園芸の益虫「ヤスデ」は日々のお手入れで大量発生を防ぐ

春になると玄関先や庭に細長くて少しグロテスクな虫が現れます。

「ヤスデ」です。

ムカデの様に大きくは無いですし、人間に害を与えるような毒も持っていないため、家の周りにいても特に問題は無い存在ではりますが…

ただ、見た目が悪いという点で、特に女性の方はヤスデが嫌な存在なのではないでしょうか?

私個人的にはヤスデにはいろいろと協力をしてもらっているのですが、この記事ではそのヤスデについて園芸に与える良い影響を詳しく紹介していきます。


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ヤスデが嫌われる理由

ヤスデが嫌われる理由は、一つか二つしか無いと思います。

はい、そうです…まず最初に、見た目が良くないんです。

細長い体に縞縞模様、そして多くの足を持っているので、見た目はムカデの小さいバージョンというイメージになります。

大きなヤスデの写真

この見た目を「可愛い」と思われる方の方が少ないと思いますし、玄関先やベランダなどに出没したら、多くの方が嫌な感情を抱かれるのかと思います。

また、刺激を与えたりすると臭気のある液体を出すので、臭いも気になることがあります。1匹や2匹いても、それほど臭いは感じませんが、10匹くらいが集まっている場所を見つけると、ちょっと嫌な匂いがしてきます。

私自身、薔薇を育てている花壇や鉢植えの近くで、ヤスデが大量に発生している所を何度も見ています。私が男だからかもしれませんが、見た目は問題ないのですが、臭いがきついとちょっと嫌になりますね。

私はヤスデを益虫 (味方) として考えています

私個人としてはヤスデを益虫だと考えており、薔薇の花壇や鉢植えの中に見つけても特に殺虫剤で対処したりすることはありません。

基本的にヤスデは放置しています。

コガネムシの幼虫の様に、薔薇の根を食害するようなことがあれば殺虫剤等で対応をしますが、根を食べることは無いです。

また、ヤスデは落ち葉や腐った葉、また腐った枝などを食べて分解してくれるお掃除屋さんです。そしてヤスデの糞は落ち葉などの有機物が分解された肥料になります。

つまり天然の有機肥料を供給してくれる存在であると認識してOKです。

見た目が悪いというだけで、殺虫剤を使用して退治してしまうのではなく、ヤスデについては「共存する」という道を選んでも良いのではないかと思います。

ただし、私の家でも一時期ヤスデが大量発生してしまいました。上記の通り基本的に放置だったので、いつの間にか自然に数が増えてしまったんだと思います。家の周りにも所々にみられたので、その時にはヤスデの殺虫剤を使いましたが、そのような状況にならなければ積極的に対処することはしていません。

ヤスデが大量に増えてしまわない状況であれば共存し、大量に増えてしまったら殺虫剤等で対応するというスタンスが一番気を抜いて楽を出来るのではないかと思います。


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ヤスデは鉢植えの中に住み着きやすい

ヤスデは庭の土の中に住み着いているというイメージがあると思いますが、実は鉢植えの中にも住み着きます。

花壇や庭で見られないから、ヤスデはいないだろう…と思われる方もいるかもしれませんが、ヤスデは鉢の中の方が住み着きやすい傾向があると思っています。

理由は鉢の中には腐葉土というヤスデの大好物があるからです。

鉢底の水抜き穴などから侵入したり、鉢をよじ登って鉢の中に侵入して腐葉土を食べて有機物の分解に寄与しています。

庭を歩くヤスデの写真

私の管理している鉢植えの薔薇についても、ヤスデとは共存させています。

「どのくらいの数が住み着いているのだろう?」という疑問もあったので、イングリッド・バークマンという薔薇を植えてある鉢に、大量に水を流し込んでみました。5分弱の間、ホースで水を注入し続けました。

ヤスデは呼吸が出来なくなると、地上へ出てくる習性があるので、水を大量に入れることでどのくらいのヤスデが出てくるのかを確認することができます。

その結果、10号鉢の中から、確認できただけでも8匹のヤスデが出てきました。

予想外に一杯いましたね…。2,3匹かと思っていましたが、ぞろぞろを出てきました。

鉢植えで園芸を楽しんでいる方、特に庭に多くの鉢植えが並んでいる方は、ヤスデに住みやすい環境を提供しているようなものかと思います。私がその状況なのですが…。

庭掃除はヤスデ発生を抑制する第一歩

「ヤスデは益虫です」という記事を書いてきましたが、やはりヤスデが苦手な方も多いかと思いますので、ちょっとした工夫で出来るヤスデが寄りにくい方法・環境作りを御紹介しておきます。

ここ数年、ヤスデと付き合ってきた経験から考えると、ヤスデの発生およびヤスデが集まるような環境を無くす方法はあります。

ヤスデが好む場所を無くしてしまえば良いのです。完全に無くすことはできないかもしれませんが、ヤスデが住みにくい状況にしてしまうということですね。

ヤスデは基本的に乾燥しすぎている場所が苦手で、常に湿っている場所を求めて動き回ります。また、ヤスデの成虫の食べ物は落ち葉です。

つまり、ヤスデが集まりやすいのは落ち葉が溜まっていて、かつ湿り気が残っているような場所になります。

皆さんのお庭にもそのような場所がありませんか?

風の通り方などによって、落ち葉の吹き溜まりになるような場所があります。そのような場所に雨が降ると、落ち葉が湿ってヤスデの食べ物を供給することになります。放っておくと、その吹き溜まりにどんどんヤスデが集まってきて、10匹以上集まることもあります。

そのため、ヤスデが集ってしまうことを防ぐには、常に落ち葉を掃除して取り除き、湿っている落ち葉を無くすことが効果的です。

特に梅雨の時期は落ち葉と雨がというヤスデの好む環境が生まれやすいです。そして、梅雨の雨の季節にはお庭の掃除もできなくなります。これがヤスデが大量に集まってしまう原因になってきます。

害虫の発生って、その場所が害虫にとって住みやすい場所・繁殖しやすい環境であるからこそ、大量に発生したり集まってくることが多いです。ですので、そのような状況を事前に解消してあげることが問題解消へ向けた近道になります。

植物の病気と同じで「予防」が一番大切です!

1番効果が高いのは殺虫剤の散布ですけど…私としては無駄な殺生はしたくないので、あらかじめ住みにくい環境にしてあげることが大切かと思います。

私の家でも毎年必ずヤスデが集まる場所がありました。落ち葉が吹き溜まりになる場所です。その場所の落ち葉を気付いたら掃除するようにしていたら、その場所にはヤスデが集まらなくなりました。結局、虫と人間の知恵比べなんですね!


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ヤスデ記事の最後に

この記事では、園芸作業でちょっと気になる「ヤスデ」という虫の存在について私の個人的な意見・考え方を記載させていただきました。

ヤスデは少数であれば花壇や鉢植えの中に存在しても、悪さをすることは無いので基本的に放置して共存していくという考え方で良いのかと思います。

花壇の落ち葉を食べて分解してくれますし、鉢植えの中でも培養土を食べて有機物の分解を助けてくれる大切な存在です。

ただ、ベランダで園芸されている方はヤスデが家に入ってきてしまう可能性がありますし、家の周りで数が異常に増えてしまっている場合などは適宜殺虫剤の使用を考えるべきかと思います。

今後も益虫であるヤスデと上手く付き合っていきたいと思います。今までヤスデを処理してしまっていた皆さんも、これからは共存を考えてみてはいかがでしょうか?

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