ハオルチアの株分け方法と注意点を写真で紹介

近年、多肉植物の人気で注目を集めているハオルチア。

軟葉系と呼ばれる葉に透明な窓が付いている種類は、日光に当たるとキラキラと輝き美しい姿を見せてくれるため、様々な品種をコレクションするのも楽しくなる植物です。

そんな軟葉系のハオルチアですが、実は株分けがとても簡単にできることを御存じですか?

ハオルチアは、大きく成長した株で購入することが多いかと思いますが、しばらく育てていると葉と葉の間から小さな子株が成長してきます。

子株をそのまま放っておくと、親株の葉と葉の間で成長して、あたかも親株の一部の様に育ってしまいます。しかし、大きくなる前に取り外して育てることで、ハオルチアの株を増やすことが簡単にできます。

この記事では、軟葉系ハオルチアの「グリーンレツーサ」を例に取って株分けの方法を詳細に説明したいと思います。大切にしている品種があれば、株分けをしておくことで、枯れてしまった時の保険にもなるのでお勧めですよ!


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ハオルチアの株分けに準備するもの

まず最初に、ハオルチアの株分けに準備するものですが、2つのみです。

① 子株が出ているハオルチアの親株

② 植え付けを行う培養土と鉢

子株が出ているハオルチアの見分け方については、次の見出しで紹介したいと思います。大きく育ったハオルチアであれば、子株が出ているものが多くあると思うので、是非見つけてみて下さい。

次に子株を植え付ける培養土と鉢になります。鉢の大きさは比較的小さなものを選んでおくべきかと思います。子株は植え付けた直後は根がほとんど無いので、水を吸い上げる力がありません。そのため、土の量が多く乾きにくい状態というのはあまり好ましい状況とは言えません。

また、使用する土については、出来れば観葉植物専用の土が好ましいです。観葉植物の土は比較的大きな粒径の土が使われており、水捌けがよい状態になっています。自分で用意しても良いですが、ホームセンターなどで販売されている専用の土もお勧めです。

今回は市販の観葉植物の土を使用して植え付けを行います。

ハオルチアの子株の見分け方

次に、ハオルチアの子株の見分け方について説明したいと思います。

ハオルチアの株を見た時に下の写真の矢印部分の様な、少し細長く小さな葉が出てきていることが分かるかと思います。

この部分は良く見ると葉だけが育っているのではなく、根元側には茎の様な部分が見えており、一つの株として自立できる状態になっていることがわかります。

また、次の写真も同じハオルチアの別の部分ですが、同じように子株が成長している部分が2箇所あります。

特に、右側の子株については、よく見ると根が伸びてきていることが分かるかと思います。

このように、根が伸びている子株が発見できると株分けの難易度が少し下がります。

株分けを行って子株を成長させる時の最初の難関は元気な根を発生させてくれるか否か?という点です。根が最初から付いていれば、そだれけで水分や養分を吸い上げる力が少なからずある状態なので、子株が植え付け後に成長しやすいことは間違いないです。

とはいえ、ハオルチアは意外にも丈夫な植物なので、根が発生していない子株でも植え付け後に発根して育ってくれます。もちろん失敗もあるので、子株は何株かを用意して植え付けることも大切な事です。


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親株から子株を採取する方法

親株から子株を採取する方法ですが、とても簡単です。

親株と子株は柔らかい茎の様なもので繋がっているだけなので、その部分を下に向けて押すとポキっと折れます。

折れてしまうと「大丈夫なの!?」と思われるかもしれませんが、下の写真の様な状態で取り外してあげれば基本的には大丈夫です。

ピンセットなどがあると作業がしやすいかと思います。

今回は、上の写真の通り3つの子株を採取しました。

大きさは左から大・中・小とあります。敢えて大きさの異なる子株を採取しています。これは、子株の大きさによって株分けの難易度が上がるか否かを実験してみたかったという理由があります。この実験の結果は、子株の成長過程と共にあらためて紹介できればと思っています。

子株の植え付けと管理方法

では、実際に子株を培養土に植え付けていきましょう!

子株の植え付け方と注意点

まず最初に、培養土の表面に深さ2cm程度の穴を掘ります。

その穴に、ハオルチアの子株を入れて、周りから土を被せてあげます。この時、ハオルチアの葉の部分は地表に出してあげて、根が張る部分のみを土の中に植えるようにしてあげます。

以前の事になりますが、子株の葉の部分を少し土の中に植えて株分けをさせたことがあるのですが、葉が土に触れていた部分が少し腐ってしまったことがあります。そのため、葉の部分はなるべく土には触れない方が良いのかと思っています。

また、培養土に植え付けた後は、少し周りの土を押して株に土が密着するようにしてあげた方が好ましいかと思います。子株は根がほとんど無い状態ですので、なるべく土に密着してあげて、発根した時に確実に水分を吸収させられる状態にしておく方が安心感があります。

3つの子株の植え付け後の写真が次の写真となります。

まだ子株なので、この小さな鉢にも3株を植えていますが、大きく育ったら別々の鉢に分けてあげます。

子株の管理方法について

子株の管理方法ですが、基本的には直射日光には当てないように育てています。

強い直射日光で葉が焼けてします可能性があります。また、根が無いので水を吸い上げられない状態で葉が熱い状態になるのは好ましくないです。

そのため、下の写真の様に直射日光が当たらない明るく温かい場所で管理するようにします。レースカーテン越しの明るい場所でもOKですし、すりガラスで直射日光を遮れる場所でもOKだと思います。逆に、暗い場所では、光合成できずに成長に影響が出てしまいます。窓辺がベストですね。

株分けから3カ月後の様子を紹介

下の写真は株分けを行ってから3カ月後の子株の様子となります。

途中で子株を1株増やしたので、合計で4株になっておりますが、どの株も順調に成長していることがわかります。

株分けを行ったのが寒い時期だったので、少し成長速度は遅かったのですが、順調に太く丈夫な多肉の葉を展開してくれています。

ここまで成長が順調に進むと、ある程度しっかりと根が張っている状態なので、途中で枯れてしまう心配も減ってくるかと思います。


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株分けから4カ月で子株も植替え作業を!

株分けから4カ月ほど経過すると、ハオルチアの子株達もかなり成長してきます。

特に今回の記事では寒い時期の株分けを実施したので、春になってハオルチアの子株が急に成長速度が上がってきます。

下の写真が株分けから4カ月の状態ですが、子株同士の多肉の葉がぶつかりそうになっている状況になっています。

このままの状態では、お互いに距離が近すぎるので別々の鉢に植替えを行っていきましょう!

ただし、植替えを行う前に、ハオルチアの子株を触ってみて、グラグラと不安定な状態では無いかを確認してください。

子株の根がしっかりと張っていない状態では植え替えが出来ないので、子株がグラグラするようであればもうしばらくそのままの状態で根の成長を待ちましょう。

今回のハオルチアの子株は、根がしっかり張っているようでしたので、土からそっと抜いてみました。

次の写真の通り、しっかりと根が張っていることが分かりますね。春になり温かくなったことで、ハオルチアも成長期に入り、しっかり白い根も張っている状態ですね!

植え替えで使用する鉢は、ハオルチアの子株のサイズにもよりますが、3号ポットくらいの小さなもので大丈夫です。

まだ、根がしっかりと張っていないので、大きすぎる鉢は根腐れの原因になってしまいます。

今回は、まだ子株の成長過程の途中ということで、次の写真の通り、黒いお馴染みのビニールポットに植替えて成長させることとしました。

今後のハオルチアの子株の管理方法ですが、基本的に一般的なハオルチアの育て方で問題ありません。

直射日光の当たらない明るい窓辺や軒下などで育ててあげれば元気に育ってくれます。

以下の記事では、ハオルチアの栽培条件による育成状態の違いを実験した結果を紹介しています。

健全なハオルチアの栽培に必須の情報になるので、もしよろしければ、こちらの記事もご覧ください。

株分けに最適な時期はいつのなのか?

株分けに最適な時期は、基本的には春と秋の温かく過ごしやすい時期です。

ハオルチアは、日本の冬の間は休眠期に入るため成長が止まります。また、夏も同様に休眠に近いような状態になって、成長が鈍化します。

成長しない時期に株分けをすると、その子株も休眠の状態で株分けをされることになります。子株が根の無い状態で株分けをされると、水分を吸い上げる力が無い状態で切り離されることになります。

休眠期とはいえ、自分の体を維持するのに必要最低限の水分は欲すると思いますので、子株にとっては休眠期の株分けは厳しいものになることは間違いないですね。

成長期であれば、子株も活発に根を出し、水分や養分を吸って自らを成長させていくので、株分けの成功率は高まります。

以前になりますが、1月という寒い時期に株分けを行ったことがあります。その時も子株を3株用意してみたのですが、全て失敗しました…。何も考えずに株分けを行っていた、若かりし頃の自分の失敗です…。もちろん、気温だけが全ての原因ではないのかもしれませんが、温かい時期に行ってあげることが大切だと学びました。

皆さんは同じ失敗はしないように、春と秋を目標に株分けをしてあげて下さい。

この記事の終わりに

この記事では、人気の多肉植物「ハオルチア」の株分け方法を紹介させていただきました。

品種にも依りますが、軟葉系のハオルチアは、意外に多くの子株が成長するので、年間を通じて株分けをするチャンスがかなり多くあります。

ハオルチアの株分けは意外に簡単なさぎょうですし、子株を栽培することで、お気に入りのハオルチアが枯れてしまった場合にの保険にもなります。

株分けで推奨する点は、春と秋の温かい時期に株分けを行うこと、また根を出している子株を探して株分けを行うことですね。

皆さんも、お気に入りのハオルチアを株分けで増やしてみてはいかがでしょうか?

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