夏の薔薇は花のサイズが本当に小さい!春と夏を比較します

春の開花でとても立派な1番花を咲かせる薔薇ですが、初夏の2番花の後くらいから一気に花のサイズが小さくなり、真夏の8月に咲く薔薇は「これは薔薇?」と思えてしまうような花の大きさになってしまいます。

2020年の夏は昨年に比べると梅雨が長かったので、暑さを感じる期間は短いように思いますが、それでも私の住む関西では9月になっても最高気温が35℃以上の日が続いています。園芸・薔薇栽培を趣味にされている皆様にとっては、早朝であっても外で作業するのが嫌になる時期ですね…。

この記事では、タイトルの通りですが、春の1番花の薔薇と夏の薔薇のサイズを実例を交えて比較していきたいと思います。

以前も同じような比較をした記事があるのですが、2020年のバージョンとして本記事をアップしたいと思います。


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夏の薔薇は花が小さくなりやすい

皆様は、夏に薔薇の花が小さくなる理由を御存じですか?

夏は春に比べて気温が高く、日光の照射量も多く、また昼間の時間が長いため、薔薇の株が非常によく成長します。

春は20℃前後くらいの天候ですが、夏は最高気温が35℃以上で最低気温が25℃を下回らない熱帯夜が続くこともあります。

そのような状況下では、薔薇はあっという間に成長して、十分に茎が伸びる前に蕾が形成されていきます。例えば、春の1番花の時には新芽の長さが40cm以上伸びるものが多いですが、夏には新芽の茎が15cmくらい成長して蕾が出てきてしまうような品種もあります。

このように非常に速い成長になるので、蕾自体も開花までの時間が短く、十分に蕾が大きくなる前に開花の時を迎えてしまいます。

そのため、多くの薔薇達が春に比べて夏の花が小さくなります。

夏に花が小さくなりにくいようなキャッチフレーズのある薔薇も、夏は確実に花の大きさが小さくなります。夏に花の大きさを小さくしたくないのであれば、東北地方の山間部や北海道などの涼しい地域に住まないと無理だと思います。

実際に薔薇の花の直径を比較してみました

毎年、私は夏にあまり薔薇の花を咲かせていないのですが、摘心をし忘れて咲いてしまう薔薇がちょこちょこあります。

今年も摘心を忘れていつの間にか咲いていた薔薇が3品種あったので、4月の薔薇とサイズを比較してみました。

形成された蕾を全て咲かせたのではなく、数輪を咲かせただけですが、それでも夏の薔薇はサイズが小さかったです。

ジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコ

「ジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコ」はフロリバンダの系統で、とても花付が良く、放っておいたら次々と開花してくれる優秀な品種です。

しかしながら、その特性が故に花のサイズが小さくなりやすいことも特徴です。

下の写真の様に、春の時期には概ね13cmから14cmくらいの大きな花を咲かせてくれているのですが、8月になると10cm以下の花しか咲きません。

さらに、色もあまり良くは無く、ジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコの特徴である、花弁の周辺部の赤色が夏は出てきません。若干花弁の輪郭がピンク色になりますが、ほぼ白い薔薇になってしまいます。

薔薇は季節によって大きさが異なるだけでなく、色や形も変わってくる植物なので、このような現象が起きてしまいます。

正直なところ、春の豪華な赤と白のジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコを見ると、夏は貧相な花にしか見えません。

ブルームーン

次に紹介するのが、ブルー系の香りの代表格ともいえる「ブルームーン」という品種の薔薇です。こちらはハイブリッドティー系統の薔薇になるので、1つの花枝に大きな1輪を咲かせる特徴があるのですが、夏は先端がほうき状になり、複数の花を付けることが多いです。

そのブルームーンも、2020年の春にはジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコと同じく直径13cmから14cmの大きな花を咲かせてくれたのですが、8月の花の大きさは直径10cm以下です。とても小さな薔薇がぽつぽつと咲く程度です。

色に関しても、春に比べると紫色が少し薄くなっている印象を受けます。というか、色は紫色がまたくなく、ギリギリ薄紫と言えるような褪せた色になってしまっています。

ブルームーンはとても香りが良い薔薇なのですが、香りも春に比べると弱くなります。夏は、花の大きさが小さいのも影響していると思いますが、鼻を近づけないと香りが感じられません。

夏の時期のブルームーンを見ると、香りの観点でも、春や秋の時期にじっくりと育った薔薇の方がすばらしいものがあるとわかります。

ミニ薔薇のノヴァ

私の家の玄関先に植えているミニ薔薇の「ノヴァ」は、今年はハダニの大被害に合い、初夏に株を剪定するという状態まで追い込まれてしまいました。その時のことも記事にしているので、もしよろしければご覧ください。

このミニ薔薇のノヴァは、剪定したり葉の数を制限したことでどんどん回復し、ハダニ被害を受けたことを忘れてしまうような株姿になっています。

ミニ薔薇についても、通常の薔薇と同様に夏の薔薇は小さくなります。

ノヴァはミニ薔薇と言えども、地植えにした影響もあり、毎年春には10cm級の花を咲かせてくれます。今年も春は約10cmの花を咲かせてくれました。

しかし、夏は気候の問題とハダニ被害の影響もあってか、大きく花のサイズが小さくなり、直径が約6cmまで小さくなりました。

また、色についても春には鮮やかなピンク色だったのですが、夏は少しくすんだ様な色のピンクになっています。


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夏は花弁数も少なくなります

以前、薔薇の花弁数と咲きやすさの比較を行った記事を投稿させていただきました。

薔薇の花弁数についても、春と夏で大きく異なることが分かってきました。

実際に夏に薔薇を咲かせたときに、花のサイズだけではなく、花のボリュームが少ないように感じたので、今年は春と夏に花弁数の違いも比較をしてみます。

もちろん、肥料などの条件や水やりの回数、日当たりによっても変わってくるのかと思いますが、御参考として以下で紹介させていただきます。

例えば、ブルームーンですがブルームーンは春の開花の時には約26枚の花弁で開花を迎えました。しかし、8月の開花では花弁数が減り20枚での開花です。

また、ジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコですが、こちらは春の花弁数は35枚だったのですが、8月の開花時は26枚まで花弁数が減りました。

このように、夏の薔薇は蕾の成長も早く開花を迎えるため、蕾の中に形成される花弁の数も少なくなってしまうのですね。

この傾向は、ほぼ全ての薔薇に当てはまることだと思います。私が管理している薔薇達も、夏に咲いた薔薇は春に比べて花弁数が少ないです。

夏は薔薇を咲かせる意味はあるの?

上記のように、夏の薔薇のデメリットのようなことばかりを記載してきましたが、夏の薔薇は咲かせる意味はあるのでしょうか?

・花の大きさが小さい

・花弁数が少なくボリュームもない

・色は悪い

・香りも弱い

特徴を挙げていくと、どれもデメリットばかりで、メリットになるような項目が出てきません。

しかし、もしメリットを挙げるとしたら、開花までの期間が早いので玄関前に飾られている鉢植えの薔薇や、お客さんをお迎えする庭上の薔薇であれば、多少なりともその場所を華やかにしてくれるということだと思います。

夏の間の薔薇は、摘心をして花を咲かせないようにすると、観葉植物を育てているのと何ら変わらない状態になります。そのため、庭が寂しいと感じる方は、夏の間でも咲かせても良いのではないかと思います。


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この記事の終わりに

この記事では、2020年の春と夏の薔薇の花の大きさについて比較した結果を御紹介させていただきました。

毎年思うことですが、夏の薔薇の花は本当に期待が出来ません。

もちろん、薔薇なので美しさはあるのですが、春や秋の豪華な花を見ていると、夏の花の小ささや色の悪さが気になってしまいます。

夏にも薔薇を楽しみたい方は咲かせてしまっても問題は無いです。薔薇の株が花を咲かせようとしているので、それだけの体力はあるはずで、咲かせても枯れるようなことは無いです。

しかし、摘心して咲かせないようにすることで、ベーサルシュートやサイドシュートの発生などに期待もできるので、夏に咲かせるか否かは管理する皆様の取捨選択になります。

私自身は、これからも夏の薔薇は咲かせないようにしていきますが…。

皆様はいかがでしょうか?

御意見・コメントもお待ちしております。

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