ミニ薔薇を育てていると、多くの方が経験するであろうトラブルがあります。
「ミニ薔薇の葉が全て無くなってしまった!」という状態です。
ミニ薔薇はホームセンターなどで安価で入手ができるため、お手軽に育てられる薔薇と言うイメージが強いのだと思いますが、葉が無くなってしまうというトラブルを多く聞きます。
花が咲いた後に葉が黄色くなって落葉してしまったり、病気 (黒星病) で葉が無くなってしまう場合もあります。
「葉が無くなってしまう=ミニ薔薇が枯れてしまった」と勘違いをして、そのまま廃棄してしまう方もいらっしゃるかと思いますが … それは本当に勿体ない!
ミニ薔薇はとても生育旺盛なガーデンプランツですので、葉が全て無くなっても比較的簡単に復活させることが出来ます。
この記事では、黒星病で葉が無くなってしまったミニ薔薇を例に取り、その復活までの道のりを紹介していきたいと思います。
育てているミニ薔薇の葉が無くなってしまった方に、少しでも御参考になれば幸いです。
【注意】この記事で紹介する方法は、筆者が実施している方法になります。あくまでも一つの例としてお考え下さい。実際に本記事の記載の方法を採用する場合には、自己責任でお願い致します。
黒星病で葉が無くなり丸坊主になったミニ薔薇の例
まず最初に、今回の記事で紹介するミニ薔薇ですが、黒星病によって葉の多くが無くなってしまったミニ薔薇となります。
下の写真が、そのミニ薔薇になります。
ミニ薔薇を育てた経験が有る方であれば、ミニ薔薇がこのような状態になってしまったという経験をお持ちの方は多くおられるのではないでしょうか?
私自身も薔薇栽培を長く楽しんでいますが、ミニ薔薇がこのような状態になったことは … 恥ずかしながら、何度もあります。
こんな姿のミニ薔薇を見ると、「もう花が咲かないんじゃないか?」と思ってしまいますよね。
ここまで葉が無くなってしまうと、栽培を諦めたくなる気持ちは分かるのですが、比較的簡単にミニ薔薇を回復させることが可能なんです。
まずは枝をしっかりと剪定してあげましょう!(強剪定)
それでは、私の実践している方法 (少し荒行となりますが…) となりますが、その詳細を以下で紹介していきます!
「えっ!?それで大丈夫なの!?」と思われてしまうかもしれませんが、とりあえず結果も含めて御確認いただければ…と思います。
強剪定をして太い枝と新しい葉を発生させる!
まず最初に、葉の無くなったミニ薔薇を強剪定していきます。
春~秋の成長期であろうが、私は気にせずに強剪定してしまいます。
下の写真が実際に強剪定した後のミニ薔薇となりますが、茎の大部分が無くなり、地上部に茎が5cm程度しか残っていません。また、葉は1枚もありません。
何とかミニ薔薇の挿し木苗であることがわかるレベルですね。
ここまで強剪定する理由は2つあります。
1つ目は、新芽の成長を促進するためです。
葉を再生させるためには、新芽を出させないといけません。薔薇に限らず、植物は茎を成長させながら葉を展開していきます。そのため、葉の無い茎を残しておいても、あまり意味が無いんですよね…。
2つ目は、太い枝を出させるためです。
薔薇は「頂芽優勢」という性質を持ち、最も高い位置にある発芽点から新芽を成長させようとします。しかし、葉の無くなったミニ薔薇を見ると、葉が無くなった茎の頂点は非常に細いんですよね…。
細い茎からは細い茎しか発生しないため、これも望ましい栽培方法とはいえません。
そこで、太い枝を出させるために、枝が太い位置まで切り戻してあげる必要があるんです。
太い枝は地面に近いあたりになるので、強剪定をすれば太い枝が出やすくなるということです。
ミニ薔薇を強剪定した後の管理方法
強剪定した後のミニ薔薇になりますが、水やりと肥料に注意が必要です。
強剪定をすると葉が完全に無くなるため、植物は蒸散をしなくなります。そのため、水を吸い上げる量も得るため、土の乾き方が確実に遅くなります。
土の乾き具合を確認してから水やりをするように心掛けます。
園芸における水やりの基本は「土が乾いてからたっぷりと」と言われますが、強剪定後のミニ薔薇は特に気を付けてあげる必要があります。
また、肥料については、芽が出てきたら肥料を再開するようにします。特に速効性のある液肥は、使用開始時期は注意が必要だと思っています。
新芽が成長していない状態で肥料を与え始めると、これも肥料過多になり得ます。
新芽が生えてきたら適量の置き肥・液肥で育てていくようにします。
強剪定から2週間後のミニ薔薇の様子
さて、強剪定した後のミニ薔薇の成長を順を追って紹介していきます。
まず下の写真は、強剪定から1週間後の様子です。
残した枝の頂点部分から、小さな新芽が芽吹き始めているのが分かるかと思います。
強剪定をしたことで、比較的太い枝の頂点部から発芽を促進することが出来ていますね!
また、次の写真は、強剪定を行ってから2週間後のミニ薔薇の様子です。
新芽の特徴である赤い葉を伴いながら、無事に新しい芽吹きが始まりました。
これだけ芽が出て来たので、施肥を再開することとしました。少量の置き肥に加えて、1週間に1度の液肥を与えて成長の促進をしてあげます。
(上の写真の通り、ミニ薔薇をビニールポットで育てていますが、地上部が大きくなって根の張がしっかりしてきたら少し大きな鉢に鉢増しを予定しています。)
強剪定から25日後のミニ薔薇の様子
小さな若芽の発芽からさらに10日が経過すると、強剪定したミニ薔薇の成長速度が一気に上がってきます。
下の写真が強剪定から25日後の様子となります。
ここまで回復・成長すると、葉が完全に無くなってしまったことが嘘のような状態になりますね。
新芽が3つほど元気よく成長して、もう少ししたら蕾が出来そうな様子です。
また、葉が大きく成長したことで蒸散が活発になり、培養土が乾く速度が明確に早くなりました。培養土の乾き具合に応じて、水やりの頻度も変えていきます!
強剪定から1か月後に蕾の成長が始まりました
強剪定から1か月後、新たに芽生えた新芽の先に大きな蕾が成長してきました。(下の写真参照)
ミニ薔薇は花を咲かせる本能が非常に強いと言われますが、本当にその通りだと思います。
1ヵ月前には枝が少しだけ残っていた株でしたが、強剪定を行っただけで、再び開花が楽しめそうな雰囲気が出てきました。
強剪定から40日後に無事に開花
蕾が成長し始めてから開花までの時間は短く、強剪定から40日後に開花の時を迎えました。
下の写真がその様子です。
強剪定から僅か40日という短い期間での開花となりますが、これは強剪定を行ったのが夏だったため、ミニ薔薇の成長がとても速い時期であることも寄与していますね。春・秋の気温の低い時期であれば、もう少し開花までの時間は長くなると思います。
強剪定によって株自体は小さくなりましたが、根の張り具合は小さくなっていなかったので、根に成長を支えられて株が健全に育ったというのもあるのかもしれません。
葉も青々としており、とても良い株の状態と言えるかと思います。
病気や害虫によって葉が無くなってしまったミニ薔薇も、「強剪定」とう簡単な作業で再び開花させることができることがお分かりいただけたかと思います!
この記事の終わりに
この記事では、黒星病によって葉が無くなってしまったミニ薔薇を復活させるという作業を紹介させていただきました。
ミニ薔薇を復活させるのに難しい作業は無く、「強剪定」で枝を剪定してあげるだけで再び開花を楽しむことができます。
注意点としては、肥料を与え過ぎない事や、土がしっかりと乾いてから水やりをすること等が挙げられますが、これらも特に難しいことはありません。
今回の実例では夏の成長期に強剪定を行いましたが、特に大きな問題は無くミニ薔薇は復活をしてくれました。(春や秋にも同じような作業をしたことがありますが、春・秋に関しても同様にミニ薔薇は復活してくれています。)
ミニ薔薇の葉が全てなくなってしまうと非常にみすぼらしい姿になってしまうため、そのまま廃棄してしまう方もいらっしゃるかと思います。
しかし、ミニ薔薇は非常に生命力の強い植物であり、繰り返し花を咲かせてくれる頼もしいガーデンプランツです。
御自宅に葉の無くなったミニ薔薇があったら、強剪定を行って様子を見てはいかがでしょうか?
きっと、再びミニ薔薇の花を楽しむことが出来ますよ!
それでは!