月下美人が冷害の被害に!その経緯や対処をまとめます

2022年の春になりますが、以前から育ててみたかった「月下美人」の苗を購入して栽培をスタートさせました。

月下美人は苗で育て始めると、開花させるまでにとても長い時間が必要となることで有名な森林性サボテンの仲間ですが、いつか自分の手で咲かせてみたいと思っていた植物です。

育て始めた時は小さな挿し木苗だったのですが、栽培開始から約半年が経過すると、葉の数も増えて順調に成長していることが伺える状況でした。

月下美人の原産地はメキシコの森林のため、日本の冬は寒さ対策は必要であるということを聞いていましたが、関西の温暖な場所での栽培のため、あまり寒さに気を遣っていませんでした。

しかし、その注意力の甘さが災いとなり … 月下美人に冷害の被害が発生することとなりました。

この記事では、月下美人に冷害が発生した時の様子や、気温・天候の変化などを詳細に紹介したいと思います。

これから月下美人を育ててみようと思っている方に、少しでもお役に立てる記事となれば幸いです。


Advertisement

はじめに -寒さ対策無しで冬越しを考えていた-

冒頭でも記載しましたが、私が住んでいるのは関西の市街地となります。

そのため、北海道や北陸の様に、雪の降る豪雪地帯ではありません。

雪が積もること自体が珍しい市街地です。

月下美人の栽培方法の資料の中には「冬には寒さ対策をするようにしましょう」という記載があったのですが、雪もほとんど降らない市街地なので、それほど気にすることは無いだろうと安易な気持ちを持っていました。

そのため、初めての冬を迎える2022年の冬になっても、寒さ対策を全くせずに月下美人の屋外栽培を続けていました。

しかし、その考えの甘さが裏目に出てしまい、月下美人に冷害を与えてしまう事となったのです。

初めての月下美人の栽培とはいえ、注意していれば防げた被害だったので、被害を確認したときはとてもショックが大きかったです。

月下美人を栽培する方には、私と同じようなショックを受けて欲しくないので、この記事を作成することとしました。

冷害を受けた月下美人の様子

それでは、実際に冷害の被害を受けた月下美人の様子を写真で紹介したいと思います。

まず最初の写真は、2022年の秋に撮影した月下美人の様子です。青々とした葉が茂っており、特に育成には問題は無い状態だと言えます。

そして、次の写真が冷害を受けた後の月下美人の様子です。

葉の色が変色し、枯れたような状態になっており、冷害による被害が大きいことが見て取れるかと思います。

見るからに症状が重く、冷害を受けた葉は、今後の成長や開花への寄与が見込めないように思えました。


Advertisement

冷害を受けたのは比較的若い葉

冷害を受けてしまった月下美人ですが、よく見ると冷害を受けた葉には特徴がありました。

それは「秋に成長した比較的若い葉」であるということです。

この月下美人は2022年春に栽培を開始しましたが、植え付けを行った直後に発生した葉は冷害を受けず、9月以降に発生した比較的若い葉だけが冷害を受けていたのです。

下の写真に詳細を示す通りですが、9月以降に発生した葉が主に冷害を受けています。

この特徴は私の栽培している月下美人に特有の現象かもしれませんが、もしかしたら若い葉の方が組織がしっかりしておらず、寒さに弱い傾向にあるのかもしれません。

冷害を受けたのは2023年1月の寒波到来時

次に冷害をもたらした「最低気温の変化」について、気象庁の過去の天気データを基に調査をしてみました。

下のグラフが、私の住む地域の2023年1月から2月の最低気温の推移です。

冷害が確認されたのが2023年1月27日ですが、その直前の2023年1月25日に「大寒波」が到来しました。

その時は雪が降り、最低気温が約-3℃となっています。確かに、この日は寒かったのを今でも覚えています。

冷害が発生する前の1月の最低気温は氷点下になることは無く、数℃の範囲で推移していました。

つまり、今回の事例では、氷点下になったことが月下美人の冷害に繋がったと言えるのかと思います。

氷点下になることが予想される場合には、屋内に退避させるなどの対策が必要だということになりますが、それ以前に冬には冷害対策 (鉢植えをカバーする等) をしておくべきだということを身に染みて学びました…。

まぁ、今考えてみれば、森林性サボテンを氷点下の中に放置するのは良くないですよね … 。


Advertisement

冷害を受けた月下美人の葉の対処について

今回の冷害を受けてしまった月下美人ですが、どのような対処をする予定なのかも記載をしておきます。

まず、冷害を受けて変色した葉は、再生することはないと思われます。

そのため、温かくなってからになりますが、切り落とすしかないと思いますが、この株の将来の事を考えてダメージを受けた部分だけを切り落としていこうと考えています。

その具体的な対処方針を、下の写真を使って記します。

上の写真には、冷害を受けた大きな葉が写っているのですが、冷害を受けて変色しているのは葉の上の部分で、下の方は冷害の被害があまり見られません。

そのため、黄色の点線の位置で葉を切り落とします。

月下美人は、次の写真に示すように、葉の葉脈の先の部分に新芽の出てくる場所があります。

そのため、葉を根元から切ってしまうと、発芽点が無くなってしまいます。

春以降に、新しい葉を芽吹かせるためには発芽点が必要だと思いますので、このような処置を予定しています。

新葉が出てくるかはわかりませんが、発芽点を残して、少しの望みを持っておきたいと思います。

【2023年4月8日 追記】冷害を受けた月下美人のその後の処置

本記事を公開したのが2023年2月16日になりますが、春になって実際に冷害を受けた月下美人の処置を行いましたので報告します。

4月に入り最低気温が10℃前後まで温かくなったので、2023年4月初旬に冷害を受けた葉を切り落としていきました。

下の写真が2023年4月初旬の月下美人の様子です。

冷害を受けた部分が茶色に変色し、完全に枯れ落ちていることがわかります。この部分は水分を含んでおらず、パリパリの状態になっています。

この茶色い部分は再生が不可能なので、冷害を受けていない部分まで切り戻していきます。

具体的な方法は、次の写真を使って記します。

まず、上の写真の中央に写っている最も大きな葉についてですが、下の写真の様に、葉の根元付近まで切り戻します。

剪定鋏が写っていますが、その位置まで切り戻します。

剪定鋏の上には新芽が出てきているのですが、この新芽も冷害で茶色くなっているので、残さずに切り落としてしまいます。

また、次の写真の様に、葉の上部分だけが被害を受けているものは、葉を半分の位置で切り落としました。

そして、冷害を受けた部分を切り落とした後の様子が次の写真となります。

基本的に綺麗な緑色の葉だけが残っているような状態です。

この剪定で月下美人が復活してくれるかわかりませんが、引き続き、大切に栽培を進めていきたいと思います。

月下美人に変化があれば、再度記事をアップデートしたいと思います。

【2023年6月24日 追記】月下美人が無事に復活

冷害を受けてしまった月下美人ですが、上記の対処を施して、約2カ月くらいが経過しました。

2023年の梅雨に入り、気温もぐんぐん上がる中ですが、月下美人が見事に復活してくれましたので、その様子を追記していきたいと思います。

下の写真が2023年6月23日に撮影した月下美人の様子です。

冷害を受けた部分を切り取り、新芽の出てくる部分を残すという処理を行いましたが、その方法が功を奏したのか、無事に新しい葉がたくさん発生してきました。

根元付近からは新しい大きな葉も発生しており、完全に樹勢が戻ったと言って良いかと思います。

冷害を受けた時にはどうなるものか…と思われましたが、無事に成長を再開してくれて一安心です。

開花に向けて引き続き栽培を進めていきます。

この記事の終わりに ー寒波到来時には屋内に避難させるなどの対処を推奨します…ー

この記事では、月下美人が冬の低気温により冷害を受けた時の様子や経緯、またその対処方法を紹介させていただきました。

月下美人は開花するまでに、とても長い年月を要します。

そのため、冷害の被害が出た場合、開花までの期間がさらに長くなるだけではなく、最悪の場合、枯れてしまう可能性もあります。

筆者が住んでいるのが関西の市街地であり、積雪もほとんどないため、特に冬支度をしなくても月下美人の冬越しが可能だろうと安易に考えておりました。

それが裏目に出て、見事に冷害の被害を被ってしまいました。

今回の教訓を皆様にもお伝えするために記事を作成しましたが、月下美人を育てようと思っている皆さんは、冬に関しては以下の2点には特に注意してください。当たり前の事なのだと思いますが … 。

① マイナスの気温になる可能性がある場合には、月下美人は屋内に退避させること。(②の対処をしても、氷点下になる場合には、可能な限り家の中に入れる。)

② 0℃に近くなる可能性がある場所では、植木鉢にカバーを撒くなどの冬支度を忘れないこと。

順調に育っていた月下美人なだけに、今回の冷害は相当ショックでした…。

この月下美人については、変化があれば記事をアップデートして御報告していきたいと思います。

それでは!

最新情報をチェックしよう!