各品種のクリスマスローズをドライフラワーで楽しむ

1月の寒い時期に花芽を出し、2月頃から春先まで花を咲かせてくれるクリスマスローズ。

花が少ない時期に庭や花壇を彩ってくれることや、品種が多く作出されていることから、平成から令和の園芸業界で大人気となった園芸品種です。

また、年間を通じて緑色の大きな葉を展開してくれることから、グラウンドカバーとしてのも活躍してくれる、本当に万能な植物だと思います。

一重咲き(シングル)、八重咲き(ダブル)、黒色、紫色、ピンク色…花壇の雰囲気や場面に合わせて好みの品種が選べることに加え、コレクション性もあるため、好きな方は数十株 (またはそれ以上) を栽培されている方もいらっしゃいます。

今回の記事では、そんな大人気のクリスマスローズのドライフラワーにチャレンジしてみようと思います!

クリスマスローズのドライフラワーって、個人的にはあまり聞いたことが無いのですが、出来るのか否か…

シングルタイプとダブルタイプのクリスマスローズをドライフラワー化し、ドライフラワーの美しさの比較をしたり、色の変化なども紹介したいと思います。


Advertisement

クリスマスローズをドライフラワーにしようと思ったきっかけ

まず最初に、クリスマスローズをドライフラワーにしてみようと思ったきっかけからお話したいと思います。

クリスマスローズを育てたことがある方であれば御存じかと思いますが、クリスマスローズは、下の写真のように、花が地面を向いて咲く性質があります。この写真は、2021年の我が家の花壇です。

一般的な草花であれば、花は太陽の方向を向いて上向きに咲くのですが、クリスマスローズの場合には逆になります。

なぜ、下向きに花を咲かせるのかは、正確な理由は分かりませんが、長い進化の過程で下向きが最も最適だと判断したんでしょうね…。とある雑誌では、虫の飛来を誘発するのが一つの理由とありましたが…本当なのでしょうか?

このように下向きに咲いてしまうと、綺麗な花を全く見ることができないんですよね。近年では、花の鑑賞性を上げるために上向きに咲くクリスマスローズも育種されていますが、まだまだ下向きのクリスマスローズの方が多いです。

また、クリスマスローズは開花期が2月から5月頃までに限られます。3カ月間続けて花を咲かせてくれるのではなく、1つの株が開花させるのは約1か月くらいの短い期間です。年間を通じて咲いてくれたら嬉しいのですが、そうもいきません。

「下向きに花が咲いてしまうこと」、「花が楽しめる期間が限られている」という2つの悩み事を同時に解決できるのはドライフラワーしかない!と思ったわけです。

ドライフラワー化する際には、乾燥のために逆さにして吊るしておくことになるので、下向きのクリスマスローズの花も上を向いてくれるだろう…と思います。

このような経緯があり、クリスマスローズのドライフラワー化が可能か否かやってみることにしました。

クリスマスローズの花の構造について

クリスマスローズの花は、綺麗に咲いている部分が全て花の様に思えるのですが、実は美しい花弁に見える部分は萼片 (がくへん) です。

下の写真の様に、内側に見えているのは雄しべや雌しべとなり、その周りの部分は全て萼片となり花弁ではありません。

花弁は雄しべと萼片の間に見える緑がかった部分とのことですが、実は進化の過程で花弁は退化してしまったのだとか…。

それにしても、なぜ花弁が退化してしまったのでしょうか?

萼片がしっかりしたものになったので、花弁が不要になったんですかね??

もし御存じの方がいらしたら、コメント欄で教えていただけましたら幸いです。

話をドライフラワーに戻してみると、これからドライフラワー化しようとしている部分は花弁では無く萼片になるということになりますね!

この綺麗な萼片の色は、ドライフラワー化しても残るのでしょうか?


Advertisement

ドライフラワー化するクリスマスローズの種類

我が家では花壇だけでは無く鉢植えでもクリスマスローズを育てているのですが、萼片の数や色の違いで複数品種を選んでみました。

「萼片の数や色の違いによって、ドライフラワー化の難易度が変わるのか?」

「ドライフラワー化によって萼片の色は変化するのか?」

これらの観点で確認をしてみたいと思います。

品種名が分かれば良いのですが、植栽した際のタグが無くなってしまい、品種名が全くわかりません…。

一重咲き (シングル) タイプ

まず最初の品種は、クリスマスローズ独特の色である黒い萼片の品種です。

一重咲きのタイプです。

私は、クリスマスローズのこの黒い萼片に驚き、栽培を決めたことを今でも覚えています。クリスマスローズの栽培のきっかけを作ってくれた品種ですね。

黒い萼片はドライフラワー化で、色が変化するんでしょうか?

次のものは、同じく一重咲きですが、色が薄いピンク色の品種となります。

オーソドックスな色・形となるので、最もドライフラワーにしやすそうなイメージもあります。

八重咲 (ダブル) タイプ

次は人気の八重咲き (ダブル) タイプのクリスマスローズです。

細菌のクリスマスローズは品種改良により、萼片の数が多くなり、豪華に咲くようなものが多く作出されています。

この八重咲タイプが流行って、クリスマスローズの人気により火が付いた感じがありますね。

一つ目は花弁にフリルがかかっているタイプのものですが、このフリルはドライフラワー化でなくなってしまうでしょうね。

次の写真は八重咲の紫色のクリスマスローズでとなりますが、こちらは少しだけ萼片が強いタイプです。

最後の品種は薄いピンク色のフリルがかかった八重咲きタイプです。

ドライフラワー化には茎の長いものがお勧め

クリスマスローズは、薔薇の様に長い茎を持っているわけではありません。

しかし、下の写真の様に、中にはとても長く茎を伸ばしてくれているものがあります。

ドライフラワー化した後、花瓶などで飾る際には茎が長い方が便利なので、なるべく長い茎のクリスマスローズの花を選んでみて下さい。


Advertisement

ドライフラワー化の過程の紹介

では、ここからはドライフラワー化の過程について、紹介していきたいと思います。

① ドライフラワー化の初日

まず最初に、ドライフラワー化の初日ですが、全てのクリスマスローズの花を紐で束ねて、温かい乾燥した窓辺に吊るして干しました。

クリスマスローズの花は吊るすと重力で下向きになっているので、そのまま乾燥してくれれば、花が上向きになったドライフラワーが出来そうな予感がします。

ドライフラワー化の注意点なのですが、乾燥してくると水分を失った茎が細くなるため、結んだ紐が緩くなります。そのため、できれば毎日紐をしっかりと縛りなおしてあげてください。

放置しておくと紐が緩んで花が落下してしまいますので御注意ください。

③ ドライフラワー化の3日後

下の写真が3日後の様子ですが、順調にドライフラワー化が進んできております。

葉の先は少しパリパリに名てきている様子がわかり、萼片の部分も水分が順調に抜けているようです。

② ドライフラワー化の5日後

ドライフラワー化しの5日後になりますが、ちょっと想定外の状態になってきました。

クリスマスローズの萼片はある程度頑丈にできているだろうと思っていましたが違いました…。

黒い萼片のクリスマスローズは、花が蕾の様な状態になり、花が咲いているような状態には見えなくなりました。

紫色の八重咲のクリスマスローズも、萼片が閉じてしまうような状態で、クリスマスローズが開花しているような姿とは少し異なる雰囲気です。

広がっていた萼片を維持する力が重力に負けてしまい、花がしぼんでしまった状態になっているものと思います。

ドライフラワー化の5日目にして、少し暗雲が立ち込めてきました…。

④ ドライフラワー化の完了 (10日後)

ドライフラワー化を始めて10日で完全に乾燥が終わりました。

下の写真の様に、葉も萼片もパリパリに乾燥していて、萼片も上向きになった状態で保存されています。

クリスマスローズをドライフラワー化して分かったことは、萼片は花弁よりも強そうというイメージがありましたが、ドライフラワー化でかなりしぼんでしまうということです。

萼片が開いたそのままの状態でドライフラワー化できるかと期待していましたが、そうはいきませんでした。

もう少し綺麗に開いた状態でドライフラワー化できると思ったのですが、実際にやってみると何の花なのかが分からないような状態です。

特にシングルタイプのクリスマスローズは、萼片が閉じるととても小さな花になってしまいます。そのため、ドライフラワーには向いていないかもしれません。

また、黒い色の萼片はドライフラワーにすると色に鮮明さが無くなり、葉と同じような色になってしまうので、存在感が失われます。ピンクや紫の萼片の方が、ドライフラワー化後も色が綺麗に残りやすいですね。

ということで、クリスマスローズのドライフラワー化は、紫やピンク色の八重咲きタイプがお勧めという結論です!

せっかくドライフラワー化を行ったので、昨年ドライフラワー化したミニ薔薇と一緒に花瓶にさしてみました。(次の写真)

クリスマスローズと薔薇のドライフラワーは意外と相性が良いですね。

ただ、やはり薔薇の方がドライフラワーにしても綺麗ですね。流石、花の女王です。

この記事の終わりに

この記事では、クリスマスローズのドライフラワー化について紹介をさせていただきました。

シングルタイプ、ダブルタイプのクリスマスローズをドライフラワー化してみましたが、シングルタイプよりもダブルタイプの方がドライフラワー化に向いていると感じます。

萼片の数が多いダブルタイプの方が、ドライフラワー化した後の綺麗さが勝っていると思います。

また、萼片の色についてはピンクや紫色のものがお勧めです。個人的には黒い萼片のクリスマスローズに期待しましたが、ドライフラワー化すると鮮明な黒色が褪せてしまい、あまり綺麗な色ではありませんでした。

クリスマスローズが大好きな皆さん、この春はドライフラワー化を楽しんでみてはいかがでしょうか?

ドライフラワーに関連して、下のリンクでは薔薇のドライフラワー化について、適した品種や特徴なども御紹介しています。

最新情報をチェックしよう!