水苔にカビが発生する原因とあまり知られていないカビ防止方法

我が家で栽培している蘭は、全て水苔を使用して栽培しているのですが、梅雨の季節は家の中でも白いカビが生え始めました。

蘭に限らず水苔を使用している植物には、同じようにカビが生えてくるリスクがあります。

この水苔のカビ…抑制する方法はあるのでしょうか?

この記事では、私の蘭栽培で水苔にカビの生えやすい条件が分かってきたので御紹介します。湿度が高いだけではありませんでした。水苔の使用方法にも原因があったのです。その条件に該当すると水苔を新しくしてもまた生えてくるんです…。


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水苔にカビが生えやすい基本的な条件

まずは、一般的に言われている水カビが生えやすい状態について、私の経験からその条件を御紹介したいと思います。

梅雨のジメジメした季節

私自身、蘭の栽培は年間を通じて常に同じ場所で行ってます。

下の写真に示す、すりガラスを使用した明るい窓辺になります。写真は夜に撮影したので、外は真っ暗ですが…。

常に同じ場所で蘭を栽培しており、置き場を変えることはほとんどありません。置き場を変えるのは、花が咲いた時に部屋の中で見やすい位置に動かすときくらいです。

この場所で約1年間蘭を育てていますが、今まで生えなかったカビが7月になって急に生え始めました。

室内では誰かがいる時は空調の除湿を使ってなるべく乾燥気味環境にしているのですが、仕事で家にいない時には梅雨のジメジメした室内になるので、それが原因でカビが生えてしまったのだと思います。

水替えの頻度も1週間から10日に一度にしているのですが、それでも生えてきたので、夏の暑い気候と湿度が大きくかかわっています。

水を与え過ぎて常に水苔が湿っている状態

一般的な事ですが、完全に乾燥した場所にはカビは生えません。

常に湿っているような状態でないとカビは生えにくいことは確実な事実です。

水苔を使用する植物は、基本的に乾燥気味に育てる植物が多いので、毎日の様に水を与える必要はありません。

そのような植物に毎日の様に水を与えていると、常に水カビが湿った状態になりますし、肥料分もあるためカビが生えやすい状態になることは間違いないです。

エピデンドラムの水苔に生えた白カビ

トップ画像にも使用している写真ですが、我が家で栽培している蘭の中でカビが生えているエピデンドラムの鉢植えです。

少しわかりにくいと思うのですが、この水苔の表面にうっすらと白色のカビがびっしりと生えてしまっています。

見た目も悪いのですが、何となく家の中にカビが生えているという状況が、気分的にも許せない状況です。

このカビ、表面の水苔を除去したり、一部を交換してもまた生えてくるんです…。全ての水苔を完全に交換して、水苔に付いている胞子を除去できれば生えてくる可能性は減ると思いますが、今回は植え替えを予定していなかったので、その方法はとりませんでした。


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水苔にカビの生える鉢と生えない鉢がある

胡蝶蘭の鉢植えにはカビが生えないのにエピデンドラムの鉢にはカビが生える

水苔にカビが生えて困っていたのですが、ある日、気づいたことがあります!

上の写真で紹介したように、同じ場所で胡蝶蘭2株とエピデンドラム1株を栽培しているのですが、なぜか胡蝶蘭の方には全くカビが発生せず、エピデンドラムの方だけにカビが発生するのです。

同じ水苔を同じ時期に使い始めたので、水苔の状態には大きな差は無いはずです。育てている植物は異なりますが、植物の種類だけでカビの生え方に大きな違いが出るとも思えません。

このカビの発生する鉢と発生しない鉢で、何が違うのか!?

理系の私の血が騒いだ瞬間です(笑)

皆さんは、何が違うかわかりますか?

胡蝶蘭とエピデンドラムの鉢植えで何が違うの!?

この謎を解くために、かなりじっくり考えたのですが、一つの答えに何とか辿り着きました。

水苔が杯一杯に詰め込まれているか否か?という違いです。色々考えても、この違いしか見当たりませんでしたし、これが最もしっくりくる理由だと思います。

水苔にカビの生えない胡蝶蘭の鉢は、鉢から溢れるぎりぎりのところまで水苔を詰め込んで使用しています。これに対して、カビが生えてしまうエピデンドラムの鉢では、水苔を鉢一杯に入れず、鉢の高さよりも約3cmから4cmくらい低いところまでしか水苔を入れていない状態でした。

この違いで、何故コケが発生しやすいのかを考えると、水苔が鉢の高さまで一杯に入っている場合には、水苔の表面が常に鉢の外に出ているので、水苔は空調や扇風機などの風に当たりやすく、常に乾きやすい状態になります。

それに対して、鉢の高さよりも低い位置までしか水苔を入れていない場合、水苔の表面が鉢の中に位置してしまうので、風や空気の入れ替えが行われにくく、水苔の表面が乾きにくい状態になっていたのです。

確かに、水苔の表面を触ると、同じタイミングで水やりをしているのに、胡蝶蘭の水苔は表面がパリパリに乾いていても、エピデンドラムの方がまだ湿っているという状態であることが多いです。

ほんの少しの違いなのですが、これが水苔にカビが生えてしまう原因だったのです。

水苔の使用方法って、奥が深いなぁ…と感じさせられる現象でした。

この記事のまとめ

この記事では、蘭の栽培やコケリウムに使用される「水苔」にカビが生えてしまうのは何故なのか?という観点で、その理由を紹介させていただきました。

色々なサイトで「水苔にカビが生えるのは常に湿っているからだ」とか「古くなっているのが原因だ」とか記載されていますが、私自身はそうではなく、水苔の使用方法自体に問題があるのだと思います。

水苔にカビが生えるのは、基本的に水苔が空気に触れる最表面に近い部分です。その際表面の部分が常に乾湿が付きやすい状態であれば、水苔表面のカビ発生は抑制できるのです。

実際に私が管理する蘭の鉢植えでその現象を確認することもできました。

皆さんも、水苔を使用する際には、なるべく鉢一杯に水苔を使用してあげるようにしてみて下さい。ただし、水やり頻度については水苔の表面がきちんと乾いてから、という基本的なルールは守っていきましょう。

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