています。それに、癌腫が再発していない薔薇の方が多いです。

つまり、癌腫病は致命的な薔薇の病気では無いのです。

その薔薇にあった適切な処置をすることで、回復させることは可能です。

そのため、管理する薔薇の中に癌腫病が出てしまっても、あまり悲観的にならず、回復させられるように癌腫処理をしてあげて下さいね!

今回紹介したガブリエルの成長記録は、下の記事で紹介しています。また、癌腫処理後の成長についても、別の記事でまとめていきたいと思います。

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