ハイドロカルチャーの観葉植物を培養土に植え付ける手順

ホームセンターや園芸店に行くと、ハイドロボールと呼ばれる小さなビーズ状態の土の中に植えこまれた「ハイドロカルチャー」という方法で栽培された観葉植物を見かけます。

ガラス瓶やガラスのコップなどに、ハイドロボールを入れてその中に植物を植えこむのですが、ハイドロボールにも様々な色があるため、インテリア性もありとても人気の高い栽培方法になっています。

しかしながら、購入した当初は小さくてかわいい観葉植物も、栽培期間が長くなると植物が成長して大きくなります。

ハイドロカルチャーは小さなガラス瓶などで育てている場合が多いため、いつの間にかガラス瓶が窮屈になってしまいます。また、その観葉植物をより大きな観葉植物に育ててみたいという場合もあるかと思います。

今回の記事では、私がハイドロカルチャーで育てていたサンスベリアを培養土に植え替えて大きく育てる準備をするという内容を御紹介したいと思います。


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植え替えるハイドロカルチャーのサンスベリア

今回はハイドロカルチャーで育てていたサンスベリア・ファーンウッドを、通常の培養土へ植え替えていきます。

サンスペリア・ファーンウッドは、細長く濃い緑色をした葉が元気に上方向へ伸びてくる観葉植物で、葉の中に斑点も入るためインテリアにも相性の良い観葉植物です。

下の写真が植え替えを行うサンスベリアですが、直径5cmくらいの小さなガラスコップの中で育てていたものです。中に入っている株の数も多いことから、特に株元がかなり窮屈になっている印象があります。

正面からは確認しにくいのですが、根もガラス面に到達しているため、少し大きな鉢に培養土で植え替えることにしました。

このまま育てていても健全な状態で成長してくれるとは思えません。ハイドロカルチャーの容器を大きくしても良いのですが、ハイドロカルチャーは培養土に比べると根の安定性が悪いのが欠点で、特に背の高くなるサンスベリアのような観葉植物は成長したら培養土に植え替えたほうが良いかと思います。

ハイドロカルチャーから培養土への植え替え手順

ここからは実際の植え替えの様子を写真入りで紹介したいと思います。

手順① 植物をハイドロボールから引き抜く

まず最初に、ハイドロボールからサンスベリアを引き抜きます。ハイドロボールは、培養土の様に固まっていることは少ないですが、長い年月経っているハイドロボールは少し硬く詰まっている場合があります。

その場合、無理に抜かずに割りばしなどで突きながら徐々にハイドロボールを除去していくと上手く抜けます。

今回の場合は簡単に抜けたので、サンスベリアをそのまま引き抜いてしまいました。下の写真が引き抜いた状態のものです。

サンスベリアの根はオレンジ色をしているんですね。白かと思いましたが…長く茶色のハイドロボールに入っていたので、その色が移ったのかもしれません。知っている方いたらコメント下さい。

手順② ハイドロボールを綺麗に除去

根に付着しているハイドロボールは、付いたまま培養土に植えてしまっても悪さをすることはありません。

しかし、せっかくの機会ですので、綺麗に除去して、根が絡み合っている状況を解消し、株を下の写真の様に綺麗に分離します。今回のサンスベリアは合計で6株がハイドロカルチャーに植えられていました。

ここで注意点があります。ハイドロカルチャーの中で育っていた観葉植物の根は、比較的水分が多い状態で育っています。そのため、根を長時間空気中に放置して乾燥させてしまうことは避けましょう!ハイドロボールから抜いたら、速やかに培養土に植え替えてあげてください。

手順③ ハイドロボールに浸かっていた位置まで培養土内に確実に植える

次に実際に培養土の中に植えていくことになります。

どこまで深く植えるべきか?についてですが、サンスベリアに関わらず、もともとハイドロカルチャーのハイドロボールの中に埋まっていた部分の茎や葉は白くなっています。

少なくとも、下の図に示すように、この白い茎や葉が見えなくなるくらいの位置までは培養土の中に植えていきます。白い部分が隠れる深さで植えると、株が安定してくれます。

手順④ 培養土内の空気が抜けるまで水やり

最終仕上げとして、水やりを行います。

これは他の植物も同じことですが、最初は培養土の中の空気が完全に抜けるまで水やりを行います。

ジョーロ1杯分くらいを使っても良いかと思います。水を与えた時、培養土の中からプクプクと気泡が出てくるので、その気泡が出なくなるまで水を与えます。


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植え替えに適した季節

ハイドロカルチャーの植え替えに適した季節ですが、植え替えようと思えば、基本的には1年中いつでも可能だとは思います。

しかし、ベストのシーズンは春と秋になるかと思います。

日本の冬は観葉植物の原産地からするととても寒いので、冬の間は育成力が落ちます。培養土への植え付け後には、培養土の中へしっかりと根を伸ばしてほしいので、その力が落ちる冬の寒い時期は避けた方が無難です。

夏に関しては、とても日射しが強く高温になるので、作業中に根が乾いてしまったりすると良くないので、これも避けるべきだと考えます。

そのため、ハイドロカルチャーで育てている観葉植物が「少し育ったなぁ」と思ったら、春と秋まで待ってから植え替えてあげるのが、一番リスクの低い植え替え時期になるかと思います。

今回の記事で紹介しているサンスベリアの植え替えも、9月の後半の涼しくなってきた季節に行っています。

培養土への植え替え後の管理について

管理場所は変更しないことが大切

培養土へ植え替えた観葉植物は、根がしっかりと張るまでは、育成が安定していない状態になります。

そのため、出来る限り環境を変えないことが大切です。ここでは、ハイドロボールで育てていた時の環境となるべく近い状況にしてあげることを意味します。

ハイドロボールで育てている時は、基本的に明るい窓辺などで育てている方が多いと思いますが、その場合には培養土に植え替えた後も同じ場所でしばらく管理してあげる方が株にとっては負担が少ないです。

明るい窓辺で育っていたのに、培養土の鉢植えにした後に屋外の直射日光の下で育てたら、葉焼けの原因になります。

肥料は緩効性の置き肥がおススメ

私の個人的な意見ですが、観葉植物は成長が遅いので、肥料も強いものが必要になりません。

マーガレットなどの草花の場合には、どんどん新しい葉を展開させて、多くの蕾を付けるので、肥料も多く必要になります。

しかし、観葉植物はそこまで大量に肥料を欲するわけでは無いですし、与えすぎが原因で肥料焼けなどが起こることもあります。

そのため、出来れば液肥では無く固形の緩効性肥料が適していると思います。

植え替えた場合の観葉植物は、植え替えた直後は一時的に成長が止まるので (根が定着するまでに時間がかかる)、植え替え後1週間くらい経ってから観葉植物の緩効性肥料を与えるようにしています。


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この記事の終わりに

この記事では、ハイドロボールで育てていた観葉植物を、培養土に植え替えるという作業を紹介させていただきました。

とても簡単な作業ではありますが、要所要所にポイントはありますので、作業前に抑えてもらえれば、植え替えもスムーズかと思います。

ハイドロカルチャーは、インテリア的にも優れた栽培方法ですが、成長をする植物も多いです。その植物を長く栽培していくために、ハイドロカルチャーから培養土での栽培に切り替えることも必要になります。

皆さんのお持ちのハイドロカルチャーの観葉植物も、窮屈になっている株があれば、培養土栽培に切り替えてみてはいかがでしょうか!?

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