【蘭の植え替え】エピデンドラムの水苔交換作業を実践

プレゼントでいただくこともある蘭ですが、花が終わった後は放置されてしまい、結局枯らせてしまう…と言う経験がある方も多いのではないでしょうか?

蘭は普通の草花とは違い、水苔などに植え付けられているので、少し管理や植え替えなどの敷居が高いようなイメージもあります。

しかし、実際の管理については、そのイメージとは正反対で多少失敗しても丈夫に育ってくれる植物です。それに、水苔の交換や肥料、水やりを怠らなければ、毎年の様に花を咲かせてくれる心強い味方でもあります。

この記事では、蘭の仲間であるエピデンドラムについて、その水苔の入れ替え作業をしていきたいと思います。


Advertisement

水苔を交換するエピデンドラムについて

今回の記事で水苔の交換および植え替えをするエピデンドラムは写真のものです。

私のブログでも何度か登場いただいているエピデンドラムなのですが、少し水苔が古くなったので、思い切って水苔の交換をすることとしました。

エピデンドラムの植え替えに準備するもの

植え替えに必要なものは、新しい水苔があれば基本的にOKです。

作業を楽にするという意味で、消毒したハサミとピンセットがあると水苔の処理が楽になります。

水苔は少し多めに用意しておいた方が良いです。鉢の中に詰め込んでいくので、ある程度の量が無いと足りなくなることの方が多いです。

また、水苔の交換時には場合に応じて「キンチョール」を用意しておくと強い味方になってくれます。水苔は湿っている状態が多いので、コバエが湧く原因になるんですよね…。今回のエピデンドラムもそうでしたが、水苔にコバエが寄ってきていたので、シュッと吹きかけると効果てきめんです。蘭を育っている方は1本持っておくと便利ですよ。

園芸の強い味方であるキンチョールの写真

エピデンドラムの植え替えはいつするの?

エピデンドラムの植え替えですが、基本的に1年に1度の頻度で行っていれば問題はないと思います。

交換しない方は3年くらい交換しないと聞いたこともありますが、さすがに3年経つと水苔もだらけてきて、見た目も良くないので交換した方が良いです。

今回は、下の写真に示すように、少し表面の水苔が弱っていたので交換することとしました。

植え替えを行うエピデンドラムの株元写真

また、育成期になっても調子が悪かったりすると、中で根詰まりしている可能性もありますし、水苔の中で根が腐っている場合もあります。

今回はのエピデンドラムは、実は少し調子が悪い面も見えていました。下の写真に示すように、新しく生えてきた新芽が途中で枯れ落ちてしまいました。写真の右にある芽が黒く変色していると思います。

突然枯れてしまったのですが、原因が分からないところもあり、その点でも植え替えてみようと思ったのです。

枯れてしまったエピデンドラムの新芽

また、季節的な観点で言うと、蘭の植え替えは5月から7月くらいが最適な時期になります。冬の時期は育成が悪いので、値を切ったりしてしまうと株が枯れ込む原因になったりします。株がある程度成長する力があり、根を少し切っても新しい根を出してくれるような時期が、水苔交換に最適な時期になります。


Advertisement

植え替えを実践します

① まずは鉢から株を抜いてみます

今回のエピデンドラムは、実はプレゼントでもらってから一度も水苔の交換をしていなかった鉢植えになります。

中を少し確認したら、2つの株がビニールポットで植えられていることがわかったので、そのまま抜いてみました。

鉢植えから引き抜いた容姿

写真の様に、もう水苔はかなり古くなっていることがわかります。

また、写真ではわからないのですが、ビニールポットを触ってみると、ぱんぱんに固くなっていて、完全に根詰まりしている状態であると感じ取れました。

② 次に根の状態を確認して古い水苔を除去します

実際にビニールポットから株を抜いてみます。

完全に根詰まりをしていて、しっかりとした根鉢が出来上がっていますね。

予想でしかありませんが、調子が悪かったのは、この根詰まりが原因だと思われます。このタイミングで気付いて良かったです。

このような状態になる前には、根の整理や株の植え替えなどを実施してあげたいところです。

③ 古い根は整理をしましょう

次に行うのは根の整理になります。

まずは、根を外側からほぐしていくのですが、古くなって変色してしまっているような根、特に茶色くなって腐りかけているような根はハサミで切り落としていきます。

多少根が傷ついたりしても、夏の時期であれば新しい根が生えてくるので、あまり気にしすぎずに根の整理をしていってOKです。

逆に慎重になり過ぎて、根を切らないことの方が、根の発育を妨げる原因になるのではないかと思います。

胡蝶蘭の植え替えもそうですが、思い切りが大事です。

実際に根をほぐして、余分な根を切り落とした後の写真が下になります。

これでもまだまだ多いように思えるのですが、全て元気な根になるので、今後の回復の速さを期待して残しておくことにしました。

値を整理したエピデンドラムの写真

④ 新しい水苔を根に巻いて鉢に植えます

根の整理が終わったら、根に新しい水苔を巻き付けてあげて下さい。

周囲だけに巻き付けるのではなく、根の内側までしっかりと水苔を入れ込んであげて下さい。根から水や養分を吸収するには、なるべく水苔に密着している方が吸収が良くなります。

また、軽く巻き付けるのではなく、ある程度力を入れてギュッと締め付けてあげて、鉢植えの中へ入れ込んでいきます。

そして、隙間にも水苔を詰め込んでいきますが、この詰め込み方もある程度しっかりと詰め込んであげて下さい。隙間が空いていると株が不安定になりますし、次の新しい根が出てきた時にしっかりと株を支えてあげるような状態になれません。

実際に植え替えが完了したエピデンドラムの写真が下のものになります。植え替え後はビニールポットは使用せず、鉢に直接植え付けました。

植え替えが完了したエピデンドラムの写真

植え替え後の管理方法

植え替えたあとのエピデンドラムの管理方法ですが、特に通常時と変わることはありません。ポイントを押さえて、従来通りの管理方法をしていれば大丈夫です。

注意してもらいたいのは、植え替えの時には根を切っているので、従来よりも水を吸い上げる速度が遅くなっている可能性があります。そのため、水苔の乾き具合をきちんと確認してから水やりをしてあげるようにしてください。水を欲する量が少ないのに水ばかり与えていると、根腐れを起こす原因となります。

また、管理する場所ですが、日当たりの良い直射日光が避けられる窓辺がベストかと思います。根の発育を促進するために、光合成も必要になります。可能な限り植え替えを実施する前の環境と同じ環境にして下ることが大切です。

植え替え前には室内で育てていたのに、植え替え後は直射日光の当たるような屋外で育てると環境の激変で枯れてしまう原因となり得ます。

肥料については、植え替え直後に与えるのではなく2週間くらい待って、新しい根が出始めた頃に与えるようにしています。植え替え直後に与えても、株が直ぐに肥料が欲しい状況ではないと思うので、新しい環境に慣れてきたころから肥料を再開するようにします。


Advertisement

エピデンドラムの植え替えのまとめ

この記事では、蘭の仲間であるエピデンドラムの水苔交換 (植え替え) について、その手順と方法を御紹介させていただきました。

贈り物でいただいた蘭は、放置されてしまってそのまま枯れてしまうというパターンが多いかと思われますが、しっかりと管理をしてあげれば毎年のように花を咲かせてくれます。

水苔と言う少し馴染みのないものを使うので、少し敷居が高いように感じる蘭ですが、植え替え自体はとても簡単で30分で完了する作業なので、一度も水苔を好感していない方は是非実践してみてください。

調子が悪い株も植え替えによって元気を取り戻すこともあるかと思いますし、毎年の水苔の交換は健全な蘭の栽培を実現する第一歩かと思っています。

最新情報をチェックしよう!