アリウムを鉢植えで育てよう!グレースフルビューティーの実例で詳細に紹介

春になると丸いボール状の花を咲かせることで有名なアリウム。

紫色、白、ピンク、黄色など、様々な色があると共に、品種ごとに花の大きさも変わるため、お気に入りの品種を見つけることも楽しめる園芸品種です。

また、紫色や青色系のアリウムは、薔薇と一緒に植えると色の相性が良いため、薔薇栽培を趣味にしている方の中には薔薇と一緒に植えている方も多いのではないでしょうか?

さらに、アリウムには薔薇の病害虫を防ぐ効果もあると言われているので、とても相性の良い組み合わせですね。

そんなアリウムですが、ガーデンに地植えをされている場面を多く見かけますが、もちろん鉢植えでも育てる事が可能です。

鉢植えで育てる事で、様々な球根植物との寄せ植えを楽しむことができますし、休眠期の球根の掘り上げ作業も容易になります。また、鉢は移動することができるので、ガーデンのレイアウト変更というフレキシブルさがあって良いかと思います。

この記事では、アリウムを少し小さな6号鉢で育てた実例を、アリウムの成長記録と共に紹介したいと思います。

「グレースフルビューティー」と言う非常に美しい品種を例に取り、発芽から葉の成長、そして開花までを写真と共に詳しく掲載していきます。

玄関先やベランダなどの限られた場所でも栽培が可能ですので、春の開花を目指して秋に植え付けてみてはいかがでしょうか?

これからアリウムの鉢植えを作ろうとお考えの方に、少しでも御参考になれば幸いです。


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本記事で育てるアリウム ~ グレースフルビューティー ~

今回の記事で育てるアリウムは、冒頭でも記載の通り、カネコ種苗株式会社さんが発売されている「グレースフルビューティー」という品種になります (下の写真参照) 。

色は少し紫がかったような白色で、何よりも特徴的なのが雄しべの色。

雄しべが紫色をしており、白色の花の中に紫色のアクセントが生まれるような華麗な容姿を持つアリウムです。

背丈は栽培条件にも依りますが、30cm~45cmとのことです。私の予想では、鉢植えで複数の球根を植える場合には、背丈は30cm程度に留まるのではないかと思います。

球根を植える最適期は10月から12月、開花期が翌年の4月~5月になる品種です。

鉢の大きさと培養土の準備

今回使用する鉢ですが、大きなものを用意しようと思えば10号以上の大きな鉢を用意できたのですが、逆にあえて小さな鉢植えで過密に育ててみようと思います。

具体的には、下の写真のプラスチック製の6号鉢を用意しています。ホームセンターで販売されている一般的なものです。

このくらいの小さな鉢でも、アリウムはしっかりと育つのでしょうか … やってみます!

培養土については、草花用の培養土を使用しますが、新品のものを用意しませんでした。

春から夏にかけて寄せ植えに使っていた培養土を再利用したものです。土の再生材を混ぜ込んで、夏の間保管しておいたものになります。

その培養土に、元肥を混ぜ込んだものを使用します。

球根は一袋に5つ入っていたので、全ての球根をこの6号鉢に植えていきます!


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アリウムの鉢への植え付け (10月中旬に植え付けを実施)

次に、アリウムの球根の特徴と植え付け方の詳細を記載していきます。

アリウムの球根について ~どちらが上?どちらが下?~

アリウムの球根を見たことが無い方のために、実際の写真を掲載しておきます。

下の写真がグレースフルビューティーの球根になります。

紫色の表皮で守られており、上の尖ったところから芽が出てきます。ですので、この写真のように、尖った方を上にして植えていくことになります。

アリウムの球根は、他の品種を見ても、この写真と同じような球状の形をしております。

品種によって球根の色や大きさは異なりますが、植え付ける際には芽の出る位置を上にするように注意して下さいね!

鉢への植え付け方法 ~深植え?浅植え?~

アリウムの植え付けは、土の表面から比較的浅い所に埋めるのが一般的です。

今回のグレースフルビューティーについては、土の表面から3cmくらいの所に植え付けるように紹介をされていました。

また、別の品種のアリウムも、土の表面から4cm~5cmくらいの所に植えるような場合が多いです。

少し深くなっても問題無いかと思いますが、10cm以上深く植えてしまわないように注意は必要ですね。

植え付け後の日々の管理方法について

アリウムは日当たりが良く水はけのよい環境を好む植物です。

そのため、鉢植えであれば日当たりが良い場所に移動して栽培をしてあげます。

また、根を健全に育てるためにも、土の乾湿のメリハリは重要です。水やりの際には、土の乾き具合を確認してから行うように気を遣ってあげる必要があります。

特に、植え付けが10月中旬以降になるため、土の中の方は乾きにくい気候が続きます。毎日のように水やりをしていると、球根が腐ってしまう可能性もあるので、植え付け直後の水やりには注意が必要です。

肥料については、植え付けの際に緩効性の元肥を培養土に入れておけば、2カ月くらいは与える必要ありません。

春以降、成長期になると肥料を欲しがるので、液肥も併用して与えていきました。


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植え付けから3か月後の2月初旬に新葉の芽吹きを確認

アリウムの植え付けを行ったのが10月中旬ですが、それから約3カ月の時を経て、2月初旬に葉の芽吹きを確認しました。

下の写真が、芽吹きを確認した時の鉢の様子になります。

関西では冬本番を迎え、寒波がたびたび訪れる時期でしたが、春の開花に向けてアリウムの芽吹きが始まりました。

球根植物は秋に植え付けると、しばらくの間は芽が出て来ないので、本当に芽吹いてくれるのかが心配になります。

そのため、芽吹きを確認できると、ちょっとした感動を覚えますよね!?

まだまだ寒い日が続くとは思うのですが、ここからは葉が立派に成長してくれることを祈るばかりでした。

植え付けから4か月後の3月中旬には葉が本格的に増え始める

寒い冬が終わりを告げ、温かい日が顔を出し始める3月中旬。

アリウムの活動も活発になり、新しい葉がぐんぐん成長してきました。

下の写真に示すように、細長い葉が多数出てきています。

この時期は、基本的には葉の成長がメインとなり、蕾はまだ顔を出していません。

いつ蕾が出てくるのか、待ち遠しいのがこの季節ですね!

植え付けから5か月後の4月中旬に蕾が顔を出しました

春に開花を迎える多くの花が3月後半から4月初旬に蕾を出している中でしたので、アリウムの蕾が出て来ないことが心配でした。

しかし、4月中旬になると一気に蕾が出てきました!(次の写真参照)

細長い茎の先に、丸っこいボールの様な蕾がいくつも形成されていることがわかります。

ただ、一つ心配なのが花芽がまっすぐに空に向かって伸びるのではなく、かなりぐにゃぐにゃの状態で伸びていることです。

もう少し真っすぐに花芽が伸びてくれると思っていたのですが、予想に反して、いろんな方向に蕾が伸びてしまっています。

一つの球根から複数の蕾が出てきてくれているので、花数の観点では多くの花が楽しめそうな予感がします!

植え付けから6カ月後の5月初旬に開花を迎えました!

さて、秋に植え付けてから約半年が経過し、ようやくアリウム「グレースフルビューティ」が開花の時を迎えました。

下の写真が花をアップで撮影したものですが、とても清楚で美しいアリウムとなっています。球根が入っていた袋のタグ写真と同じ様に咲き進んでくれてました。

一つ一つの蕾が順番に開いていくので、咲き始めの段階では、アリウム独特のボール状態にはなりません。概ね5日ほどかけて全ての花が開花して、ボール状になります。

詳細に見ると、白色の6枚の花弁の中に、小さな紫色の雌しべが映える本当に美しいアリウムです。

花弁の形状も非常に美しいです。

今まで見たことのあるアリウムの中でも、最も美しい品種だと思えます。

とても個性的なアリウムと言えるのかもしれませんが、かなりお勧めできますよ。

ただ、一つだけ残念な点を挙げるとしたら…上でも少し記載しましたが…その株姿です…。

下の写真が開花時の鉢全体の写真となりますが、グレースフルビューティの花芽は真っすぐ直立には伸びません。

少し蛇行するような形で蕾が出てくるため、株のバランスが少し悪く見えてしまいます。

(花芽の長さは概ね30cmで、短いものは20cmくらいです。)

また、葉も長いため自立しない特徴があるので、人によっては鉢植えがだらしなく見えてしまうかもしれません。

花芽を直立させたければ、支柱を使ったサポート等の工夫が必須ですね。

花後の管理と球根の掘り上げ

アリウムの花が終わったら、花がら摘みを行い、葉を残したままで管理します。

葉を残すことによって、休眠期 (夏) までの間に光合成が行われ、土の中では来年に向けて球根がしっかりと育ちます。また、分球も進んでいきます。

そして、6月終わりごろになると、下の写真に示すように葉が枯れ始めます。これがアリウムが休眠に入ったサインとなります。

この状態になったら、しっかりと土を乾かせて、球根の堀り上げ作業を進めていきます。

(アリウムは、球根を堀り上げず、地上部の葉を切り落として管理するだけでもOKです!秋には新しい葉が生えてきます。)

実際に、土の中から球根を掘り出した様子が、次の写真です。

もともとは1つの球根でしたが、分球して4つの球根が出来ていることが分かりますね!

この球根を冷暗所で保存して、今年の秋に再び植え付けを行っていきます。

この記事の終わりに

この記事では、鉢を使ったアリウム栽培の一例として、「グレースフルビューティ」の植え付けから開花までを詳細に紹介しました。

アリウムは色や咲き方の違いで、本当に多くの品種があるため、お気に入りのアリウムを探すが楽しくなります。他のお花との混植も楽しめますので、チューリップなどと同様に、春を代表する球根植物の一つと言えますね。

また、アリウムは特別難しい栽培方法も無いので、初心者の方でも比較的簡単に育てられるガーデンプランツです。

本記事で紹介したグレースフルビューティは、純白の花弁の中に紫色の雄しべが映える美しい品種です。他のアリウムには無い特徴と美しさがあると感じました。

花芽が直立しにくいという点は気になりますが、切り花としても家の中で楽しむには、もってこいの品種だと思います。

園芸店などでグレースフルビューティの球根を見つけた際には、是非栽培にチャレンジしてみて下さい。

アリウムの花が終わったら、次は夏に向けてヒマワリの準備も始めないといけませんね!

下のリンクでは、房咲きのミニヒマワリの紹介をしています。

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