薔薇の冬剪定を完了しました!様子を少し紹介します (2023年1月版)

12月初旬から徐々に葉を落とし始める薔薇も、1月中旬になると休眠状態に入ります (関西の市街地の場合) 。

アントシアニンが蓄えられた薔薇の枝は赤く染まり、薔薇栽培を趣味にされている方にとっては、冬の風物詩の様な光景かと思います。

そして、その時期にやっておくべきお世話が「薔薇の冬剪定」。

冬剪定は薔薇の枝を最も深く刈り込む作業であるとともに、一年間の薔薇の成長を想像しながら行う大切な作業であります。

今年も冬剪定の時期を迎え、我が家でも多くの薔薇達の冬剪定を随時完了させています。

以下では、我が家で育てており過去にも栽培記録を紹介させていただいている3品種の冬剪定の様子を紹介したいと思います。


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ジュード・ジ・オブスキュアの冬剪定

一つ目の薔薇は、イングリッシュローズの人気品種「ジュード・ジ・オブスキュア」です。

私の過去の記事 (下のリンク) では、その栽培記録や成長の様子、特徴などを紹介させていただきました。

ジュード・ジ・オブスキュアは、半つる性の薔薇のため、つるを伸ばす仕立て方でも鉢植えでの木立性としても育てる事ができる薔薇です。また、イングリッシュローズの中でも耐病性が高く、初心者の方でもチャレンジしやすい薔薇だと思います。

我が家のジュード・ジ・オブスキュアの剪定前の写真が下の写真の通りです。

鉢植えで木立性の仕立てで育てていますが、それでも蔓と思える様な長い枝が伸びている状態でした。

浅い剪定で済ませると、春以降にさらに枝が伸びてしまって、鉢植え栽培が困難になるため、しっかりと深く剪定するように心掛けています。

具体的には、次の2枚の写真の通り、まず細い枝や元気の無い枝を全て剪定してしまいます。

そして、メインの枝についても、長さを1/3にまで刈り込んでしまいます。

もちろん、良い新芽の位置を確認しながら剪定していきますが、今年のジュード・ジ・オブスキュアも良い芽がたくさん残っており、剪定の位置に苦労することはほとんどありませんでした。

そして、剪定後の様子が次の写真となります。

かなり深く刈り込みましたね。

これだけ剪定すれば、枝が自重で折れてしまったりする心配は軽減できるのではないかと思います。

ただ、まだ少し枝が混み合い過ぎていると思うんですよね。

もう少し枝を選別しても良いのかと思いますが、春の花数も考慮してこの状態としました。

まぁ、今年育ててみて枝が混み合い過ぎたら、来年の冬はさらに枝を選別することとします。

シェエラザートの冬剪定

続いて2つ目はシェエラザートです。

ロサオリエンティスの木村卓功さん作出の超有名品種ですね。

こちらも下のリンクで栽培記録を紹介しておりますが、新苗から大切に育てて来た薔薇です。

シェエラザートは非常に樹勢が強く、鉢植えであっても、とても太く立派な枝をたくさん展開してくれます。地植えで育てたら、もっと立派な薔薇に育つんだろうと思います。

そんなシェエラザートですが、下の写真が冬剪定前の状態です。

病気もほとんど無く元気に育ってくれた株です。

シェエラザートについては、昨年の梅雨時期にベーサルシュートやサイドシュートを多数出してくれて、太い枝が多く残っています。

そのため、細い枝は全てカットして、太い枝も1/3くらいの長さを残す剪定を進めました。

また、シェエラザートは木質化しているような枝からも、良さそうな新芽が顔を出している状況で (下の写真参照) 、こちらも剪定位置に困りませんでした。

そして、最終的に剪定後の様子が次の写真です。剪定前と剪定後を比較しています。

ここまで刈り込んだ姿を見ると、「そんなに刈り込んで大丈夫なの!?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかと思います。

実際に、実家にある薔薇を冬剪定する時、私の母親から「そんなに刈り込んだら、薔薇が枯れるんじゃないの!?」と突っ込まれたことがあります。

確かに、初めて見る方からすると、ここまで刈り込むと心配になる方も多いと思います。

しかし、薔薇はここまで刈り込んでも、春から秋の成長で元通りかそれ以上の大きさの株になります…。

むしろ、株元に近い太い枝から新梢を出させた方が、次年度以降を担う立派な枝が出てきたりします。


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ミニ薔薇 (品種: アロハ) の冬剪定

3つ目はミニ薔薇の「アロハ」という品種の冬剪定です。

昨年は、このアロハで色々な薔薇の実験をさせていただきました。

下のリンクが、アロハの栽培記録、日照条件の実験、肥料の実験の記事です。

「ミニ薔薇の冬剪定って、どうやってやるのか、いまいちわからない…。」という方がいらっしゃると聞いたので、ここで一例として紹介しておこうかと思いました。

結論から言うと、ミニ薔薇の剪定も、基本的には薔薇の剪定を同じ考え方で問題ありません!

ただ、春以降の成長を見据えると、薔薇よりもミニ薔薇の方が細かい枝がたくさん出てきます (私の経験上) 。

夏になる頃には必ずと言っていいほど葉や枝が混み合ってくるので、薔薇よりもミニ薔薇の方が冬剪定でしっかりと刈り込むことが重要だと感じることもあります。

下の写真が、冬剪定前のミニ薔薇「アロハ」の状態です。

昨年の春に挿し木苗を購入して、鉢増しをしながら育ててきた株となります。

挿し木苗から栽培を始めて、1年も経たないうちに、これだけ立派な株に育ってくれました。アロハは、比較的樹勢の強いミニ薔薇に思えますね。

この株は、上の写真でみると、そこまで枝が混み合っていないように思えるのですが、上から見た次の写真では、かなり枝が混み合っていることが分かるかと思います。

細かい枝が大量に発生しているんですよね。

上述の通り、ミニ薔薇においても、太い枝を残して細い枝は剪定するという基本的な考え方はかわりません。

そのため、細い枝はどんどん剪定してしまいます。

また、比較的太い枝であっても、下の写真のように、かなり低い位置で剪定してしまいました。

枝を長く残してしまうと、春以降に頭でっかちの状態になって、枝に強い負荷がかかり折れてしまう原因になります。

特に、上の写真の様に、長い枝の頂点部分で多く枝分かれしている場合には、春以降の成長で枝が折れてしまう危険性が高いと感じます。

そのため、株を一旦リセットするという意味も込めて、低い位置まで刈り込んでいます。

剪定後の様子が、下の写真となります。

ミニ薔薇を冬剪定した後に思うことですが …「ここまで深く剪定しても、6月か7月くらいには元通りになるんだろうなぁ」と。

この記事の終わりに

さて、今回は2023年1月の薔薇の冬剪定の様子をレポートさせていただきました。

薔薇の冬剪定はとても大変な作業ではありますが、1年間のお世話の中でも最も大切な一つであり、その年の薔薇の成長や株姿を決めるお世話と言えます。

薔薇の枝を剪定することに躊躇してしまう方もいらっしゃるかと思いますが、勇気をもって刈り込んであげて下さい。きっと春にはそのお世話に対する御褒美(立派な薔薇の花)がやってきます。

また、薔薇の冬剪定は、完璧にこなすことを考えながら実施しなくても良いと思います。

春以降の株姿を想像しながら最適だと思われる方法で剪定しても、薔薇はその通りに成長してくれないものです (笑) 。

冬剪定の時に残した「この新芽は立派に育つだろうなぁ」と思われた新芽も、実は花を咲かせない「ブラインド」の状態になることも有るんですよね…。

まさに「親の心 子知らず」です。

さて … まだ薔薇の冬剪定をされていない皆様 … 2月中旬くらいまでを目標に冬剪定を実施してあげて下さいね!

それでは!

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