数多くの品種があるイングリッシュローズの中でも、オレンジ色の香りが素晴らしい花を咲かせる薔薇の一つが「ジュード・ジ・オブスキュア」です。
薔薇栽培を趣味にしている方であれば、一度はその名前を聞いたことがあるであろう有名な薔薇ですが、2021年に我が家にもお迎えして栽培を開始しました。
ジュード・ジ・オブスキュアは、イングリッシュローズの中でも耐病性があると言われている品種ですが、実際のところどうなのでしょう?
成長の速度や樹形の様子、花の数、実際の花期…知りたいことは多数あるかと思います。
この記事では、実際にジュード・ジ・オブスキュアを栽培して分かったことを詳細にお伝えできればと思います。
ジュード・ジ・オブスキュアのお迎えを検討されている方にとって、有益な情報となれば幸いです。
ただし、この記事はジュード・ジ・オブスキュアの一つの栽培例となります。皆様の栽培環境では同じような成長になるとは限りません。
あくまでも一つの参考例としてお考えいただきたいと思います。
ジュード・ジ・オブスキュアの概要
ジュード・ジ・オブスキュアはイングリッシュローズで有名なDavid Austinによって作出された薔薇になります。
イングリッシュローズと聞くと、少し栽培が難しいようなイメージがあるのですが、ジュード・ジ・オブスキュアはイングリッシュローズの中でも耐病性が高く育てやすいことで有名な薔薇です。
花はクリーム色が混じったようなオレンジ色で、花弁数が多いことも特徴です。
イングリッシュローズの中でも人気の品種で、大苗の販売シーズンであっても、お店によっては予約で売り切れになっていることがあります。私自身も、予約ができずに、1年購入を先送りすることになりました。
ジュード・ジ・オブスキュアという名前ですが、トーマス・ハーディの小説の中に出てくる主人公「ジュード」から付けられているとのことです。(David AustinのHPより)
樹形としては「つる薔薇」としても「シュラブ」としても育てられる特徴を持っております。開花後に切り戻してあげればシュラブ状に、茎を伸ばして育てればつる薔薇になります。
私の家では、ジュード・ジ・オブスキュアをつる薔薇として育てるスペースが無かったので、基本的にシュラブ状に育てることとしました。
なぜジュード・ジ・オブスキュアを選んだのか?
ジュード・ジ・オブスキュアを家にお迎えした理由についても、紹介しておきたいと思います。
我が家では多くの薔薇を育てているのですが、実はイングリッシュローズの栽培経験がほとんどありません。
ドイツやフランスの薔薇は色々と栽培経験があるのですが、イングリッシュローズには少し敷居を感じてしまい、あまり手を付けていませんでした。
しかし、自分の薔薇栽培の経験値を上げるためにも、2021年はイングリッシュローズを購入して育ててみようと思い立ちました。
それに加えて、育てている薔薇の中に実はオレンジ色の薔薇が一つもありませんでした。
赤や紫色、ピンク色の薔薇はあるのですがオレンジだけは選んでいなかったんですよね…特にオレンジを選択しない理由は無かったのですが、好きになる薔薇の色が濃い色だったので、自ずとオレンジ色が選択肢から外れていっていました。
しかし、自分の子供に大好きな花の色を聞くと「オレンジ色」と即答するんですよね。元気な子供はビタミン色が好きと言いますが、まさにその通りでした。
ということで、オレンジ色の薔薇も取り入れてみようと思い、イングリッシュローズの「ジュード・ジ・オブスキュア」を選ぶに至りました。
苗のお迎えと植え替え (2021年3月)
2021年の2月にジュードジ・オブ・スキュアのネット販売を見ていたのですが、多くの通販サイトで売り切れの文字…。人気のイングリッシュローズ…流石としか言いようがありません。
しかし、2021年3月に京都の松尾園芸さんにお邪魔すると、何とジュード・ジ・オブスキュアの大苗が3株もあるじゃないですか!?
即決で一番元気の良さそうな大苗を1株購入しました (次の写真) 。
購入したのが3月初旬だったので、既に新芽の芽吹きが始まっている状態でした。
流石に購入時のポットでは1年間育てる事ができないので、購入したその日のうちに7号鉢に植替えを行うことにしました。新芽は動き出していますが、まだ大丈夫でしょう!
次の写真は、ポットから抜き出した時の状態です。
イングリッシュローズの根をじっくり見たことは無かったのですが、日本の薔薇とはやはり台木が違いますね。凄い剛直な根が張っていることが見て取れます。
まだ白根は発達していない状態でした。
予想ですが、休眠期のイングリッシュローズを裸苗で輸入し、それをポットに植え付けて販売した直後の状態という感じです。(苗を鉢から出してみると、根鉢は無く、土がボロボロと崩れていきました。)
この苗を京都・松尾園芸さんのオリジナルの薔薇培養土で植え付けました。下の写真が植え付け後の様子です。
やはり薔薇は綺麗な鉢に植替えたほうが様になりますね。新苗も大苗も、枝だけの状態でも何となく様になると思えます。
植付け時の芽吹きの様子はと言うと、だいたい2cmくらいの新芽が芽吹き出している様子でした。(下の写真を参照ください)
春の新芽の成長と芽かきの作業について
植付けから2週間経つと、ジュード・ジ・オブスキュアも休眠状態から完全に目覚めて、新芽がぐんぐん伸びてきます。
ここでは、ジュード・ジ・オブスキュアの新芽の特徴や芽かきの必要性について記載していきたいと思います。
植付けから2週間後の様子
下の写真が植え付けから2週間後のジュード・ジ・オブスキュアの状態になります。
植付け時と比べると、新芽がかなり成長してきていることがわかります。
イングリッシュローズとなると、新芽の芽吹き方や葉の形状が他の薔薇とは異なるのかなぁ…と思っていましたが、ほとんど変わりは無いですね。
薔薇の殿堂に選ばれる様な品種の様に樹勢が強いわけでは無いので、新芽が暴れるように育っていくような様子もありませんでした。
どちらかと言うと、春の芽吹きの季節であっても、ゆっくりとじっくりと育っていくような特徴と言えます。
大苗で購入したこともあり、茎の長さも短い状態なので、根元からも元気な枝が芽吹いてきています。将来を担う枝になってくれそうな予感がします。
葉は艶が無く鮮やかな緑色
薔薇は品種によっては葉の特徴がことなります。
鮮やかな緑色のものや黄緑に近いもの、また艶があるや艶が無いものなど、品種ごとに特徴を持っています。
ジュード・ジ・オブスキュアの葉については、艶がほとんど無く鮮やかな緑色とをしています。
新芽が伸びて新しい葉が展開してきた段階から艶はほとんど無く、緑色の状態でした。
御参考までに葉の特徴も載せておきます。
芽かきの必要性について
次に3月の芽かきの作業についてですが、2年生大苗で購入したジュード・ジ・オブスキュアは芽かきをする必要がほとんどありませんでした。
枝の量もそこまで多くないので、芽かきの必要が無かったという表現の方が正しいかもしれません。
一つの発芽点から複数の新芽が出ている場所を一か所だけ芽かきを行い、その他に込み合いそうな場所の芽を一つだけ摘み取りました。
ただし、夏以降に枝の数が増えて葉が混み合うようであれば、適切な芽かきは必要になると思います。
植付けから25日後に最初の蕾を確認
植付けから25日経過した後のジュード・ジ・オブスキュアが下の写真となります。
新芽も元気に成長して、蕾が出てきそうな枝が多くなってきました。
そして、この写真を撮っている同じ日に、今年の最初の蕾を確認することができました。
ここでは、蕾の写真や花枝の特徴などをお伝えしたいと思います。
細い花枝の先に蕾を付けることが特徴
ジュード・ジ・オブスキュアの蕾を見たのは、これが初めてのことになります。
イングリッシュローズ自体、あまり育てたことが無かったのですが、比較的細い花芽にもしっかりと蕾を付けてくれるんですね。
私が今までに育てた薔薇の中で、最も繊細な花芽 (茎) を持つのは天使の薔薇「ガブリエル」ですが、その茎と比べると少し太いです。
上の写真では、ちょうど竹串くらいの細さの枝から蕾が出始めています。
これから蕾が大きくなるにしたがい、蕾の重さに耐えるために、枝の太さも太くなると思いますが、現時点ではどちらかと言うと華奢な感じがある枝です。
また、上の写真でもお分かりいただけると思いますが、葉の色は鮮やかな緑色をしています。新しい葉は、若干赤みがかった様な色をしていますが、すぐに赤みが抜けて鮮やかな緑色に変化します。
この綺麗な葉を多く残したいですが、4月以降は病気との戦いになるのでしょうか…。耐病性があると聞いているので、薬剤はなるべく少なくして管理したいところです。
蕾の摘心は蕾の数を考えて実施すべき
ジュード・ジ・オブスキュアは花芽の頂点に複数の蕾を付ける場合と1つだけ蕾を付ける場合があります。
花芽や株の状態で蕾の数は決まるのですが、あまり蕾が多くないようであれば摘心をせずに咲かせてしまっても良いのかと思います。
大苗で植え付けた年については、枝の数もそこまで多くないので、植え付けた初年度の春は摘心を行いませんでした。
夏以降については、株の成長を見ながら摘心を進めていきたいと思います。夏の花があまりにもひどかったら、夏には咲かせないという選択肢もアリだと思いますね。
植付けから1か月半で開花直前まで蕾が成長
植付けから1カ月半、ちょうど4月中旬になり、蕾がかなり大きく成長してきました。
ジュード・ジ・オブスキュアは房咲きになる花芽もあるため、下の写真の様に蕾が複数出てくる場合があります。
さて、そんな4月中旬になりますが、ジュード・ジ・オブスキュアの成長で気付いた点を2つ紹介したいと思います。
株の樹形は「直立」では無く「横張り」に
ジュード・ジ・オブスキュアの成長に関して、一つ目の特徴は「横張り」の性質です。
半つる性の薔薇なので、どうしても茎が直立には伸びにくくなります。
そのため、下の写真の様に、鉢 (7号) に対してかなり樹形が膨らむような状態になってきます。
一部の花芽は直立状態で成長していますが、新芽の出る向きが横を向いていた場合には、確実に横方向へ茎が伸びていきます。
そのため、狭い場所での栽培には少し向かないように思います。庭への地植えや少し広い場所での鉢植えに向いている品種と言えるかと思います。
現時点で横幅が50cmくらいはあります。
「1番花の剪定後に、どのように新芽が伸びていくのか?」と言う点も気になるところですね。
ブラインドが少し多いのが気になりました
もう一つ気付いた点は「ブラインド」になる新芽が少し多い様に思えました。
ブラインドとは、蕾が付かなかった新芽の事になります(下の写真を参照ください)。
かな立派に伸びた新芽であっても、写真の様に蕾が付かない場所が多々ありました。
植え付けた年の春は、合計で10本の新芽が伸びてきたのですが、そのうち4本がブラインドとなっていました。
特に株元に近い下の方から発芽した新芽がブラインドになりやすい傾向です。
薔薇の頂芽優勢の性質を反映しての事かと考えられますが、やはり上にある枝ほど立派に育つのでしょうね。
ただし、ブラインドの数については育成状況や栽培環境に大きく影響を受けるので、あくまでも参考の情報として紹介させていただきました。
4月中旬には台木の芽も伸びてきました → 除去しましょう
4月の中旬になりますが、薔薇の活動が活発になると、次の写真の様に株元から見覚えの無い芽が伸びてきました。
クラウン部分から生えてきているわけでは無いので、ベーサルシュートではありませんし、ジュード・ジ・オブスキュアの葉とは異なる形をしています。土の中から発生しているようにも思えます。
これは、接ぎ木で作られた薔薇の台木 (野バラ) から出てきている新芽になります。
つまり、ジュード・ジ・オブスキュアの花を咲かせる芽ではなく、野バラを咲かせる新芽になります。
この芽は伸ばしても得は無いので、見つけたら早めに株元から除去してしまいましょう。
これまで、日本で接ぎ木された薔薇の苗ばかり購入していたので、野バラの芽が出て来たのを初めて見ました。イングリッシュローズは日本とは異なる台木を使っているということですので、その影響もあるのかもしれませんね。
5月前半に1番花の開花を迎えました
5月前半に最初の花が開花し、その後に約10日かけて全ての蕾が開花し終えました。
ここでは、花の形や香り、開花時の樹形、そして花もちについても紹介します。
花の形や香りは?開花時の樹形についても紹介
4月後半にかけて一気に蕾が成長し、次の写真の様にオレンジ色の花弁が姿を現し始めました。
まさに開花の直前と言う感じの蕾の状態ですね。
そして、5月初旬にこの蕾が開花し始めた姿が次の写真になります。何とも言えない可愛いらしい咲き方をしてくれています。
ボールの様にまん丸な蕾から、光沢のあるオレンジ色の花弁が紐をほどいたように開花してきます。
そして、上の写真を撮影した翌日に開花を迎えました。1番花の開花時の直径は約10cm程度です。(次の写真参照)
花の形や花弁も素晴らしいのですが、何よりもその香りが最高です!
ジュード・ジ・オブスキュアは香りが本当に素晴らしい薔薇であると聞いていましたが、その通りです!
「ブルー系」と「シトラス系」の香りに、少し「甘さ」を混ぜ込んだ様な香りで、そのまま芳香剤・香水にしたいと思えます。
また、開花時の樹形についても以下に写真を載せておきます。
上でも記載しましたが、ジュード・ジ・オブスキュアは半つる性の薔薇ですので横張り性が強くなります。
鉢は7号鉢を使用していますが、鉢の直径に対して、ジュード・ジ・オブスキュアの株の幅が3倍程度となっています。
また、蕾が大きく重くなるため、それによっても横張り性が強調されてしまっている印象を受けます。
この株はスマートな株に育てる予定なので、春の開花後の剪定では、しっかりと切り戻してあげたいと思います。
剪定については、春の開花後にこの記事をアップデートしていきます。
ジュード・ジ・オブスキュアは花もちが少し悪い…
ジュード・ジ・オブスキュアの花は上記の通り、とても素晴らしいものがあります。
しかし、花に関して一つ欠点がありました。それが「花もちが悪いこと」です。
花弁がとても柔らかく、香りが強いという繊細な薔薇であるが故に花もちが少し悪いです。
一般的に薔薇は香りが強いと花もちが悪いと言われますが、その傾向に合致するような特徴です。
開花し始めると、完全に花が開く前に、下の写真の様に徐々に花弁が垂れ下がってきます。
開花して3日経たないうちにこのような状態になってしまいます。
栽培条件や気候も関係しているのかと思いますが、私が育てている薔薇の中でも花もちが悪い方です。
「美人薄命」と言う言葉がありますが、ジュード・ジ・オブスキュアはまさにその言葉に合致するような薔薇ですね!
でも、そのデメリットを用意に補うくらい、花の形や香りは素晴らしい薔薇であると思います。
春の開花後の剪定方法について
春についた蕾が全て開花を迎え、花柄摘みも完了しました (次の写真) 。
上でも記載の通りですが、かなり横張性の強い半つる性の薔薇という感じを受けます。
このまま放置しておくと、次の新芽がさらに横方向へ伸び、地を這うような成長をしそうです。
ただ、私の家では基本的にスマートに薔薇を育てる事にしているので、このままではいけませんね。
しっかりと切り戻して、邪魔にならないように育てる事とします。
新芽の出る方向を確認しながら、春の枝を約半分くらい切り戻してあげて、次の写真の様にすっきりとした状態にしてあげました。
また、この剪定のタイミングで、花を咲かせることが出来なかった元気の無い古い枝は剪定しています。
さらに、ブラインドになってしまっているような細すぎる枝も全て除去しています。
ジュード・ジ・オブスキュアは、「四季咲き」ではなく「返り咲き」ということですので、次の花が咲くタイミングはいつになるのでしょうか?
夏にも蕾を付けるのでしょうか?
そのあたりを気にしながら、夏へ向けた管理を進めていきます。
6月中旬に2番花が開花 (春の剪定から約40日後)
「返り咲き」の品種ということで、初夏から夏の開花には期待をしていなかったのですが、予想に反して6月10日に2番花の蕾を確認できました。
初めてジュード・ジ・オブスキュアを育てるので、今年は夏も含めて蕾の摘心をせずに開花させることにします。
春の1番花の剪定が終わってから約1カ月のタイミングですので、そう考えると、かなり樹勢と開花性が強いような印象もありますね。
そして、蕾の確認をしてからさらに2週間後 (6月24日) になりますが、2番花が無事に開花しました (次の写真参照) 。
花の大きさは春の1番花に比べて約1/2と超小ぶりな花ですが、ジュード・ジ・オブスキュアの特徴であるコロンとした花となっています。また、2番花の香りについては、春の1番花とあまり変わらないくらいの強さがあります。
花弁数に関しては、春の1番花に比べると確実に少ないですね。花弁数を数えていないので正確なところは言えませんが、花弁数が1番花に比べて2/3位になっています。
とはいえ、イングリッシュローズの素晴らしさが感じられる2番花となりました。
また、2番花が開花した時の株姿も下の写真に載せておきます。比較のために、左の写真が春の剪定のときのもの、右側の写真が2番花が開花した時の姿となります。
横張性は常に出る感じではありますが、鉢植えであるということも有り、梅雨の時期でも株自体が暴れるように育つような事はありません。ある程度、コンパクトな株姿を保ってくれている印象です。
2番花の蕾は、合計で6個となりました。春の様に一斉に開花するのではなく、それぞれの蕾の成長は異なっており、順番に咲いていくような開花となりました。
夏剪定を行って秋の開花に向けた準備!
年々気温が高くなり、残暑も厳しくなる日本ですが、最高気温が30℃くらいになってきたら多くの薔薇達が夏剪定の時期を迎えます。
ジュード・ジ・オブスキュアについては、新芽の成長から開花までの期間が平均的な薔薇でしたので、他の薔薇達と同時期に夏剪定を実施です。
(最高気温が35℃の中で夏剪定すると、薔薇の成長が夏のモードなので、あまり美しい秋薔薇が咲かないと思っています。)
ジュード・ジ・オブスキュアは、夏の暑い時期は成長速度が鈍くなり、あまり枝が暴れるようなことはありませんでした。そのため、夏剪定で切るべき枝はそこまで多くない状況でした。
下の写真で、左側が夏剪定の前の様子、右側が夏剪定を行った後の状態です。
写真をご覧いただいてお分かりの通りかと思いますが、長く伸びた枝を切り戻す程度の夏剪定としました。
また、ジュード・ジ・オブスキュアを夏の間育てていて気付いたことですが、夏バテに強い品種なのでは無いかと思います。
薔薇の中には、水切れをしていなくても夏バテの状態になり葉を落としてしまうような品種もあるのですが、ジュード・ジ・オブスキュアは株全体に緑色の健康的な葉が残っています。
黄色くなった葉を適宜除去していたわけでは無く、特別な管理方法があったわけでもありません。
しかし、ほぼ全ての葉が健康的な状態で2021年の暑い夏を乗り切ました。
これは、イングリッシュローズの中でも耐病性などに優れていると言われていジュード・ジ・オブスキュアの「強さ」なのかもしれませんね!
これだけ多くの健康的な葉が残ってくれていれば、秋薔薇の開花も楽しみになりますね。
ジュード・ジ・オブスキュアの秋の開花
夏剪定を行ってから約1か月半が経過した10月半ばになりますが、ジュード・ジ・オブスキュアが秋の開花を迎えました。
しかし、結論から述べると、秋の開花は少し残念な結果となってしまいました。
下の写真が秋の開花時のジュード・ジ・オブスキュアの樹形となります。花が一つだけ咲いているのがお分かりいただけるかと思います。
しかし、この開花した花は次の写真の通り、完全に開花することは無く、少しだらしない形で開花が終わってしまいました。水切れなどの影響は無く、一般的な薔薇の育て方を実践してもこのような結果になってしまいました。
また、他にも4つほど蕾が形成されたのですが、それらは開花することがありませんでした。
残りの蕾は次の写真の様に、硬く閉ざされたままで、月日が経過しても変化が無く、完全に蕾の成長が止まった状態でした。
開花してくれることを祈ったのですが、蕾が黒ずんできたので、泣く泣くすべての蕾を切り落として休眠へ向けた準備をしていくこととなりました。
「ジュード・ジ・オブスキュアは、秋の開花は得意ではないのかもしれない…」と想像しましたが、来年も引き続き育ててみて、様子を見たいと思います。気候が関わっている可能性もありますし!
また、ジュード・ジ・オブスキュアは冬支度を始めるのが少し早いような印象です。
次の写真は11月20日に撮影したものですが、既に下葉の色が黄色くなり始めています。
この後、11月末には葉を落とし始めて、我が家で育てている薔薇の中では休眠の準備が早い部類となりました。
そして、12月中旬にはほぼ全ての葉が落ち、枝だけの状態となり休眠状態へ移行しました。
この後は、1月に冬の剪定を進めていきます。
ジュード・ジ・オブスキュアに農薬 (薬剤) は必要?
「ジュード・ジ・オブスキュアに薬剤は必要か?」と言う観点で、私の考えと実際の管理方法を述べておきたいと思います。
ジュード・ジ・オブスキュアは、イングリッシュローズの中でも耐病性が高い品種として知られています。
薔薇栽培を趣味にしている方からしたら、薬剤散布は出来る限りしたくないですよね?
ということで、ジュード・ジ・オブスキュアの大苗を植え付けた初年度は、黒星病やうどんこ病などの病気を抑える農薬 (殺菌剤) を基本的に使用しない方針で育ててきました。
ただし、虫の飛来だけはどうしても防ぐことはできないので、葉が芋虫に食べられてしまわないように、オルトランを土の表面に撒いておくことだけはしております。
2021年の春の一番花、6月の2番花、そして秋の開花が終了した時点ですが、殺菌剤を使用せずに育てる事ができています。
軒下では無く、雨ざらしの状態で栽培していますが、病気の発生は現時点で皆無です。
薔薇は株の下の方にある葉が病気に弱い特徴があるのですが、上記の写真の通り、秋の開花後にも全ての葉が健康的な緑色をしております。
正直なところ、イングリッシュローズは「病気に弱い」というイメージがあったのですが、良い意味で予想に反する結果となりました。
ジュード・ジ・オブスキュアは、病気に強いイングリッシュローズです!
この記事の終わりに
この記事では、イングリッシュローズの品期品種「ジュード・ジ・オブスキュア」の栽培記録を紹介させていただいております。
現時点で、植え付けた2021年3月初旬から夏剪定を終えた2021年12月中旬までの約10カ月の記録となります。
この後は、冬の剪定方法も更新していこうと思います。
もしよろしければ、またお時間ある際にこのページの更新状況を御確認いただけましたら幸いです。
最後になりますが、ジュード・ジ・オブスキュアを家にお迎えしようと考えている方にとって、本記事が有益な情報となりましたら幸いです。