【秋の薔薇】花後のお勧めの剪定法を御紹介

10月の秋薔薇の開花が無事に終えると、薔薇を健全な状態に保つために、花後の剪定作業が必要になります。

春の1番花や夏の2番花については、枝が太く5枚葉がある位置で剪定することや、枝の半分くらいの所で剪定するということを意識されていたかと思います。では、秋についてはいかがでしょうか?

秋の花後の処理 (剪定) で悩ましい事は、季節が冬に向かっていくため薔薇の成長自体がゆっくりになること。そして、もう一度花を咲かせられるか?というお悩みだと思います。

また、さらに先の事を考えると、1年で最も重要な冬の剪定が待っているので、冬剪定も考慮した秋の剪定を行わなければならないかと思います。

この記事では、そんな秋の剪定について、私が毎年実践している剪定方法を、理由と共に御紹介したいと思います。


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11月~12月にもう薔薇をもう一度咲かせますか?

最初の疑問・課題は、秋の開花以降の11月から12月に、薔薇をもう一度咲かせるか?という点ですよね。

薔薇は20℃前後の涼しい気候で一番綺麗咲くので、11月後半から12月の20℃を下回る気候では、上手く咲くのか心配なところがあるかと思います。

ただ、四季咲き性の強い薔薇であれば、10月の半ばに剪定をすると11月後半から12月前半にはもう一度花を見ることができます。

そのため、四季咲き性のある薔薇に限られるかと思いますが、10月の薔薇開花の後に、もう一度薔薇を咲かせることは可能です。

私自身、10月の薔薇が咲いた後、四季咲き性の強い薔薇は、休眠させる前にもう一度咲かせることもあります。薔薇が休眠の前にエネルギーを蓄えておくこと、そして疲れさせないという観点では咲かせない方が良いのかと思いまうが、薔薇に咲く意思があれば、それほど大きな問題では無いのかと思います。

10月の花後剪定は高めの位置で切る

10月の剪定はどの位置で切るべき?図で説明

では、10月の花後の剪定はどの位置で切るべきなのでしょうか?

様々な意見はあるのかと思いますが、私自身は比較的高い位置で (花に近い位置) で切るようにしています。

下の図の様に、秋の開花を迎えた薔薇があるとすると、点線で示す位置で切るように意識します。

一般的には、もう少し下にある5枚葉の位置で切ることを推奨される場合の方が多いのだと思います。しかし、それは春や夏の温かい時期の剪定であって、冬に向かって気温が下がっていく中では、それを守る必要は無いと思います。

その理由は2つあるのですが、以下で詳しく説明したいと思います。

理由① 年明けの冬剪定を意識するため

まず一つ目の理由ですが、冬剪定を意識することを考えるためです。

例えば、上で紹介した図の例をもう一度挙げてみます。A, B, Cの位置に点線が引っ張ってありますが、10月にはどの位置で剪定することが良いのでしょうか?ということになります。

薔薇の休眠期に行う冬の剪定時ですが、この時には次の春に向けて本当に太い枝の部分で切ることを意識すると思います。その観点を考えると、冬の剪定の時にこそ、BやCの位置で剪定するということになるかと思います。

勿論、冬剪定の時には1番花や2番花のさらに下の枝で剪定することもあるかと思います。しかし、冬の剪定時に切る位置の自由度を残しておくという観点で、Aの位置で剪定してあげることがお勧めです。

Aの位置で切れば、Aの位置の1段下か2段下の発芽点から新芽が出てくるので、冬剪定の時にBやCの場所で剪定するという自由度を残すことができます。冬剪定の時に来年の樹形を考えた剪定をしたいので、BやCの剪定位置を残しておくことは大切な事だと思います。

11月から12月の薔薇の開花は、あくまでもその年の最後のオマケの薔薇という認識です。休眠期の前に体力を使わせ過ぎることも避けたいので、細い枝の位置で小さな薔薇を咲かせてくれればそれで良い…と思っています。

理由② 12月までに確実にもう一度咲かせるため

10月の剪定以降、薔薇の活動は徐々に休眠へ向けて終息していくことになりますので、12月までに花を確実に咲かせることを考えると、あまり立派な薔薇を咲かせることはできません。

もし上の図で示したBやCの点線の位置で剪定してしまうとどうでしょうか?

BやCの位置は枝が太い場所ですので、薔薇はその枝の太さに比例した新しい太い枝を出そうとします。そして、その新しい太い枝に立派な薔薇の花を咲かせようとします。

12月に向けて気温が低くなり休眠に向かう中、そんなり立派な薔薇を咲かせられるでしょうか?

最悪の場合、蕾が形成されても咲かせることなく冬の休眠に入ってしまう場合もあります。そうなると、その蕾を作った分のエネルギーを損することになります。

そのようにならないためには、なるべく高い位置で剪定して、比較的細い枝で小さな花を咲かせるようなコントロールが必要になるのです。

理由③ 葉を残して休眠前の光合成をさせるため

休眠の前に薔薇にもう一度花を咲かせてもらうにしても、そのまま休眠にいざなうにしても、12月までの期間は光合成をしっかりとさせてあげることが必要です。

薔薇は葉が1枚でも多い方が良いと言われますが、その通りです。あれだけ立派な花を咲かせることと冬の間の休眠を健全に乗り越えるためには光合成による養分の補充が必須です。

その光合成を行う工場となる部分が葉になりますので、その葉を多く残すという意味でも、10月は高い位置で切ることの意味があります。


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10月の薔薇剪定の例を紹介

では実際に、10月の花後の剪定について、実際の例を挙げて紹介したいと思います。

私のブログにもたびたび登場してくれている薔薇ですが、今回も説明に協力をしてもらいました。

プラムパーフェクトの秋の剪定

紫色の美しい花を咲かせてくれるプラムパーフェクトですが、完全に花が開ききったので、10月の剪定を進めます。

上で説明させていただいた通り、可能な限り上の位置で切ることを意識すると、次の写真で示すような位置で剪定をすることになります。

かなり高い位置で切ったつもりではありますが、この位置でも5枚葉が残っており、枝の太さは鉛筆より少し細いくらいなので花を咲かせるには十分な太さが残っていました。

ガブリエルの秋の剪定

次に天使の薔薇「ガブリエル」の秋の剪定です。

ガブリエルは、その花の大きさに似合わず、枝が細いので切る位置に困ることがあるのですが、それでも上で紹介した高い位置で切ることを意識して切っていきます。

次の写真が10月の剪定位置の位置になります。実は黄色の矢印で示す部分からは、既に新芽が顔を出している様子でした。

そのため、この目を利用させてもらう事として、青い点線の位置、つまり花の直下で剪定しておきました。

ガブリエルは今年お迎えした薔薇でして、12月までにもう一度咲いてくれるのかは定かではありませんが、今回はこの位置で剪定して管理していくことします。

この記事の終わりに

この記事では、秋の薔薇の花後の処理、そして10月の剪定方法を御紹介させていただきました。

10月の秋の開花後、12月までに花をもう一度咲かせること、そして冬の剪定を考えると、比較的高い位置で剪定することが好ましいと考えます。

秋の薔薇の管理は、少し迷うことが多い季節ではありますが、大切な事は一つ先の冬の剪定を意識した管理になると思っています。

秋の開花後は高い位置で剪定しておくことで、最も大切な冬剪定時に、切る位置の自由度を確保しておくことができます。

10月も後半になりましたので、我が家でも上記の方法で、多くの薔薇の秋の剪定を進めたいと思います。

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