【薔薇】6月から8月は夏剪定を視野に入れた浅い剪定がお勧め

薔薇を栽培されている方は、9月の前半に秋の開花へ向けた「夏剪定」を行う方も多いかと思います。

その夏剪定では、薔薇の枝を比較的深い位置で切ることになることもあるかと思います。

そのため、6月から8月にかけては、なるべく浅い位置で剪定しておき、夏剪定までは花を咲かせないようにしておくと良いかと考えています。

この記事では、6月から8月の花後の処理 (花後処理) について私の考え方を紹介させていただきたいと思います。(この記事では、四季咲きや返り咲きの品種の薔薇を対象にしています。)


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6月から8月は2番花が終わるシーズン

開花期の間隔が短い品種の薔薇では6月、遅いものでも7月上旬から8月初旬には2番花が咲き進んできます。

1番花が終わった後の剪定で株がすっきりしても、この時期になると葉や枝がもっさりと生えてきて、とても充実した季節を迎えることとなります。

しかし、充実している株とはいえ、1番花と2番花を連続して咲かせたので、少し疲れた状態になっていることは否めないかと思います。

そのため、病気や害虫によって葉が失われていない健康な薔薇であれば、2番花の後の剪定は比較的控えめにして、9月前半の夏剪定までの季節は、株を休ませて充実させる時間に使うと良いかと思っています。

病害虫で葉が無くなってしまっている場合には、新芽を伸ばさせて株をリセットすることも重要ですが、その場合の管理は別の記事にしています。

7月の花後の剪定の例を紹介します

この記事を作成している7月の中旬、ちょうど花が咲き終わって花後処理を迎えたミニ薔薇がありました。

この薔薇を例にとって、7月の花後の処理 (剪定) を進めたいと思います。下の写真のミニ薔薇ですが、既に色褪せた状態になってしまっていますね。

例えば、下の写真の花枝を例にしますが、皆様であればどのくらいの位置で剪定するでしょうか?

私の場合ですが、7月の剪定では剪定バサミの入っている位置で切るようにしています。かなり高い位置で、3枚葉の上で切ることも頻繁にあります。

よく「5枚葉の上で切る」ということを聞きますが、正直なところ、栽培方法によっている位置は変えて良いと思いますし、むしろ考えて変えるべきだと思います。植物と言う成長するものを扱っている以上「絶対こうしないといけない」ということは無いのではないかと…。

もう少し深い位置で剪定しても良いと思うところもありますが、例年7月から8月くらいは概ねこのくらいの位置で剪定するようにしています。

剪定後の様子は下の写真です。葉が多く残っており、樹形もそれほど大きく変わっていないです。

ところどころ見える赤い葉は、この夏に出てきたサイドシュートやベーサルシュートですが、これらもこのタイミングでピンチしています。


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2番花後の浅い剪定をお勧めする理由

夏剪定へ向けて芽を残し秋の樹形をイメージできる

9月に行う夏剪定の際には、秋に咲く薔薇の樹形や今後の事も考えて、少し低い位置での剪定を進めることになります。

7月から8月に低い位置で剪定しすぎると、薔薇の芽の数が少なくなってしまい、秋の樹形を考えることが出来なくなってしまいます。

例えば下の絵に示すように、7月の開花の後に低い位置で剪定すると、次の芽が出てくる位置が2つだけになってしまいます。こうなると、2つの芽の位置から新しい枝を出させないといけないという縛られた栽培条件になります。

これに対して、次の絵に示すように、浅く剪定しておくと上の方にも新芽が出る位置が多く残るので、9月に秋薔薇の樹形を考えた剪定をするバリエーションが増えます。

下の図に示すように、7月には葉を多く残して剪定すると、9月の夏剪定の時に下から2つ目の芽の位置で切ることができますので、秋の開花時には下から伸び出てきた太い枝から大きな花を咲かせられるというメリットがあります。

薔薇は枝数を増やして花数を増やすというメリットもあるのですが、限られた空間で栽培している私の場合には、6月から8月の枝や葉の数は制限して、健全に育つ方を選択しています。

高い位置で芽かきをして疲れている株を休ませておく

冒頭部分でも触れましたが、1番花と2番花を連続で咲かせた薔薇は、春先の休眠期明けの株の様な元気はありません。

気温が高いため、あっという間に蕾が出来てしまうこともあり、花芽を伸ばしても春のような大きくて綺麗な花が咲かない場合がほとんどです。

そのため、2番花の後に剪定をしてからは、7月から8月の間は芽かきを行って花芽を伸ばさないようにしています。また、芽かきを行うと新しい枝は増えない状況になりますので、蕾を作らないということと新しい茎や葉を形成しないのでエネルギーの温存に繋がります。

枝の数や葉の数を制限して風通しを良くしておくと、高温になる夏の間はハダニ防止の対策にもなります。

夏剪定までの咲かせない薔薇の管理

夏剪定までの管理としては、上でも記載した通りなのですが、基本的には夏剪定までは出てきた芽や蕾は全て摘み取ってしまいます。

下の図①に示すように2番花の剪定を図の位置で行うと、②の様にそのすぐ下の葉の付け根から新しい赤い芽が出てきます。

この新しい赤い芽を芽かきで除去して③の状態にします。薔薇の芽は1箇所に3つ存在するので、③の状態になってから10日ほどするとまた②の状態に戻るので、その再び出てきた芽も除去してしまいます。

この②と③の状態を何度かっ繰り返すうちに9月の夏剪定の時期がやってくるので、夏剪定で少し低い位置で剪定してあげるという流れになります。


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この記事の終わりに

この記事では6月から8月の薔薇の2番花後の管理として、夏剪定までの期間をどう過ごすか?と言う観点で、私の実践している管理方法を御紹介させていただきました。

夏の季節は薔薇の花が小さく色もそこまで綺麗なものではないので、あまり咲かせないようにしています。

その観点で、2番花の後はなるべく高い位置で剪定し、葉と枝を残した状態で芽かきを併用した管理することが望ましいと思っています。

夏を乗り切ったら9月の夏剪定、そして秋の開花という一連の流れが舞っているので、それに向けて2番花の後から準備を進めていきたいですね。

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