「夏の花と言えば?」
と言う質問に対して、多くの方が「ヒマワリ!」と答えられるかと思います。
夏の暑さにも負けず大きな花を咲かせてくれるだけでなく、子供でも栽培ができるくらい栽培難易度も低いので、御家庭で植物を育てる教育にも格好の題材です。
背の高さが2mくらいになる大輪のヒマワリとなると、育てる場所も限られるため、誰もが育てられる植物ではありません。
しかし、ミニヒマワリと呼ばれる高さ30cm程度の品種であれば、玄関先やベランダでも栽培が可能です。
また、ヒマワリと言うと大きな花を一つだけ咲かせるイメージがあるかと思いますが、ミニヒマワリの中には房咲きになって多くの花を咲かせてくれる品種があります。
ヒマワリの花が一杯咲いたプランターを想像すると、暑い夏に元気をもらえそうですよね!
この記事では、房咲き品種の「ミラクルビーム」というミニヒマワリの育て方や実際の栽培記録を紹介します。
ヒマワリ「ミラクルビーム」を選んだ理由について
ヒマワリに限らず、草花の種を近くの園芸店に購入しに行く際、「このメーカーさんのこの花の種を購入しよう!」と決めて行くことは稀だと思います。
その園芸店さんによって販売している種は違いますし、特定の種が欲しければインターネット販売の方が確実です。
でも、何も決めずに種を買いに行くと、ちょっと気になるキャッチコピーを持った種を見つけることができます。
例えば、胡瓜に「できすぎなるなる」という名前が付けられた品種があります。「できすぎ警報緊急発令!」なんてキャッチコピーが付いていたりするんです。
もし胡瓜の種を購入しに行って、そんな名前・キャッチコピーの胡瓜があったら、気になって買わざるを得ないですよね…。
今回のヒマワリ「ミラクルビーム」は、そんなキャッチコピーに心を動かされて購入に至りました。
以前、ミニヒマワリを育てたことがあったのですが、一株に咲く花が一輪のみの品種で、その一輪が終わってしまうと栽培が終わってしまうという、ちょっと寂しいものでした。
しかし、ヒマワリ「ミラクルビーム」の袋には「大人気のミニヒマワリに枝咲き誕生!」と書いてあります。
また、袋の裏面には「今までの一輪咲きのヒマワリとは違い背丈が低く、枝分かれして、たくさんの花を次から次に開花させます。」と書いてあります。もう、期待しかないですね (笑)。咲いてくれる数は多いに越したことはありません。
房咲きになるヒマワリ自体は「ミラクルビーム」だけでは無いのだと思いますが、房咲き品種の種を初めて見たので気になってしまい、今年育てるヒマワリはこのミラクルビームに決めました。
ミニヒマワリですので、プランターでも簡単に育てる事が出来るというのも選定のポイントです。
ちなみに、この商品の中には40粒くらいの種が入っていますので、プランター栽培では種が余ると思います。
プランターへ種まきと発芽までの管理
まず最初に、プランターへの種まきの方法と発芽までの管理を紹介します。
プランターに一杯のヒマワリを咲かせたいので、今回は少し過密に種まきを実施した例で栽培記録を紹介していきます。
種まき -ヒマワリ一杯のプランターを目指して-
まず最初に、プランターへの種まきから栽培のスタートですね。
ミラクルビームは種まきから開花まで必要な期間が2カ月~2カ月半になりますので、4月の後半に種を撒くとちょうど梅雨の終わりか梅雨明けの時期が開花期になります。
今回使用したプランターは30cm幅の小さなプランターになります。鉢の深さは約20cmです。
私の家では、限られた敷地の中で植物を育てているので、小さなプランターで育てられるものは、なるべく小さなプランターや鉢を使用するようにしています。マンションのベランダで園芸を楽しんでおられる方には、御参考になる例かと思います。
ミラクルビームの種の袋には「株の間隔は20cmくらいが最適」と記載がありますが、今回はそのアドバイスを無視します!
小さなプランターでヒマワリを一杯咲かせたいので、下の写真の様に30cm幅のプランターに合計5か所の種まきをします。
なるべく株の間隔を取るために、横に一直線に種まきをするのではなく、ジグザグに種を撒いています。
この方法で株の間隔は約10cm程度です。推奨されている株間隔の1/2ですね。
また、今回使用した種の発芽率は70%以上となっているので、一か所に2粒ずつ種を撒いています。
大きく育ったら、間引きをして最終的には5つの株を残すようにします。
使用した培養土は、薔薇の栽培にも使うことができる水捌けの良い培養土を用いました。
プランターを置く場所は家の南面で、一日当たりの日照時間は7~8時間は確保できている場所です。
種まきの季節 (4月) の水やりは慎重に管理
ヒマワリの種まきを行うのは、お住いの地域によって異なりますが、全国平均で見るとだいたい4月の中旬くらいになります。
最高気温は25℃以下で、非常に過ごしやすい環境になります。
気温もそこまで高温ではないため、土の乾き具合も遅く、毎日水やりは不要だろうと思われがちです。
しかし、実際に4月に日当たりの良い場所にプランターを置いておくと、かなり土の乾燥が早いです。
というのも、まだヒマワリの芽が出ておらず、プランター内の土には太陽に光がたっぷり届きます。そして4月は意外と乾燥している日が多いので、土がとても乾きやすい状態になります。
ヒマワリの種を植え付けるのは、大体1cm程度の深さの穴になるので、土の表面が乾いていると種のある位置も乾くことになります。
そのため、可能であれば土の表面の湿り具合を直接手で確認して水やりの頻度を管理してあげて下さい。
種を撒いて芽が発芽し、ある程度のサイズまで苗が大きくなるまでは、水やりの管理が重要になります。
ヒマワリの種が発芽 -間引きで良い芽を残しましょう!-
種まきから1週間程度で、元気な双葉が発芽してきます。
発芽率が良いヒマワリなので、発芽するのは当たり前なのですが、種から育てる植物は発芽の瞬間はいつ見ても嬉しいものですね!
今回は上記の通り、5か所に2個ずつの種を撒きましたので、合計10個の種を撒いたことになります。
この10個のうち、発芽したものが9個でしたので、発芽率は90%ですね。種の袋には発芽率が70%とありましたので、十分に高い発芽率になりました。
そして、発芽をして来たら間引きをしていきます。
次の写真の様に、2つの種が発芽した場所は、元気な方の芽だけを残し、合計で5本のヒマワリを育てていきましょう!
ヒマワリの間引きは早めに行った方が良いです。
双葉しか出ていないので、根も短いだろうと想像されるかもしれませんが、ヒマワリは発芽直後にとても立派な根を伸ばします。
そのため、少し時期が遅れると間引きしにくい状態になります。双葉が出てきたら、元気そうな芽を残して間引きをしてあげて下さいね。
そして、間引きを行ってから約1週間経つと、次の写真の様に大きな本葉が茂り始めます。
このくらい成長すると、成長速度一気に上がり始めます。
2日くらい見ていないだけで、次の葉が何枚も出てきているので、肥料もそれなりに必要になります。
週に1回の液体を忘れずに、健康的な葉を持ったヒマワリの成長を支えていきます。
6月は成長速度が一気に上昇 -プランターの大きさで育成状況が激変-
5月に入り連日の最高気温が20℃を越えていくようになると、ヒマワリの成長速度が一気に上昇します。
そして6月になると、その傾向がさらに増して、ぐんぐん成長が速くなります。
そのため、1週間に1度の液肥を欠かすことなく与え、雨の降らない日は朝晩の水やりで成長のサポートをしてあげるようにします。
ヒマワリの蕾の数は、成長の状態によって左右されると考えられますので、肥料は切らさないようにしてあげることがポイントですね!
下の写真は、植え付けからちょうど2ヵ月を迎えた時のものになります。
ここで、少し興味深い実験事実を紹介します。
上の写真は、左側のプランターはこの記事で紹介しているミニヒマワリのプランターになるのですが、その右側に写っている鉢植えも同じミニヒマワリの鉢植えになります。
実はミニヒマワリを植え付けた同じ日に、小さなポットが余っていたので、そこに3粒のミニヒマワリの種を植え付けました。鉢のサイズがヒマワリの成長にどのような影響を及ぼすのかを見たかったんです。
そして、植え付けから2カ月が経った時、小さなポットに植えたミニヒマワリは、明確に成長が悪いことが見て取れるかと思います。一応成長していますが、育成不良を起こしているように見て取れます。
大きなプランターに植えたミニヒマワリに対して、株の大きさが1/2程度しかありません。
次の写真は、上の写真のミニヒマワリを真横から撮影した写真になりますが、株の高さについても大きな違いが出ていることが容易に見て取れます。小さなポットのミニヒマワリは、株の高さが1/2しかありません。
これは、小さなプランターでは根がしっかりと張ることが出来ず、栄養分も少ないことが原因だと思われます。
皆様も、ミニヒマワリを植える時には、ある程度大きなプランターで育ててあげるようにしてください。その方が確実に立派に育ちます。
待ちに待った開花の時期がやって来ました
種まきを行ってから約2カ月半が経過し、ついに開花の時がやってきました。
7月の中旬、梅雨明けの宣言と共に元気なヒマワリの開花です!
房咲きのミニヒマワリということで、蕾がいくつも見えています。
この1番花が開花後、続けて2番目、3番目のヒマワリも開花の時を迎えました。
房咲きと言っても、一斉に全ての花が咲くのではなく、順番に咲いていくような特徴があります。
2日か3日かけて一気に咲いてくれると豪華なのですが、そうはいきませんね!
ただ、ミラクルビームは花もちが結構よく、1つの花が1週間近く咲いてくれます。そして、蕾が3個から5個くらい着くので、数週間はヒマワリの花が楽しめます。
また、上で紹介した鉢のサイズによるヒマワリの成長の違いは、開花の時にも顕著に現れました。
下の写真が鉢サイズの異なるヒマワリを並べたものですが、小さなポットのヒマワリは背の高さが1/2程度であり、花のサイズも明確に小さくなっています。そして、小さなポットの方は、房咲きにならず、1輪咲きになるという結果となりました。
この結果からも、房咲きのミニヒマワリを元気に育てて花数を増やすには、株の間隔をある程度作り、十分な土の量で育てる環境が必要であることがわかりますね。
ただ、逆に考えれば、上の写真にあるような小さなポットでも、ミニヒマワリは咲かせることができるということでもありますね。
この記事の終わりに
この記事では、房咲きミニヒマワリの「ミラクルビーム」の栽培記録を紹介させていただきました。
関西の市街地での栽培ですが、種の植え付けから約2カ月半で開花する結果となりました。
また、一つの株から3輪から5輪の花が房咲きになり、花もちが良いため、1つの花が1週間くらいは咲き続けてくれます。そのため、全ての花が咲き終えるまで数週間の間、お花を楽しむことができます。
そして、今回の記事で実験結果を紹介した通り、鉢のサイズで成長具合に明確な差が生まれました。房咲きのミニヒマワリですが、花の数を増やすためには、根がしっかりと張れる大きめの鉢で育てる事が望ましい事は言うまでもありません。
夏の暑さが厳しくなる季節ですが、暑さに負けずに咲くヒマワリを見ると「今日も頑張ろう!」いう気持ちになれます。
皆さんも春の種まきからヒマワリの栽培をしてみてはいかがでしょうか?
大輪のヒマワリは御家庭では大き過ぎるかもしれませんが、ミニヒマワリであれば30cm幅のプランターでも栽培可能ですよ!
では!