バラゾウムシによる被害の実例 -蕾だけが枯れ落ちる症状-

薔薇の新芽が成長し、徐々に蕾が顔を出し始める3月後半から4月初旬…

2023年の春も例年通り、栽培している薔薇達がぐんぐん成長していく姿を眺め、早く開花の時を迎えて欲しいと心を躍らせていました。

薔薇栽培を趣味にされている方には、このワクワク感を御理解いただけるかと思います!

しかし、そんなワクワク気分の中、蕾が出始めた薔薇達にトラブルが発生してしまいました。

葉は元気な緑色をしているのに、蕾だけが黒くなって枯れ落ちる…

「何なんだこれは!?」と驚きと動揺を隠せませんでした。

薔薇の害虫や病気を調べていくと、薔薇の蕾に被害を与える「バラゾウムシ (クロケシツブチョッキリ) 」という虫の仕業であることが判明しました。

この記事では、筆者の経験を基にして、バラゾウムシの被害の実例や対策を紹介したいと思います。

本記事が薔薇栽培を楽しんでいる皆さんに少しでも御参考になれば幸いです。


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バラゾウムシの被害に気付いた経緯 (バラゾウムシは初めての経験)

2023年3月中旬の週末、栽培している薔薇の新芽の成長を確認しておりました。

どの薔薇も元気よく新しい茎を伸ばし、光沢のある葉をどんどん展開しており、今年も無事に開花が迎えられそうだと思っていました。

しかし、2023年3月末に再び薔薇の様子を確認しに行くと、蕾が茶色く変色している株があることに気付きました。

蕾が1つだけ茶色くなっていたので、運悪く蕾が成長しなかったのだろうと考え、特に対処もせずにおきました。

そして、その1週間後、4月の初旬になりますが、さらに多くの蕾が枯れており「何が起こったんだ!」と個人的な騒ぎになりました。

ここから、薔薇の症状を確認しつつ害虫や病気の情報を調べ、最終的にバラゾウムシの被害を受けたという結論に至りました。

実際にバラゾウムシが薔薇の茎にくっついている場面にも遭遇したので、確かな事だと思います。

(バラゾウムシの写真を撮影することはできませんでした…撮影しようとしたら逃げられてしまいました。)

バラゾウムシの被害を受けたのは鉢植えの「シェエラザード」

バラゾウムシの被害が最初に確認されたのは、下の写真にある鉢植えの「シェエラザード」です。

所々に蕾が確認が出来るのですが、これは被害を受けた後であり、蕾の数が減った状態になります。

次の写真に蕾が枯れ落ちた個所を赤丸で示してみました。

合計で6箇所で蕾が枯れ落ちてしまっていたのです。

春の1番花を咲かせる大切な蕾ですが、6個も無くなってしまいました。


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バラゾウムシの被害を受けた蕾の実例

次に「バラゾウムシが薔薇の蕾にどのような被害を及ぼすのか?」と「被害を受けると薔薇の蕾がどのような状態になってしまうのか?」についてです。

バラゾウムシは、その名の通りゾウムシの仲間で、薔薇の蕾に卵を産み付けます。

そして、蕾の根元を枯れさせて蕾だけを落とすという被害を起こします。

バラゾウムシの大きさは数mm程度と非常に小さく、私自身も見つけた時に、その小ささに驚きました。

バラゾウムシの被害を受けた蕾の実例を下の写真で紹介します。

この写真で分かると思いますが、蕾は黒くなり枯れ落ちていることがわかります。

この時点でバラゾウムシは蕾の中に卵を産んでいます。

そして、蕾の付け根の部分ですが、赤色の矢印で記したところに黒い斑点があります。

バラゾウムシは、この黒い斑点部分から蕾を落とすという被害を起こさせます。

黒い斑点部分から茎が枯れていき、最後には蕾が落ちるのです。

実際に蕾が落ちが時の写真が次の2枚の写真となります。どちらも蕾の付け根の部分から蕾が枯れ落ちているのがわかるかと思います。

バラゾウムシの被害を受けても脇芽の蕾は無事に成長する

バラゾウムシの被害を受けて、蕾が落ちてしまうと大きなショックを受けます。

私自身も、上記の通り、6個の蕾が落ちてしまい落ち込みました。

しかし、バラゾウムシの被害を受けても、バラゾウムシに卵を産み付けられた蕾以外は無事に育ってくれるので御安心下さい。

次の写真がその例となります。

赤色の矢印で示した部分は、バラゾウムシの被害で蕾が落ちてしまった部分となります。

しかし、その周りにある脇芽から成長した蕾たち (水色の矢印で示した部分) は、無事に膨らんでいることが分かるかと思います。

ですので、一つの枝に多くの蕾を付ける薔薇の品種 (フロリバンダ) であれば、開花を無事に楽しむことが出来ると思いますよ。

バラゾウムシの被害を事前に防ぐことが重要ですが、被害を受けたことが判明したら、下記の通り、オルトランなどでの早急な対策が必須です。


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バラゾウムシの被害を受けた原因はオルトラン散布を忘れていたことだと推測

上でも記載した通りなのですが、薔薇の栽培を始めてから今まで、バラゾウムシの被害を受けたことがありませんでした。

「私の住む地域にはバラゾウムシが少ないのでは?」と思ったこともあります。

しかし、今年は突然バラゾウムシの被害が出てきました。

なぜ今年はバラゾウムシが出て来たんだろう…と色々と過去の事を含めて考えてみました。

そして、一つの答えにたどり着きました。

それが「オルトランの散布」です。

思い返してみると毎年3月の初旬から中旬の新芽が芽吹くころにオルトランを土の上に撒いていました。

しかし、今年はオルトランの使用を忘れていることに気付きました…。

(初歩的なミスです…)

例年は、3月初旬に撒いたオルトランが薔薇の株全体にいきわたり、バラゾウムシを殺虫してくれていたものと思います。

今回、バラゾウムシの被害が判明した直後にオルトランを散布したのですが、二次被害 (脇芽の蕾への被害) は防ぐことができました。

オルトランを使用されている皆さんは、早春のオルトラン (薬剤) 散布は忘れないようにして下さいね!

下の写真はオルトランのパッケージにある効果を示した部分になりますが、薔薇の欄に「クロケシツブチョッキリ (バラゾウムシのこと) 」と記載がありますね。

気付けば他にも2株がバラゾウムシの被害を受けていた…

シェエラザートがバラゾウムシの被害を受けてたことを受け、栽培している薔薇の様子を再度確認していきました。

特に蕾の状態と蕾の付け根の部分を重点的に…。

すると、シェエラザート以外にも「ジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコ」と「クラリス」の2品種がバラゾウムシの被害を受けておりました。

合計で3株の薔薇に被害が出たことになります。

あらためて考えてみると、我が家の周りにはバラゾウムシがかなりたくさん生息しているといことが想像できます。

また、早春 (3月上旬) にオルトランを散布することは、バラゾウムシの被害を抑制するのに非常に効果的であるということも実感できました。

(これまでバラゾウムシの被害を受けたことが無かったので、我が家の周りにはバラゾウムシが少ない地域なのだと勘違いしていました。バラゾウムシが少ないのではなく、昨年まではオルトランによる防御がしっかりと効いていたということです。予防って大事ですね!)

この記事の終わりに

本記事では、筆者が2023年の春に経験した、バラゾウムシによる被害の実例を紹介しました。

バラゾウムシは、大切な薔薇の蕾に卵を産み、蕾を落とすという非常に嫌な被害を起こします。

私自身、バラゾウムシの被害を受けたのは初めてのことでしたが、実際に被害を受けて相当なショックを受けました。(春の一番花を担う大切な蕾がたくさん無くなってしまったので…)

今回のバラゾウムシ被害の一番の原因は、3月初旬に散布すべきオルトランを忘れてしまっていたことです。

「病害虫は予防が大切」という薔薇栽培の基本を、あらためて感じさせられた一件となりました。

薔薇栽培を趣味にされている皆様、私と同じ被害を受けないためにも、オルトランなどの殺虫剤は適切な量を適切な時期に使って下さいね。

(決して薬剤使用を推奨しているわけではありませんよ!)

それでは!

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