【危険信号!?】薔薇の葉が黄色くなり落葉する原因と対処方法

植物を栽培していると、突然葉が黄色くなって枯れ落ちていくことがあります。

理由は様々ですが、薔薇の栽培でも同じことが起きます。

昨日までは健康そうな緑色をしていた葉が、一気に黄色に変色してしまうこともあり、とても心配になりますよね…。

その薔薇が一番大切に育てている薔薇となると、その心配はより一層大きくなり、慌ててしまうこともあります。

私自身、毎年のように薔薇の葉が黄色くなるという現象に直面し、様々な方法で薔薇を立て直してきました。

この記事では、葉が黄色くなってしまった時に、私が対策した内容を経験から御紹介していきたいと思います。


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葉が黄色に変色する原因と理由

原因① 水切れ (水を与えていない)

一つ目の原因は、水切れです。

私の栽培経験では、これが最も多い原因だと断言できます。

真夏に出張で留守にした時、2泊3日で旅行に出かけた時…基本的に水やりができない時に発生しています。

特に、8号鉢の少し小さな鉢で育てている薔薇や、地植えでも水はけが良すぎて土がからからに乾いてしまうような場所で起きやすいです。

水切れを起こすと、地面に近い位置の葉から高い位置へ向かって、鮮やかな黄色に変色して落葉していきます。もし、下の葉から鮮やかな黄色に変色していったら、8割くらいは水切れを疑って間違いないと思います。

植物が水切れを起こすと、どのような反応をするか御存じですか?

植物は、葉から水を蒸散によって放出します。その放出する水が体内から無くなると、蒸散を行うことを止め、蒸散を行う葉を落として生命維持をしようとします。

つまり、水切れを起こしたときに葉を落とすのは、植物が少しでも長い間、自分を守ろうとする自然に身に付いた能力なのです。

水が無い中で、何とか茎だけでも…根だけでも…残したい!という植物の生命維持能力なのですね。

水切れを起こしかけているサインは、薔薇を見ればすぐに判断できます。最初の水切れのサインは、新芽の先端や蕾が上を向かずに、下を向いていたり元気がない状態になります。

枝の先端は、最も成長が進む部分なので、より水分量も多くなります。そのため、水切れを起こし始めると、枝の先端が最初に影響を受け始めますので、毎日注意して管理してあげれば水切れは防げるはずです。

上でも記載しましたが、私は何度も水切れを体験しています。完全に枯れてしまうわけではないのですが、葉を落とさせてしまうレベルの水切れは年に1度は必ず起こしてしまいます。

水切れを起こした薔薇の葉が全て黄色くなり落葉することもありましたが、茎だけは緑色をしており生きておりました。その後、水やりをして軽く剪定をすると、半月後には新しい花芽が伸びてきてくれます。

水切れを起こしても完全に枯れていなければ、薔薇を剪定して成長をリセットしてあげられますので、ご安心くださいね。

黄色くなった葉

原因② 薬剤による薬害

二つ目に考えられる原因は薬害です。

もし、薬剤を散布した後に葉が黄色くなり、黄色に変色するだけではなく葉に染みやシワがあるような場合、薬剤による薬害を疑ってみるべきです。

薔薇の栽培には、病気から保護するために薬剤の使用が必要になる場合がありますが、生育環境や薔薇の品種によっては、薬剤が合わないことも多々あります。

実は薬剤を散布した直後に葉が痛んで黒星病が出始めてしまうこともありました。その時は、「えぇ~!薬を使ったのに、なんで黒星病になるの!」って言いたくなりましたね。私が薔薇を始めて最初の年の事でした。

農薬はきちんと効果がでるように、用法・用量が定められていますが、それを守ったとしても薬害は出ます。植物という生きたものを扱っているので、仕方がない事なのですが…。

私は、農薬による薬害を防ぐために、定められた規定量よりも薄めて使ったり、薔薇の年齢に合わせて薬剤の使用をしています。薬剤との付き合い方は、過去に公開した下の記事で紹介しています。

薬剤の写真

原因③ 微量元素の不足

植物が育つために必要な肥料の三大要素は、窒素、リン酸、カリウムになりますが、それら以外の元素も植物には必要になります。

一般にはそれらの元素を「微量元素」と呼びますが、マグネシウム、カルシウム、鉄、マンガン等が含まれています。これらの微量元素は、森林や渓谷の中では、雨や川の流れによって供給されてきます。

しかし、鉢植えの場合、人間が与えないと土の中に供給されません。

そのため、肥料だけではなく活力剤等を用いたり、定期的に土の入れ替えを行うなどして、微量元素が切れないように管理する必要があります。

微量元素を補給するという意味で活力剤が販売されていますので、活力剤を使用すると回復することもあります。

微量元素が不足すると、葉脈に沿って黄色い模様が出てくることが多いです。黄色くなってしまった葉は残念ながら元の状態には戻りませんが、その状態異常に黄色くなる葉を防ぐことが出来ることがあります。

葉脈に沿って葉が黄色くなった薔薇

私の経験上ですが、特に花が咲いて薔薇の株が付かれている時は、このような症状が出やすい傾向にあります。花期が終わって剪定をしたら、肥料に加えて活力剤も与えるようにしています。

微量元素があることで、植物はより健康に育ちますし、微量元素が無いと病気の原因になることもあります。

肥料と同じくらい大事な成分ですので、定期的に供給してあげましょう。

原因④ 薔薇自身が葉を落とす判断をする

薔薇が自らの葉を落とす?

これも実は一つの原因として考えられるのです。

上で葉は蒸散を行う能力があると記載しましたが、根から吸い上げる水分量と葉から蒸散される水分量がマッチしている時が最も健康な状態です。

しかし、根から吸い上げる水分量よりも、葉からの蒸散が多くなったらどうなるでしょうか?

植物の体から水分が抜け出る一方なので、植物からしたら葉を減らしたいと思うわけです。

薔薇も自らの体を管理する能力を持っているので、蒸散の方が多すぎるようなら、葉を自ら落とすことがあるのです。

特に、鉢植えの薔薇が自ら葉を落とす場合、鉢のサイズが適切でない場合があります。根の張りのと茎のバランスが悪くなっているということです。

このパターンも私は経験したことがあり、6号鉢でブライダルピンクという薔薇を育てている時でした。春の花が咲いた後に、突然葉を落とし始めたのですが、10号鉢に植え替えてあげたら、それ以降は花後に葉が黄色くなることは無くなりました。特別なことはしていないので、鉢増しの効果が出たのだと思います。

小さな鉢で薔薇を育てている方は、葉が黄色くなって落ちることが頻発するかもしれませんので、少し大きめの鉢で管理してあげることをお勧めします!

紫色の薔薇のバスケット

黄色くなった葉は除去すべき?

黄色く変色した葉は、既に光合成を行う能力がありません。

放っておいても、自然に落ちますが、腐食してしまうこともありますし、ハダニの巣になってしまうこともあります。黄色くなった葉は、速やかに取り除きましょう。

また、土の上に黄色い葉が落ちていると、病気の原因にもなるので地面に落ちた葉も掃除するようにしています。

黄色くなった葉を取り除くと、枝だけが残るというような状態になるかもしれませんが、黄色の葉を残しておいても意味は無いので、除去してしまって大丈夫です。株が完全に枯れていなければ、少し剪定をしてあげると新しい枝が元気よく生えてきます。


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葉が黄色くなった時の対処方法

葉が黄色くなってしまい、葉の数が少なくなってしまった時、私の栽培方法としては、次に紹介する対処法を全て行っています。

どれも薔薇の株に無理をさせないための対処法になるかと思っています。

対処法① 肥料は一時ストップし回復を待つ

体調を崩した時には、肥料はストップしましょう。

そもそも、体調が悪い時には肥料を使って成長する力も無いので、薔薇の枝や根の肥料分が多くなり、悪影響になってしまいます。

一旦肥料やりを止め、元気な新芽が出始めてきたら適量の肥料を再開します。

回復後は、カリウムの多い肥料を与えるようにしています。カリウムは根の張りと葉の充実に効果的な肥料になりますので、回復後の新枝の芽吹き後にお勧めです。

また、水切れが起こらないように、地中の水分量を確認しながら水やりを適切に行うことも必要ですね。

薔薇の綺麗な葉

対処法② 活力剤を与える

活力剤は、根を丈夫に育てるために使われる栄養補給剤です。

肥料とは異なりますが、根の活動を活発にする効果があり、その成果として新しい芽の芽吹きが早くなり、葉の数が回復していきます。

活力剤も与えすぎは良くありません。

液量を適切な期間を開けて使用していきましょう。

対処法③ 剪定によって株を小さくする

私は、これが大事なポイントだと考えています。

薔薇をリスタートさせてあげるのです。

葉が落ちた後に、剪定をしない方もいますが、私は剪定をすべきだと思います。深い剪定は冬以外はしてはいけないという方もいますが、必要があれば年間を通じて深い剪定をしても問題は無いと考えています。

剪定を行い、株自体の大きさを小さくしてあげることで、少し株の姿が寂しい状態になってしまいますが、新しく元気の良い葉を出させてあげて、丈夫な葉と茎でリスタートしたほうが絶対に良いです。

調子が上がれば、夏以降にベーサルシュートが出てくる期待も大きくなります。

薔薇の剪定写真

対処法④ 適正な鉢のサイズに変更する

原因④の所でも記載をしましたが、根の張り・根の状態と地上の茎や葉のバランスが悪いことも、葉が黄色くなる原因です。

鉢のサイズが小さい場合、根が十分に張ることができず、水切れを起こす可能性も高くなってしまいますし、根と茎・葉のバランスが崩れてしまっている状態です。

植え替えはできれば冬に行いたいところではありますが、根を傷つけないようにすれば年間を通じて植え替えは可能です。一回り大きな鉢に植え替えてあげることも検討してみてはいかがでしょうか?

対処法⑤ 日当たりの良い場所で体力回復

調子の悪い薔薇は、日の強くない場所が良いと言われることもありますが、私は日光がしっかりと当たる場所で管理すべきと考えます。

日光が無いと光合成ができず、新しい枝・葉・蕾を作るのに支障が出ます。

調子が回復するまでは半日陰が良いとか、日照時間は短めにするという情報も見ますが、私は日光がしっかり当たる部分で管理します。ただし、葉もない本当に重症に近い薔薇は、夏の炎天下だけは避けたほうが良いかと思いますが…。

都会の住宅事情で、1日に6時間以上日が当たる場所は、なかなか確保が難しいかと思いますので、なるべく日照時間が長い場所を選んであげてください。特に午前中から昼過ぎにかけて日が当たる場所が最適です。

美しい薔薇の花びら

この記事の終わりに

この記事では、薔薇の葉が黄色くなる原因と理由、そして私が実践している対処方法について記載をさせていただきました。

葉が黄色くなってしまう原因は様々ですが、多くの場合には水切れや管理方法に原因がある場合が多いです。

日常管理だけではなく、薔薇の大きさに合わせて鉢の大きさを選んであげたり、葉が黄色くなり始めた初期に対処をすることで、被害は最小限に抑えることもできます。そのためには、毎日の薔薇の健康管理・観察が大事になりますね。

また、不運にも葉が完全になくなってしまった場合でも、剪定によってリセットをすることもできます。剪定をするのは冬というイメージがあるかもしれませんが、年間を通じて少しくらい深く剪定しても薔薇は枯れることはありません。

葉は薔薇の健康のバロメータと言われます。また、薔薇の栽培は健康な葉の維持が最も重要といっても過言ではありません。

葉が無くなると開花回数が減りますし、花の数も大幅に減ります。

美しい薔薇をたくさん咲かせることができるように、落葉の「予防」となる日々の管理を怠ることなく行っていきたいものです。

この記事が、皆様の薔薇栽培に少しでもお役に立てれば幸いです。

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