園芸をされている方であれば、経験をされたことがあるかと思います。
突然、花壇や鉢植えの中にキノコが生えてくる…。
キノコを栽培したわけではないのに、いつの間にか色々な形のキノコが発芽して成長していきます。
「え?毒キノコじゃないの?」と思い、放置してしまう方も多いと思うのです…どうしたら良いのでしょうか?
このこの記事では、花壇や鉢植えの勝手に成長するキノコについて原因と対策を、私の経験から御紹介したいと思います。
キノコの胞子はどこから来るの?
まず最初に、キノコが生える原因となる「胞子」がどこから来るのか?という点を考えてみたいと思います。
キノコの胞子って、結構強くて色々な侵入経路があるんですよね。
鉢植えの近くで成長したキノコが飛ばした胞子
キノコが成長して、胞子を飛ばす時期になると、周囲に大量に胞子をまき散らします。
そのため、花壇などに同じ種類のキノコが生えてきたら、それは近くで親となるキノコが胞子を飛ばしたことが原因と考えて良いかと思います。
ご近所さんの家の薄暗い湿気の多いようなところでに生えたキノコが原因かもしれません。また、野良猫がなどの毛に付着して胞子が運ばれてくる場合もあります。
私の家ではまだ同じ種類のキノコが大量に発生することは経験したことがないのですが、公園などのジメジメしたところに同じ種類のキノコが大量に発生しているのを見たことがあります。
大量に発生してしまうと、胞子を再び飛ばすので、後後も処理が大変になりそうですね。
有機肥料に混入していた胞子
有機肥料は基本的に自然の中で作られた落ち葉や枯れ木等を原料にした肥料です。
その落ち葉などに胞子が付着していると、有機肥料を使った時に有機肥料からキノコが生えてくることがあります。
私自身、これは経験しました。薔薇の栽培で有名な有機肥料があるのですが、それを鉢植えの肥料として使用したら、その有機肥料からにょきにょきと白いキノコが生えてきました。
私の薔薇栽培での初めてのキノコだったので、衝撃だったのを今でも覚えています。素直に「何?何で?」の一言でした…。
堆肥に混ざって鉢に入った胞子
堆肥は、牛や馬の糞から作られるのですが、牛や馬が食べた植物に胞子が付着していたり、そもそもキノコを食べてしまっていた場合、お腹の中で消化されずに糞の中に胞子が残っていることがあります。
そのため、薔薇に寒肥として堆肥を与えると、与えた場所からキノコが生えることがあります。
堆肥は地植えの薔薇の寒肥として使われるので、堆肥自体を使わないという選択肢が出来れば良いですが、そうでない限りは生えてしまったキノコを抜いていくしかないですね。
キノコの胞子が発芽する条件は?
キノコの胞子が発芽する条件は、そのキノコによって異なりますが、概ね湿度が60-70%くらい、気温は20℃前後くらいで発芽をすると言われています。
つまり、春先くらいの気候になるので、どんな場所でも発芽してくる可能性があるということなんですね。
キノコ類というと、少し日陰でジメジメしたようなところに生えてくるというイメージがあると思うのですが、上記の通り、一般的な場所にも生えてくる厄介なものでもあるんです。
また、風通しが良いことや栄養が豊富であるということも胞子の発芽に必要です。つまり、風通しを良くしておきたい薔薇の株元は、薔薇のための肥料も豊富ですし、直射日光も当たりにくいので、キノコにとっては発芽しやすい条件だと言えるのです。
生えてしまったキノコはどうすべき?
では、実際にキノコが生えてきてしまったらどうするべきなのでしょうか?
見た目も悪いですし、何となく野生のキノコって「毒キノコ」という悪いイメージもあるので、大事な花壇や鉢植えにキノコが生えたら、早めに何とか対処しておきたいですよね。
生えたキノコはなるべく早めに除去しましょう
生えたものは除去するしかありません!
ただ、抜く時には次の点を注意しましょう。
まず最初に、キノコが生えてきたらなるべく早めに除去することをお勧めします。キノコが育って新たな胞子を飛ばし始めると、花壇にキノコがたくさん生えてきてしまいます。見つけたらその場で除去することです。
次に、少し成長してしまったキノコは、なるべく胞子が飛ばないようにそっと除去することです。間違っても叩いたりして胞子が飛ばないようにしてくださいね。
また、キノコが生えていた場所の土は軽く除去して新しい土を入れてあげると良いかと思います。胞子が飛んでいる可能性があるので、少しだけ表面を削るように土を回収するイメージです。
最後に、キノコを除去する時には必ず使い捨てのビニール手袋を使いましょう。どんなキノコが生えているのか、正体が分からない以上、安全第一に考えるべきだと思います。
生えたキノコは食べないように
当たり前のことですが、薔薇の鉢植えや薔薇の花壇に生えたキノコは食べないですくださいね。食べる方はいらっしゃらないかとは思いますが、念のため…。
キノコに毒があるかもしれないという可能性と共に、薔薇には多くの薬剤を使われている方もいるかと思います。その農薬がついたキノコは体に毒なので、食べて農薬を体内に入れないようにしましょう。
キノコの胞子を発芽させない対策は?
堆肥や有機肥料を使ったり、培養土を使用するということは、少なからずキノコの胞子が土の中に存在していることになります。
つまり、胞子の混入自体は防げないので、気にすることはありません。
大切なのは、キノコを成長させないこと。
言い換えれば、キノコにとって発芽しにくい、成長しにくい環境を作ることです。
まずは水やりの頻度ですね。毎日のように水やりをしていると、常に培養土が湿った状態になるので、キノコにとって発芽しやすい環境を作っていることになります。
薔薇を育てる時は土の乾湿が重要ですが、乾燥させることで発芽を抑制る効果があります。絶対に防げるわけではないですが、予防の効果はあります。
つぎに、薔薇にマルチを使っている方は注意です。特にバークチップは私の経験上、キノコの生えやすい環境になります。マルチとしてバークチップを使用すると、バークチップが濡れたままで乾かない状態になることが多いです。また、土自体もを乾燥しにくくなるので、薔薇にとってもあまり良い環境とは言えません。
バークチップは土の保湿だったり、夏場の過度な乾燥を防ぐことが出来ますが、裏を返せばキノコは発生しやすいです。その証拠として、バークチップを使用して1カ月くらい経つと、バークチップにカビが生え始めることが多々あります。つまり、菌類の繁殖を手助けする環境だと言えるのです。キノコ栽培で樹木が使われるのと同じような原理だと思います。
この記事の最後に
この記事では、突然、花壇や鉢植えに生えてくるキノコについて、原因と考えられる対策を御紹介させていただきました。
キノコ自身は自然の中の植物なので悪さをすることは無いのですが、ご自身の花壇にキノコが生えていたら、やっぱり見栄えが悪いですよね。
公園の芝生の中からキノコが生えているのを見たことがありますが、それを考えるとどこでもキノコが生えてくる可能性というのがあるのだと思います。
気付かぬところで大量に繁殖していたということが無いように、日々の花壇・鉢のチェックを行い、発見したら早期対処をすることが最も大切な対策だと思います。