8月の中旬から後半の時期は、実は園芸店さんの店頭に並ぶ花の苗は数が少なくなり、店頭へ足を運んでも寂しい感じが漂います。
とても暑い時期ということもあるかもしれませんが、もう少し花の種類があれば良いと思うのですが…
陳列されているものは日日草や少し疲れたハイビスカスなどが主流です。
しかし、秋の開花シーズンに向けた準備は苗で始めるだけではありません。もちろん種撒きからも始めることができます。
その代表格となるのが「秋桜(秋桜)」ですね。
8月に植えれば10月から11月には花を咲かせてくれる、とても生育力が旺盛な秋の花です。
この記事では8月後半でも間に合う秋の花の準備として、コスモスの鉢植え作りを種の巻き方や、鉢の大きさによる種の撒き方の違いなどを、私の実践した方法と交えて紹介していきたいと思います。
また、この記事は公開の時点では種まきの投稿ですが、芽吹きや成長、そして開花までを随時更新していく記事とします。
8月後半に種を撒けば秋に花が楽しめる
コスモスの凄いところは、8月の後半に植えれば秋には花を咲かせるまで成長する生命力です。
もちろん、8月に入るとコスモスのビニールポットの苗が流通してくるので、苗から始めることもできるのです。しかし、コスモスの種はとてもお安く流通していますし、種を撒けばあっという間に苗で販売されている大きさまで育つので、種で始める方がコスパ的には優秀です。
下に秋のコスモスの種まき時期と開花時期の表を載せていますが、種まきから開花の時期まではとても短く、約2カ月くらいで蕾が形成されて開花が楽しめる草花です。
関東以東の寒い地域でも9月初旬までの種枚で11月くらいには開花が見込めます。関西以西の温かい地域では9月の中旬くらいまでは種まきの時期となり、12月という晩秋まで開花を楽しむことができます。
今回使用したコスモスの種
今回使用したコスモスの種は、園芸量販店さんでも見かけることが多い、株式会社トーホクさんのコスモスの種です。
赤、ピンク、白の混合種となります。
生産地は花の国「オランダ」で、発芽率が70%以上あるものになります。
発芽率70%ですので、一つの植穴に3つくらい入れて置くと安心ですね。
コスモスの種って、あまり馴染みが無い方も多いと思いますので、袋から出した種の姿も写真でわかるようにしておきました。長さが1cmくらいの細長い種です。
鉢植えへの種の植え方を紹介
今年のコスモスの鉢植え作りは、2種類の鉢を用いて行いました。
一つは6号鉢、もう一つは15cm角の小さな鉢植えです。コスモスは細い茎に似合わず、根はしっかりと張るので比較的大きな鉢やプランターの方が良いと思いますが、限られたスペースでたくさん花を楽しみたいので、小さな鉢植えに過密で植えます!
6号鉢への植え付け
まずは、6号鉢への植え付けから紹介していきます。
鉢は何でもよいと思うのですが、個人的に気に入っているのがCAINZさんのプラ鉢です。薔薇用にも使っているのですが、デザインも良く安価で丈夫なので、結構いろんな植物に使いまわしています。
色はこげ茶色と白があり、どこに置いても問題無く使える外観という点もポイントです!
この鉢植えに対して、培養土を入れていくのですが、培養土は水捌けの良い土を利用するようにしています。理由は次の通りです。
今回の種まきですが、少し過密に植え付けます。一つの鉢で多くの花を楽しみたいので、好ましい種まきの間隔よりも狭くして植えます。そのため、根がかなり込み合ってくるので、水捌けの悪い土ですと水やりをしたときに、なかなか水が抜けていかないということが起こります。水はけが悪いということは、土の中に空気が入りにくいということにもなるので、出来れるだけ水はけが良いように、赤玉土などを利用して培養土を作っていきます。
薔薇に使う土と同じものを用意すれば全く問題無いかと思いますので、参考のために私の準備している培養土の配合比の記事も以下に載せておきます。
次に実際の種まきですが、下の写真に示すように、6号鉢に対して植穴を7つ用意して種を植え付けました。一つの植穴に3つの種を植えて、発芽したら状態の良い芽だけを残して、最終的に7本のコスモスを育てていきます。
種の植える深さは約1cm程度と浅植えになります。
小さなプラ鉢への植え付け
小さなプラ鉢としては、15cm角の小さなプラ鉢を用意しました。
このプラ鉢、私のブログを読んで下さっている方には記憶に新しい所かと思うのですが、ユリを育てた実績のある小さなプラ鉢です。
ユリの球根の掘り上げも終わって、鉢が空いたのでこの小さなプラ鉢も利用してコスモスの栽培をすることにしました。
コスモスの種を飼ったのは良いが、種がとてもいっぱい入っているので、もったいなくて急遽小さなプラ鉢でもコスモスを栽培することにした…というのが実際のところです…。
こちらの鉢植えも過密で植え付けます。4つの角に種を植え付けて栽培していきます。15cm角の鉢なので、種の間隔は約10cmです。上で紹介した6号鉢同様に、秋の開花期にはかなり密集してたくさんの花を咲かせてくれると期待しています。
種まきを行う間隔 (距離) は自分で決めれば良いと思います
種を撒く間隔って、皆さんはどのように決められていますか?
販売されている種の袋には「植える穴の間隔は〇〇cm程度離して植えましょう」というアドバイスが書かれています。
この記載は植物が隣同士の根の影響を受けにくく、養分を隣り合う株同士で奪い合いにくいということを前提に書かれている距離だと考えています。
しかし、実際には自然界ではその距離を無視して自生している植物があるわけですので、極論を言えば今回のコスモスも5cmくらいの距離で植えても発芽から開花まで育てていくことが出来る訳です。
結局のところ、開花した時にどのような鉢植えの姿をつくっていきたいか?というところを考えていけば良いかと思います。
理想はあくまでも理想であって、少しくらい無理をしたところで花が咲かないことは無いですし、もし咲かなかったら「失敗したなぁ…」という教訓にすればよいと思います。
鉢植えコスモスの成長記録の詳細
8月28日更新: コスモスの発芽を確認
種を撒いてから3日後の事です。
無事に種から芽吹きを確認しました。種の説明書には発芽率が70%以上と言う事でしたが、なかなか良い発芽率だと思います。
種を撒いた場所からはどこからも元気な新芽が出てきています。まずは第一関門突破となります。1箇所に3つの種を撒いているので、少ししたら元気な芽だけを残す間引きをしたいと思います。
9月3日更新: 間引きと植え直しを実施
種を植えてから10日ほど経ちまして、芽吹いた苗がどんどん成長してきました。
下の写真の様に、種を植えた所から複数の芽が出ています。この時点で、苗の高さが大きなもので既に5cmくらいはあります。
一か所に3つほどの種を植えたのですが、真ん中に植えた場所からは結局発芽せず…と言う結果です。そのため、周囲の混在した場所から苗を抜いて (間引いて) 、その苗を中央部に移植することとしました。
この時期の苗はとても根が弱く、引き抜くと切れてしまうことも多々あるのですが、実際に抜いてみると下の写真の様に、結構長く力強い根が伸びています。
この間引いた苗を中央部に移植した写真が下のものです。多分、コスモスが成長したら、相当混雑した鉢植えになってしまう可能性が高いですが、コスモスで一杯の鉢を作りたかったので、この状態にしました。
理想的には苗の間隔は10cmから15cmくらい離してあげる方が良いのだと思いおます。しかし、個人で楽しんでいる園芸で理想を追う必要も無いので、今回はこのように苗を少し密度高くして育てていきたいと思います。
9月15日更新: ぐんぐん成長中です
9月3日に更新した間引きと植え直しの後、約2週間が経過しましが、鉢植えコスモスの成長ぶりが非常に良い状態です。
ぐんぐん成長して大きなものは高さが20cmを超えるようになっていきました。
植え直しを行ったものも、一つも枯れることなく成長しています。
園芸店の店頭にもコスモスの苗が並ぶようになってきました。まだまだ暑さが残る9月中旬ですが、園芸の世界では秋の準備が着々と進みますね!
9月27日更新: アブラムシが発生!オルトランで緊急対応
コスモスの株がどんどん成長していき、下の写真のように葉の数も増えてきました。実は、小さな蕾も現れており、秋の開花に向けた準備も感じられる季節になりました。
8月の後半に種まきをしたことを考えると、約1カ月での蕾の形成となりますね。コスモスも成長が本当に速い草花だと実感させられます。
この鉢植えコスモスには、上で紹介したように複数の株を植え付けているのですが、その中の一つが成長の具合が悪いものがありました。下の写真にその株を示しますが、少しわかりにくいのですが葉の展開が急に悪くなり、葉が上手く成長できていない株です。
何故だろうと、しっかりと観察をしてみたのですが理由が直ぐにわかりました。
アブラムシによる被害を受けていることが判明しました。この株だけ、下の写真の赤矢印で示す部分に、大量のアブラムシが付いており、養分を吸収されています。
その他の株にも一部分にアブラムシが発生しており、このまま放置したらコスモスの成長に著しく悪い影響が出ることが間違いありません。
急遽、殺虫剤の「オルトラン」を株元に散布して株の中からアブラムシに対する耐性を付けることとしました。アブラムシはセロハンテープなどで除去することもできますが、数が多いと完全に除去することはできません。また、コスモの葉の様に細い葉ではテープで葉を切り落としたり、傷つけてしまうこともあります。このような場合には、薬剤の散布も視野に入れたほうが良いかと思います。
このアブラムシはオルトランを撒いてから3日後に完全駆除に成功しました。オルトランの力は本当に凄い!
10月6日更新: 秋のコスモスの開花を確認
8月の後半に種まきを行ってから1カ月半経ち、コスモスが無事に開花の時を迎えました。
種からコスモスを育てることが初めてでしたが、鉢植えの中の各株に蕾がどんどん形成されて、無事に開花に至りました。
写真は、まだ開花初期の段階ですが、まだまだたくさんの蕾が出来上がってきているので、追肥も行いながら管理していきます。
しばらくは、玄関前にコスモスの花を飾ることができそうです。秋の薔薇のシーズンよりも早く咲いてくれたので、冬にかけて玄関前が寂しくなることはなさそうです。
この記事終わりに
この記事では、8月に準備をしても秋の開花が楽しめる、秋咲きコスモスの鉢植え作りを紹介させていただきました。
8月の後半に種を植え付ければ9月後半には蕾が形成されて、秋の開花の準備が始まります。害虫に狙われやすいという被害もありましたが、とても簡単な作業で鉢一杯のコスモスを咲かせることができますので、夏の終わりに準備を始めてみてはいかがでしょうか?
本記事は、種まきから発芽、成長、そして開花まで、夏季の更新履歴で記事を更新しております。
【この記事の更新履歴】
2020年8月25日…種まきの紹介
2020年8月28日…発芽の確認の紹介
2020年9月3日…発芽した苗の間引きと植え直しを実施
2020年9月27日…アブラムシが発生!オルトランで緊急対応
2020年10月6日…コスモスの開花を確認