2021年の年末になりますが、下のリンクの記事で、癌腫病を発症したガブリエルの冬剪定の方法について、その方針を紹介させていただきました。
2021年のガブリエル栽培は、癌腫病の発症やその回復、そして秋に花が咲かないという波乱の年になってしまいました。
2022年はガブリエルを回復させる年と位置付けて、将来を担うような立派な枝を育てる事を念頭に、冬剪定から対策を行っていくこととしました。
培養土も新しいものに入れ替えを行い、新しい根が張るための準備も行いましたので、その過程を報告させていただきたいと思います。
さて、癌腫病を発症したガブリエルは、どのような根を持っていたのでしょうか?
ガブリエルの培養土の入れ替えと冬剪定の方針について
まず、ガブリエルの冬剪定と土の入れ替えについてですが、冬剪定はしっかりと枝を切り戻していくこととしました。
下の写真が冬剪定前のガブリエルの様子となりますが、細い枝が多く、その枝からは秋の薔薇が開花しませんでした。
また、根元から出ている太い枝は全てが2020年に発生した枝であり、2021年は太い枝 (ベーサルシュートやサイドシュート) が出ることはありませんでした。
そのため、このまま枝を残しておいても株の状態が改善するとは思えないため、思い切って太い枝だけを残して、細い枝を剪定してしまう事としました。
ガブリエルは繊細な薔薇であるということで有名ですが、新しい太い枝を発生させるためには、少し荒行的なことをしてあげないといけないのではないかと思ったのです。(失敗しても、それが薔薇栽培の経験になるので、割り切って考えることとしました。)
また、丈夫な株を作るためには、丈夫で立派な根を張ることが大前提となるので、古い根を整理する意味でも土の入れ替えを行うこととしました。
癌腫病になった履歴があるので根の状態が心配でしたし、コガネムシの幼虫がいないかと言う点も気になったので…。その確認の意味でも土の入れ替えは必須と思っていました。
まずは冬剪定で太い枝のみを残す
ネットで検索すると、薔薇を育てている方の記事やYoutubeの動画で「ガブリエルの剪定は浅めに…」という内容を目にします。
ガブリエルが樹勢が比較的弱く繊細な薔薇であるからだと思います。
しかしながら、癌腫を発症して古い枝しかないような株となると、翌年以降の開花を担う枝が無くなってきているのが現状でした。
そのため、下の写真のように、鉛筆の太さ以上の太い枝だけを残して、他の細い枝は全て切り落としました。
株元の太い枝だけが残っている状況です。
しかし、その太い枝からは、次の写真に示すように、春に伸びてくるであろう新芽が顔を出している状況でした。
また、根元に目をやると、2021年に顔を出したベーサルシュートの新芽と思われる芽も確認出来ました。下の写真の矢印で示した部分です。
つまり、ガブリエル自身は、根元付近から太い枝を発生させる「ヤル気」があるということなのかと思います。
それを助けてあげるためには、しっかりと剪定をしてあげて、根元の太い枝を発生させる手助けをしてあげないといけないということですよね!
株の上の方に細い枝ばかり残っていたら、頂芽優勢の特性から頂点の枝にばかり養分が行ってしまい、株元の目に栄養が分配されないので…。
培養土の入れ替え作業
さて、剪定も済んだところで培養土の入れ替えを行います。
2020年にガブリエルをお迎えしてから、約2年間お世話になった培養土なので、そろそろ入れ替え時期です。
根鉢の周りに緑色のコケが発生していました
まず、鉢から引き抜いた状態が下の写真となります。
根鉢を見て最初に気付いたこと…
それは、緑色のコケが生えてる…という点です。
ガブリエルが癌腫に罹ってから、水やりのタイミングに気を付けていました。
しかし、それでも水の量が多かったせいか、鉢の内側にコケが生えてしまったようです。
根が水分を吸い上げる量が多くは無く、常に鉢の中が湿った状態になってしまっていたと思われます。
休眠に入ってからは水をほとんど与えておらず、根の張りもあまり良く無さそうなので、根鉢が簡単に崩れてしまう状態でした。
根の張りがやはり良くない…
次に根鉢を崩して根の調子を確認していきます。
正直なところ、根の張り具合にはあまり期待をしていませんでした。
実際に根鉢をほぐして古い培養土を落とした様子が次の写真となります。
やはり、根の張り具合は良くなかったです。
根鉢を崩していくと太い主根となる部分も見えてくるのですが、細く弱弱しい根だけが顔を出してきました。
白い元気そうな根もあるので少し安心しましたが、地上部の茎の数や太さと根の張り具合は比例するということが、よく分かる例でもありました。
また、懸念していたコガネムシの幼虫は発見されませんでした。
鉢サイズは変えずに土を新しいものに入れ替え
さて、根鉢も崩れたので新しい培養土を使って、同じ鉢に植え付けていきます。
7号のプラスチック鉢を使って育ててきましたが、今年も同じ鉢を使用します。
(本当は素焼きの鉢が良いと思うのですが…重いので…。)
根の張り具合次第では鉢のサイズアップも考えましたが、上記の通り、あまり根が張っていないので、鉢サイズはそのままで大丈夫かと思います。
使用する培養土は従来同様に、このガブリエルを購入した京都・松尾園芸さんのオリジナル培養土です。
通気性が良く、薔薇の根の張りをサポートしてくれる優れた培養土だと思っています。
そんな通気性が良い培養土でも、根鉢にコケが生えてしまっていたとは…どれだけガブリエルの調子が悪かったことか…。
植え付け後の写真が下の写真です。
今年こそは元気な枝をたくさん出してくれると期待してます!
今年のガブリエル栽培の目標について
今年のガブリエルの栽培についてですが、まずは無事に春の開花シーズンで綺麗な花を咲かせてくれることを祈っています。
そして、5月後半から7月のベーサルシュート発生シーズンには、1本でもよいので根元から元気なベーサルシュートを出してもらいたい…。
上の写真に写っている枝は、全て2020年以前の枝となります。2022年、そして2023年以降の開花を支えてくれる枝が必須だと思っています。
また、癌腫病が発症した患部は、定期的に確認をしていきます。再発するような事があれば、何か新たな対策が出来ないか考える予定です。
この記事の終わりに
本記事では、2021年に癌腫病を発症した薔薇「ガブリエル」の冬剪定と培養土の入れ替えについて詳細を記してきました。(ガブリエルの栽培記録の意味も込めて、この記事をアップしました。)
ガブリエルの枝を見ると、株元に近い部分からも新芽が顔を出しており、サイドシュートやベーサルシュートを出してくれそうな雰囲気が感じられました。
そのため、太い枝だけを残した深い剪定をすることに意味があるのではないかと思っています。(答えは今年の春以降に出てきますが…。)
ただし、根の張り具合を確認すると、あまり良いとは言えない状況だったのが事実です。
培養土の入れ替えとともに古い根を整理したので、2022年の春以降は元気な新しい根を張り、それに比例した枝の成長が見られることを期待します。
ガブリエルの成長は、また定期的に御報告していきたいと思います。