10月になると私の住む関西地方でも、残暑が終わって最高気温が27℃くらいまで下がってきます。
やっと暑い夏が終わり過ごしやすい秋の季節が訪れ、園芸の作業もしやすいシーズンになりました。秋に花を咲かせる草花の季節も訪れ、私の栽培する薔薇達も大きな蕾を付け始めました。
そんな10月は冬の貴婦人と呼ばれる「クリスマスローズ」の栽培において大切な作業があります。
古い葉の切り取り作業です。
クリスマスローズは基本的に放置して育てている方も多いかとおもいますので、秋の古い葉の処理はクリスマスローズのお世話の中で最も手のかかる作業だと思います。
この記事では、秋に行うクリスマスローズの古い葉の切り取り作業について実例を交えながら紹介していきたいと思います。
クリスマスローズの葉は秋に世代交代させる
クリスマスローズって、あらためて考えてみても、私個人的にはとても優秀な園芸品種だと思います。
葉が枯れ落ちて葉が無くなる季節が無いので、常に庭や鉢植えを緑色に保つことができますし、冬の花が少ない12月から2月のシーズンに可憐な花を咲かせてくれます。
私も園芸を始めるまでは、冬に咲く花なんて知りませんでしたが、クリスマスローズに出会ってから、その優秀な特徴や花の美しさに魅かれて花壇に多く植えるようになりました。
そんなクリスマスローズですが、新しい葉を芽吹かせるのが晩秋から初春にかけてのシーズンが主になります。品種にも依りますが、ゴールデンウィークの頃には新しい葉の芽吹きが終わり、夏にはほぼ休眠したような状態になります。
そのため、初秋のクリスマスローズの葉は全て古い葉ばかりなのです。
秋の深まりとともに、新しい葉を展開させて成長が顕著になりますので、その成長が始まる少し前に古い葉を切り取ってあげることが必要になります。
クリスマスローズの古い葉を切り取ると、株にスイッチが入った様に新しい葉を出してきます。その観点で考えると、古い葉の処理はクリスマスローズの目を覚ましてあげるような作業になります。
クリスマスローズの古い葉を切り取るタイミングについて
次にクリスマスローズの古い葉を切り取るタイミングですが、お住まいの地域によって少し変わるところはありますが、基本的には10月中が良いかと思います。
私は夏の暑さが無くなり、最高気温が25℃程度になってきたら古い葉の処理をするようにしています。私の住む関西地方では10月の初旬位になります。
また、クリスマスローズの株を見ると古い葉を切るタイミングを教えてくれている株もあります。
下の写真の様に、秋に芽吹きを迎える新しい葉たちが株元に現れているものがあります。
秋の芽吹きが早い株では、10月の初旬にはこのように新しい葉が出てきますので、この状態になったら古い葉を全て除去するサインです。
また、10月になっても上の写真の様に新しい葉が出て来ないクリスマスローズもあります。そのような株も、古い葉を切るとスイッチが入った様に新しい葉が出てきますので、10月の中旬くらいにかけて古い葉を切り取ってあげると良いと思います。
古い葉は触るとパリパリに乾燥したような状態になっており、瑞々しさが感じられません。10月初旬のクリスマスローズの葉は、ほとんどがパリパリに乾燥したような状態なので、その状態の葉を確認してみても良いかと思います。
枯れた古い葉は病害虫の原因
秋に街を歩いていると、玄関先に古い葉の処理を行っていないクリスマスローズを見かけることがあります。花の咲いている時期にクリスマスローズを購入されて、次の冬に向けた適切な処理ができていないのだと思いますが、とても残念な姿になっていることが多いです。
例えば、下の写真の様にクリスマスローズの株ですね。古い葉が枯れかけた状態で残っており、このまま放置しても新しい葉の成長を阻害してしまう原因になります。
また、古く枯れた葉や枯れかけている葉は、病害虫の原因になるというのが園芸の世界での定説になるので、なるべく早く除去することが望ましいです。
ちなみに、下の写真は私が管理している「マリア」という品種のクリスマスローズですが、原種に近いクリスマスローズで葉の色や形もとても美しいクリスマスローズです。
実際に古い葉を除去した様子を紹介
ここからは、実際に古い葉を除去したクリスマスローズの例を写真と共に紹介していきたいと思います。
鉢植えのクリスマスローズも地植えのクリスマスローズも、同じ要領で古い葉の処理が必要になります。以下では両方の場合について、実例を紹介していきたいと思います。
鉢植えのクリスマスローズ
最初に上でも紹介していた鉢植えの「マリア」という品種のクリスマスローズです。
夏の間に少し伸びた所もありますが、夏の間に葉に生命感が感じられなくなり、一部が枯れている葉もたくさんある状態です。
ただ、株元を見ると多数の新しい葉が出てきていることが確認出来たので、全ての葉を根元から除去しています。
葉の部分だけを切るのではなく、茎の部分も切り落とします。理由としては、葉が切り落とされると茎は枯れる以外に道が無いので、いずれ茶色く変色してしまうためです。
地植えのクリスマスローズ
次に地植えのクリスマスローズです。
私の家の花壇では、レイランディの木の株元と、薔薇の株元にクリスマスローズをたくさん植えています。
クリスマスローズと薔薇は成長期のシーズンが正反対になるため、混植は望まれないと言われます。しかし、私の家の様に限られたスペースしかない家では、限られたスペースで最大限に園芸を楽しむため、多少相性の合わない植物でも混植しています。
園芸という趣味は、自分が楽しめれば良いので、植え方や混植についてはご自身の判断で行っていけば良いかと思います。
地植えのクリスマスローズの方は、既に新しい葉が展開していました。
黄緑色の葉が新しい葉になりますが、上の写真の様に新しい葉が出ていたら切り落とさずに残しておきます。
古い葉を切り取ったら施肥を忘れずに!
10月にクリスマスローズの古い葉を切り落としたら、施肥をすることを忘れずに!
クリスマスローズは10月から徐々に成長期に入り、肥料を必要とする時期になります。晩秋の成長に必要な栄養分を確実に補給するため、緩効性の置き肥がおススメです。
古い葉を切り落とした直後に液肥を与えても、活動が始まっていなければ吸収することがないので、弱く長く効く緩効性の置き肥が適切だと思います。
また、クリスマスローズは翌年の春までが育成期になるので、初秋からゴールデンウィークの時期までは、肥料が切れないように管理していくと、元気に成長してくれます。
2020年11月5日追記: 新葉が成長してきました
クリスマスローズの古い葉を切り取ってから約1ヵ月になりますが、元気な新しい葉が沢山生えてきました。
今年の秋に出てきた新葉は、最初は黄緑色の明るい葉となります。
この葉の色は秋の深まり、そして冬になるにつれて、より緑色に近づいて綺麗な色に変化していきます。
また、新葉の大きさですが、小さな苗の頃に比べると毎年大きくなります。株自体が大きくなるためですが、年取ったクリスマスローズほど大きな葉を出して大きな花を咲かせてくれます。
この記事の終わりに
本記事では、秋に行うクリスマスローズの古い葉の切り落とし作業について紹介をさせていただきました。
クリスマスローズは、基本的に施肥を行っていれば冬の季節に可憐な花を楽しむことができる丈夫な植物になります。しかし、唯一手のかかる作業と言えるのが秋の古い葉の処理です。
一年に一度の少し手間のかかる作業になりますが、冬から春にかけて健全にクリスマスローズが成長するためには必要な作業でもありますので、忘れずに実施してあげて下さい。
また、葉を切った後は施肥も忘れずに!