天使の薔薇として有名な河本バラ園さんの傑作「ガブリエル」が2020年の2番花を咲かせました。
5月の中旬に1番花の剪定を行っていたので、2番花がこの時期ということは、本当に花期の間隔が短く、四季咲き性の強い品種の様に思わされました。
私の家では、玄関先で咲かせているので、花の数が多い事や次の花の咲く花期が短いことは嬉しいことではあるのですが、薔薇の株自体に無理をさせたくはないので、摘心による花数の制限も必要だと思います。
この記事では2番花までのガブリエルの管理と、2番花の特徴などを細かく御紹介したいと思います。ガブリエルの1番花のレポートについては、下のブログカードの記事でまとめています。
1番花から2番花までの期間は?
2020年の1番花が咲いたのが5月10日頃でした。
そして、1番花が終わり剪定を行ったのが5月15日頃です。
そして、今回紹介している2番花が咲いているのが6月23日ということで、約40日での2番花の開花ということになります。
一般的な薔薇は45日から50日くらいで次の花を咲かせるというのが平均的なので、若干早く2番花を咲かせてくれた印象です。
ただし、2番花の中で最も早く咲いたのが40日であり、他の2番花の蕾はまだ開いていないものも多くあるので、平均的に見れば45日から50日くらいになるのかと思います。
1番花の剪定後の肥料管理は?
1番花が咲き、剪定を終えた後の管理についても紹介したいと思います。
1番花が咲いている最中になりますが、5月10日頃にお礼肥として薔薇用の化成肥料を規定量与えました。
普段は液肥も使用しているのですが、液肥と化成肥料の組み合わせは肥料濃度が高くなり、ガブリエルのうどんこ病を誘発する恐れがあったので、液肥の使用は控えておきました。
ただし、化成肥料に併用して活力剤は週に1度与えるようにして、根の成長と株の充実を図って育てていました。
新しい丈夫なシュートはまだ出ていませんが、再度シュートも現れており、全体としては充実した株姿になってきていると感じます。
何よりも充実していると感じるのは土の乾き具合です。朝に水を与えても、夕方になると表面付近はかなり乾いており、根が丈夫に育ち水分を吸収していることが見て取れました。
ガブリエル2番花の特徴は?
花の大きさが少し小さい
花の大きさですが、やはり1番花に比べるとサイズは小さいですね。
1番花は直径10cm位はあったのですが、2番花は目に見えて小さく約7cm位です。現時点で5つほどの2番花が咲いているのですが、大体どれも7cm位です。
これは、気温が高くなり25度を上回る日がほとんどになってきたため、新芽が出てから蕾が形成されるまでの期間が短くなり、蕾が大きく成長する前に開花を迎えてしまうためです。
春の一番花は、2月下旬に芽吹いて5月のゴールデンウイークくらいに開花を迎えるので約70日くらいの準備期間があるのですが、2番花は約45日で開花したため、35日も早い開花になるのです。
気温の上昇によるものと植物の育成条件に依存したものなので人間が開花期を抑制することはできないのですが、小さな花は見ても仕方ないというお考えの方々は、摘心してしまうのも手だと感じるところもあります。
香りの強さが少し弱い
香りの強さは、私の臭覚でのチェックですが、1番花よりも香りが少し弱いと思います。
1番花の時には、玄関に出ただけでガブリエルが咲いているのが分かるくらい強烈なブルー系の香りを放っていたのですが、2番花はそこまで強くありません。
これも開花までに要する時間が短いことが影響していると思われますが、ガブリエルの特徴である素晴らしいブルー系の香りが弱くなってしまうのは残念ですね。
ただし、他の薔薇に比べたら確実に香りは強いのでご安心ください。
紫色が薄い印象
ガブリエルと言えば、花の中央付近が淡い紫色になる花が特徴なのですが、2番花はその紫色が薄かったです。
1番花の時には綺麗な紫色が現れてくれていたのですが、2番花は紫というよりは白色にかなり近い薄~~~い紫色です。
ガブリエルのタグやインターネットでの写真の様な淡い紫色は出なかったので、これも花期の短さの影響かと思われます。
うどんこ病が出ませんでした
実は1番花の時には、下の写真に示すように、蕾の付け根の部分にうどんこ病が多く発生してしまいました。
うどんこ病は肥料に含まれる窒素量をねが多く吸収すると出やすくなり、春の1番花の蕾には多く見られた病気です。
しかし、2番花はじっくりと育つのではなく、気温の高さでぐんぐん成長していったため、窒素がどんどん消費されてうどんこ病が出にくい環境になったのかと推測されます。
蕾の付け根だけではなく、葉にもうどんこ病が全く出ていません。
梅雨の時期は黒星病が出やすい?
梅雨の時期になり雨が続くと発生しやすいのが黒星病です。
ガブリエルは玄関先の軒下で管理しているので、黒星病が出にくいのではないかと予想していたのですが、少し甘かったですね。
少し葉が込み合い、湿度が高い状況でもあったので、下の方の葉に黒星病が出始めていました。
葉の数が多い状況なので、黒星病と疑われる葉は全て除去してあげました。
しかし、一気に蔓延するのではなく、一部の葉に黒星病が出ているだけなので、軒下という特等席で育てている効果が出ているのではないかと思っています。
梅雨時期は葉が込み合うので葉の整理が必要
梅雨の時期は2番花の花芽に加えて、1番花の花芽で作られた葉もあるため、葉が一気に込み合う状況になります。下の写真は6月初旬のガブリエルの株元に近い部分ですが、葉がモリモリと育ってくるのであっという間に通気性が悪くなります。
そのため、梅雨の時期こそ葉の整理をする必要があると毎年感じるところがあります。
大事に管理してきた薔薇の葉を除去するのは、ちょっと心が痛い所もありますが、放置しておいてハダニや病気の温床になるよりかは整理したほうがマシです。
皆さんも心を鬼にして適切な葉の整理を進めていきましょう。ガブリエルだけではなく、全ての薔薇に言えることだと思います。
害虫被害がありましたが早期対応で被害最小に
6月初旬になりますが、害虫被害もありました。
ホソオビアシブトクチバという蛾がガブリエルに卵を産んでいき、数匹が孵化したため葉の一部が被害を受けました。
下の写真が被害を受けていた葉ですが、このように葉の一部分が無くなるような症状が出たら害虫の可能性がほぼ100%ですね。
ホソオビアシブトクチバが産卵した葉が特定できたので除去して、さらにオルトランを散布して被害を最小限に食い止めています。
害虫はスピード勝負です。発見したらその時に対処するようにしましょう。
朝のお出掛けの時間に薬剤を作って散布することはできないので、薔薇の総合殺虫剤&殺菌剤のスプレータイプがあると便利です!
この記事の最後に
この記事では、天使の薔薇「ガブリエル」の2020年度の2番花の紹介と、2番花までの管理方法について説明させていただきました。
ガブリエルの2番花としては、花のサイズは小さくなり、特徴的な淡い紫色も薄くなる印象があり、1番花と比べると少し物足りなさがありました。
これは気温が上がったことにより、短期間で蕾が形成されて開花を迎えたためであると思います。
しかし、ガブリエル特有の素晴らしいブルー系の香りは健在です。また、花期の間隔が約45日という短期間での開花となりましたので、連続開花性も良い薔薇だと思います。
ただし、調子に乗って咲かせ過ぎると株が弱くなったり、新しいベーサルシュートが出にくくなったりすると思われるので、一部の蕾は摘心が必要かと思います。