生育不良のパキラを強剪定で復活させる方法 -実例を紹介-

観葉植物の「パキラ」は、値段が安価で様々な大きさ・仕立て方から選ぶことができ、栽培方法も比較的簡単なため、最も人気の観葉植物の一つになります。

園芸専門店だけではなく、ホームセンターや100円ショップでも販売されていることがあり、とても身近な観葉植物と言えます。

「土を乾燥気味に管理して適切な肥料を与えていれば枯れることは無い」と言われるくらい丈夫な観葉植物でもあります。

しかし、原産国が中南米のため、日本の気候 (特に冬) に適合できなかったり、室内の栽培環境に適合せずに育成が悪化してしまうことがあります。

育成不良に陥ると、新芽が出て来なくなったり、葉の展開速度が落ちたりと様々な不具合が生じます。

しかし、育成不良が起こったパキラも、強剪定を行うことで株をリセットすることが可能です。

この記事では、育成不良になったパキラを例に取り、強剪定によって新芽を発芽させる方法を紹介します。

ただし、強剪定は失敗してしまう場合もあるので、本記事の内容はあくまでも参考例となります。パキラを強剪定される際には、自己責任にて実施をお願い致します。


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生育不良になったパキラの実例と症状

まず最初に、私の管理するパキラが育成不良になった詳細を紹介します。

このパキラは、もともとは5本が編み込まれたパキラだったのですが、1本また1本と枯れ込んでしまったものとなります。

最後に残った1本のパキラですが、次の写真に示すように、成長点から新しい葉が全く展開しなくなりました。つまり、枝の成長がストップしてしまっている状態です。

枝の先端に葉の赤ちゃんともいえるような部分が見えているのですが、この状態になって3カ月くらい変化がありません。

既存の葉は緑色で枯れてはいなく、パキラの幹の部分も特に問題はありません。

また、昨年になりますが、土の入れ替えも行っていますので、土が古くなったことが原因とも思えません。

では、パキラが育成不良になったのは何が原因だったのでしょうか?

パキラが生育不良になった原因を考察 -今回は冬の寒さ-

パキラが育成不良になる原因は様々あると思いますが、今回のパキラは冒頭でも述べたように「冬の寒さ」によって育成不良になったと考えられます。

つまり、冬越しが上手くクリアできなかったということです。

パキラは冒頭に記載の通り、南米原産の観葉植物のため、日本の寒い冬には耐えられない場合があります。

このパキラは、12月くらいまでは葉を展開していたのですが、1月くらいから育成が悪くなり、春になっても葉が展開しない状態です。

このまま栽培しても枯れる可能性は少ないですが、観葉植物も健康的に成長していく姿を見たいですよね!?

ということで、この株を強剪定してリセットし、新しい新芽を強制的に出させることにしました。


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パキラの強剪定を行った実際の例を紹介

まず最初に、パキラを強剪定できる時期は、春から秋の温かい時期となります。

その中でも出来れば気温が高すぎない春と秋がお勧めです。株が成長してくれる時期でもあるので、剪定をした後に比較的早く新芽が出やすいと感じます (私の経験上の話です) 。

今回の記事では春先に強剪定を行っています。

下の写真が強剪定前後での写真となりますが、パキラの幹の部分を切り込んでいます。

どれくらいの位置で剪定すれば良いのか?という点に関しては、幹が2/3くらい残るところで切れば良いかと思います。

幹の部分には、所々に発芽点があるのですが、見にくくて判断が付かない場合もあるので、適当に2/3位を残して剪定すれば良いかと思います。

また、パキラの幹ですが、細い位置であれば剪定バサミで剪定が可能です。

剪定バサミが無ければ、ノコギリで剪定しても良いかと思いますが、ノコギリで切る際に株がグラグラと動いてしまうと根が切れてしまう可能性があります。そのため、ノコギリで切る時には株をしっかりと固定しながら行うようにしてください。

強剪定後のパキラの管理方法について

次に、強剪定を行ったパキラの管理方法にいてです。

まず最初に水やりですが、強剪定を行うとパキラの株に葉が無くなります。

つまり、蒸散によって水蒸気を放出することが無くなるため、株が欲する水の量が確実に減ります。

そのため、今まで通りの水やりをしていると過剰になってしまいます。

強剪定後にパキラが枯れてしまう原因の多くは水の与えすぎの場合が多いと聞くので、水やりには注意してください。

できれば、水やりの前に土の中を触って、土の仲間で乾いていることを確認してから水やりしましょう!

また、管理する場所は「明るい窓辺」です。

直射日光は強すぎるので、できればレースカーテン越しの明るい窓辺や、スリガラス越しの光で育てます。

パキラが新しい芽を発芽するには、日光による光合成も必要になるので、暗い場所で管理することは避けて下さいね。適度な日光は必ず必要です。

また、新しい芽が発芽した後も、しばらくは同じ環境で育てることになるので、あらかじめパキラを管理する場所を決めておくと良いです。


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強剪定実施後のパキラの成長

さて、強剪定を行い、新しい芽の発芽に向けた管理を進めていくわけですが、パキラの成長は遅いためになかなか新芽が出てきません。

草花であれば枝を切り込むと10日程度で新しい芽がぐんぐん伸びてくるものが多いですが、パキラはそうはいきません。

発芽点はあれど、実際に発芽してくるまでには1カ月かそれ以上の月日が必要になります。

そのため、枯れてしまったのではないか?と思う方も多いかもしれません。

しかし、パキラの幹の部分が緑色をしており、枯れ込んでなければ新芽が出てくる可能性があるので、辛抱強く発芽を待ってあげて下さいね。

強剪定から45日後に新芽の発芽を確認

我が家の場合ですが、パキラを強剪定してから45日後に新芽の発芽を確認出来ました。

本当に小さな芽ではありますが、下の写真の様に、硬い表皮を突き破って新しい芽が出てきています。

半分くらいあきらめ気味になっており、廃棄することも考えて強いましたが、根気よく待ってあげて良かったです。

この新しい芽は、とても脆いので絶対に触らないように注意が必要です。

折角出てきてくれた新芽なので、これが折れてしまうと、次に新芽が出てくるのはいつになるかわかりません…。

強剪定から60日後に葉の展開を確認

パキラは成長が緩やかな植物なので、発芽点から芽が出てきても、なかなか成長しません。

しかし、気長に待つと目に見える形で成長してくれるので、温かい目で見守ってあげて下さい。

特に、葉が展開し始めると新芽の成長速度は上がっていきます。

強剪定から60日後になりますが、下の写真の様に、新芽が成長して葉が展開してきました。

この状態まで新芽が育つと、日々の管理のなかで成長していることを実感できるようになります。

この後は、適切な肥料と水やり管理を行えば、新芽が元気に育ってくれます。

そして、強剪定から75日後になりますが、次の写真の様に葉が大きく展開してきました。

また、株の頂点部からはもう一つの新芽が伸び始めてきました。これだけ元気に芽が出てくれば、育成不良から無事に復活したと言っても良いのではないかと思いますね。

この記事の終わりに

この記事では、育成不良になったパキラを強剪定で復活させた実例を紹介させていただきました。

パキラは育成不良になると、葉を展開することを止めてしまうため、葉の数が増えない状況になることがあります。

その解決策として、葉の出ている部分を軽く剪定するという方法もありますが、今回の様に幹の部分を強剪定するという方法も可能です。

強剪定を用いると、パキラの株の大きさも制御が可能になるので、パキラのサイズ・樹形を整えたい方も応用が可能です。

ただし、強剪定すると次の新芽が伸びるまで月単位の時間がかかりますので、その点は覚えておいてください。

また、今回の方法は、場合によってはパキラが弱ってしまう場合もありますので、実施の際には自己責任で実施してください。

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