2021年5月末になりますが、子供が学校から帰ってきた時に「これ植える!」と言って、何かの植物の苗を持って帰ってきました。
「アサガオ」です。
小学校で育てているアサガオを間引きしたので、その間引いた苗をもらってきたのだそうです。
アサガオの様に比較的大きく伸びていく植物が突然家にやってくると、ちょっと困ってしまったところはあるのですが…。ただ、自分がアサガオを育てたのは小学校の時が最後で、それ以来はアサガオを育てたことがありませんでした。
また、ふと思ったことがあります。
アサガオは成長がとても速いつる性植物ですが「どのくらいの成長速度があるのか?」ということです。
アサガオを植えるのに丁度良い5号鉢も空いていたので、子供と植え付けを行い、成長過程を見ながら育てて見ることにしました。
この記事では、その記録を紹介したいと思います。
子供が持って帰ってきたアサガオの植え付け
冒頭で紹介した通り、子供が小学校からアサガオの苗を持って帰ってきました。
最初は何かの野菜の苗かと思いましたが、葉をよく見て「アサガオ?」と聞くと「そう!」と元気良い返事。
「え?植えるの?」と聞き返すと「うん!」という元気の良い返事。
ちょっと迷いながらも…無邪気な笑顔で子供に言われると植え付けを断れない状況…。
ただ、空いている5号鉢があったので、下の写真の様に、残っていた培養土を使って植え付けを行いました。
「何色のアサガオなの?」と子供に聞きましたが、首をかしげていたので…。
つまりは「咲いてからのお楽しみ!」ということですね!
本記事のアサガオの栽培条件について
今回の記事では、アサガオの成長速度を紹介することになるので、栽培条件を記しておきたいと思います。
① 鉢サイズ: 5号鉢
②株数: アサガオ1株
③ 培養土: ホームセンターの格安品 (元肥入り)
④ 肥料: 週に1度の規定量の液肥
⑤ 活力剤: 植え付け時に1度だけ
⑥ 日照条件: 朝8時から午後2時までの6時間
⑦ 農薬の使用: 無し
蔓を巻き付ける場所ですが、家の雨どいに誘引することとしました。
また、種については全て除去することなく、自然のままに育てます。種をつけさせないと株の成長に養分を使えるので、成長速度や最終的なつるの長さに影響が出ますが、今回は一般的な育て方として種はつけさせることにしました。
脇芽についても切り取ることなく、成長させています。
つまり、アサガオが成長したいように成長させてあげるということですね。
アサガオの成長速度と花数の測定方法
アサガオの成長速度の測定方法ですが、つるの長さをメジャーで測定していく方法となります。
下の写真の様に、アサガオが雨どいを伝って成長していくのですが、メジャーを上手く使ってつるの長さを測定していきます。
ただし、アサガオのつるは直線的には伸びないので、どうしても測定誤差は生まれてしまいます。
ですので、測定した時には±5cmくらいの誤差があるものとしてお考え下さい。
つるの長さの測定は、時間を見つけて1週間に1回程度を目標に行っていきました。
また、つるの長さの測定については、株元から毎回測定すると大変な作業になります。そのため、前回測定した部分に下の写真の様な目印を付けて置き、その位置からの成長分を測定することとしました。
脇芽も伸びて成長するのですが、最も長く伸びていた主となっているつるのみの成長速度を測定しています。
どれくらいの測定を続けるのか?については、成長速度を測定したつるの成長が止まるところまで行いました。以下で紹介しますが、約2カ月間の測定になります。
また、花数の数え方ですが、毎日の観察の中で咲いたアサガオの花数を記録していき、どのくらいの頻度で咲いているのか?累積で何個の花を咲かせたのかを調査していきました。
アサガオの成長速度の測定結果
まず最初に、植え付け直後と2カ月後のアサガオの状態を写真で比較してみます。
左側が植え付け直後のアサガオ、右側の写真が2カ月後の状態です。アサガオの成長は毎日観察していてもその速度の速さが分かるくらいですね。
測定開始から約2カ月後になりますが、次の写真の様につるの先端が枯れて、つるの成長が完全にストップしました。この時点でつるの成長がストップしたと判断して、成長速度の測定を終了しています。
次に示すグラフが、アサガオのつるの長さの成長速度を測定した結果となります。
植え付けた当初は成長がほとんど見られなくて心配していたのですが、植え付けから少し経過すると一気に成長速度を上げて、2mくらいのつるの長さになりました。
その後は少し成長速度が落ち始めていることがわかります。これは、アサガオのつるが伸びきる状態 (成長の終盤) に近づいていることによるものかと思います。
小学生の時にアサガオを育てて、つるが長い植物だなぁ…と思っていたのを今でも覚えていますが、小さなポットで育てても2mを余裕で超えるようなつるの長さになりますね。
地植えにして根を自由に張らせたら、もっとつるの長さが長くなりそうです!
アサガオの開花した花数の調査
次に紹介する結果は、上で成長速度を紹介したアサガオの花数です。
注意していただきたいのは、成長速度を測定したつるに咲いた花の数であるということです。つまり、脇芽で伸びたつるに咲いた花はカウントしていないということです。
ほぼ毎日、出勤前にアサガオの開花数を数えていたので、その地道な測定の結果を載せておきたいと思います。
下のグラフは、縦軸が咲いたアサガオの花の累計数となります。
測定を開始した5月末は花が咲いていませんが、成長速度が上がると同時に花をしっかりと咲かせ始めて、合計で23輪の花を咲かせてくれました。
測定が終わった時点でも、まだ蕾がいくつかあったので、まだもう少し花の数が増えそうです。
アサガオはほぼ毎日のように花を咲かせてくれるので、もっと咲いているイメージが強かったのですが、数えてみると、1本のつるに対しては20輪ちょっとなんですね。
脇芽が出てくれば、それに比例して花数も増えていくことになるかと思います。もちろん、適切な肥料の管理を行い、開花までのサポートは必要だと思いますが…。
咲く花の数は育成環境に大きく依存すると思いますので、これは一例として捉えていただければと思います。
大人になって知ったアサガオの特徴について
アサガオって、小学生の時に学校の教材で何気なく育てていましたが、大人になってじっくり育ててみると「そうなんだ!」と気付くことが2つありました。
アサガオを何年も育てている方からすれば「そんなこと…」と思われてしまうかもしれませんが、大人になった今だからこそ気付いたことを書いておきたいと思います。
葉の付け根から蕾が出てくること
一つ目は、花が咲く(蕾が形成される)位置です。
アサガオの花は、葉の付け根の部分から蕾を出して咲くんですね!
つるから蕾だけが出て咲くのではなく、必ず下の写真の様に葉と蕾がセットになっています。
ですので、葉の数を数えれば概ね咲かせる花の数になるということなんです!
他の植物は葉の付け根の部分が、新しい芽の発芽点になっていますが、アサガオの場合には葉の付け根が蕾を付けるポイントだったとは…。
また、ところによっては、葉の付け根から2つの蕾が出てくる場合もありました。
じつは構造物に巻き付くのが苦手?
もう一つの特徴は、アサガオのつるは太めの構造物に絡みついていくのが苦手であるということ。
今回のアサガオは雨どいに巻き付けて育てましたが、下の写真の様に、直径10cm以上の雨どいには上手く巻き付いていきませんでした。
そのため、適宜つるを固定しながら上へ上へと育てていきました。
「あんどん」を使えば所々につるが絡みつく場所があるので上手く絡みついていくのですが、絡みつく場所が太かったり、絡みつくポイントが少ないような場合には、上手く上へと成長していきません。
つるがどこかに絡みついていない場合、つるが上方向に伸びる力より、葉や蕾の重さの方が重いため、確実に重力に負けて垂れ下がります。
多分、つるを放置しておいたら、地を這うような成長になるのだと思います。
この記事の終わりに
この記事では、童心に帰りつつ、少し大人の目線でアサガオを育ててみた記録を紹介させていただきました。
小学生の時に何気なく育てていたアサガオも、成長速度のデータを取ったり、花の咲き方を観察していると、当時気付かなかったことに気付くことがたくさんありました。
皆さんも、童心に帰って子供の頃に育てた経験のある植物を改めて育ててみて下さい。きっと、何か新しい発見があるはずです。
また、今回のアサガオの成長の観察は、小学校の自由研究の題材のヒントにもなると思います。お役に立てましたら幸いです。